データの集計

集計では、実際のまたは割当済(プロファイル済またはみなし)インターバル・データを、後続の処理のために、ユーザー定義の集計レベルに合計します。集計は、市場参加者レベルまでの集計レベルで、レポート要件、損失の適用および他の要因を含む様々な事由から様々なレベルで発生する可能性があります。通常、集計は、予測、スケジュールおよび決済のために、エネルギー市場参加者のロードのゼロからの推定を作成するために使用されます。

集計は、Oracle Utilitiesメーター・ソリューションの動的集計機能を使用して実行されます。

集計レベル

集計では、インターバル・データを処理のために特定のレベルに合計するため、「集計レベル」という用語の意味を理解することが重要です。簡単に言うと、集計レベルは、そのポイントより下のエンティティが合計される配分チェーンに沿ったポイントです。たとえば、特定のバスに関連するすべてのアカウントを合計する場合、そのバスは集計レベルです。同様に、特定のエネルギー・サービス・プロバイダ(ESP)のすべてのアカウントで使用されるすべてのエネルギを集計する場合、そのESPは集計レベルです。通常、集計は、ジェネレータから最終顧客までの配分チェーンにおいて、ユーザーより下のレベルで実行されます。

集計レベルとして機能するエンティティまたは市場参加者(あるいはその両方)は、ユーティリティが動作している特定の領域および市場に固有ですが、次を含めることもできます。

エネルギー・サービス・プロバイダ(ESP)

エネルギー・サービス・プロバイダ(ESP)は、顧客に電力を販売します。電力を生成したり、他のソースから購入できます。ESPは、小売エネルギー事業者(REP)または単に供給会社とも呼ばれます。

供給会社(DisCo)

供給会社は、顧客が供給会社としてどこを選択したかに関係なく、そのサービス地域(管轄区域)のすべての顧客への電力の供給を担当します。供給会社は、家庭と企業に電力を届ける配電線を所有および運用し、測定、請求およびサービス・コールを担当します。ただし、供給会社は、顧客の電力供給会社と連携している場合も、連係していない場合もあります。供給会社は、事業会社、ユーティリティ供給会社(UDC)または地域供給会社(LDC)とも呼ばれます。

スケジュール/サービス・コーディネータ(SC)

スケジュール・コーディネータ(またはサービス・コーディネータ)は、市場の特定のセグメントの将来の期間(多くの場合1日)の推定使用量を表すエネルギー使用量のスケジュール作成を担当します。多くの場合、スケジュールは負荷プロファイリング・プロセスで生成された結果に基づきますが、履歴使用情報や他のデータに基づく場合もあります。

送配電事業者(ISO)

送配電事業者(ISO)は、地域の送電網を管理して、エネルギーの生成と伝送を調整する非営利法人です。その目的は、安全で信頼性の高い電力供給を保証し、すべての供給会社が無差別に伝送システムにアクセスできるようにすることです(送電網を管理するのはISOですが、所有しているのは営利事業主体です)。米国市場では、ISOは連邦エネルギー規制委員会(FERC)によって規制されています。

決済処理で使用される様々な集計レベルは、「集計グループ」「計量コンポーネント・セット」および集計計量コンポーネントによって定義されます。

集計ディメンション

集計レベル別のデータ集計に加えて、顧客クラス、電圧クラス、損失クラスなどの他の係数別に集計できるようにすると便利です。これらおよび他の係数はディメンションと呼ばれ、計量コンポーネント・セットで参照されます。共通集計ディメンションの一部を次に示します。これらは共通集計ディメンションの例としてのみ示されていることに注意してください。

特定の市場では、ここにリストされているもの以外の集計ディメンションが必要となる場合があります。

顧客クラス

顧客クラスは、顧客またはアカウントのタイプを表します。個人顧客、商用および産業の3つの一般的な顧客クラスがありますが、その他にも普及しているものがあります。さらに、個人顧客、商用または産業クラスに、それらの幅広い各カテゴリ内で個別のタイプのアカウントを表す複数のタイプがある場合があります。たとえば、個人顧客は、アパート、マンションおよび住宅に分割できます。

電圧クラス

電圧クラスは、そのグループのエンド・ユーザーが使用する電圧のタイプに基づいた、顧客またはアカウントのグループを表します。電圧クラスは市場および地域によって異なりますが、共通電圧クラスには、伝送、主および補助が含まれます。電圧クラス別の集計は、多くの場合、システム内の特定の電圧タイプの使用量を追跡するために、レポート目的で実行されます。

損失クラス

損失クラスは、アカウントに関連付けられた損失のタイプ(伝送損失、供給損失など)に基づく顧客またはアカウントのグループを表します。損失は多くの場合電圧レベルに関連するため、損失クラスと電圧クラスの間には一般的に相関関係があります。損失クラス別の集計は決済プロセス全体で損失を計算するときに使用され、必要に応じて、様々な損失クラスで様々な損失計算アルゴリズムを使用できます。

料金クラス

料金クラスは、価格設定に基づく顧客またはアカウントのグループを表します。料金クラスは、使用量、地域、電圧タイプなど、多数の特性に基づくことができます。

これらおよび他のディメンションは、通常、使用連係、サービス・ポイント、設備または計量コンポーネントの属性または特性として定義されます。