ポータルおよびゾーンの理解

ポータルとは、1つ以上の情報ゾーンで構成されたページです。基本製品のページは、固定ページのメタファーを使用するか、またはポータルおよびゾーンを使用して作成されます。

ポータルには大きく3つの種類があります。

  • スタンドアロン。スタンドアロン・ポータルは、ページのメイン・タブがポータルを使用して作成される個別のページです。これらのページは、標準的な方法(メニュー項目やお気に入りリンクから選択するなど)で開きます。スタンドアロン・ポータルのその他のタブは、タブ・ページ・ポータルを使用して含めることができます。

  • タブ・ページ。これらのタイプのポータルは、メニューに添付できません。スタンドアロン・ポータルのタブのゾーンを定義するのみです。

  • ダッシュボード。ダッシュボード・ポータルは、ユーザーのデスクトップのダッシュボード領域に表示される特別なポータルです。そのゾーンには、トランザクションに関係なく、ユーザーのデスクトップに存在するツールおよび情報が含まれます。ダッシュボード・ポータルは1つのみです。基本パッケージには、このポータルといくつかのゾーンが付属しています。実装によって、追加のゾーンをこのポータルに追加できます。ゾーンをダッシュボード・ポータルに追加する必要がある場合は、カスタマ・サポートに連絡してください。

この項では、ポータルおよびゾーンに関する全般情報を説明します。

ポータル・ページ構造

ポータル・ページにはメイン・タブがあり、追加のタブがある場合もあります。このページを構成するには、最初にメイン・ポータルでもあるスタンドアロン・ポータルを作成し、その後は追加のタブごとにタブ・ページ・ポータルを作成してメイン・ポータルにリンクします。コンテンツは、各タブで独立したゾーンを使用して編成されます。

ページ全体が、メイン・ポータルに関連付けられている単一のアプリケーション・サービスによって保護されます。

複数のゾーンで構成されたポータル

ポータルとは1つ以上のゾーンが表示されるページで、各ゾーンには各種データが表示されます。すべてのゾーンはゾーン・タイプを参照します。ゾーン・タイプによって、ゾーンの動作およびゾーンを構成するために使用できるパラメータが制御されます。

ポータルを構成する/しないゾーン

ポータルに関連付けられるゾーンもあれば、関連付けられないゾーンもあります。次に、ゾーンの追加の使用方法について説明します。

  • データ・エクスプローラ・タイプのゾーンでは、入力ユーザー・インタフェース・マップにエンティティの検索を実装できます。これらのゾーンは、外部キー参照レコードで参照することも、UIマップで直接参照することもできます。

  • データ・エクスプローラ・タイプのゾーンでは、ビジネス・サービスを実装できます。後者は、内部プロセスに使用することも、ユーザー・インタフェースのドロップダウンを作成するために使用することもできます。

  • ゾーンは、特定のページまたはポータルがコンテキスト内にあるときにダッシュボードに表示されるコンテキスト依存ゾーンとして定義できます。このタイプのゾーンは、ダッシュボード・ポータルにリンクされるのではなく、コンテキスト・ページまたはポータルのナビゲーション・キーに関連付けられます。

ポータルのゾーンの構成

ポータルには、ゾーンがポータルにデフォルトでどのように表示されるかの構成が含まれています。これには次のオプションがあり、これらはすべて実装によって上書きできます。

  • ゾーンが表示される順序。実装では、シーケンスの上書きを構成して、基本で提供されるポータルでのゾーンの順序を変更できます。
  • ポータルにゾーンが表示されるかどうか。基本製品で提供されているゾーンは表示されるように構成されています。ただし、必要に応じて実装でこれを上書きできます。
  • ゾーンが最初は縮小表示されるかどうか。ゾーンのデータは、展開されているときにのみ取得されます。このため、必要となる頻度が高くないデータについては、最初は縮小されるようにゾーンを構成できます。ユーザーは、情報が必要になったときにゾーンを展開できます。基本製品のポータル/ゾーンの縮小表示設定は実装で変更できます。詳細は、ページが開いたときに最初に縮小表示されるゾーンを参照してください。

柔軟なレイアウト制御

デフォルトでは、ゾーンはポータルの表示領域の全幅にわたりますが、ポータルのレイアウト制御機能を使用して様々な方法で構成できます。

これらの機能を使用すると、ポータル設計者はゾーンのレイアウトをきめ細かく制御でき、ユーザー・エクスペリエンスの向上と、未使用の領域を減らす最適なレイアウトを実現できます。

次に、重要なレイアウト制御オプションを示します。

  • 標準の半幅および全幅オプションに加えて、1/4、3/4、1/3および2/3の幅オプションも使用できます。

  • 表示設定スクリプトによって動的に非表示になるゾーンの処理が向上します。ゾーンが非表示になると、その領域が次のゾーンによって再利用されることがあります(次のゾーンの幅が同じかそれより狭い場合)。

  • ゾーンで新しい行の先頭を定義できます。この定義によって、非表示のゾーンによって影響を受けない、より固定されたレイアウトを設定できます。新しい行の定義によって、縦に表示される1つ、2つまたは3つのゾーンのレイアウトを設定できます。

  • 次のゾーンの高さオプションがサポートされています。
    • 「コンテンツ(高さ制限なし)」では、コンテンツにより高さを決定できます。

    • 「コンテンツ(高さ制限あり)」では、指定した最大制限まで、コンテンツによって高さを決定できます。このオプションを使用すると、特に、長いデバイスや小さいデバイスでゾーンがレンダリングされる場合に、より一貫性のあるポータル・レイアウトを実現できます。

    • 「固定の高さ」では、コンテンツに関係なくゾーンを特定の高さに設定します。

      このオプションも、ポータル・レイアウトの一貫性を高めるために使用できます。
    • 高さオプションを明示的に選択しない場合、ゾーンの高さは無制限で、コンテンツによって決定されます。ただし、データ・エクスプローラ・ゾーンの場合、(ゾーン全体ではなく)結果のグリッド領域自体は、ゾーン・パラメータ「レポートの高さ」(デフォルト値は50%)によって制限されます。

ユーザー作業環境

スタンドアロン・ポータルには、ポータルがユーザーのポータル作業環境に表示されるかどうかを指定する構成が含まれています。「ポータル作業環境に表示」の値を「No」に設定すると、そのポータルはユーザーのポータル作業環境に表示されません。製品で提供されているポータルについては、実装でこの値を変更できます。この設定は通常、ゾーンの一部が一部のユーザーに該当しない場合がある異種の情報を提供するポータルか、またはユーザーがゾーンの順序を調整するポータルについて有効です。ポータル作業環境が有効なポータルの例として、ダッシュボード・ポータルがあります。

ユーザーは、ポータルのゾーン志向の構成を上書きできます。

  • ポータルに表示するゾーン
  • ゾーンが表示される順序
  • ポータルが開いたときにゾーンが最初は縮小表示になっているかどうか。
  • リフレッシュ(秒数)。これは、頻繁に変化するデータを表示するゾーンに適用できます。

実装では、オプションで、1人以上のテンプレート・ユーザーに対してポータル作業環境を定義するようにシステムを構成できます。テンプレート・ユーザーが実際のユーザーにリンクされると、実際のユーザーの作業環境はテンプレート・ユーザーから継承されるため、実際のユーザーは作業環境を変更できません。実装によっては、同じビジネス領域内のユーザーに標準のルック・アンド・フィールを適用するために、このように動作する場合があります。

ユーザーによるゾーンの構成方法の詳細は、「ユーザー - ポータル作業環境」を参照してください。

ポータルからのゾーンの削除

基本製品のポータルから基本製品のゾーンを削除することはできません。実装では、ゾーンがポータルに表示されないように「表示」設定を上書きできます。また、ユーザーがポータル作業環境でゾーンを有効にしている場合、そのゾーンは削除できません。ポータル・リストからゾーンを削除する場合は、最初に、ポータル作業環境でそのゾーンを有効にしているユーザーがいないことを確認してください。

ポータルへのアクセス権の付与

各ポータルにはアプリケーション・サービスが関連付けられています。ユーザーがポータルを表示するには、各アプリケーション・サービスへのアクセス権が付与されている必要があります。

新しいスタンドアロン・ポータルを追加すると、そのアプリケーション・サービスがバックグラウンドで自動的に作成され、ポータル定義の一部として表示されます。ポータルへのアクセス権を付与するには、このアプリケーション・サービスを使用する必要があります。タブ・ページ・ポータルには、個別のセキュリティ・アクセス権は設定されません。ユーザーにメインのスタンドアロン・ポータルに対するアクセス権がある場合、そのユーザーにはそのすべてのタブに対するセキュリティ・アクセス権があります。

アプリケーション・セキュリティがユーザーのポータルに与える影響については、次の点に注意してください。

  • ユーザーの「ポータル作業環境」ページには、ユーザー作業環境で表示するように構成された、ユーザーがセキュリティ・アクセス権を持つポータルのみが表示されます。
  • システムのメニューには、ユーザーがセキュリティ・アクセス権を持つポータルのみが表示されます。
  • ユーザーはすべてのポータルに対してお気に入りリンクを設定できますが、お気に入りリンクを起動するには、ポータルのアプリケーション・サービスに対するセキュリティ権限が必要です。

ゾーンへのアクセス権の付与

各ゾーンにはアプリケーション・サービスが関連付けられています。ユーザーがポータルのゾーンを表示するには、各アプリケーション・サービスへのアクセス権が付与されている必要があります。アプリケーション・サービスへのアクセス権をユーザーに付与する方法の詳細は、「アプリケーション・セキュリティの全体像」を参照してください。

ゾーンのアプリケーション・セキュリティについては、次の点に注意してください。

  • ほとんどの基本製品ポータルでは、すべてのポータルのすべてのゾーンが、ポータルへのアクセス権の付与に使用される同じアプリケーション・サービスを参照します。つまり、ページに対するアクセス権がユーザーにある場合、そのユーザーは、そのページのすべてのポータルにあるすべてのゾーンに対してアクセス権を持つことになります。特定のポータルで、このルールに対する例外がある場合があります。
  • 基本製品のマルチ問合せゾーンでは、個別の問合せゾーンおよびマルチ問合せゾーンは通常、ページのメイン(スタンドアロン)ポータルへのアクセス権の付与に使用される同じアプリケーション・サービスを参照します。ただし、固有のアプリケーション・サービスが提供された個別の問合せゾーンがある場合があります。これは、問合せオプションが一般的ではなく、必ずしもすべてのユーザーやすべての実装に適用されない場合に発生することがあります。個別の問合せゾーンへのセキュリティ・アクセス権がユーザーにない場合、そのオプションはドロップダウンで使用できません。
  • ポータル作業環境に表示するよう構成されている基本製品ポータルでは、ポータルに様々なタイプのユーザーに適用可能な様々なタイプのゾーンが含まれることが普通です。通常、このようなタイプのポータルでは、各ゾーンを表示できるユーザー・グループを実装で構成できるように、ゾーンごとに固有のアプリケーション・サービスが提供されます。このようなタイプのポータルでは、次の点に注意してください。
    • ユーザーの「ポータル作業環境」ページには、ユーザーにゾーンへのアクセス権があるかどうかに関係なく、ゾーンの行が表示されます。このため、ユーザーの各ゾーンへのアクセス権を示す表示があります。
    • あるユーザーに付与されているあるゾーンへのアクセス権が取り消されると、そのユーザーが各ポータルにナビゲートしたときにそのゾーンは非表示になります。
    • ユーザーのアクセス権が取り消されても、ユーザーのポータル作業環境は変更されません(つまり、ゾーンへのアクセス権がない場合でもユーザーはゾーンを表示するように指定できますが、各ポータルが表示されたときにそのゾーンは表示されません)。

メニューへのポータルの配置

新しいスタンドアロン・ポータルを追加すると、そのナビゲーション・オプションがバックグラウンドで自動的に作成され、ポータル定義の一部として表示されます。ポータルをメニューに追加したり、ポータルへの他のタイプのナビゲーション方法を許可するには、このナビゲーション・オプションを使用する必要があります。

ポータルをメニューに追加するには、メニュー項目を対象のメニューに追加し、新しいメニュー項目でポータルのナビゲーション・オプションを参照する必要があります。ポータルのナビゲーション・オプションは、任意の数のメニュー項目に表示できます(つまり、同じポータルを参照するメニュー項目を複数作成できます)。

ユーザーは、「お気に入りリンク」にポータルのナビゲーション・オプションを含めるように作業環境を設定できます。この方法によって、メニューを使用せずにポータルに簡単にナビゲートできます。

ポータル・オプション

ポータルの処理バーに該当する追加の処理を含めたり、保守されるエンティティの標準情報摘要をポータルのタイトルの一部として含めることができるようにするなど、様々なポータル機能が構成オプションによって制御されます。

注意: 新しいオプション・タイプを追加できます。実装によって、その他のポータル・オプション・タイプを追加できます。そのためには、新しい値をカスタマイズ可能な参照フィールドPORTAL_OPT_FLGに追加します。