コンテンツ移行アシスタントの理解

コンテンツ移行アシスタント(CMA)は、ある環境から別の環境(例: 開発環境から本番環境)にデータを移行するための柔軟で拡張可能な機能を実装者に提供します。データは、ソース・システムからファイルにエクスポートされます。次に、ファイルを再使用のためにバージョン管理システムにチェックインするか、または即時にターゲット・システムにインポートして適用できます。

注意: この章で使用されているように、ソース・システムとは、エクスポート関連の活動が実施されるシステムであり、ターゲット・システムとは、移行の更新が発生するシステムです。

次に、このツールを使用する一般的なユース・ケースをいくつか示します。

  • 新しく作成した環境を構成データでシードします。たとえば、テスト環境を作成する場合、開発環境から構成データをインポートできます。この場合は、"すべての構成のコピー"・タイプの移行を設定することになると思われます。もう1つのユース・ケースとして、本番環境の問題をトラブルシューティングする場合は、すべての本番構成をテスト環境にコピーすることをお薦めします。

  • 新しい構成、または開発環境からの構成の更新で既存のテスト環境を更新します。この場合は、オブジェクトのセットのターゲットが絞られ、増分移行をより多く行います。

  • テストした構成を本番環境に移動します。

  • テスト目的で、選択したマスター・エンティティとトランザクション・エンティティをある環境から別の環境に移行します。

すべてのケースに該当するインポート・プロセスの主な側面を次に示します。

  • ターゲットとソースの両方にレコードが存在する場合、コンテンツ移行アシスタント・ツールはオブジェクトをソースのバージョンに完全に置き換えます。したがって、正しいエンティティが確実に置き換えられるようにするために、主キーがシステム生成であるレコードには特別な考慮が必要です。

  • 通常、オブジェクトのソース・バージョンはターゲット環境に直接適用されますが、コンテンツ移行アシスタントには、インポート済データを調整する方法が用意されています。

  • インポート・プロセスでは、ターゲット環境のレコードの削除は処理されません。ソース環境からターゲット環境にレコードをインポートする場合、移行されるレコードのインポート・プロセスでは、追加するオブジェクトおよび変更するオブジェクトを識別できます。ターゲット環境のレコードが削除されることを示すためのメカニズムはありません。移行では、追加または更新するサブセットのみをインポートする場合があるため、レコードがインポートに含まれないことで、削除対象と判断することはできません。ターゲット・システムのデータを削除する必要がある場合、ユーザーはそれに応じてターゲットでレコードを削除する必要があります。コンテンツ移行アシスタントでは、比較の結果としてのオブジェクトの子の行の削除は編成されることに注意してください。これは、実装によって所有される子レコードにのみ適用されます。

構成ステップは主に、移行するデータをソース・システムで定義するために使用されますが、ターゲット環境で実行されるタスクも含みます。製品には付属の基本構成が提供されており、そのまま使用することも、特定の実装により特化した構成を作成するためのテンプレートとして使用することもできることに注意してください。大まかに言えば、構成タスクには次のエンティティが含まれます。

  • システム全体の設定は、「移行アシスタント構成」マスター構成レコードで定義します。
  • コピーする可能性のあるレコードの各タイプには、移行計画が必要です。移行計画は、(ビジネス・オブジェクトを使用して)レコードのメンテナンス・オブジェクト(MO)を識別するために使用され、指示により、移行に組み込むことのできる関連レコードを指定できます。

  • 移行要求を使用して、特定の移行エクスポートに含めるデータを定義します。

エクスポートする目的のデータを含むように移行要求を定義したら、次のステップは、現在の環境からエクスポートしてターゲットにインポートすることです。

  • エクスポート・プロセスには、ソース環境からエクスポートするレコードの選択およびエクスポート・ファイルの作成に必要なすべてのステップが含まれます。詳細は、「移行のエクスポート」を参照してください。
  • エクスポートによって作成されたファイルは、BINARYファイルであり、エクスポート・ディレクトリからインポート・ディレクトリに転送する必要があります。転送は、ファイル構造を保存するように行う必要があります。詳細は、移行に関するその他の考慮事項を参照してください。

  • インポート・プロセスには、インポートされたファイルの読取り、ファイル内のデータとターゲット内のデータとの比較、提案された変更の確認および更新の適用に必要なすべてのステップが含まれます。詳細は、「移行のインポートおよび適用」を参照してください。

この項のトピックでは、コンテンツ移行アシスタント(CMA)ツールの概要を説明します。