バージョンおよびコンテンツ移行アシスタント

このトピックでは、2つの環境間でのコンテンツ移行アシスタントの使用に関する、2つの別個のバージョンに関連するトピックについて説明します。

  • アプリケーションの異なるバージョン
  • コンテンツ移行アシスタントの異なるファイル形式バージョン

製品の異なるバージョン

コンテンツ移行アシスタントは、製品の同じバージョンの2つの環境間でデータをコピーすることを主な要件として開発されました。たとえば、開発環境から同じ製品バージョンのテスト環境に構成データをコピーします。

一般的に、コンテンツ移行アシスタントの仕組みによって、製品の2つの異なるバージョン間でデータをコピーする機能が制限されることはありません。ただし、使用する製品において、列が追加または削除されていたり、それらの列で取得されるデータのタイプを変更するために特定のオブジェクトの機能が拡張されていたり、データの取得方法についての検証が変更されている可能性があります。

オラクルの製品は、下位互換性を確保するために、クライアントのアップグレードに関する厳格な標準に従っています。ブループリント・プロセスのアップグレード・スクリプトによって、リリース間で何が変更されたかが認識され、該当する場合はデータが適切に更新されます。コンテンツ移行アシスタントを使用して、製品のあるバージョンから別のバージョンにデータを移動する場合、これらのアップグレード・スクリプトはバイパスされます。これは、予期したとおりにデータが調整されないことを意味します。あるバージョンのオブジェクトのデータが他のバージョンでも互換性があることが確実でないかぎり、このことはお薦めしません。次に、このことについて詳しく説明します。

  • 2つのバージョン間で構造やルールが変更されていないオブジェクトについては、問題は発生しません。
  • 2つのバージョン間で変更されたオブジェクトについては、追加のステップが発生する可能性のあるシナリオがあります。
    • ターゲット環境のバージョンがより新しく、ソースに存在しなかった新しいオプション列がオブジェクトに含まれている場合、インポートは問題なく完了します。
    • ターゲット環境のバージョンがより新しく、ソースに存在しなかった新しい必須列がオブジェクトに含まれている場合は、'事前比較'アルゴリズムを使用して、新しい必須値を移入できます。実装でこのアルゴリズムを指定して、ビジネス・ルールに従ってデータを移入できます。
    • ターゲット環境がソースより前のバージョンである場合は、特定のオブジェクトで特定の問題が発生しないことを保証できません。

ファイル形式バージョン

前の項で説明したすべての注意事項を考慮して、実装で製品バージョンを横断してコンテンツ移行アシスタントを使用することを決定した場合、この項では、コンテンツ移行アシスタントでエクスポート・ファイルの書込み方法が変更されるまれなケースについて説明します。

エクスポート・ファイルを作成する場合、ファイルの形式は固有であり、コンテンツ移行アシスタントのインポート・ステップによってファイルの読取り方法が認識されます。まれではありますが、コンテンツ移行アシスタントのファイルの'バージョン'が大きくなる時点で、エクスポート・ファイルの構造の変更が必要となる拡張が製品によってコンテンツ移行アシスタントに加えられることがあります。

コンテンツ移行アシスタントのファイル形式バージョンは、エクスポートされた後、同じバージョンのOracle Utilities Application Frameworkにインポートされる移行には影響しません。ただし、製品のバージョンが異なり、コンテンツ移行アシスタントのファイル形式も異なる、異なる環境が実装に含まれている場合は、これらの違いに対応するための機能がシステムに用意されています。

  • 下位のファイル形式バージョンから上位のファイル形式バージョンにデータをエクスポートする場合、特別なことを行う必要はありません。エクスポート・ステップによってファイル形式バージョンが取得され、インポート・ステップによってこの情報が読み取られ、それに応じてファイルが処理されます。

  • 上位のファイル形式バージョンからデータをエクスポートし、下位のファイル形式バージョンへのエクスポートが製品で現在サポートされている場合は、エクスポート時に以前のファイル形式バージョンを要求されます。移行データ・エクスポートの作成時に、以前のファイル形式バージョンを使用することを指定できます。

    注意: この製品では、妥当な期間、以前のファイル形式バージョンへのエクスポートがサポートされていますが、永続的にサポートされるわけではありません。以前のファイル形式にエクスポートするオプションがユーザー・インタフェースに表示されない場合、そのリリースではサポートされていないことを意味します。