グローバル・オーダー納期回答の概要
Oracle Global Order Promisingは、オーダー・アプリケーション(Oracle Order Managementなど)から受け取る品目の販売オーダーを要求日別に履行するのに役立つアプリケーションです。
納期回答では、サプライヤ、ファクトリ、配送センター、倉庫など、サプライ・チェーン全体にある、または使用可能な可能性のある供給が考慮されます。
AS54888 Desktop Computerという名前の品目を販売するとします。 オーダー管理で、AS54888の販売オーダーを、3月10日の要求搬送日で発注します。
- オーダー管理は、これらの詳細を含む要求を納期回答に送信します。 要求では、品目が使用可能かどうかの確認や、履行のための品目のスケジュールおよび予約を行えます。
- 納期回答では、スケジュールを使用し、設定方法に応じて、オーダー管理が要求した日付以内に需要を履行できる様々なソースを参照します。 たとえば、次の中から供給を取得しようとします。
- 製造で品目の供給を作成する作業オーダー
- 供給がすでに存在する場合、組織間で供給を転送する転送オーダー
- サプライヤから品目の供給を購入する購買オーダー
- 納期回答では、品目を提供するソース、履行日などを含む供給詳細をオーダー管理に送信します。
納期回答では、設定方法に応じて様々な方法でこれを実行できます。
- 様々な履行事業所から選択します。
- 作成した有効在庫数量ルールを使用して、サプライ・チェーンにすでに存在する手持供給や移動中の在庫を消費したり、購買オーダー、転送オーダー、または納期回答が供給プランニングから受け取る計画オーダーを介して供給を受けることができます。
- 作成した生産可能数量ルールを使用して、サプライ・チェーンにまだ存在しない供給を作成します。 生産可能数量は、サプライ・チェーンで現在入手できない在庫を作成する能力です。
- オーダー品目を別の品目に代替します。
- 単一の場所から品目を履行するのに十分な供給がない場合、納期回答では、事業所、時間、代替に従ってオーダー明細を分割できます。
サプライ・チェーンを柔軟かつ弾力的にする
サプライ・チェーンの次の例を考えてみます。
仕組み
- オーダー管理では、要求到着日に従って、品目(AS54888コンピュータなど)の納期処理を行うために要求を納期回答に送信します。
- 納期回答では、「グローバル・オーダー納期回答」作業領域で指定した設定を使用して、サプライ・チェーンを調べ、要求到着日までに顧客のサイトに届くように品目の納期処理を行います。
- 納期回答では、約束到着日などの納期回答詳細をオーダー管理に送信します。
サプライ・チェーンには次のものがあるとします。
- サプライヤAおよびサプライヤB
- ファクトリAおよびファクトリB
- 全国配送センター1
- 全国配送センター2
- 全国配送センター3
- 全国配送センター4
- 地域配送センター1
- 地域配送センター2
- 小売店1
- 小売店2
- 小売店3
- 小売店4
- トラック輸送
- 鉄道輸送
このチェーンで様々な代替を考慮するように、納期回答を設定できます。 次に例をいくつか示します。
- 高優先度オーダーの場合のみ、サプライヤA、ファクトリA、全国配送センター2、地域配送センター1およびトラック輸送を使用します。
- 低優先度オーダーの場合のみ、サプライヤB、ファクトリB、全国配送センター1、3および4、地域配送センター2および鉄道輸送を使用します。
- サプライヤBは、サプライヤAが品目を履行できない場合にのみ使用します。
- AS54888品目を作成するには、ファクトリBのみを使用します。 ファクトリAを使用して作成しないでください。 ファクトリBが、要求履行日を満たすのに間に合うように作成できない場合は、サプライヤAから取得します。
- 供給の60%を優先度の高い顧客に割り付け、供給の40%を優先度の低い顧客に割り付けます。
- 1月にはファクトリAとファクトリBを使用しますが、2月にはファクトリBのみを使用します。
納期回答の原則
納期回答では、一連の原則を適用して供給のソースに優先順位を付けます。
原則1: 定時需要を満たす
納期回答の最優先事項は、顧客の要求日を満たすソースを見つけることです。 それが可能でない場合は、次の使用可能日に履行されます。 有効数量のチェック機能を使用して、納期回答で選択したソーシングを再調査できます。 また、これを使用して、様々なWhat-Ifシナリオをテストすることもできます。 詳細は、有効数量のチェックを参照してください。
原則2: 新規供給を作成する前にすでに存在する供給を消費
納期回答では、現在使用可能な供給を最初に使用します。 不十分な場合、納期回答では生産可能数量を使用して資材、リソースまたはサプライヤを消費し、需要を満たすために必要な商品を作成、購買または転送します。
ATPタイム・フェンス機能を使用して、この動作を変更できます。 要求日がフェンスの後に発生する場合、納期回答では、すでに存在する供給を確認する前に、生産可能数量供給とリソースを消費します。 詳細は、タイム・フェンスを参照してください。
原則3: 最小原価のソースの使用
納期回答では、要求日を満たしながら、最小原価の事業所および移動モードを優先できます。 収益対納期を使用する場合、納期回答では製造コンポーネントおよびリソースの原価も考慮されます。
有効在庫数量ルールでPTPルールを使用するかどうかを指定できます。 詳細は、サプライ・チェーン検索での属性の設定を参照してください。
原則4: 事業所の優先度に従ったソース
複数の事業所からソーシングする場合は、顧客、ゾーン、カテゴリ、品目、需要区分など、ソース・ルールで設定した優先度に従って事業所が選択されるように、納期回答を設定できます。 詳細は、割当レベルの設定を参照してください。
原則5: 類似品目を使用した品目の代替
納期回答では、1つのオーダー品目を別のオーダー品目に代替できます。 たとえば、品目がAS54888デスクトップ・コンピュータの場合、AS54888をAS6000デスクトップ・コンピュータに代替できます。 別の事業所に需要を満たす十分な供給がある場合、デフォルトでは、納期回答ではその事業所から供給を消費してオーダーを履行し代替されません。 また、「オーダー管理」作業領域を使用して代替を制御することもできます。 詳細は、履行明細の分割または代替を参照してください。
原則6: 遅延を防ぐためのオーダー明細の分割
納期回答では、要求日を満たすためにオーダー明細を2つの明細に分割できます。 納期回答では、明細がプライマリ品目と代替品目に分割されます。 分割しても日付を満たさない場合、納期回答では時間全体で分割し、数量の一部を定時または最小遅延で搬送し、残りは後で搬送できます。 また、「オーダー管理」作業領域を使用して分割を制御することもできます。 詳細は、履行明細の分割または代替を参照してください。
原則7: 適時に供給を使用
納期回答では、需要を満たしながら最遅可能日に供給を消費します。 この原理によって、要求日がより早いがまだ作成されていない販売オーダーも含めて、要求日がより早い販売オーダーに対して早期に使用可能な供給が保持されます。
有効在庫数量ルールを設定して、納期回答で考慮する供給のタイプを制御できます。 たとえば、経験を通して、購買オーダーの品目のカテゴリに対して予想受入日が信頼できないことが判明した場合は、それらを除外して、手持または移動中の供給のみに依存できます。
例
今日が3月5日で、Computer Service and Rentalsの顧客から1,000台のデスクトップ・コンピュータのオーダーを受注し、要求搬送日が3月10日とします。 サプライ・チェーンの2つのファクトリからソーシングするとします。| 供給 | 上海の数量 | 香港の数量 |
|---|---|---|
| 現在手持 | 200 | 100 |
| 移動中(3月6日に受け取る予定) | 200 | 100 |
| 契約製造業者からのオーダー(3月7日に受け取る予定) | 200 | 100 |
| 計画ユニット(3月8日に作成する予定だが、本番にリリースされていない)。 | 200 | 100 |
| 毎日の生産能力(3月9日以降) | 200 | 500 |
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |
納期回答で考慮できる供給を制限しない場合は、太字のセルで示す上海の有効在庫数量供給を最初に消費し、次に適時に需要を満たすように生産可能数量供給の消費を開始します。
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |
タイム・フェンスを3日に設定すると、納期回答では、太字の生産可能数量供給が最初に使用され、次に太字の有効在庫数量供給が使用されます。 このアプローチでは、3月5日の上海の有効在庫数量供給200ユニットが保持され、これは要求日がより早い他の販売オーダーで使用可能になります。
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |
PTPオプションを有効にし、香港から品目を搬送する移動原価が上海から搬送するより少なく、品目原価が同じ場合、納期回答では、香港の太字の生産可能数量供給から必要なすべての供給をソーシングします。
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |
3月10日の5日間ではなく、3月8日の3日間のリード・タイムのみで顧客が注文した場合はどうなりますか。 分割を有効にすると、納期回答では、上海で使用可能な太字のすべての供給が使用され、残りは香港からの供給が使用されます。
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |
| 約束 | 3月5日 | 3月6日 | 3月7日 | 3月8日 | 3月9日 | 3月10日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 上海、有効在庫数量 | 200 | 200 | 200 | 200 | - | - |
| 上海、生産可能数量 | - | - | - | - | 200 | 200 |
| 香港、有効在庫数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | - | - |
| 香港、生産可能数量 | - | - | - | - | 500 | 500 |