5 ネットワーク・データ・モデルの概要
この章では、グラフ内のノードおよびリンク(頂点およびエッジ)としてモデル化される機能またはオブジェクトを表すネットワーク・データ・モデルに関連する概念および操作について説明します。
ノート:
ネットワーク・データ・モデルは、Oracle Autonomous Databaseサーバーレス・デプロイメントでOracle JVMが有効になっている場合にのみサポートされます。Oracle JVMを有効にするには、Oracle Autonomous Databaseサーバーレスの使用のOracle Javaの使用で詳細を参照してください。このモデルは、Oracle Spatialネットワーク・データ・モデル機能(または単にネットワーク・データ・モデル)と呼ばれます。この章では、読者が『Oracle Spatial開発者ガイド』に記載されているOracle Spatialの主な概念、データ型および操作を理解していると想定しています。
この章では、Oracle Spatialに関連するいくつかのネットワーク関連の用語について説明しますが、ユーザーがネットワーク・データ・モデリングの基本的な概念を十分に理解していると想定しています。
- ネットワーク・モデリングの概要
多くのアプリケーションで、機能またはオブジェクトは、ネットワーク内のノードおよびリンクとしてモデル化されます。ネットワーク・モデルには、ノード間およびリンク間の接続性の関係、リンクの方向、ノードおよびリンクのコストなどの論理情報が含まれます。 - ネットワーク・データ・モデルを使用するための主なステップ
このトピックでは、Oracle Spatialでネットワーク・データ・モデル機能を使用するための主なステップの概要を示します。また、重要な概念、構造および操作を示します(詳細は他のトピックを参照してください)。 - ネットワーク・データ・モデルの概念
ネットワークは、接続性を使用してオブジェクト間の関係を表す数学的なグラフです。 - ネットワーク・アプリケーション
ネットワークは、アプリケーションで、様々なオブジェクトがどのように相互に接続されているかを確認するために使用されます。 - ネットワーク階層
一部のネットワーク・アプリケーションでは、異なる抽象化レベルでの表現が必要です。たとえば、2つの主なプロセスがリンクで接続された最も高い抽象化レベルのノードとして表され、それぞれの主なプロセスがノードおよびリンクで表現された1段階低いレベルの複数の下位プロセスを持つ場合があります。 - ネットワーク・ユーザー・データ
xxx_SDO_NETWORK_USER_DATAビューを介して定義されたユーザー・データについては、ネットワーク分析中にユーザー・データにアクセスする場合、デフォルトのユーザー・データI/O実装(LODUserDataIOSDO
)が使用されます。ただし、一部のユーザー・データは、ノード表またはリンク表に含まれていないため、xxx_SDO_NETWORK_USER_DATAビューを介して登録できません。 - フィーチャ・モデリング
ネットワーク上の対象オブジェクトをフィーチャとしてモデル化できます。 - ネットワーク・フィーチャ編集(NFE)を使用したフィーチャ・モデリング
ネットワーク・フィーチャ編集(NFE)を使用すると、NFEモデルを作成および管理できます。NFEモデルにより、フィーチャ・モデリング機能が拡張され、Java SwingコンポーネントおよびPL/SQL APIを使用してフィーチャをビジュアル化し、操作できるようになります。 - ネットワーク制約
ネットワーク制約は、ネットワーク分析の計算に対して定義される制限事項です。 - ネットワーク・バッファ
ネットワーク・データ・モデル(NDM)では、ネットワーク表現に加えて対象範囲とコストの情報を取得するネットワーク・バッファ表現が導入されています。空間バッファ・アプローチとは対照的に、ネットワーク・バッファのコスト情報は正確で効率的です。 - ロード・オンデマンドを使用したネットワーク分析
ロード・オンデマンドとは、ネットワーク分析時に、調査がネットワーク・パーティションに到達するまでは、そのパーティションがメモリーにロードされないことです。 - 縮約階層を使用したネットワーク管理と分析
縮約階層は、グラフ内の最短パスを見つけるために使用できます。従来の最短パスアルゴリズム(DijkstraやA*など)よりも優れたパフォーマンスを得られる可能性があります。 - ネットワーク・データ・モデル表
空間ネットワークの接続性情報は、ノード表およびリンク表という2つの表に格納されます。さらに、パス情報を、パス表およびパスリンク表に格納できます。 - ネットワーク・データ・モデルおよびネットワーク・フィーチャ編集(NFE)モデルのメタデータ・ビュー
スキーマ(ユーザー)ごとに、xxx_SDO_NETWORK_xxxxxxおよびxxx_SDO_NFE_MODEL_xxxxxxという2セットのネットワーク・メタデータ・ビューを作成できます(先頭のxxxはUSERまたはALLです)。これらのビューは、必要に応じて、Spatialによって作成されます。 - ネットワーク・データ・モデルのApplication Program Interface
Oracle Spatialのネットワーク・データ・モデル機能には、2つのクライアントApplication Program Interface (API)として、SDO_NETパッケージによって提供されるPL/SQLインタフェースと、Javaインタフェースが含まれます。 - 複数のスキーマが関係している場合のネットワーク・アクセス
ネットワーク所有者以外のデータベース・ユーザーがメモリーにネットワークを読み込む場合は、次のいずれかを実行する必要があります。 - ネットワークの例
このトピックでは、複数のネットワーク・データ・モデルの例を示します。 - ネットワーク・データ・モデルのチュートリアルとその他のリソース
ネットワーク・データ・モデルの学習リソースを利用できます。 - Spatialおよび関連する機能のREADMEファイル
README.txt
ファイルは、次のマニュアルの情報を補足するファイルです。
親トピック: ネットワーク・データ・モデル