この付録は、他の節で詳しく取り上げられていない各種手順について説明します。この付録の内容は、次のとおりです。
サーバレイヤには 5 つのコンポーネントがあります。
サーバ以外の 4 つのコンポーネントは、専門モジュールで読み込まれた Sun Management Center のエージェントです。
トポロジマネージャやイベントマネージャをはじめとする Sun Management Center の全エージェントのデフォルト構成は、エージェント統計情報モジュールで定義されます。このモジュールには、ホストダウンを招くエラーの防止機能が搭載されています。ソフトウェアのデフォルト処理では、予め定義されたしきい値を超えると、トポロジマネージャのプロセスを終了します。エージェント統計情報モジュールについての詳細は、エージェント統計情報モジュール、バージョン 2.0を参照してください。
トポロジマネージャ、トラップハンドラ、構成マネージャ、イベントマネージャは、それぞれの状態を監視することができます。構成マネージャとトラップハンドラは、保守手順を不要にする設定ができます。また、トポロジマネージャとイベントマネージャのデフォルト設定は、ほとんどのユーザ環境に対応しています。ただし、特殊環境のデフォルト設定は変更することができます。
メインコンソールウィンドウの「編集」メニューから「オブジェクト作成」を指定します。
「オブジェクト作成」ウィンドウが表示されます。デフォルトで、タブは「ノード」に設定されています。詳細については、ノードを作成するを参照してください。
「監視ツール」メニューから「Sun Management Center エージェント - ホスト」を指定します。
「ノードラベル」フィールドで、サーバコンポーネント名を入力します。
(省略可能) サーバコンポーネントの内容を入力します。
「ホスト名」フィールドでSun Management Center のサーバ名を入力します。
「ポート」フィールドにサーバコンポーネントのポート番号を入力します。
Sun Management Center ソフトウェアのデフォルトポート番号は、次のとおりです。
エージェントコンポーネント :ポート161
サーバトラップハンドラ:ポート 162
サーバイベントマネージャ:ポート 163
サーバトポロジマネージャ:ポート164
サーバ構成マネージャ:ポート165
サーバコンポーネントは、デフォルトで ポート 2099 を使用します。ただし、ここではサーバコンポーネントのポート番号は変更できません。
次のいずれかの方法で設定を終了します。
サーバコンポーネントオブジェクトを作成してウィンドウを閉じる場合は、「了解」ボタンをクリックします。
サーバコンポーネントオブジェクトを作成してウィンドウは閉じない場合は、「適用」ボタンをクリックします。
Sun Management Center のサーバには、付加価値製品 (Hardware Diagnostics Suite など) を登録する機能が搭載されています。この登録機能はデフォルトでポート 5600 を使用します。このポートが別のアプリケーションで使用されると、そのアプリケーションは失敗します。登録ポートを変更する場合は、次の手順で行います。
/var/opt/SUNWsymon/cfg/javaserver.properties ファイルの ServiceRegistryPort 値を変更します。
/var/opt/SUNWsymon/cfg/javaservice.properties ファイルの ServiceRegistryPort 値を変更して、手順 1 で指定した値と一致させます。
Sun Management Center サーバを再起動します。
Sun Management Center のサーバ設定時にデフォルトポートが使用されている場合は、インストールプロンプトに従って、登録サービス用に別のポート番号を指定します。
トポロジマネージャは、メインコンソールウィンドウを通じて、複数の管理オブジェクトの状態を要約する論理オブジェクト(グループなど) をトポロジ表示に表示するだけでなく、論理オブジェクトの作成機能も提供します。
管理オブジェクトには、ネットワーク、ホスト、ハードウェアとソフトウェアのコンポーネントなどが含まれます。システムリソース要求 (トポロジマネージャの仮想サイズなど) は、オブジェクトの合計数とその内容で決まります。ただし、この要求はトポロジマネージャのデフォルト値以下でなければなりません。
トポロジマネージャの仮想サイズがデフォルト値を上回ると、トポロジマネージャは次のエラーメッセージを表示して終了します。
error excessive virtual memory use |
このエラーを解決するには、次の手順に従ってデフォルトの仮想サイズを増やします。
状況を注意深く検討します。
トポロジマネージャの監視オブジェクトを作成します。
監視オブジェクトとしてサーバコンポーネントを作成する を参照してください。
次のいずれかの方法で「詳細」ウィンドウを開きます。
「トポロジマネージャ」アイコン上でマウスボタン 3 を押します。次に、階層表示またはトポロジ表示のポップアップメニューから「詳細」を指定します。
「トポロジマネージャ」アイコンをダブルクリックします。
メインコンソールウィンドウで「トポロジマネージャ」アイコンを選択し、次に「ツール」メニューから「詳細」を指定します。
「ブラウザ詳細」ウィンドウで、階層 (ツリー) 表示の「ローカルアプリケーション」アイコンをダブルクリックします。
コンテンツ表示の「エージェント統計情報」アイコンをダブルクリックするか、階層表示の「エージェント統計情報」アイコンの隣にある展開アイコンをクリックします。
エージェント統計情報フォルダが表示されます。
フォルダアイコンをダブルクリックして「プロセス統計情報」を指定します。
プロパティテーブルに監視プロパティが表示されます。
仮想サイズのテーブルセルを選択し、次のいずれかの方法で「属性エディタ」を開きます。
テーブル行でマウスボタンを 3 を押して、ポップアップメニューから「属性エディタ」を指定します。
「属性」ボタンをクリックします。
「アラーム」タブボタンをクリックします。
アラーム行が表示されます。
「重大しきい値 (>) 」フィールドに希望する値を入力します。
次のいずれかの方法で設定を終了します。
重大しきい値を作成してウィンドウを閉じる場合は、「了解」をクリックします。
重大しきい値を作成してウィンドウを閉じない場合は「適用」ボタンをクリックします。
イベントマネージャは、SNMP のデフォルトポート 163 を通じて、他のサーバコンポーネントと通信します。イベントマネージャは、トポロジマネージャと同様にエージェント統計情報モジュールで読み込こむことも、イベントマネージャ専用のイベント管理モジュールで自動的に読み込むこともできます。イベント管理モジュールは、「ローカルアプリケーション」カテゴリの「ブラウザ詳細」ウィンドウに表示されます。
イベント管理モジュールは、イベントデータベースの保守全般 (削除イベントのパージ、ごみ箱ファイル名の変更、自動削除など) を行います。
Sun Management Center ソフトウェアは、自動削除機能を通じて、設定時間を過ぎた閉状態のイベント、解決済みイベント、開状態のイベントをイベントデータベースから自動的に削除します。デフォルトでは、閉状態のイベントと解決済みイベントは 7 日後にデータベースから削除され、開状態のイベントは 30 日後に削除されます。これらのデフォルト値は、次の手順で変更できます。
イベントマネージャの監視オブジェクトを作成します。
監視オブジェクトとしてサーバコンポーネントを作成する を参照してください。
次のいずれかの方法で「詳細」ウィンドウを開きます。
「イベントマネージャ」アイコン上でマウスボタン 3 を押します。次に、階層表示またはトポロジ表示のポップアップメニューから「詳細」を指定します。
階層表示またはトポロジ表示の「イベントマネージャ」アイコンをダブルクリックします。
メインコンソールウィンドウで「イベントマネージャ」アイコンを選択し、「ツール」メニューから「詳細」を指定します。
「ブラウザ詳細」ウィンドウで、階層 (ツリー) 表示の「ローカルアプリケーション」アイコンをダブルクリックします。
次のいずれかの方法で「モジュールの編集」を開きます。
イベント管理モジュール上でマウスボタン 3 を押します。階層表示またはコンテンツ表示のポップアップメニューから「モジュールの編集」を指定します。
「詳細」ウィンドウでイベント管理モジュールを選択し、「モジュール」メニューから「モジュールの編集」を指定します。
「パラメータの読み込み」が表示されます。詳細については、モジュールパラメータを変更するを参照してください。
編集可能フィールドに時間値を入力します。
デフォルトでは、閉状態のイベントと解決済みイベントは 7 日後にデータベースから削除され、開状態のイベントは 30 日後に削除されます。
自動削除をオフにするには、「自動削除」メニューから「無効化」を指定します。
「了解」をクリックして変更を実行し、ウィンドウを閉じます。
Sun Management Center のサーバとエージェントは、ディレクトリ /var/opt/SUNWsymon/log の各種ログファイルに書き込みを行います。
これらのファイルは循環ログファイルで、一定の限界まで達するとそれ以上サイズは大きくなりません。新規のメッセージがファイルに記録されると、一番古いメッセージが削除されます。
これらのログファイルを表示する場合は、es-run インタフェースで ctail コマンドと ccat コマンドを指定します。es-run インタフェースは、Sun Management Center のユーティリティを実行するための環境を設定します。ccat ユーティリティと ctail ユーティリティは、データを時間順にソートして該当するデータだけを表示します。ccat コマンドと ctail コマンドはUNIX の cat コマンドと tail コマンドと類似していますが、Sun Management Center の循環ログファイルでの使用を目的としています。
ccat コマンドは、指定されたログファイルの読み込み、時間昇順によるメッセージのソート、標準出力への書き出しなどを行います。ccat コマンドは、1 つの引数 (循環ログファイルのフルパス) を使用します。
例えば、es-run インタフェースを ccat コマンドと使用するには、次のように入力します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-run ccat path_to_file/filename |
ctail コマンドは、循環ログファイルを読み込み、デフォルトでログファイルの最後の 15 行を標準出力に書き出します。
ctail コマンドは 4 つの引数を使用します。
ファイル名引数は、循環ログファイルのフルパス名です。ファイル名引数は必須です。
-f オプションは、ログファイルの拡張を監視する際に使用します。ログファイルの拡張に従って、ファイルの後ろに追加されたメッセージも標準出力に書き出されます。ctail -f オプションは、UNIX tail コマンドの -f オプションと類似しています。
-l オプションは、各メッセージの最初に絶対行番号を印刷する際に使用します。
-nNumOfLines オプションは、表示された行番号を変更する際に使用します。デフォルトでは、最後の 15 行だけ印刷されます。
es-run インタフェースで ctail コマンドを使用する場合は、次のように入力します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-run ctail [-f, -l, -n NumOfLines] path_to_file_filename |
Sun Management Center ソフトウェアでは、メインコンソールウィンドウから起動可能な外部のスタンドアロンアプリケーションを追加して、「ツール」メニューをカスタマイズすることができます。ただし、アプリケーションは Java プログラミング言語で記述されていなければなりません。Java 以外のアプリケーションの場合は、個別プロセスのプログラムやシェルスクリプトを実行する ExampleSystemCommand Java ラッパークラスで調整することができます。アプリケーションは特定のホストオブジェクトを必要としません。また、起動した後は Sun Management Center との対話を行いません。
console-tools.cfg ファイルに指定されたアプリケーション名は、Sun Management Center の標準メニュー項目の下にあるメインコンソールウィンドウの「ツール」メニューに追加されます。アプリケーションは、別のウィンドウで起動されます。
console-tools.cfg ファイルは、Sun Management Center のサーバホスト上に存在するプレーンテキストファイルです。ファイルは、コンソールの動作中でも、いつでも変更できます。ただしファイルの編集による変更は、es-tool スクリプトが実行されコンソールが再起動されるまで有効にはなりません。ファイルは一連の行で構成され、各行ごとにアプリケーションが記述されます。空白行とポンド記号 (#) で始まる行は無視されます。各行内のフィールドは、コンマ (,) で区切られます。
シェルスクリプトや実行可能バイナリとして実行される各アプリケーションは、次の行形式で定義されます。
menu_label,クラス [args] |
ここで使用されているオプション、引数は次のとおりです。
menu label は、「ツール」メニューに表示される文字列です。文字列テキストは、各国語版とオリジナル 版があります。オリジナルテキストにはスペースが組み込まれています。各国語テキストは、property-filekey のペアで指定する必要があります。
property-file は、特定言語にローカライズ可能なメッセージを含むファイルの名前です。
key は、プロパティファイルの「ツール」メニューに表示される文字列を検索するための識別子です。
key にはスペースを入れることは出来ません。
クラス は、完全指定の Java クラス名です。
args は、クラスに対する一連の引数です。
以下は、「ツール」メニューに追加される 3 つのアプリケーション (Example GUI、rlogin、ftp) のエントリを持つファイルの記述例です。
# Format: # menu_label, class arguments Example GUI,exampleApp.ExampleGUITool Rlogin,com.sun.symon.base.client.console.SMSystemCommand "/usr/openwin/bin/xterm -e rlogin $host" "start rlogin $host" exampleApp.ExampleSystemCommand:ftp,exampleApp.ExampleSystemCommand "/usr/openwin/bin/xterm -e ftp $host" "start ftp $host"
上記例ではテキストが数行に折り返されていますが、各エントリは 1 行で指定してください。
Java ラッパークラス SMSystemCommand は、任意のシェルコマンドを実行します。このクラスは 2 つの引数を使用します。最初の引数は、実行するシェルコマンドです。
プログラム名が指定されている場合は、フルパス名を指定します。
コマンドに組み込みスペースが含まれる場合は、シェルコマンド全体を二重引用符で囲みます。
2 番目の引数は、Microsoft Windows クライアント上で実行するコマンドです。以下は、このコマンドの記述例です。
com.sun.symon.base.client.console.SystemCommand "<shell command>" "<windows command>"
この場合、最初の引数は無視されます。また特殊な変数参照が存在すると、引数上で変数置換が行われます。置換可能な変数は次の 2 つです。
$host は、現在指定されているエージェントホスト名に置き換えられます。
$port は、現在指定されているポート番号に置き換えられます。
標準的なテキストエディタを使用して、/var/opt/SUNWsymon/cfg/console-tools.cfg ファイルに行を追加します。
この行で、以下の項目を指定します。
「ツール」メニューに名前を表示
アプリケーションの完全指定の Java クラス名
必要なクラス引数
詳細については、この節の最初を参照してください。
アプリケーションの Java クラスファイルを /opt/SUNWsymon/apps/classes ディレクトリに設置します。
es-tool 更新スクリプトを Sun Management Center のサーバホスト上で実行します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-tool /var/opt/SUNWsymon/cfg/console-tools.cfg |
メインコンソールウィンドウの「ファイル」メニューから「終了」を指定して、コンソールを停止します。
「終了」ボタンをクリックして、アプリケーションを終了します。
「ツール」メニューに追加するアプリケーションのコンソールを再起動します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c |
ご使用のサイト構成によっては、Sun Management Center サーバの再起動が必要な場合もあります。
Sun Management Center ソフトウェアは、モジュール対応の Simple Network Management Protocol Management Information Bases (SNMP MIB) を公開しています。MIB ファイルは、ここでは Sun Management Center モジュールによって作成されたデータの Abstract Syntax Notation (ASN.1) 仕様で、サン以外の SNMP ベース管理ステーション (HP OpenView、UnicenterTM など) がデータ定義として使用するものです。Sun Management Center には、以下のモジュールに対応した MIB が用意されています。
file-scan.mib
health-monitor-mib.mib
kernel-reader-mib.mib
nfsmon-mib.mib
nfsstat-mib.mib
print-spool-mib.mib
process-details-mib.mib
process-monitor.mib
trap-mib.mib
上記の MIB はデフォルトで、エージェントレイヤのインストール中に、Sun Management Center ソフトウェアによって /opt/SUNWsymon/util/cfg ディレクトリにインストールされます。ただし、実際のインストールではベースディレクトリが異なる場合があります。
MIB を事前処理します。
一部の SNMP 管理ステーションは ASN.1 MIB を読み込み可能ですが、それ以外の管理ステーションについては、ASN.1 MIB を読み込み可能な形式に変換する必要があります。例えば、MIB を Guidelines for the Description of Managed Objects (GDMO) 形式に変換するか、MIB コンパイラを使用して他の中間形式を生成する必要があります。
MIB を読み込みます。
ASN.1 MIB を読み込むか、MIB 形式をサン以外の管理ステーション用に事前処理します。この事前処理では、サン以外の管理ステーションに、MIB で定義されたデータのレイアウトと構成の情報を提供します。
MIB 情報を使用して、Sun Management Center のエージェントと対話します。
MIB をサン以外の SNMP エージェントに読み込むと、Sun Management Center のエージェントと対話して MIB からデータを入手できるようになります。このとき、MIB-II プロキシモニタリングモジュールを読み込んで Sun Management Center のエージェントを使用可能にする必要があります。
例えば、MIB のいくつかの変数に SNMP Get コマンドを出すことができます。
デフォルトでは、SNMPv1 コミュニティー public と SNMPv2 ユーザ名 public を使用して、Sun Management Center モジュールを SNMP Get コマンドに対応させます。ただし Sun Management Center モジュールの設定が異なる場合は、該当するコミュニティー名とユーザ名を使用して Sun Management Center エージェントと対話する必要があります。
Sun Management Center エージェントは SNMPv2 usec ベースのセキュリティで動作するため、エージェント上で実行する SNMP 設定 コマンドに影響があります。詳細は、SNMPv2 usec に関連した Request For Comments (RFCs) を参照してください。
SNMPv2 では、エージェントに読み込まれたモジュールのインスタンスを複数持つことができる MIB に対して、コンテキスト という用語を使います。SNMPv2 ベースのサン以外の管理ステーションを通じてこのタイプのエージェントと対話する場合は、正しいコンテキスト情報を使用しているかどうか確認してください。ただし、SNMPv1 ベースの管理ステーションを使用している場合は、次の手順でコンテキスト情報を SNMP コミュニティーに追加します。
コミュニティ: コンテキスト |
このコンテキスト情報を追加することで、単一エージェント上で動作する同一モジュールの複数インスタンスからデータにアクセスすることができます。
Sun Management Center エージェントには、自らを監視してメモリー使用を制限する機能が装備されています。エージェントプロセスのメモリー使用のいくつかの制限値は、次の条件を前提として予め定義されています。
読み込まれたモジュール数
読み込まれたモジュールタイプ
管理されるシステムタイプ
稀に、デフォルトのメモリー使用がエージェントの起動中に制限値を超えて、エージェントが停止することがあります。この場合、エージェントのメモリーサイズに設定されたデフォルト制限値が不足しています。
メモリー使用が原因かどうかを確認するには、 /var/opt/SUNWsymon/log/agent.log ファイルに次のいずれかのメッセージがあるか調べます。
Excessive Virtual Memory Use Excessive Physical Memory Use |
エージェントの起動中にいずれかのメッセージが表示されたら、次の手順でエージェントホストのメモリー使用量を再設定してください。
エージェントホストでスーパーユーザになります。
# su - |
agent-stats-d.def ファイルを /var/opt/SUNWsymon にコピーします。
# cp /opt/SUNWsymon/modules/cfg/agent-stats-d.def /var/opt/SUNWsymon/cfg/ |
/var/opt/SUNWsymon/cfg/agent-stats-d.def ファイルで、alarmlimit:error-gt を希望する値に増やします。以下にコードセグメント例を示します。
単位は K バイトです。
procstats = { size = { statusActions(error-gt) = abort statusService(abort) = _internal statusCommand(abort) = abort "Excessive Virtual Memory Use" alarmlimit:error-gt = 70000 alarmlimit:warning-gt = 60000 alarmlimit:info-gt = } ..... } |
ファイルを保存してエージェントを再起動します。
この節では、特定の状況下でコンソールウィンドウがハングしたときの対処法について説明します。ただし、新規のコンソールウィンドウを起動して Sun Management Center サーバに接続しようとすると、メインコンソールウィンドウはハング状態になりますが、既存のコンソールウィンドウ接続には影響ありません。
メインコンソールウィンドウがハングする要因として次が挙げられます。
サーバメモリーの不足。ソケットの一方の側の読み込み速度と書き込み速度が大きく異なると、ソケットから読み込みしているスレッドがハングします。Sun Management Center サーバ内のクライアント送信待ちのバッファデータ量が大きくなると、メモリー障害が起こります。バッファデータ量が大きくなり過ぎると、ソケットに書き込む間にサーバのメモリーが不足してしまいます。こうなると、サーバは正常な状態に回復しません。
サーバログファイルを監視する場合、次のコマンドを使用して、サーバメモリーの不足を示すメッセージを確認してください。/opt/SUNWsymon/sbin/es-run ctail -f /var/opt/SUNWsymon/log/server.log
コンソールプロセス用コンソールメモリーの不足。 コンソールプロセスのメモリー不足を確認するには、メインコンソールウィンドウの「ファイル」メニューから「Sun Management Center コンソールメッセージ」を指定します。コンソールメモリーが不足していると、「Sun Management Center コンソールメッセージ」ウィンドウにメッセージが表示されます。
メインコンソールウィンドウのハング状態を解消する方法は、不足したメモリータイプによって異なります。
サーバメモリーが不足している場合は、サーバプロセス用メモリーを増設します。デフォルトサイズは 64M バイトです。
例えば、デフォルトメモリーを 64M バイトから 128M バイトに増やすには、次のコマンドを使用します。
# es-start -s -- -Xmx128m |
サーバを、通常通り es-start -A コマンドかリブートで起動すると、メモリーサイズは自動設定されます。デフォルトメモリーサイズをカスタマイズする場合は、/opt/SUNWsymon/classes/base/server/bin/es-server.sh ファイルで、-Xmx64m を希望するサイズに変更します。
コンソールメモリーが不足している場合は、より大きなメモリーサイズでコンソールを再起動します。
例えば、メモリーを 100M バイトに増やすには、次のコマンドを使用します。
# es-start -c -- -Xmx100m |
これにより、現在のセッションのコンソールにより多くのメモリーが割り当てられます。
自動的により多くのメモリーを割り当てるには、/opt/SUNWsymon/classes/base/console/bin/es-console.sh ファイルで、デフォルトメモリーサイズを -Xmx64m から希望するサイズに変更します。
ご使用の Sun Management Center データベースは、データの消失を防ぐために時々バックアップする必要があります。例えば、ハードウェアやオペレーティング環境をアップグレードする前には、必ずデータベースをバックアップしてください。バックアップは、次のいずれかの方法で行います
次のスクリプトを対話モードで実行します。このスクリプトは、データベースファイルの保存場所を指定します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-backup |
サイレントモードで es-backup を実行してスクリプトの質問にデフォルトで応答するには、次のコマンドを使用します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-backup -y |
データベースファイルが、/var/opt/SUNWsymon/backup ディレクトリに保存されます。
es-backup スクリプトを定期的に実行する場合は、ルーチンベースで実行されるスクリプトに cron プログラムを設定することができます。この場合、対話の必要をなくすために、es-backup スクリプトに -y オプションを使用します。
これら 2 つのスクリプトは、復元またはバックアップを開始する前に Sun Management Center プロセスを停止しますが、復元またはバックアップが完了するとプロセスを再起動します。
システム障害が原因でご使用の Sun Management Center データベースに思わぬ問題が生じた場合は、スーパーユーザとして次の対話スクリプトを実行することで、データベースを復元してください。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-restore |
このプロセスは、ファイルシステムのエラーでシステムに障害が発生した場合などに使用できます。