ステージング表の情報の検証
最初の検証ステップでは、ステージング表にロードしたデータが検証されます。この項では、検証プロセスについて概要を説明します。
メンテナンス・オブジェクトごとのバッチ・プロセス
変換に適格な各メンテナンス・オブジェクトは、それぞれのエンティティ検証変換バッチ・プロセスを使用して検証する必要があります。これらは、本番データに対しても実行できる従来のバックグラウンド・プロセスです。
これらのプロセスはマルチスレッドであり、他のプロセスに依存しません。
検証モード
デフォルトでは、各エンティティは、メンテナンス・オブジェクトおよびビジネス・オブジェクト・レベルで、スキーマおよびエンティティ検証ルールに対して完全に検証されます。バッチ・プロセスでは、ユーザーが本番システムに追加したデータの検証に使用されるビジネス・ルールと同じルールが実行されます。バッチ・パラメータを使用して、スキーマ検証のみまたはエンティティ検証ルールのみを実行するようにバッチ・プロセスを制限できます。これは、予備実行での共通データ問題の識別に役立ちます。
ランダム・サンプル・モード
デフォルトでは、すべてのレコードが検証に選択されます。「指定行ごとに処理」バッチ・パラメータを使用すると、このプロセスをランダムサンプル・モードで実行し、広範囲なエラーをハイライト表示できます。このモードでは、実際にはN個のレコードごとに検証するようにバッチ・プロセスに指示します。
次の手順で、各エンティティを検証することを強くお薦めします。
- 検証バッチ・プロセスをランダムサンプル・モードで実行します。
- エラーを確認して修正します。オブジェクトがブラウザに表示されないほどエラーが重大ではない場合は、基本パッケージのトランザクションを使用してエラーを修正できます。
- すべての広範囲にわたるエラーを修正したら、各オブジェクトの検証バッチ・プロセスを全インスタンス・モードで再実行し、見つけにくい単発のエラーをハイライト表示します。
レポートされるエラー
検証中に発生したエラーは変換検証エラー(CI_VAL_ERR)表に記録されます。このジョブの開始時に、プロセス・メンテナンス・オブジェクトの変換エラー表のすべての行が削除されることに注意してください。
「変換エンティティ・ダッシュボード」ポータルを使用して、検証プロセスによってハイライト表示されたエラーを表示できます。
検証を高速化するための推奨事項
検証プロセスの実行を高速化する方法は、次のとおりです。
- ステージング表にデータを挿入した後に統計が再計算されるようにします。
- プロセスをマルチスレッドで実行します。
- 他のプロセスが入り組んで実行されている間にエラー・データを分析できるように、先に実行時間が短い(レコードが少ないなど)検証プロセスを実行します。
- ランダムサンプル・モードで検証を実行できることに注意してください。広範囲にわたる問題が修正されるまで、大きいサンプル値をこのパラメータに使用してこれらのバッチ・プロセスを実行することをお薦めします。
これらのプログラムの別の用途
変換またはアップグレード後にオブジェクトを検証する他に、検証プログラムには別の用途があります。たとえば、試しにビジネス・エンティティの検証を変更する場合や、既存のレコードに対する新規検証の影響を確認する場合などです。検証を変更してから、そのエンティティの検証バッチ・プロセスを実行できます。新しい検証に失敗する各レコードにエラーが発生します。