Oracle Database 2日でデータベース管理者 11g リリース1(11.1) E05759-03 |
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Oracle Enterprise Manager Database Control (Database Control)には、サポート・ワークベンチという機能が用意されています。この機能を使用すると、データベースのクリティカル・エラーを表示、調査して、Oracleサポート・サービスにエラーを報告し、場合によってはエラーを解決することができます。
この章では、クリティカル・エラー、およびデータベースのホームページとサポート・ワークベンチを使用して、次の操作を行う方法について説明します。
この章は次の項で構成されています。
クリティカル・エラーの診断および解決を支援するために、Oracle Databaseリリース11g では、問題とインシデントという2つの概念をOracle Databaseに導入しています。
問題はデータベースにおけるクリティカル・エラーです。クリティカル・エラーには内部エラー(ORA-00600
など)、およびその他の深刻なエラー(ORA-07445
(オペレーティング・システム例外)またはORA-04031
(共有プールのメモリー不足))が含まれます。問題は、診断データを格納するファイルベースのリポジトリである自動診断リポジトリ(ADR)に格納されます。ADRはデータベースの外部に格納されるため、データベースが停止しているときも診断データを使用できます。リリース11g では、アラート・ログ、すべてのトレース・ファイルとダンプ・ファイル、およびその他の診断データもADRに格納されます。
各問題には、問題を説明するテキスト文字列である問題キーがあります。問題キーにはORA 600
などのエラー・コード、場合によっては、1つ以上のエラー・パラメータの値やその他の情報が含まれます。
インシデントとは、問題の1回の発生です。問題が複数回発生すると、発生のたびにインシデントが作成され、タイムスタンプが付けられます。インシデントの追跡は、自動診断リポジトリ(ADR)で行われます。
各インシデントはインシデントIDで識別されます。これは、ADR内で一意の数値です。インシデントが発生すると、データベースでは次の手順が実行されます。
各インシデントには、1つの問題に対応する問題キーが割り当てられます。
クリティカル・エラーの診断と解決は、通常、インシデント・アラートから開始されます。インシデント・アラートは、Enterprise Manager Databaseホームページに表示されます。Enterprise Managerを使用して、問題と関連インシデントを確認できます。
この項では、問題(クリティカル・エラー)を調査、報告し、場合によっては問題を解決するために実行する標準的なタスク・セットについて説明します。タスクをまとめたロードマップを最初に示します。
問題の調査は、サポート・ワークベンチのホームページから開始できます。ただし、標準的なワークフローはデータベースのホームページのクリティカル・エラー・アラートから始まります。このドキュメントでは、標準的なワークフローについて概説します。
図11-1は、問題が発生した場合に実行する基本タスクを示しています。
タスクの説明を次に示します。この後の項では、各タスクについて詳しく説明します。
最初に、Enterprise Managerでデータベースのホームページにアクセスし、クリティカル・エラー・アラートを確認します。詳細を表示するアラートを選択します。アラート詳細ページから問題の詳細ページに移動します。
問題の詳細を確認し、その問題に対して記録されたインシデントのリストを表示します。自動的に実行された状態チェックの結果を表示します。
Oracle MetaLinkでサービス・リクエストを作成し、オプションとして、問題情報にサービス・リクエスト番号を追加して記録します。この手順を省略し、後で手動または自動(サポート・ワークベンチを使用)でサービス・リクエストを作成することもできます。
ガイド付きワークフロー(ウィザード)を起動します。ウィザードは、問題について収集されたすべての診断データを自動的にパッケージ化してOracleサポート・サービスにアップロードします。
オプションとして、サービス・リクエストのアクティビティ・ログをサポート・ワークベンチでメンテナンスします。必要に応じてOracleアドバイザを実行し、SQLエラーや破損データを修復します。
1つ、一部またはすべてのインシデントのステータスをクローズ済に設定します。
データベースのホームページでクリティカル・エラー・アラートを確認し、問題(クリティカル・アラート)の調査プロセスを開始します。
詳細は、「データベースのホームページのアクセス」を参照してください。
クリティカル・エラー・アラートは、「重大度」列の赤い×印と「カテゴリ」列のテキスト「インシデント」で示されています。
選択したインシデントの種類に応じて、インシデントの詳細ページまたはデータ障害ページが表示されます。たとえば、ORA-600エラーのメッセージをクリックした場合、インシデント - 一般的な内部エラー・ページが表示されます。
このページには、次の情報が表示されます。
サポート・ワークベンチのホームページが表示されます。
問題の詳細ページで調査を続けます。
問題の詳細ページにインシデント・サブページが表示されます。
インシデントの詳細ページにダンプ・ファイル・サブページが表示されます。
このページには、クリティカル・エラー検出時に自動的に実行された状態チェックの結果が表示されます。
この段階で、Oracleサポート・サービス・リクエストを作成し、問題情報にサービス・リクエスト番号を追加して記録することができます。この手順を省略した場合は、タスク4で、サポート・ワークベンチによって自動的にサービス・リクエストのドラフトが作成されます。
OracleMetaLinkのログインおよび登録のページが新しいブラウザ・ウィンドウに表示されます。
(オプション)次の手順のためにサービス・リクエスト番号(SR#)を覚えておきます。
SR#が問題の詳細ページに記録されます。この情報は参照専用です。
このタスクでは、サポート・ワークベンチのクイック・パッケージング・プロセスを使用して、問題の診断情報をパッケージ化し、Oracleサポート・サービスにアップロードします。クイック・パッケージングは、最小限の手順をガイド付きワークフロー(ウィザード)にまとめたものです。このウィザードを使用して、単一の問題に対するインシデント・パッケージ(パッケージ)を作成し、このパッケージのZIPファイルを作成して、アップロードすることができます。ただし、クイック・パッケージングでは、アップロードする診断情報の編集やその他のカスタマイズは行えません。クイック・パッケージングは、診断データをパッケージ化してアップロードするシンプルで直接的なプロセスです。
診断情報に含まれる機密データの編集や削除、追加のユーザー・ファイル(アプリケーション構成ファイルやスクリプトなど)の同封、その他のカスタマイズをアップロード前に実行するには、カスタム・パッケージング・プロセスを使用する必要があります。方法は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。記載されている手順が完了したら、「タスク5: サービス・リクエストの追跡および修復の実施」に進みます。
クイック・パッケージング・ウィザードの新規パッケージの作成ページが表示されます。
「はい」を選択した場合、クイック・パッケージング・ウィザードにより、自動的にサービス・リクエストのドラフトが作成されます。後でOracle MetaLinkにログインしたとき、このサービス・リクエストの詳細を記入する必要があります。
作成されたパッケージは、クイック・パッケージング・ウィザードの手順の完了後も引き続きサポート・ワークベンチで使用できます。ここで、カスタム・パッケージング操作(新しいインシデントの追加など)を実行してパッケージを変更し、後で再アップロードすることができます。
Oracleサポート・サービスに診断情報をアップロードした後、各種アクティビティを実行してサービス・リクエストを追跡し、追加の診断情報を収集して、修復を実施します。このアクティビティには次のものがあります。
そのためには、問題の詳細ページで「バグ#」ラベルの横にある「編集」ボタンをクリックします。この情報は参照専用です。
この処理により、問題のステータスや履歴情報を組織内の他のDBAと共有できます。たとえば、Oracleサポート・サービスとの通信結果を記録できます。
問題のアクティビティ・ログにコメントを追加するには、次の手順を実行します。
コメントがアクティビティ・ログに記録されます。
このためには、『Oracle Database管理者ガイド』で説明しているカスタム・パッケージングを実行する必要があります。
状態チェックの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
推奨アドバイザには、次のいずれかの方法でアクセスできます。
表11-1に、クリティカル・エラーを修復できるアドバイザを示します。
アドバイザ | 対象となるクリティカル・エラー | 参照先 |
---|---|---|
データ・リカバリ・アドバイザ |
破損ブロック、破損または欠落しているファイル、その他のデータ障害 |
|
SQL修復アドバイザ |
SQL文のエラー |
『Oracle Database管理者ガイド』 |
特定のインシデントへの対処が不要になったら、そのインシデントをクローズできます。デフォルトでは、クローズされたインシデントは問題の詳細ページに表示されません。
クローズされたかどうかにかかわらず、インシデントはすべて30日後にパージされます。インシデントのパージはインシデントの詳細ページで無効化できます。
詳細は、「Enterprise Managerのサポート・ワークベンチを使用した問題の表示」を参照してください。
問題の詳細ページが表示されます。
確認ページが表示されます。
Enterprise Managerのサポート・ワークベンチのホームページを使用して、すべての問題または指定した期間内の問題のみを表示します。
詳細は、「データベースのホームページのアクセス」を参照してください。
サポート・ワークベンチのホームページに問題サブページが表示されます。デフォルトでは、過去24時間の問題が表示されます。
このセクションでは、データベースのパフォーマンスの変化とインシデントの発生数に相関関係があるかどうかを確認できます。
問題の詳細ページにインシデント・サブページが表示されます。
インシデントの詳細ページが表示されます。
チェッカ結果サブページが表示されます。
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