Solaris 8 のインストール (上級編)

第 19 章 フラッシュアーカイブのインストール

この章では、フラッシュアーカイブをクローンシステムにインストールする手順を説明します。フラッシュアーカイブは、任意の Solaris のインストール方法でインストールできます。

Solaris Web Start によるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、Solaris 8 DVD または Solaris 8 INSTALLATION CD に含まれている Solaris Web Start を使用して、以下の媒体に格納されているフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

Solaris Web Start を使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. 第 14 章「Solaris Web Start の使用」 に記述されている手順に従って、Solaris Web Start インストールを開始します。

  2. 「媒体の指定 (Specify Media)」画面で、フラッシュアーカイブのロケーションを選択します。

    選択された媒体に応じて、Solaris Web Start が続行するためのプロンプトを表示します。

  3. プロンプトに従って次の情報を入力します。

    選択された媒体 

    プロンプト 

    DVD または CD 

    フラッシュアーカイブを含むディスクを挿入してください。 

    ネットワークファイルシステム 

    フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムへのパスを指定してください。アーカイブのファイル名を入力することもできます。 

    HTTP 

    フラッシュアーカイブにアクセスするための URL とプロキシ情報を指定してください。 

    ローカルテープ 

    フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 

    DVD、CD、または NFS サーバーに格納されたアーカイブのインストールを選択した場合は、「フラッシュアーカイブの選択 (Select Flash Archives)」画面が表示されます。

  4. DVD、CD、または NFS サーバーに格納されたアーカイブについては、「フラッシュアーカイブの選択 (Select Flash Archives)」画面で、インストールするフラッシュアーカイブを選択します (1 つでも複数でも可)。

  5. 「フラッシュアーカイブの一覧 (Flash Archives Summary)」画面で選択されたアーカイブを確認し、「次へ (Next)」をクリックします。

  6. 「追加するフラッシュアーカイブ (Additional Flash Archives)」画面で、別のアーカイブを含む媒体を指定して、階層化されたフラッシュアーカイブのインストールを選択することができます。アーカイブをそれ以上インストールしない場合は、「なし - アーカイブの選択が完了しました (None)」を選択し、「次へ (Next)」をクリックしてインストールを継続します。

Solaris 8 対話式インストールプログラムによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれる Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を使用して、以下に格納されているフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始します (GUI ではなく、CLI を使用する必要があります)。

    • SPARC: Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始するには、- w 引数を指定してシステムをブートします。

      • CD からブートする場合:


        ok boot cdrom - w
        
      • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージからブートする場合:


        ok boot net - w
        
    • IA: Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始するには、次の手順を使用します。

      1. x86: Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用してインストールまたはアップグレードする方法に従ってシステムをブートし、Solaris 8 対話式インストールプログラムを開始します。

      2. 「kdmconfig – Introduction」画面が表示されたら、F4 キー (Bypass) を選択し、kdmconfig テストを省略し、インストールを開始します。

  2. 「Flash Archive Retrieval Method」画面で、フラッシュアーカイブのロケーションを選択します。

    選択された媒体に応じて、Solaris 8 Solaris Web Start インストールが続行するためのプロンプトが表示されます。

  3. プロンプトに従って次の情報を入力します。

    選択された媒体 

    プロンプト 

    HTTP 

    フラッシュアーカイブへのアクセスに必要な URL とプロキシ情報を指定してください。 

    ネットワークファイルシステム 

    フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムのパスを指定してください。アーカイブのファイル名を入力することもできます。 

    ローカルファイル 

    フラッシュアーカイブを含むローカルファイルシステムのパスを指定してください。 

    ローカルテープ 

    フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 

    ローカルデバイス 

    フラッシュアーカイブを含むローカルデバイスとパス、ファイルシステムのタイプを指定してください。 

  4. 「Flash Archive Selection」画面で、「New」を選択すると、階層化されたフラッシュアーカイブのインストールを選択することができます。アーカイブをそれ以上インストールしない場合は、インストールを完了させるために「Continue」を選択します。


    注 –

    キャラクタベース (CLI) の対話式インストールでは、デフォルトロケールに日本語ロケールを指定しても、インストール画面の表示言語は英語になります。


カスタム JumpStart インストールによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、カスタム JumpStart インストールを使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. インストールサーバーで、カスタム JumpStart の rules ファイルを作成します。

    カスタム JumpStart ファイルの作成手順の詳細は、第 23 章「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  2. インストールサーバーで、カスタム JumpStart のプロファイルを作成します。

    1. install_type プロファイルキーワードの値を、flash_install と設定します。

    2. 新しい archive_location プロファイルキーワードを使用して、フラッシュアーカイブへのパスを追加します。

      archive_location プロファイルキーワードの詳細は、archive_location プロファイルキーワードを参照してください。

    3. ファイルシステム構成を指定します。

      フラッシュアーカイブの抽出プロセスでは、パーティションの自動配置はサポートされません。

    4. (省略可能) クローンシステムに階層化されたフラッシュアーカイブをインストールしたい場合は、インストールしたいアーカイブごとに archive_location 行を指定してください。


    注 –

    第 23 章「カスタム JumpStart インストールの準備」に記載されているカスタム JumpStart のプロファイルキーワードのリストの中で、フラッシュアーカイブをインストールする時に有効なキーワードは、以下のもののみです。

    • fdisk (IA のみ)

    • filesys - filesys プロファイルキーワードに値 auto は設定できません。

    • install_type (必須)

    • partitioning - partitioning プロファイルキーワードに、値 explicit または existing のみ設定できます。


  3. インストールサーバーで、フラッシュアーカイブをインストールするクライアントを追加します。

    手順の詳細はネットワーク上でインストールするためのシステムの設定を参照してください。

  4. クローンシステムへのカスタム JumpStart インストールを実行します。

    手順の詳細は、第 26 章「カスタム JumpStart インストールの実行」を参照してください。

フラッシュのカスタム JumpStart プログラムファイルの例

次に、カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールするために利用できるプロファイル例を示します。

次のプロァイル例は、カスタム JumpStart プログラムが HTTP サーバーからフラッシュアーカイブを取り出すことを示しています。


例 19–1 HTTP サーバーからフラッシュアーカイブをインストールする

install_type  flash_install
archive_location http installserver /flasharchive/solaris8archive
partitioning explicit
filesys c0t1d0s0 4000 /
filesys c0t1d0s1 512 swap
filesys c0t1d0s7 free /export/home

次のプロファイル例は、カスタム JumpStart プログラムが NFS サーバーからフラッシュアーカイブを取り出すことを示しています。


例 19–2 NFS サーバーからフラッシュアーカイブをインストールする

install_type  flash_install
archive_location nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solaris8archive
partitioning explicit
filesys rootdisk.s0 6000 /
filesys rootdisk.s1 512 swap
filesys rootdisk.s7 free /export/home