ネットワークに送出される特定のトラフィックフローの速度を制御するには、メーターのパラメータを定義しなければなりません。IPQoS 構成ファイル内で、2 つのメーター tokenmt と tswtclmt とのどちらかを使用できます。
この手順では、使用例 6 のアプリケーションサーバーの IPQoS 構成ファイルを引き続き構築します。次の手順では、メーターを構成し、メーター action 文の内部で呼び出される 2 つのマーカーアクションを構成します。
始める前に
この手順では、フローを制御するアプリケーション用のクラスおよびフィルタを定義してあるものとします。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
次のマーカーアクションのあとに、変更を開始します。
action { module dscpmk name markAF21 params { global_stats FALSE dscp_map{0-63:18} next_action continue } }
action { module tokenmt name meterftp
tokenmt メーターを呼び出す
action 文に meterftp という名前を割り当てる。
params { committed_rate 50000000 committed_burst 50000000
ftp クラスのトラフィックに 50,000,000 bps の転送速度を割り当てる
ftp クラスのトラフィックに 50,000,000 ビットのバーストサイズを割り当てる。
tokenmt パラメータについては、tokenmt をツーレートメーターとして構成するを参照してください。
red_action markAF31 green_action_name markAF22 global_stats TRUE } }
ftp クラスのトラフィックフローが認定速度を超過した場合、パケットは、マーカー action 文 markAF31 に送信されることを示す。
ftp クラスのトラフィックフローが認定速度に適合する場合、パケットがアクション文 markAF22 に送られることを示す
ftp クラスのメータリング統計取得を有効にする
トラフィックの適合性については、メーターモジュールを参照してください。
action { module dscpmk name markAF31 params { global_stats TRUE dscp_map{0-63:26} next_action continue } }
dscpmk マーカーモジュールを呼び出す
action 文に markAF31 という名前を割り当てる。
ftp クラスの統計取得を有効にする
ftp クラスのトラフィックが認定速度を超過した場合は常に、DSCP 26 を ftp クラスのパケットヘッダーに割り当てる
トラフィッククラス ftp のパケットに対しこれ以上処理を行う必要がないこと、およびこれらのパケットをネットワークストリームに戻してもよいことを示す。
DSCP 26 は、マーカーに対し、dscp マップ内のすべてのエントリを 10 進数値の 26 (バイナリ値 011010) に設定するよう指示します。DSCP 26 は、AF31 のホップ単位の動作を設定します。マーカーは、DS フィールドの DSCP 26 で ftp トラフィッククラスのパケットをマークします。
AF31 は DSCP 26 を持つすべてのパケットに低いドロップ優先度を保証しますが、優先順位は Class 3 にとどまります。このため、速度不適合の FTP トラフィックがドロップされる可能性は低くなりますが、表 5 に、設定可能な AF コンポーネントを示します。
action { module dscpmk name markAF22 params { global_stats TRUE dscp_map{0-63:20} next_action continue } }
marker アクションに markAF22 という名前を割り当てる。
ftp クラスのトラフィックが認定速度に適合する場合は常に、DSCP 20 をパケットヘッダーに割り当てる
DSCP 20 は、マーカーに対し、dscp マップ内のすべてのエントリを 10 進数値の 20 (バイナリ値 010100) に設定するよう指示します。DSCP 20 は、AF22 のホップ単位の動作を設定します。マーカーは、DS フィールドの DSCP 20 で ftp トラフィッククラスのパケットをマークします。
AF22 は、DSCP 20 を持つすべてのパケットに中程度のドロップ優先度と Class 2 の優先順位を保証します。このため、速度適合の FTP トラフィックは、IPQoS システムから同時に送出されるフロー内で中程度のドロップ優先度を保証されます。ただし、ルーターは、Class 1 で中程度のドロップ優先度以上を持つトラフィッククラスの転送を優先します。表 5 に、設定可能な AF コンポーネントを示します。
サービスの開始または再開の具体的な手順については、ipqos サービスを開始する方法を参照してください。
必要になる可能性のある追加の変更のリストについては、一般的な IPQoS の構成計画のタスクマップを参照してください。