この章では、SAP プラグインをインストールして構成する方法について説明します。この章では、次の内容について説明します。
SAP プラグインをインストールする前に行う必要がある一般的な作業は、次のとおりです。
マスターサーバーのホストに SPS Master Server (MS)、リモートエージェント (RA)、およびコマンド行インタフェース (CLI) をインストールします。
詳細については『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』を参照してください。
すべての SAP マシンに SPS リモートエージェント (RA) をインストールし、それらを準備します。
詳細については『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド』の「Linux および UNIX へのリモートエージェントへの非対話方式によるインストール」を参照してください。
すべての SAP central instances および Oracle データベースをインストールします。
それらが仮想化されていることを必ず確認してください。
仮想化の概要については、SAP HA Switchover に関するドキュメントおよび『Sun Cluster Data Service for SAP ガイド (Solaris OS 版)』の「フェイルオーバー SAP インスタンスをクラスタで実行可能にする」を参照してください。
Sun Cluster の制御下にあるインスタンスの場合は、次の手順に従います。
クラスタが正しくインストール、設定されていることを確認します。
すべての Sun Cluster データサービスがインストールされていることを確認します。
すべての Sun Cluster のリソースおよびリソースグループが正しく設定されていることを確認します。
詳細については『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
SAP AC の制御下にあるインスタンスの場合は、次の手順に従います。
次に挙げることは、ファイルシステムでローカルに管理することは可能ですが、NIS、NIS+、または LDAP によって管理するようにしてください。
すべての SAP マシンの、すべての SAP インスタンスのポート情報を含む /etc/services ファイルをアップデートします。
すべての SAP ユーザー (sidadm) がシステムに存在することを確認します。ユーザーは、/etc/password にローカルに定義されています。
すべての論理ホスト名がシステムに存在することを確認します。論理ホストは、/etc/hosts に定義されています。
グループ情報が、維持管理されている必要があります。グループは、/etc/group に定義されています。
各リソース用に、適切なプロジェクトが作成されている必要があります。プロジェクトファイルの詳細、およびプロジェクト作成についての関連情報は、project(4) のマニュアルページを参照してください。
サーバーに、SAP 用のディレクトリが存在する必要があります。これらのディレクトリは、次のいずれかの方法で作成できます。
プラグインの nfsshare コンポーネント、または nfsmount コンポーネントを使用
NFS を通じて手動でマウント
各ターゲットサーバー上で、手動でディレクトリを作成
オートマウンタを使用
オートマウンタマップの管理が必要です。
SAP プラグインの入手の手順は 2 段階に分かれます。はじめに SAP プラグイン JAR ファイルが含まれたパッケージファイルをシステムに追加する必要があります。そのあとに SAP プラグイン JAR ファイルをインポートします。
SAP プラブインは、Sun N1 Service Provisioning System ソフトウェアに対するプラグインとしてパッケージ化されています。SAP 用のプラグインファイルは Sun N1 Service Provisioning System 5.2 Supplement CD または Sun Download Center から入手できます。
JAR ファイルを含むファイルを追加します。
JAR ファイルをインポートします。- 「SAP プラグインのインポート」
SAP プラグインは、SUNWspssap パッケージに含まれています。
マスターサーバーにログインします。
スーパーユーザーになります。
プラグインパッケージを含むディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力し、Return キーを押します。
# pkgadd -d package_directory SUNWspssap
JAR ファイルは /opt/SUNWn1sps/plugins/com.sun.sap/ ディレクトリにあります。
ある特定のプラグインを Sun N1 Service Provisioning System 製品に認識させるには、そのプラグインをインポートする必要があります。
プラグインをインポートするには、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の第 5 章「プラグインの管理」で詳しく説明されている手順に従います。
ブラウザインタフェースのメインウィンドウの「Administrative」セクションで、「Plug-ins」をクリックします。
「Plug-ins」ページの「Action」列で、「Import」をクリックします。
「Browse」ボタンをクリックし、JAR ファイルの場所に移動します。
JAR ファイルを選択し、「Open」をクリックします。
「Continue to Import」ボタンをクリックします。
インポートが正常に完了すると、プラグインの詳細ページが開いて、そのプラグインが提供するオブジェクトが表示されます。
コマンド行を使用して、プラグインのアーカイブファイルをインポートすることも可能です。
CLI からプラグインファイルをインポートするには、次のように入力します。
% cr_cli -cmd plg.p.add -path plugin-filename -u username -p password |
プラグインをインポートしたあとで、次の手順に従います。
これらの手順は、SAP プラグインをインポートする前に実行するようにしてください。
ReadMe.txt ファイルを読んで、すべての構成作業が完了していることを確認します。
セッション変数を作成します。
これらの変数は、SAP AC 環境で SAP インスタンスを管理するとき、および LDAP で SAP ユーザーまたは論理ホストを作成するときに使用されます。
SAP_DEFAULT_AC_ADMIN_PASSWORD
SAP_DEFAULT_AC_ADMIN_USER
SAP_DEFAULT_AC_PORT
SAP_DEFAULT_AC_SERVER
AUTHENTICATE_ACC_SERVER_CERT
セッション変数の詳細については、「セッション変数を作成する」を参照してください。
その親としてのマスターサーバーとともに、仮想ホストを作成します。
これは、SPS CLI を実行する目的で作成されます。
仮想ホストの cliHost が存在し、そのホストタイプが com.sun.was#cliHT の場合は、ほかに cliHost を作成しないでください。
詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の「仮想ホスト」を参照してください。
/SPS–INSTALL–PATH//server/config/config.properties ファイルに、次の行を追加します。
config.allowSessionIDOnHosts=masterserver pe.defaultPlanTimeout=6000 pe.nonPlanExecNativeTimeout=2400 |
config.allowSessionIDOnHosts 行は、プラグインに、 Sun N1 Service Provisioning System のリモートエージェントまたは CLI インタフェースを通して、マスターサーバーと通信させるためのものです。
pe.defaultPlanTimeout 行は秒数です。デフォルトプランの値を 30 分 (1800 秒) よりも大きくする必要がある場合は、この行を追加します。
pe.nonPlanExecNativeTimeout 行は、秒数です。この行は、execNative タイムアウトの時間を増やす必要がある場合に追加します。
config.properties ファイルは、SPS–INSTALL–PATH/server/config ディレクトリにあります。
config.properties ファイルに変更を加えたら、マスターサーバーを再起動します。
この手順は、作成するそれぞれのセッション変数ごとに繰り返し行います。
セッション変数は、SAP AC 環境にあって、このプラグインを使用してコンポーネントを管理する場合にのみ設定する必要があります。
「Common Tasks」ページで、「Session Variables」のリンクをクリックします。
「Create」リンクをクリックします。
セッション変数を作成します。
「Save」をクリックします。
SAP プラグインをインストールしたあとは、ここに示す作業を実行します。
N1 SPS のブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「Hosts」をクリックします。
「Create」をクリックします。
ホスト名を入力します。
「Host Type」を com.sun.sap#SAPHT に設定します。
envType フィールドに、このリモートエージェントに存在し得る環境のタイプをコンマ区切りのリストで入力します。
(省略可能) SAPS の値を入力します。
「Include Remote Agent on This Physical Host」チェックボックスを選択します。
接続のタイプを選択します。
IP アドレスまたは 名前を入力します。
ポート番号を入力します。
「Save」をクリックします。
詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の第 2 章「ホスト、ホストタイプ、ホストセット、およびホスト検索の管理」を参照してください。
ここで示す手順は、SAP プラグイン用の環境を確立するために行います。
SAP ホストを作成します。詳細については、「SAP ホストを作成する」を参照してください。
マスターサーバーおよびリモートエージェントを準備します。
詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の「物理ホストを準備する」を参照してください。
必要に応じて、任意の SAP グループタスク用のユーティリティーを実行します。
グループコンポーネントを作成します。
ほかのコンポーネントは、グループコンポーネントに依存関係を設定します。
詳細については、「グループの作成と管理」を参照してください。
グループに論理ホストコンポーネントを追加します。
詳細については、「論理ホストの作成と管理」を参照してください。
SAP Central Instance またはデータベースコンポーネントも含むグループ用に、グループにストレージ管理コンポーネントを追加します。
詳細については、「HA ストレージデバイスの作成と管理」を参照してください。
SAP Central Instance またはデータベースコンポーネントも含むグループ用に、グループに NFS 共有コンポーネントを追加します。
詳細については、「ネットワークファイルシステムの共有と管理」を参照してください。
主要インスタンスまたは Oracle コンポーネントをグループに追加します。
詳細については、「SAP Central Instance の作成と管理」または 「Oracle データベースの作成と管理」を参照してください。
SAP Application Server も含むグループ用に NFS マウントコンポーネントを追加します。
「ネットワークファイルシステムのマウントと管理」を参照してください。
ここでは、Sun N1 Service Provisioning System から、プラグインを削除する方法を説明します。詳細については、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の「プラグインの削除」を参照してください。
プラグインのすべてのバージョンによって作成されたすべてのオブジェクトを削除します。
これらのオブジェクトには、ホストを準備するときに自動的にインストールされるシステムサービスも含まれます。
N1 SPS のブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで、「Plans」をクリックします。
RemoveSAPSystemServicePlan プランに移動します。
「Details」リンクをクリックします。
「Run」をクリックします。
ターゲットホストまたはターゲットホストセットを選択します。
「Run Plan (includes preflight)」ボタンをクリックします。
CLI ディレクトリで、次のコマンドを入力します。
./cr_cli -cmd plg.p.del -ID plugin-ID -u admin -p password |
例: ./cr_cli -cmd plg.p.del -ID 010011242111-1146106455699-00215-1170512625 -u admin -p admin
SAP プラグインに適用可能なパッチについては、SunSolve サイトを確認します。パッチを適用するには、パッチの README ファイルの手順に従います。