このパートでは、取り外し可能な媒体を Solaris の環境で使用する方法を説明します。次の章が含まれます。
自動マウントと手作業によるマウントの比較を含めて、CD とフロッピーディスクの使用方法についての概要を説明します。 |
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コマンド行から CD を使用する手順と、ボリューム管理の起動と終了について説明します。 |
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コマンド行からフロッピーディスクをフォーマットして使用する手順を説明します。 |
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コマンド行から PCMCIA メモリカードをフォーマットして使用する手順を説明します。 |
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Solaris 環境によって、フロッピーディスクおよび CD へのアクセスを容易にするための特別なマウントポイントとシンボリックリンクがどのように作成されるかについて、詳しく説明します。 |
この章では、フロッピーディスクと CD を Solaris 環境で使用するためのガイドラインを示します。
この章の内容は次のとおりです。
取り外し可能な媒体を管理する手順については、次を参照してください。
OpenWindows 環境または共通デスクトップ環境のファイルマネージャで取り外し可能な媒体を使用する方法については、次を参照してください。
Solaris 環境には、ユーザーとソフトウェア開発者用に、フロッピーディスクと CD を扱うための標準インタフェースが用意されています。ボリューム管理と呼ばれるこのインタフェースには、主に次の 3 つの利点があります。
フロッピーディスクと CD を自動的にマウントすることによって、操作を簡単にします。(手作業によるマウントと自動マウントの比較については、表 11-1 を参照してください。)
スーパーユーザーでなくても、フロッピーディスクと CD にアクセスできるようにします。
ネットワーク上の他のシステムが、システムに挿入されたフロッピーディスクと CD に自動的にアクセスできるようにします (第 12 章「コマンド行での CD の使用方法」と第 13 章「コマンド行でのフロッピーディスクのフォーマットと使用方法」を参照してください)。
次の表 11-1 は、手作業によるマウント (ボリューム管理を使用しない場合) と自動マウント(ボリューム管理を使用する場合) の手順を比較したものです。
表 11-1 手作業によるマウントと自動マウントの比較
手作業によるマウント 必要な作業 |
-比較- |
|
自動マウント | |||||
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|
必要な作業 |
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媒体を挿入する |
|
媒体を取り出す |
||||||
| ||||||||
スーパーユーザーになる |
|
フロッピーディスクの場合は、volcheck コマンドを使用する |
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| ||||||||
媒体デバイスの位置を確認する |
ボリューム管理は、以前は CD およびフロッピーディスクを手作業でマウントしていた多くの作業を、自動的に実行する。 |
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マウントポイントを作成する |
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| ||||||||
マウントポイントが現在のディレクトリではないことを確認する |
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| ||||||||
mount に適切なオプションを付けて、デバイスをマウントする |
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| ||||||||
スーパーユーザーのアカウントを終了する |
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媒体上のファイルを操作する |
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媒体上のファイルを操作する |
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スーパーユーザーになる |
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| ||||||||
媒体デバイスのマウントを解除する |
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媒体を取り出す |
|
媒体を取り出す |
||||||
|
| |||||||
スーパーユーザーのアカウントを終了する | ||||||||
|
ボリューム管理を使用すると、手作業によるマウントの場合と同様にフロッピーディスクおよび CD にアクセスできますが、処理ははるかに容易になり、スーパーユーザーになる必要もなくなります。フロッピーディスクと CD を扱いやすくするために、覚えやすい位置にマウントされます。
表 11-2 フロッピーディスクと CD 上のデータにアクセスする方法
アクセスするもの |
操作 |
ファイルを検索する場所 |
---|---|---|
フロッピーディスク上のファイル |
フロッピーディスクを挿入して、volcheck と入力 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
フロッピーディスク上の raw データ |
フロッピーディスクを挿入して、volcheck と入力 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
CD 上のファイル |
CD を挿入して、数秒間待つ |
/cdrom/cdrom0 |
システムに複数のフロッピーディスクまたは CD-ROM ドライブがある場合は、そのアクセスポイントについて、次の表 11-3 を参照してください。
表 11-3 フロッピーディスクと CD にアクセスする場所
媒体デバイス |
ファイルシステムにアクセスするための場所 |
raw データにアクセスするための場所 |
---|---|---|
最初のフロッピーディスクドライブ |
/floppy/floppy0 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
2 番目のフロッピーディスクドライブ |
/floppy/floppy1 |
/vol/dev/aliases/floppy1 |
最初の CD-ROM ドライブ |
/cdrom/cdrom0 |
/vol/dev/aliases/cdrom0 |
2 番目の CD-ROM ドライブ |
/cdrom/cdrom1 |
/vol/dev/aliases/cdrom1 |
この章では、Solaris 環境においてコマンド行から CD を使用する方法について説明します。この章で説明する手順は次のとおりです。
作業 | 説明 | 手順の説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
CD のロード |
CD-ROM ドライブに CD を挿入する | ||||||
内容のチェック |
省略可能。 CD の内容を調べるには、/cdrom の下にある適切なディレクトリを調べる。 | ||||||
| |||||||
ファイルまたはディレクトリのコピー |
省略可能。 ファイルシステムの他の任意の場所からコピーを行う場所と同様に、CD からファイルまたはディレクトリコピーする。 | ||||||
| |||||||
CD が使用中かどうかの確認 |
省略可能。 CD を取り出す前に、それが使用中かどうかを確認する。 | ||||||
| |||||||
CD の取り出し |
終了したら、CD を取り出す。 | ||||||
|
CD を操作する場合、名前または以下の 表 12-2 に示す呼び名によって、それらを識別できます。説明を簡単にするため、作業の説明では cdrom0 を使用しますが、CD 名または別の呼び名を使用することもできます。
表 12-2 CD の識別方法
CD |
代替名 |
---|---|
最初の CD-ROM ドライブ |
cdrom0 |
2 番目の CD-ROM ドライブ |
cdrom1 |
3 番目の CD-ROM ドライブ |
cdrom2 |
CD を挿入します。ランプの点滅が消えるとすぐに (およそ 5〜10 秒)、CD は /cdrom にマウントされます。CD がマウントされたことを確認するには、次の 「CD の内容を調べる方法」で説明する作業を実行してください。
ほとんどの CD は、ISO 9660 標準にフォーマットされています。これには移植性があるため、ほとんどの CD をボリューム管理によってマウントできます。ただし、第 15 章「ボリューム管理の動作の概要」で説明するように、UFS CD はアーキテクチャが異なると互換性がないため、専用のアーキテクチャ上で使用する必要があります。CD のマウントで問題が生じた場合、特にそれがインストール用 CD の場合は、その UFS ファイルシステムが使用しているシステムのアーキテクチャに適しているかを CD のラベルをチェックして確認してください。
/floppy および /cdrom の下にあるディレクトリの一部はシンボリックリンクであるため、ls コマンドに -L オプションを付けて使用してください。
$ ls -L [-l] /cdrom/cdrom0
-L |
出力にシンボリックリンクを含める。 |
-l |
長い形式で出力する。アクセス権と所有権を含める。 |
次の例は、最初の CD-ROM ディレクトリである /cdrom/cdrom0 にロードされた CD の内容を示します。
$ ls -L -l /cdrom/cdrom0 dr-xr-xr-x 2 root sys 2048 Dec 31 1993 tools dr-xr-xr-x 2 root sys 2048 Dec 31 1993 graphics
他のファイルシステムの場合と同様に、CD のファイルとディレクトリにもアクセスできます。ただし、所有権とアクセス権については注意が必要です。たとえば、あるユーザーが、CD ファイルを各自のファイルシステムにコピーした場合、そのユーザーは所有者になりますが、書き込み権はありません (これは、CD 上で書き込み権がなかったためです)。アクセス権を各自で変更する必要があります。
CD がマウントされていることを確認します。
$ ls /cdrom
ls コマンドは、マウントされた CD の内容を表示します。内容が表示されない場合は、「CD をロードする方法」を参照してください。
ファイルまたはディレクトリをコピーします。
コピーするもの |
使用するコマンド |
---|---|
ファイル |
cp |
ディレクトリ |
cp -r |
次の例では、cp コマンドを使用して 1 つのファイルを /cdrom/solstice_sysmgt_2_3 ディレクトリからシステムの作業ディレクトリ (「.」で示す) へコピーします。
$ cp /cdrom/solstice_sysmgt_2_3/README .$ ls -l -r--r--r-- 1 pmorph users 4618 May 9 08:09 README
ファイルまたはディレクトリが CD からファイルシステムへコピーされる場合、実行したユーザーがその所有者になりますが、CD 上で持っていたアクセス権を保持します。
-r--r--r--
これを変更するには、chmod コマンドでアクセス権を変更する必要があります。chmod コマンドの使用方法については、第 51 章「ファイルのセキュリティの適用手順」を参照してください。
fuser コマンドを入力します。
fuser コマンドは、指定する CD に現在アクセス中のプロセスを表示します。
# fuser -u [-k] /cdrom/cdrom0
-u |
CD のユーザーを表示する。 |
|
-k |
CD にアクセス中のプロセスを終了させる。 |
fuser コマンドは、終了したプロセスすべてを必ず識別できるわけではありません。確認するには、-u オプションを付けて、もう一度このコマンドを実行してください。
以下の例では、プロセス 6400c と 6399c が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにアクセスしており、プロセスの所有者はそれぞれ root と smith です。
# fuser -u /cdrom/cdrom0/cdrom/cdrom0: 6400c(root) 6399c(smith)
各プロセスを別々に (スーパーユーザー権限により) 終了するか、あるいは -k オプションを付けて fuser コマンドを使用できます。このオプションはファイルシステムにアクセスしているすべてのプロセスを終了させます。
# fuser -u -k /cdrom/cdrom0/cdrom/cdrom0: 6400c(root)Killed 6399c(smith)Killed
CD は、シェルまたはアプリケーションがそのファイルまたはディレクトリのいずれかにアクセスしている場合には「使用中」であることを忘れないでください。CD のすべてのユーザーを検出したかどうかを確認できない場合は (デスクトップツールの背後に隠れているシェルがアクセスしている可能性がある場合は)、「CD が使用中かどうかを調べる方法」に説明されている fuser コマンドを使用してください。
CD を取り出します。
# eject cdrom0
他のシステム上の CD を各自のファイルシステムに手作業でマウントすることによって、その CD にアクセスできます。ただしこれは、他のシステムが、「ローカル CD を他のシステムで使用可能にする方法」の指示に従って CD-ROM をエクスポートしている場合にかぎります。
マウントポイントとして指定する既存のディレクトリを選択するか、あるいは作成します。
$ mkdir directory
directory |
他のシステムの CD のマウントポイントとして作成するディレクトリの名前 |
手作業でリモート CD をマウントする場合は、ローカル CD で使用可能な cdrom0 または cdrom1 変数を使用できません。CD 名そのものを使用する必要があります。この名前を確認するには、リモートシステムの /cdrom ディレクトリで ls コマンドを使用してください。オートマウンタが実行されている場合は、マウントしたい CD を持つシステムに cd コマンドで移動してから、ls コマンドを使用できます。オートマウンタが実行されていない場合は、リモートからログインするなどの別の方法を使用する必要があります。
# mount -F nfs -o ro system-name:/cdrom/cd-name local-mount-point
system-name |
マウントする CD を持つシステムの名前 |
cd-name |
マウントしたい CD の名前 |
local-mount-point |
リモート CD のマウント先のローカルディレクトリ |
スーパーユーザーをログアウトします。
CD が実際にマウントされたかどうかを確認するには、ls コマンドを使用して、マウントポイントの内容を表示します。
$ ls /cdrom
次の例では、リモートシステム mars 上の Solaris_2.6_sparc という名前の CD を、ローカルシステムの /cdrom ディレクトリにマウントしています。
$ cd /net/mars $ ls /cdrom cdrom0 Solaris_2.6_sparc $ su Password: password # mount -F nfs ro mars:/cdrom/Solaris_2.6_sparc /cdrom # exit $ ls /cdrom Solaris_2.6_sparc
システムを設定して、その CD-ROM をエクスポートすることができます。つまり、これらのドライブ上の CD (音楽 CD を除く) を、他のシステムで使用できるようにすることができます。 CD-ROM ドライブがエクスポートされると、他のシステムは、「他のシステム上の CD にアクセスする方法」に説明されているように、それらをマウントするだけでそこに含まれる CD にアクセスできます。
スーパーユーザーになります。
NFS デーモン (nfsd) が実行されているかどうかを確認します。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd
デーモンが実行されていると、/usr/lib/nfs/nfsd の行は、上記のとおりに表示されます。デーモンが実行されていないと、grep nfsd の行だけが表示されます。
以下の表からオプションを選択します。
条件 |
次の手順 |
---|---|
nfsd が実行されている場合 | |
nfsd が実行されていない場合 |
手順 4 |
nfsd がエクスポートするダミーディレクトリを作成します。
# mkdir /dummy-dir
dummy-dir |
たとえば、dummy などの任意のディレクトリ名。このディレクトリにはファイルは含まれない。この目的は、NFS デーモンを「呼び起こして」、エクスポートされた CD-ROM を認識させることにある。 |
次のエントリを /etc/dfs/dfstab に追加します。
share -F nfs -o ro [-d comment] /dummy-dir
NFS デーモンを起動すると、このエントリを参照して、エクスポートされたフロッピーディスクドライブを認識します。コメント (-d が前に付く) はオプションです。
# /etc/init.d/nfs.server start
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 /grep nfsd
現在ドライブにある CD を取り出します。
# eject cdrom0
root の書き込み権を /etc/rmmount.conf に割り当てます。
# chmod 644 /etc/rmmount.conf
次の行を /etc/rmmount.conf に追加します。
# File System Sharing share cdrom*
上記の行によって、システムの CD-ROM ドライブにロードされる CD が共有されます。ただし、share(1M) のマニュアルページで説明されているように、特定の CD (複数も可) に共有範囲を限定することができます。
/etc/rmmount.conf から書き込み権を削除します。
# chmod 444 /etc/rmmount.conf
この手順により、ファイルはそのデフォルトのアクセス権に戻ります。
CD をロードします。
ここでロードする CD は他のシステムで使用できるようになります。必ずドライブのランプの点滅が消えるまで待って、この作業を確認するようにしてください。
CD にアクセスするために、リモートユーザーは、「他のシステム上の CD にアクセスする方法」の指示に従って、名前によりその CD をマウントする必要があります。
CD が実際に他のシステムで使用できるかどうかを確認するには、share コマンドを使用してください。
CD が使用可能な場合は、その共有の設定が表示されます。(共有されるダミーディレクトリも表示されます。)
# share - /dummy ro "dummy dir to wake up NFS daemon" - /Solaris_2.6_sparc ro ""
次の例では、ローカルシステムの CD-ROM ドライブにロードされた CD を、ネットワーク上の他のシステムで使用できるようにしています。
# ps -ef | grep nfsd root 10127 9986 0 08:25:01 pts/2 0:00 grep nfsd root 10118 1 0 08:24:39 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a # mkdir /dummy # vi /etc/dfs/dfstab (次の行を追加する) share -F nfs -o ro /dummy # eject cdrom0 # chmod 644 /etc/rmmount.conf # vi /etc/rmmount (次の行をファイルシステム共有セクションに追加する) share cdrom* # chmod 444 /etc/rmmount.conf (CD をロードする) # share - /dummy ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s5 ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s4 ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s3 ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s2 ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s1 ro "" - /cdrom/solaris_2_6_sparc/s0 ro ""
Solaris システムに接続された CD-ROM から音楽 CD を演奏できます。パブリックドメインソフトウェアである Workman にアクセスして、外部スピーカまたはヘッドホンを、CD-ROM ドライブに接続する必要があります。システムハードウェアに接続されたスピーカは動作しません。
システムを設定したら、それを CD-ROM ドライブに挿入するだけで、音楽 CD を演奏できます。Workman のコントロールパネルは、デスクトップに自動的に表示されます。
スーパーユーザーになります。
/etc/rmmount.conf を編集します。
以下の例に示すように、# Actions の下、cdrom 記述の前に次の行を追加します。
# Actions action cdrom action_workman.so path/workman workman-options
path |
Workman ソフトウェアを置いたディレクトリ |
workman-options |
Workman ソフトウェアによって許可されたオプション |
この例では、Workman ソフトウェアをサポートするように変更された /etc/rmmount.conf ファイルを示します。
# @(#)rmmount.conf 1.3 96/05/10 SMI # # Removable Media Mounter configuration file. # # File system identification ident hsfs ident_hsfs.so cdrom ident ufs ident_ufs.so cdrom floppy rmscsi pcmem ident pcfs ident_pcfs.so floppy rmscsi pcmem # Actions action cdrom action_workman.so /usr/dist/exe/workman action cdrom action_filemgr.so action floppy action_filemgr.so action rmscsi action_filemgr.so # File System Sharing share cdrom* share floppy*
boot -r コマンドによって正しくブートされたシステムでは、ボリューム管理は新しい CD-ROM ドライブを自動的に認識します。ただし、ボリューム管理が常に新しいドライブを認識するようにするには、/reconfigure ファイルを作成する必要があります。
スーパーユーザーになります。
/reconfigure というファイルを作成します。
# touch /reconfigure
/reconfigure ファイルは、システムの電源を入れたとき、またはシステムをブートしたときに、Solaris 環境が、新たにインストールされた周辺デバイスがあるかどうかをチェックするように設定するものです。この後で、ボリューム管理は、新しいデバイスを検出し、ユーザーに代わってそれを自動的に管理します。
通常はボリューム管理を使用しないで、フロッピーディスクまたは CD を管理したいことがあります。この項では、ボリューム管理を終了し、また、再起動する方法を説明します。
フロッピーディスクまたは CD が使用中ではないことを確認します。
フロッピーディスクまたは CD を使用中のすべてのユーザーを確認したかどうかを調べるには、「CD が使用中かどうかを調べる方法」に説明されている fuser コマンドを使用してください。
スーパーユーザーになります。
volmgt stop コマンドを入力します。
# /etc/init.d/volmgt stop #
この章では、Solaris 環境において、コマンド行からフロッピーディスクをフォーマットして使用する方法を説明します。この章で説明する手順は次のとおりです。
作業 |
説明 |
手順の説明 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
フォーマットされていないフロッピーディスクのロード |
フロッピーディスクをドライブに入れて、volcheck コマンドを入力する。 | ||||||
フロッピーディスクのフォーマット |
UFS または DOS 用にフロッピーディスクをフォーマットする。 | ||||||
|
|
| |||||
| |||||||
UFS ファイルシステムの作成 |
UFS の場合のみ。 省略可能。ファイル用にフロッピーディスクを使用する場合は、UFS ファイルシステムを作成する。文字用に使用する場合は、この手順は不要。 | ||||||
| |||||||
フロッピーディスクの取り出し |
フォーマットが終了したら、すぐに使用する場合でも、必ずそのフロッピーディスクを取り出す。 | ||||||
フロッピーディスクを操作する場合は、名前、または次の表 13-2 の呼び名によって識別できます。説明を簡単にするために、作業の説明では floppy0 を使用しますが、フロッピーディスク名または別の呼び名も使用できます。
表 13-2 フロッピーディスクを識別する方法
フロッピーディスク |
フロッピーディスクの代替名 |
---|---|
最初のフロッピーディスクドライブ |
floppy0 |
2 番目のフロッピーディスクドライブ |
floppy1 |
3 番目のフロッピーディスクドライブ |
floppy2 |
名前の付いていない (つまり、「ラベル」がない) フロッピーディスクには、noname というデフォルト名が割り当てられます。
Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用にフロッピーディスクをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームにいくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。
プラットフォームの種類 |
フロッピーディスクのフォーマット仕様 |
---|---|
SPARC 上の Solaris |
SPARC 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
x86 上の Solaris |
x86 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
UFS 用にフォーマットされたフロッピーディスクは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、x86 システム上の UFS には使用できません。x86 システム上でフォーマットされたフロッピーディスクの場合も同様です。これは、SPARC と x86 の UFS フォーマットが異なるためです。SPARC はリトルエンディアンによるビットコーディング、x86 はビッグエンディアンによるビットコーディングを採用しています。
SunOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、SunOS ファイルシステムをサポートするための構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。フロッピーディスクを準備するために必要な手順は、ファイルシステムによって異なります。したがって、フロッピーディスクをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「フロッピーディスクのフォーマット」を参照してください。
Solaris システム (SPARC または x86 のいずれか) では、7 つの異なる密度のフロッピーディスクをフォーマットできます (適切なドライブが必要です)。
フロッピーディスクのサイズ |
フロッピーディスクの密度 |
容量 |
---|---|---|
3.5" |
拡張密度 |
2.88M バイト |
3.5" |
高密度 (HD) |
1.44M バイト |
3.5" |
中密度 (DD) |
1.2M バイト |
3.5" |
低密度 |
720M バイト |
5.25" |
高密度 (HD) |
1.2M バイト |
5.25" |
中密度 (DD) |
720K バイト |
5.25" |
低密度 |
360K バイト |
デフォルトにより、フロッピーディスクドライブは、それに近い密度にフロッピーディスクをフォーマットします。つまり、1.44M バイトのドライブは、フロッピーディスクが実際に 1.44M バイトのフロッピーディスクかどうかに関係なく、特に指示しないかぎり、そのフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとします。1.44M バイトドライブに、フロッピーディスクを、たとえば 720K バイトにフォーマットするように指示できます。しかし、720K バイトドライブに、フロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットするよう指示することはできません。つまり、フロッピーディスクもドライブも、その容量以下にフォーマットすることは可能です。
ドライブに対して、フロッピーディスクをデフォルト以外の密度にフォーマットするよう指示するには、次の作業に示すように、fdformat コマンドを使用してください。この場合、以下の表 13-3 から適切な密度オプションを使用するようにしてください。
表 13-3 密度のオプション
フロッピーディスクのフォーマット密度 |
ドライブがデフォルト密度を使用する場合 |
fdformat コマンドに使用する密度オプション |
---|---|---|
2.88M バイト |
2.88M バイト |
-E |
1.44M バイト |
2.88M バイト |
-H |
1.44M バイト |
1.44M バイト |
なし |
1.2M バイト |
1.44M バイト | |
720K バイト |
1.44M バイト |
-D または -t dos -D |
1.2M バイト |
1.2M バイト |
なし |
720K バイト |
1.2M バイト |
-D |
720K バイト |
720K バイト |
なし |
360 バイト |
720K バイト |
-D |
fdformat コマンドのオプションについては、マニュアルページを参照するか、fdformat -z を入力してください。この -z オプションを使用すると、コマンドのすべてのオプションが表示されます。
ドライブのデフォルト密度がわからない場合は、デフォルト設定 (つまり、密度オプションのない状態) によってフォーマット処理を開始して、設定メッセージに注意してください。このメッセージは、次のように表示されます。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy.
確認メッセージには、ドライブのデフォルト密度が示されます。たとえば、上の例では、ドライブのデフォルト密度は 1.44M バイトです。密度が予想外のものであれば、Ctrl-c キーを使用して、フォーマット処理を中止して、やりなおしてください。
最初の説明にあるように、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、SPARC システムでしか使用できません。また、x86 システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、Solaris を実行する x86 システムでしか使用できません。
フロッピーディスクをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャは、フォーマットされていないフロッピーディスクを挿入すると、フォーマット用ウィンドウを自動的に表示します。ただし、以下で説明するフォーマット方法が、ファイルマネージャによるフォーマットよりも確実です。このウィンドウが表示されないようにするには、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されたときに、それを終了してください。
フロッピーディスクが書き込み可能になっていることを確認します。
3.5 インチと 5.25 インチのどちらのフロッピーディスクでも、書き込み保護は、左下または右下の角にある小さなタブによって設定されます。タブの背後に四角い穴が見える場合、フロッピーディスクは書き込み保護になっています。この穴がタブによって覆われている場合、フロッピーディスクは書き込み可能です。(フロッピーディスクを取り出して調べる必要がある場合は、eject floppy とシェルに入力してください。)
フロッピーディスクを挿入します。
フロッピーディスクが完全に挿入されたことを確認してください。
$ fdformat -v -U [density-options convenience-options]
-v |
フロッピーディスクが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
フロッピーディスクがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
density-options |
ドライブ密度が 1.44M バイトの場合、密度オプションは次のようになる。 |
|
|
- なし - |
1.44M バイトにフォーマットする。 |
|
-D |
720K バイトにフォーマットする。 |
|
|
density-options のリストは、表 13-3 を参照。 |
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、フロッピーディスクを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
フロッピーディスクに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする必要がある。大文字小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、フロッピーディスクはフォーマットしない。 |
720K バイト (DD) のフロッピーディスクを、1.44M バイト用にフォーマットしようとした場合、fdformat は、-v オプションが指定されないかぎり、処理を中止しない。-v オプションを使用すると、fdformat は、フロッピーディスクをフォーマットするが、検査でエラーが検出されて、次のメッセージによって通知される。fdformat: check diskette density, I/O error
fdformat コマンドは -f オプションを使用していなければ、確認メッセージを表示して実行されるフォーマットのタイプを示します。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy.
次の表からいずれかのオプションを選択します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの後に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了です。
これでフロッピーディスクを、tar や cpio などの raw データ操作に使用することができます。
次に、UFS フォーマットのいくつかの例を示します。最初の例では、1.44M バイトのフロッピーディスクを 1.44M バイトドライブでフォーマットしています。
$ fdformat -v -U Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. [ Return キー ] ....................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
次の例では、同じジョブを実行していますが、フロッピーディスクに myfiles という名前を割り当てています。
$ fdformat -v -U -b myfiles Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. [ Return キー ] ....................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
次の例では、720K バイトフロッピーディスクを、1.44M バイトドライブでフォーマットして、それに myfiles という名前を付けています。
$ fdformat -v -U -D -b myfiles Formatting 720 KB in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. [ Return キー ] ....................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
UFS ファイルシステムを作成する手順は、x86 システムおよび SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクの場合と同じですが、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、SPARC システムでしか使用できません。また、x86 システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、Solaris を実行する x86 システムでしか使用できません。
UFS ファイルシステム用にフロッピーディスクをフォーマットします。
「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」で説明した手順に従ってください。
フロッピーディスクに SunOS ファイルシステムを作成します。
$ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/floppy0
-v |
状態メッセージを出力する。 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
フロッピーの位置を指定する。 |
newfs コマンドは、ファイルシステムの作成を確認するメッセージを表示します。
ファイルシステムの作成を確認します。
newfs: construct a new file system /vol/dev/aliases/floppy0:(y/n)? y
状態メッセージが表示されて、ファイルシステムとフロッピーディスクのフォーマットの詳細を示します。
これで、フロッピーディスクを SPARC システムで使用することができます。ただし、ボリューム管理にフロッピーディスクを認識させるには、次の手順で説明するように、volrmmount コマンドを実行する必要があります。
フロッピーディスクが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを呼び出します。
$ volrmmount -i floppy0
/floppy ディレクトリで ls コマンドを使用して、UFS ファイルシステムがフロッピーディスク上に作成されていることを確認します。
floppy0 サブディレクトリが表示されれば、UFS ファイルシステムがフロッピーディスクに保存され、正しくマウントされたということです。
$ ls /floppy floppy0
$ volcheck -v media was found $ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/floppy0 newfs: construct a new file system /vol/dev/aliases/floppy0: (y/n)? y mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/floppy0 2880 18 2 8192 1024 16 10 5 2048 t 0 -1 8 15 /vol/dev/aliases/floppy0: 2880 sectors in 80 cylinders of 2 tracks, 18 sectors 1.4MB in 5 cyl groups (16 c/g, 0.28MB/g, 128 i/g) super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at: 32, 640, 1184, 1792, 2336, $ volrmmount -i floppy0 $ ls /floppy floppy0
SPARC または x86 版 Solaris のいずれかのシステムで DOS フロッピーディスクをフォーマットできます。これらの手順は似ていますが、フロッピーディスクに SunOS ファイルシステムが作成される代わりに、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかの DOS ファイルシステムがファイルシステムに作成される点が異なります。
フロッピーディスクをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていないフロッピーディスクを挿入すると、フォーマットウィンドウを自動的に表示します。ただし、以下で説明するフォーマット方法が、ファイルマネージャによるフォーマットよりも確実です。このウィンドウが表示されないようにするには、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いたままにしておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されてから、それを終了してください。
フロッピーディスクが書き込み保護になっていないことを確認します。
3.5 インチと 5.25 インチのどちらのフロッピーディスクでも、書き込み保護は、左下または右下の角にある小さなタブによって設定されます。タブの背後に四角い穴が見える場合、フロッピーディスクは書き込み保護になっています。この穴がタブで覆われている場合、フロッピーディスクは書き込み可能です。(フロッピーディスクを取り出して調べる必要がある場合は、eject floppy とシェルに入力してください。)
フロッピーディスクを挿入します。
フロッピーディスクが完全に挿入されたことを確認してください。
$ fdformat -v -U [density-options convenience-options]
-v |
フロッピーディスクが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
フロッピーディスクがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
density-options |
ドライブ密度が 1.44M バイトの場合、密度オプションは次のようになる。 |
|
|
-d |
1.44M バイトで MS-DOS 用にフォーマットする。 |
|
-d -D |
720K バイトで MS-DOS 用にフォーマットする。 |
|
-t nec -M |
1.2M バイトで NEC-DOS 用にフォーマットする。 |
|
|
density-options のリストは、表 13-3 を参照。 |
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、フロッピーディスクを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
フロッピーディスクに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする必要がある。大文字小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、フロッピーディスクはフォーマットしない。 |
720K バイト (DD) のフロッピーディスクを、1.44M バイト用にフォーマットしようとした場合、fdformat は、-v オプションが指定されないかぎり、処理を中止しない。-v オプションを使用すると、fdformat は、フロッピーディスクをフォーマットするが、検査でエラーが検出されて、次のメッセージによって通知される。fdformat: check diskette density, I/O error
fdformat コマンドは、確認メッセージを表示して、実行されるフォーマットのタイプを示します。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy.
次の表からいずれかのオプションを選択します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの後に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了し、DOS システム上でフロッピーディスクが使用できるようになります。
フロッピーディスクが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを呼び出します。
$ volrmmount -i floppy0
次の例は、1.44 M バイトで MS-DOS 用にフロッピーディスクをフォーマットして、そのフロッピーディスクに myfiles という名前を付けています。
$ fdformat -v -U -b myfiles Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy. [ Return キー ] ...................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
作業 | 説明 | 手順の説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
フロッピーディスクのロード |
フロッピーディスクをドライブに入れて、volcheck コマンドを入力する。 | ||||||
内容のチェック |
省略可能。 フロッピーディスクの内容を調べるには、/diskette の下にある該当するディレクトリを調べる。 | ||||||
| |||||||
ファイルの交換 |
省略可能。 フロッピーディスクとファイルシステムの間でファイルまたはディレクトリをコピーする。 | ||||||
|
|
| |||||
| |||||||
フロッピーディスクが使用中かどうかの確認 |
省略可能。 フロッピーディスクを取り出す前に、フロッピーディスクが使用中であるかどうかを調べる。 | ||||||
| |||||||
フロッピーディスクの取り出し |
終了したら、フロッピーディスクを取り出す。 | ||||||
|
フロッピーディスクがフォーマットされていることを確認します。
不確かな場合は、フロッピーディスクを挿入して、手順 3 で説明されているように、コンソールの状態メッセージをチェックしてください。フロッピーディスクをフォーマットする必要がある場合は、「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」、または 「DOS フロッピーディスクをフォーマットする方法」を参照してください。
フロッピーディスクを挿入します。
フロッピーディスクがドライブに完全に挿入されたことを確認してください。ドライブにふたがある場合は、それを閉じてください。
ボリューム管理に通知します。
$ volcheck -v media was found
次の 2 つの状態メッセージのどちらかが表示されます。
ボリューム管理がフロッピーディスクを検出して、それを /floppy ディレクトリにマウントしようとする。
フロッピーディスクが正しくフォーマットされると、エラーメッセージはコンソールに表示されない。
フロッピーディスクがフォーマットされていない場合でも、「media was found」メッセージは表示されるが、次のエラーメッセージがコンソールに表示される。
fd0: unformatted diskette or no diskette in the drive fd0: read failed (40 1 0) fd0: bad format フロッピーディスクをフォーマットしてからでないと、ボリューム管理はそれをマウントできない。フォーマットの方法は、「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」 (UFS 用) と 「DOS フロッピーディスクをフォーマットする方法」 (DOS 用) を参照。 |
|
ボリューム管理は、フロッピーディスクを検出しなかった。フロッピーディスクが正しく挿入されていることを確認して、volcheck をもう一度実行する。うまくいかない場合は、フロッピーディスクをチェックする。損傷の可能性がある。フロッピーディスクを手作業でマウントしてみることもできる。 |
フロッピーディスクの内容を一覧表示することによって、フロッピーディスクがマウントされていることを確認します。
$ ls /floppy floppy0 myfiles
前述したように、floppy0 はフロッピーディスクの実際の名前へのシンボリックリンクです。この場合は myfiles が実際の名前です。正しくフォーマットされていて、名前がない場合は、unnamed_floppy と呼ばれます。
/floppy ディレクトリの下に何も表示されない場合は、フロッピーディスクがマウントされていないか、または正しくフォーマットされていないかのいずれかです。これを調べるには、mount コマンドを実行して、/floppy で始まる行を探してください (通常は、リストの最後にあります)。
/floppy/name on /vol/dev/diskette0/name
このような行が表示されない場合、フロッピーディスクはマウントされていません。コンソールのエラーメッセージをチェックしてください。
/floppy の下にあるディレクトリの一部がシンボリックリンクであるため、ls コマンドに -L オプションを付けて使用
$ ls -L [-l] floppy0
-L |
出力にシンボリックリンクを含める。 |
-l |
長形式。アクセス権と所有権を出力に含める。 |
次の例では、floppy0 で識別される最初のフロッピードライブのフロッピーディスクの内容を一覧表示しています。
$ ls -L -l /floppy/floppy0 -rwxrwxrwx 1 smith staff 362284 Nov 16 20:54 text.doc -rwxrwxrwx 1 smith staff 24562 Nov 16 12:20 art.gif
フロッピーディスクを挿入すると、他のファイルシステムの場合と同様に、そのファイルとディレクトリにアクセスできます。ただし、所有権とアクセス権については注意が必要です。たとえば、フロッピーディスクのファイルの所有者ではない場合、フロッピーディスク上でそれを変更することはできません。また、ファイルシステムにファイルをコピーした場合、そのファイルの所有者にはなりますが、書き込み権はありません (フロッピーディスクでも書き込み権がなかったためです)。アクセス権は各自で変更する必要があります。
フロッピーディスクがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /floppy floppy0 diskette-name
フロッピーディスクが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクが、/floppy の下に表示されます。
/floppy ディレクトリに何も表示されない場合、フロッピーディスクはマウントされていません。「フロッピーディスクをロードする方法」を参照してください。フロッピーディスクがフォーマットされていない場合もあります。「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」、または 「DOS フロッピーディスクをフォーマットする方法」を参照してください。
コピーするもの |
使用するコマンド |
---|---|
ファイル |
cp |
ディレクトリ |
cp -r |
コピーまたは移動を確認するには、ls コマンドを使用します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) をフロッピーディスクから現在のディレクトリ (「.」 で示される) に移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) をフロッピーディスクから現在のディレクトリにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、フロッピーディスクから現在のディレクトリにコピーしています。
$ mv /floppy/floppy0/readme.doc . $ cp /floppy/floppy0/readme2.doc . $ cp -r /floppy/floppy0/morefiles .
フロッピーディスクが書き込み保護になっていないことを確認します。
3.5 インチと 5.25 インチのどちらのフロッピーディスクでも、書き込み保護は、左下または右下の角にある小さなタブによって設定されます。タブの背後に四角い穴が見える場合、フロッピーディスクは書き込み保護されています。この穴がタブで覆われている場合、フロッピーディスクは書き込み可能です。
フロッピーディスクがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /floppy floppy0 diskette-name
フロッピーディスクが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクの floppy0 が、/floppy の下に表示されます。
/floppy ディレクトリに何も表示されない場合、フロッピーディスクはマウントされていません。「フロッピーディスクをロードする方法」に示された作業を参照してください。フロッピーディスクがフォーマットされていない場合もあります。「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」、または 「DOS フロッピーディスクをフォーマットする方法」を参照してください。
作業 |
使用するコマンド |
---|---|
ファイルのコピー |
cp |
ディレクトリのコピー |
cp -r |
ファイルまたはディレクトリの移動 |
mv |
移動またはコピーを確認するには、ls コマンドを使用します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) を現在のディレクトリから、最初のフロッピードライブ (/floppy/floppy0) にロードされたフロッピーディスクに移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) を現在のディレクトリから、2 番目のフロッピードライブ (/floppy/floppy1) にロードされたフロッピーディスクにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、/home/smith/ ディレクトリから最初のフロッピードライブにコピーしています。
$ mv readme.doc /floppy/floppy0 $ cp readme2.doc /floppy/floppy1 $ cp -r /home/smith/morefiles /floppy/floppy0
fuser コマンドを起動します。
fuser コマンドは、指定された CD に現在アクセスしているプロセスを表示します。
# fuser -u [-k] floppy0
-u |
フロッピーディスクを使用中のユーザーを表示する。 |
-k |
フロッピーディスクにアクセスしているプロセスを終了させる。 |
次の例では、プロセス 6400c と 6399c が /floppy/floppy0 ディレクトリにアクセスしていて、プロセス所有者はそれぞれ root と smith です。
# fuser -u /floppy/floppy0 /floppy/floppy0: 6400c(root) 6399c(smith)
プロセスは、root により個別に終了させることも、fuser コマンドに -k オプションを付けて使用して、ファイルシステムにアクセス中のすべてのプロセスを終了させることもできます。fuser コマンドは、終了したプロセスの一部を識別できないことがあります。確認するには、-u オプションを付けてもう一度このコマンドを実行してください。
# fuser -u -k /floppy/floppy0 /floppy/floppy0: 6400c(root)Killed 6399c(smith)Killed
フロッピーディスクは、シェルまたはアプリケーションがそのファイルやディレクトリにアクセスしている場合「使用中」であることを忘れないでください。
フロッピーディスクのすべてのユーザーを検出したかどうかが不確かな場合は (デスクトップツールの背後に隠れたシェルでアクセスしている可能性がある場合は)、「フロッピーディスクが使用中かどうかを調べる方法」に説明されている fuser コマンドを使用してください。
フロッピーディスクを取り出します。
# eject floppy0
SPARC システムでは、フロッピーはドライブから物理的に取り出されますが、x86 システムでは手でフロッピーディスクを取り出す必要があります。ウィンドウを実行している場合は、フロッピーディスクを取り出すように指示する画面メッセージに注意してください。
フロッピーディスクが使用中の場合は、次のメッセージが表示されます。
/vol/dev/rdiskette0/noname: Device busy
この場合は、手順 1 に戻って、誰もフロッピーディスクを使用していないことを確認してから、もう一度それを取り出してください。
フロッピーディスクが詰まった場合は、紙クリップを伸ばした先端を、ドライブ前面の小さな穴に 3 センチほど挿入し、手で取り出してください。
他のシステム上のフロッピーディスクを各自のファイルシステムに手作業でマウントすることによって、そのフロッピーディスクにアクセスできます。ただしこれは、他のシステムが、「ローカルフロッピーディスクを他のシステムで使用可能にする方法」の指示に従ってフロッピーディスクドライブをエクスポートしている場合にかぎります。
マウントポイントとして使用する既存のディレクトリを指定するか、あるいは作成します。
$ mkdir directory
directory |
他のシステムのフロッピーディスクのマウントポイントとして作成するディレクトリの名前 |
マウントしたいフロッピーディスクの名前を検索します。
手作業でリモートフロッピーディスクをマウントする場合は、ローカルフロッピーディスクで使用できる floppy0 または floppy1 変数を使用することができません。フロッピーディスクの名前を使用する必要があります。この名前を検索するには、リモートシステムの /floppy ディレクトリで ls コマンドを使用してください。オートマウンタが実行されている場合は、マウントしたいフロッピーディスクのシステムに cd コマンドで移動してから、ls コマンドを使用できます。オートマウンタが実行されていない場合は、リモートからログインするなどの別の方法を使用する必要があります。
スーパーユーザーとして、フロッピーディスクをマウントします。
# mount -F nfs -o rw system-name:/floppy/diskette-name local-mount-point
system-name |
マウントするフロッピーディスクが存在するシステムの名前 |
diskette-name |
マウントしたいフロッピーディスクの名前 |
local-mount-point |
リモートフロッピーディスクのマウント先のローカルディレクトリ |
スーパーユーザーをログアウトします。
フロッピーディスクが実際にマウントされたかどうかを確認するには、ls コマンドを使用して、マウントポイントの内容を表示します。
$ ls /floppy
次の例では、myfiles という名前の フロッピーディスクを、リモートシステム mars からローカルシステムの /floppy ディレクトリにマウントしています。
$ cd /net/mars $ ls /floppy floppy0 myfiles $ su Password: password # mount -F nfs rw mars:/floppy/myfiles /floppy # exit $ ls /floppy myfiles
システムを設定して、そのフロッピーディスクをエクスポートすることができます。つまり、これらのドライブ上のフロッピーディスクを、他のシステムが使用できるようになります。フロッピーディスクドライブがエクスポートされると、他のシステムは、「他のシステム上のフロッピーディスクにアクセスする方法」に説明されているように、それらをマウントするだけでそこに含まれるフロッピーディスクにアクセスできます。
スーパーユーザーになります。
NFS デーモン (nfsd) が実行されているかどうかを調べます。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd
デーモンが実行されている場合、/usr/lib/nfs/nfsd の行は、上のように表示されます。デーモンが実行されていない場合は、grep nfsd の行だけが表示されます。
以下の表から次の手順を選択します。
条件 |
次の手順 |
---|---|
nfsd が実行されている場合 | |
nfsd が実行されていない場合 |
nfsd がエクスポートするダミーディレクトリを作成します。
# mkdir /dummy-dir
dummy-dir |
たとえば、dummy などの任意のディレクトリ名にすることができる。このディレクトリには、ファイルは含まれない。これは、NFS デーモンを「呼び起こして」、エクスポートされたフロッピーディスクを認識させることを目的としています。 |
次のエントリを /etc/dfs/dfstab に追加します。
share -F nfs -o ro [-d comment] /dummy-dir
NFS デーモンを起動すると、このエントリを参照して、エクスポートされたフロッピーディスクドライブを認識します。コメント (-d が前に付く) はオプションです。
# /etc/init.d/nfs.server start
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 /grep nfsd
現在ドライブ内にあるフロッピーディスクを取り出します。
# eject floppy0
root の書き込み権を /etc/rmmount.conf に割り当てます。
# chmod 644 /etc/rmmount.conf
次の行を /etc/rmmount.conf に追加します。
# File System Sharing share floppy*
上記の行によって、システムのフロッピーディスクドライブにロードされたすべてのフロッピーディスクが共有されます。
/etc/rmmount.conf から書き込み権を削除します。
# chmod 444 /etc/rmmount.conf
フロッピーディスクをロードします。
- フロッピーディスクを挿入する - # volcheck -v media was found
ここでロードするフロッピーディスクは他のシステムで使用できるようになります。フロッピーディスクにアクセスするために、リモートユーザーは、「他のシステム上のフロッピーディスクにアクセスする方法」の指示に従って、名前によりそのフロッピーディスクをマウントする必要があります。
フロッピーディスクが実際に他のシステムで使用できるかどうかを確認するには、share コマンドを使用してください。
フロッピーディスクが使用可能な場合は、その共有の設定が表示されます。(共有されるダミーディレクトリも表示されます。)
# share - /dummy ro "dummy dir to wake up NFS daemon" - /myfiles rw ""
次の例では、ローカルシステムの CD-ROM ドライブにロードされたフロッピーディスクすべてを、ネットワーク上の他のシステムで使用できるようにしています。
# ps -ef | grep nfsd root 10127 9986 0 08:25:01 pts/2 0:00 grep nfsd root 10118 1 0 08:24:39 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a # mkdir /dummy # vi /etc/dfs/dfstab (次の行を追加する) share -F nfs -o ro /dummy # eject floppy0 # chmod 644 /etc/rmmount.conf # vi /etc/rmmount (次の行をファイルシステム共有セクションに追加する) share floppy* # chmod 444 /etc/rmmount.conf (フロッピーディスクをロードする) # volcheck -v media was found # share - /dummy ro "" - /floppy/myfiles rw ""
この章では、Solaris 環境においてコマンド行から PCMCIA メモリーカードをフォーマットとして使用するために必要な作業について説明します。
この章で説明する手順は次のとおりです。
作業 | 説明 | 手順の説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードのロード |
PCMCIA メモリーカードをドライブに挿入し、volcheck コマンドを入力する。 | ||||||
PCMCIA メモリーカードのフォーマット |
PCMCIA メモリーカードを、UFS 用または DOS 用にフォーマットする。 | ||||||
|
|
| |||||
| |||||||
UFS ファイルシステムの作成 |
UFS の場合のみ。 省略可能。PCMCIA メモリーカードをファイルの保存に使用する場合は、UFS ファイルシステムを作成する。文字用に使用する場合は、この手順は不要。 | ||||||
| |||||||
PCMCIA メモリーカードの取り出し |
PCMCIA メモリーカードのフォーマットを終了したら、すぐに使用する場合でも、必ずそれを取り出す。 | ||||||
PCMCIA メモリーカードを操作する場合は、名前、または次の表 14-2 の呼び名によってそれらを識別できます。説明を簡単にするために、作業の説明では pcmem0 を使用しますが、PCMCIA メモリーカード名または別の呼び名も使用できます。
表 14-2 PCMCIA メモリーカードを識別する方法
PCMCIA カード |
代替名 |
---|---|
最初の PCMCIA ドライブ |
pcmem0 |
2 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem1 |
3 番目の PCMCIA ドライブ |
pcmem2 |
名前の付いていない (つまり、「ラベル」がない) PCATA ドライブには、noname というデフォルト名が割り当てられます。
Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームにいくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。
プラットフォームの種類 |
PCMCIA メモリーカードのフォーマット仕様 |
---|---|
SPARC 上の Solaris |
SPARC 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
x86 上の Solaris |
x86 上の Solaris (UFS) 用 |
|
MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 |
UFS 用にフォーマットされた PCMCIA メモリーカードは、それらが形式されたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、x86 システム上の UFS には使用できません。x86 システム上でフォーマットされた PCMCIA メモリーカードの場合も同様です。これは、SPARC と x86 の UFS フォーマットが異なるためです。
UFS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、UFS ファイルシステムをサポートする構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。PCMCIA メモリーカードを準備するために必要な手順はファイルシステムによって異なります。したがって、PCMCIA メモリーカードをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「PCMCIA メモリーカードのフォーマット」 を参照してください。
fdformat コマンドのオプションについては、マニュアルページを参照するか、fdformat -z を入力してください。この -z オプションを使用すると、コマンドのすべてのオプションが表示されます。
最初の説明にあるように、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、x86 システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Solaris を実行する x86 システムでしか使用できません。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマット用ウィンドウを自動的に表示します。ただし、以下で説明するフォーマット方法が、ファイルマネージャによるフォーマットよりも確実です。このウィンドウが表示されないようにするには、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されたときに、それを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み可能になっていることを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [convenience-options]
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
convenience-options |
|
|
|
-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
|
-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
|
-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
fdformat コマンドは -f オプションを使用していなければ、確認メッセージを表示して実行されるフォーマットのタイプを示します。
Formatting in /vol/dev/aliases/pcmem0 Press return to start formatting pcmem0.
下記の表からいずれかのオプションを選択します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの後に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了です。
これで PCMCIA メモリーカードを、tar や cpio などの raw データ操作に使用できます。
次に、UFS フォーマットの例を示します。
$ fdformat -v -U Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
次の例では、同じジョブを実行していますが、PCMCIA メモリーカードに myfiles という名前を割り当てています。
$ fdformat -v -U -b myfiles Formatting in /vol/dev/aliases/unformatted Press return to start formatting pcmem0. [ Return キー ] ......................................................... vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv
UFS ファイルシステムを作成する手順は、x86 システムおよび SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードの場合と同じですが、SPARC システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、SPARC システムでしか使用できません。また、x86 システムでフォーマットされた UFS PCMCIA メモリーカードは、Solaris を実行する x86 システムでしか使用できません。
UFS ファイルシステム用に PCMCIA メモリーカードをフォーマットします。
ここでは、「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」で説明した手順に従ってください。
newfs コマンドと、ボリューム管理ディレクトリへのフルパス名を使用して、PCMCIA メモリーカード上に UFS ファイルシステムを作成します。
$ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0
-v |
状態メッセージを出力する。 |
/vol/dev/aliases/pcmem0 |
PCMCIA メモリーカードの位置を示す。 |
newfs コマンドは、ファイルシステムの作成を確認するメッセージを表示します。
ファイルシステムの作成を確認します。
newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y
状態メッセージが表示されて、ファイルシステムと PCMCIA メモリーカードのフォーマットの詳細を示します。
mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 2848 8 2 8192 1024 16 ¥ 10 60 2048 t 0 -1 8 -1 /vol/dev/aliases/pcmem0: 2848 sectors in 128 cylinders of ¥ 2 tracks, 8 sectors 1.0MB in 8 cyl groups (16 c/g, 0.12MB/g, 64 i/g) super-block backups (for fsck -F ufs -o b=#) at: 32, 304, 544, 816, 1056, 1328, 1568, 1840
これで、PCMCIA メモリーカードを SPARC システムで使用できます。ただし、ボリューム管理が PCMCIA メモリーカードを認識する前に、次の手順で説明するように、volrmmount コマンドを使用する必要があります。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを 使用します。
$ volrmmount -i pcmem0
PCMCIA メモリーカードは、これで /pcmem/pcmem0 にマウントされます。
UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカード上に作成されたかどうかを確認するには、/pcmem ディレクトリで ls コマンドを使用します。
pcmem0 サブディレクトリが表示されれば、UFS ファイルシステムが PCMCIA メモリーカードに作成され、正しくマウントされたことになります。
$ ls /pcmem pcmem0
$ volcheck -v media was found $ /usr/sbin/newfs -v /vol/dev/aliases/pcmem0 newfs: construct a new file system ¥ /vol/dev/aliases/pcmem0:(y/n)? y mkfs -F ufs /vol/dev/aliases/pcmem0 ... $ volrmmount -i pcmem0 media was found
SPARC または x86 版 Solaris のいずれかのシステムで DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットできます。これらの手順は似ていますが、PCMCIA メモリーカード上に SunOS ファイルシステムが作成される代わりに、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかの DOS ファイルシステムが作成される点が異なります。
PCMCIA メモリーカードをフォーマットすると、既存の内容はすべて消去されます。
ファイルマネージャを終了します。
ファイルマネージャは、フォーマットされていない PCMCIA メモリーカードを挿入すると、フォーマットウィンドウを自動的に表示します。ただし、以下で説明するフォーマット方法が、ファイルマネージャによるフォーマットよりも確実です。このウィンドウが表示されないようにするには、ファイルマネージャを終了してください。ファイルマネージャを開いたままにしておきたい場合は、フォーマットウィンドウが表示されてから、それを終了してください。
PCMCIA メモリーカードが書き込み保護されていないことを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さいスライドスイッチによって設定します。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードが完全に挿入されたことを確認してください。
フォーマットを実行します。
$ fdformat -v -U [density-options convenience-options]
-v |
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされたかどうかを確認する。 |
|
-U |
PCMCIA メモリーカードがマウントされている場合は、それを解除する。 |
|
density-options |
ドライブ密度が 1.44M バイトの場合、density-options は次のとおり。 |
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|
-d |
MS-DOS 用にフォーマットする。 |
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-t nec -M |
1.2M バイトで NEC-DOS 用にフォーマットする。 |
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|
密度オプションの全リストは、fdformat(1) のマニュアルページを参照。 |
convenience-options |
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-e |
フォーマットが終了すると、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 |
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-f |
フォーマットの前に確認を要求しない。 |
|
-b label |
PCMCIA メモリーカードに名前を付ける。名前は、8 文字以下にする。大文字と小文字は区別されない。 |
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-z |
fdformat コマンドのすべてのオプションを一覧表示するが、PCMCIA メモリーカードはフォーマットしない。 |
720K バイト (DD) のフロッピーディスクを、1.44M バイト用にフォーマットしようとした場合、fdformat は、-v オプションが指定されないかぎり、処理を中止しない。-v オプションを使用すると、fdformat は、フロッピーディスクをフォーマットするが、検査でエラーが検出されて、次のメッセージによって通知される。fdformat: check diskette density, I/O error
fdformat コマンドは、確認メッセージを表示して、実行されるフォーマットのタイプを示します。
Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted Press return to start formatting floppy.
下記の表からいずれかのオプションを選択します。
目的 |
使用するキー |
---|---|
フォーマットのタイプの確認 |
Return キー (前の手順で -f オプションを使用していない場合。使用した場合は、確認は不要。) |
フォーマットの取り消し |
Ctrl-c キー |
フォーマットの進行中は、ドットが連続して表示されます。検査の進行中は、ドットの下に V が連続して表示されます。表示が停止すると、フォーマットは完了したことになり、DOS システム用に使用することができます。
メモリーカードが挿入されたことをボリューム管理に通知するために、-i オプションを指定して volrmmount コマンドを使用します。
$ volrmmount -i pcmem0
ボリューム管理は、PCMCIA メモリーカードを /pcmem/pcmem0 の下にマウントします。
作業 | 説明 | 手順の説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
PCMCIA メモリーカードのロード |
PCMCIA メモリーカードをドライブに挿入して、volcheck コマンドを入力する。 | ||||||
PCMCIA メモリーカードの内容のチェック |
省略可能。 PCMCIA メモリーカードの内容を調べるには、/pcmem の下にある適切なディレクトリを調べる。 | ||||||
| |||||||
ファイルの交換 |
省略可能。 PCMCIA メモリーカードとファイルシステムの間でファイルまたはディレクトリをコピーする。 | ||||||
|
|
| |||||
| |||||||
PCMCIA メモリーカードが使用中かどうかの確認 |
省略可能。 PCMCIA メモリーカードを取り出す前に、PCMCIA メモリーカードが使用中であるかどうかを調べる。 | ||||||
| |||||||
PCMCIA メモリーカードの取り出し |
終了したら、PCMCIA メモリーカードを取り出す。 | ||||||
|
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていることを確認します。
確認できない場合は、PCMCIA メモリーカードを挿入して、以下の「PCMCIA メモリーカードの使用方法」 で説明されているように、コンソールの状態メッセージをチェックしてください。PCMCIA メモリーカードをフォーマットする必要がある場合は、「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
PCMCIA メモリーカードを挿入します。
PCMCIA メモリーカードがドライブに完全に挿入されたことを確認してください。ドライブにふたがある場合は、それを閉じてください。
ボリューム管理に通知します。
$ volcheck -v media was found
次の 2 つの状態メッセージがあります。
media was found |
ボリューム管理が PCMCIA メモリーカードを検出して、それを /pcmem ディレクトリにマウントしようとする。
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされていると、エラーメッセージはコンソールに表示されない。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていない場合でも、「media was found」メッセージは表示されるが、次のエラーメッセージがコンソールに表示される。 fd0: unformatted diskette or no diskette in the drive fd0: read failed (40 1 0) fd0: bad format PCMCIA メモリーカードをフォーマットしてからでないと、ボリューム管理はそれをマウントできない。フォーマットの方法は、「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」 (UFS 用) と 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」 (DOS 用) を参照。 |
no media was found |
ボリューム管理は、PCMCIA メモリーカードを検出しなかった。PCMCIA メモリーカードが正しく挿入されていることを確認して、volcheck をもう一度実行する。うまくいかない場合は、PCMCIA メモリーカードをチェックする。損傷の可能性がある。PCMCIA メモリーカードを手作業でマウントしてみることもできる。 |
内容をリストすることによって、PCMCIA メモリーカードがマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem/pcmem0 pcmem0 myfiles
前述したように、pcmem0 は PCMCIA メモリーカードの実際の名前へのシンボリックリンクです。この場合は myfiles が実際の名前です。PCMCIA メモリーカードに名前はないが、正しくフォーマットされている場合は、unnamed_floppy と呼ばれます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合は、PCMCIA メモリーカードがマウントされていないか、または正しくフォーマットされていないかのいずれかです。これを調べるには、mount コマンドを実行して、/pcmem で始まる行を探してください (通常は、リストの最後にあります)。
/pcmem/name on /vol/dev/diskette0/name ...
行が表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。コンソールのエラーメッセージをチェックしてください。
/pcmem の下にあるディレクトリの一部がシンボリックリンクであるため、ls コマンドに -L オプションを付けて使用してください。
$ ls -L [-l] pcmem0
-L |
出力にシンボリックリンクを含む。 |
-l |
長形式。アクセス権と所有権を出力に含む。 |
次の例では、pcmem0 で識別される最初のフロッピードライブの PCMCIA メモリーカードの内容を一覧表示しています。
$ ls -L -l /pcmem/pcmem0 -rwxrwxrwx 1 smith staff 362284 Nov 16 20:54 text.doc -rwxrwxrwx 1 smith staff 24562 Nov 16 12:20 art.gif
PCMCIA メモリーカードを挿入すると、他のファイルシステムの場合と同様に、そのファイルおよびディレクトリにアクセスできます。ただし、所有権とアクセス権については注意が必要です。たとえば、PCMCIA メモリーカードのファイルの所有者ではない場合、PCMCIA メモリーカード上でそれを変更することはできません。また、ファイルシステムにファイルをコピーした場合、そのファイルの所有者にはなりますが、書き込み権はありません (PCMCIA メモリーカードでも書き込み権がなかったためです)。アクセス権は各自で変更する必要があります。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem pcmem0 PCMCIA memorycard-name
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクが、/pcmem の下に表示されます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。236 ページの「PCMCIA メモリーカードをロードする方」を参照してください。PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていないこともあります。「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
ファイルまたはディレクトリをコピーします。
コピーするもの |
使用するコマンド |
---|---|
ファイル |
cp |
ディレクトリ |
cp -r |
コピーまたは移動操作を確認するには、ls コマンドを使用します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) を PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリ (「.」で示される) に移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) を PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、PCMCIA メモリーカードから現在のディレクトリにコピーしています。
$ mv /pcmem/pcmem0/readme.doc . $ cp /pcmem/pcmem0/readme2.doc . $ cp -r /pcmem/pcmem0/morefiles .
PCMCIA メモリーカードが書き込み保護になっていないことを確認します。
書き込み保護は、PCMCIA メモリーカードの端にある小さなスライドスイッチによって設定されます。
PCMCIA メモリーカードがフォーマットされてマウントされていることを確認します。
$ ls /pcmem pcmem0 PCMCIA memorycard-name
PCMCIA メモリーカードが正しくフォーマットされてマウントされていれば、その名前とシンボリックリンクの pcmem0 が、/pcmem の下に表示されます。
/pcmem ディレクトリに何も表示されない場合、PCMCIA メモリーカードはマウントされていません。236 ページの「PCMCIA メモリーカードをロードする方法」を参照してください。PCMCIA メモリーカードがフォーマットされていないこともあります。「UFS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」、または 「DOS PCMCIA メモリーカードをフォーマットする方法」を参照してください。
ファイルまたはディレクトリを移動またはコピーします。
作業 |
使用するコマンド |
---|---|
ファイルのコピー |
cp |
ディレクトリのコピー |
cp -r |
ファイルまたはディレクトリの移動 |
mv |
移動またはコピー操作を確認するには、ls コマンドを使用します。
最初の例では、ファイル (readme.doc) を現在のディレクトリから、最初のカードドライブ (/pcmem/pcmem0) にロードされた PCMCIA メモリーカードに移動しています。2 番目の例では、ファイル (readme2.doc) を現在のディレクトリから、2 番目のカードドライブ (/pcmem/pcmem1) にロードされた PCMCIA メモリーカードリにコピーしています。3 番目の例では、ディレクトリ (morefiles) とその下にあるすべてのものを、/home/smith/ ディレクトリから最初のカードドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードにコピーしています。
$ mv readme.doc /pcmem/pcmem0 $ cp readme2.doc /pcmem/pcmem1 $ cp -r /home/smith/morefiles /pcmem/pcmem0
スーパーユーザーになります。
fuser コマンドは、指定された CD に現在アクセスしているプロセスを表示します。
# fuser -u [-k] pcmem0
-u |
PCMCIA メモリーカードを使用中のユーザーを表示する。 |
|
-k |
PCMCIA メモリーカードにアクセスしているプロセスを終了させる。 |
次の例では、プロセス 6400c と 6399c が /pcmem/pcmem0 ディレクトリにアクセスしていて、プロセス所有者はそれぞれ root と smith です。
# fuser -u /pcmem/pcmem0 /pcmem/pcmem0: 6400c(root) 6399c(smith)
プロセスは、root により個別に終了することも、fuser コマンドに -k オプションを付けて使用して、ファイルシステムにアクセス中のすべてのプロセスを終了することもできます。
# fuser -u -k /pcmem/pcmem0 /pcmem/pcmem0: 6400c(root)Killed 6399c(smith)Killed
fuser コマンドは、終了したプロセスの一部を識別できないことがあります。確認するには、-u オプションを付けてもう一度このコマンドを実行してください。
PCMCIA メモリーカードが使用中ではないことを確認します。
PCMCIA メモリーカードは、シェルまたはアプリケーションがそのファイルやディレクトリにアクセスしている場合「使用中」であることを忘れないでください。
PCMCIA メモリーカードのすべてのユーザーを検出したかどうかが不確かな場合は (デスクトップツールの背後に隠れたシェルがアクセスしている可能性がある場合は)、「PCMCIA メモリーカードが使用中かどうかを調べる方法」に説明されている fuser コマンドを使用してください。
PCMCIA メモリーカードを取り出します。
# eject pcmem0
手で PCMCIA メモリーカードを取り出す必要があります。ウィンドウを実行している場合は、PCMCIA メモリーカードを取り出すように指示する画面メッセージに注意してください。
PCMCIA メモリーカードが使用中の場合は、次のメッセージが表示されます。
/vol/dev/pcmem/noname: Device busy
この場合は、手順 1 に戻って、誰も PCMCIA メモリーカードを使用していないことを確認してから、もう一度それを取り出してください。
他のシステム上の PCMCIA メモリーカードを各自のファイルシステムに手作業でマウントすることによって、その PCMCIA メモリーカードにアクセスできます。ただしこれは、他のシステムが、「ローカルの PCMCIA メモリーカードを他のシステムで使用可能にする方法」の指示に従って PCMCIA メモリーカードドライブをエクスポートしている場合にかぎります。
マウントポイントとして使用する既存のディレクトリを指定するか、あるいは作成します。
$ mkdir directory
directory |
他のシステムの PCMCIA メモリーカードのマウントポイントとして使用するディレクトリの名前 |
マウントしたい PCMCIA メモリーカードの名前を検索します。
手作業でリモート PCMCIA メモリーカードをマウントする場合は、ローカル PCMCIA メモリーカードで使用可能な pcmem0 または floppy1 変数を使用できません。正しい PCMCIA メモリーカード名を使用する必要があります。この名前を検索するには、リモートシステムの /pcmem ディレクトリで ls コマンドを使用してください。オートマウンタが実行されている場合は、マウントしたい PCMCIA メモリーカードのシステムに cd コマンドで移動してから、ls コマンドを使用できます。オートマウンタが実行されていない場合は、リモートからログインするなどの別の方法を使用する必要があります。
スーパーユーザーとして、PCMCIA メモリーカードをマウントします。
# mount -F nfs -o rw system-name:/pcmem/PCMCIA memory-card-name local-mount-point
system-name |
マウントする PCMCIA メモリーカードが存在するシステムの名前 |
PCMCIA memory-card-name |
マウントしたい PCMCIA メモリーカードの名前 |
local-mount-point |
リモート PCMCIA メモリーカードのマウント先のローカルディレクトリ |
スーパーユーザーをログアウトします。
PCMCIA メモリーカードが実際にマウントされたかどうかを確認するには、ls コマンドを使用して、マウントポイントの内容を表示します。
$ ls /pcmem
以下の例では、myfiles という名前の PCMCIA メモリーカードを、リモートシステム mars からローカルシステムの /pcmem ディレクトリにマウントしています。
$ cd /net/mars $ ls /pcmem pcmem0 myfiles $ su Password: password# mount -F nfs rw mars:/pcmem/myfiles /pcmem # exit $ ls /pcmem myfiles
システムを設定して、その PCMCIA メモリーカードをエクスポートすることができます。つまり、これらのドライブ上の PCMCIA メモリーカードを、他のシステムが使用できるようになります。PCMCIA メモリーカードドライブがエクスポートされると、他のシステムは、「他のシステム上の PCMCIA メモリーカードにアクセスする方法」に説明されているように、それらをマウントするだけでそこに含まれる PCMCIA メモリーカードにアクセスできます。
スーパーユーザーになります。
NFS デーモン (nfsd) が実行されているかどうかを調べます。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd
デーモンが実行されている場合、/usr/lib/nfs/nfsd の行は、上のように表示されます。デーモンが実行されていない場合は、grep nfsd の行だけが表示されます。
以下の表から次の手順を選択します。
条件 |
次の手順 |
---|---|
nfsd が実行されている場合 | |
nfsd が実行されていない場合 |
nfsd がエクスポートするダミーディレクトリを作成します。
# mkdir /dummy-dir
dummy-dir |
たとえば、dummy などの任意のディレクトリ名にすることができる。このディレクトリには、ファイルは含まれない。これは、NFS デーモンを「呼び起こして」、エクスポートされた PCMCIA メモリーカードを認識させることを目的としている。 |
次のエントリを /etc/dfs/dfstab に追加します。
share -F nfs -o ro [-d comment] /dummy-dir
NFS デーモンを起動すると、このエントリを参照して、エクスポートされた PCMCIA メモリーカードドライブを認識します。コメント (-d が前に付く) はオプションです。
NFS デーモンを起動します。
# /etc/init.d/nfs.server start
NFS デーモンが実際に実行されていることを確認します。
# ps -ef | grep nfsd root 14533 1 17 10:46:55 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a 16 root 14656 289 7 14:06:02 pts/3 0:00 grep nfsd
現在ドライブ内にある PCMCIA メモリーカードを取り出します。
# eject pcmem0
書き込み権を /etc/rmmount.conf に割り当てます。
# chmod 644 /etc/rmmount.conf
次の行を /etc/rmmount.conf に追加します。
# File System Sharing share floppy*
上記の行によって、システムの PCMCIA メモリーカードドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードが共有されます。
/etc/rmmount.conf から書き込み権を削除します。
# chmod 444 /etc/rmmount.conf
この手順により、ファイルはそのデフォルトのアクセス権に戻ります。
PCMCIA メモリーカードをロードします。
-PCMCIA メモリーカードを挿入する- # volcheck -v media was found
ここでロードした PCMCIA メモリーカードは他のシステムで使用できるようになります。PCMCIA メモリーカードにアクセスするために、リモートユーザーは、「他のシステム上の PCMCIA メモリーカードにアクセスする方法」の指示に従って、名前によりその PCMCIA メモリーカードをマウントする必要があります。
PCMCIA メモリーカードが実際に他のシステムで使用できるかどうかを確認するには、share コマンドを使用してください。
PCMCIA メモリーカードが使用可能な場合は、その共有の設定が表示されます。(共有されるダミーディレクトリも表示されます。)
# share - /dummy ro "dummy dir to wake up NFS daemon" - /myfiles rw ""
次の例では、ローカルシステムの CD-ROM ドライブにロードされた PCMCIA メモリーカードすべてを、ネットワーク上の他のシステムで使用できるようにしています。
# ps -ef | grep nfsd root 10127 9986 0 08:25:01 pts/2 0:00 grep nfsd root 10118 1 0 08:24:39 ? 0:00 /usr/lib/nfs/nfsd -a # mkdir /dummy # vi /etc/dfs/dfstab (次の行を追加する) share -F nfs -o ro /dummy # eject pcmem0 # chmod 644 /etc/rmmount.conf # vi /etc/rmmount (次の行をファイルシステム共有セクションに追加する) share floppy* # chmod 444 /etc/rmmount.conf (PCMCIA メモリーカードをロードする) # volcheck -v media was found # share - /dummy ro "" - /pcmem/myfiles rw ""
この章では、ボリューム管理が取り外し可能な媒体を格納するために作成するマウントポイントとシンボリックリンクについて説明します。
この章で説明する手順は次のとおりです。
ボリューム管理は、/vol/dev の下にあるすべての CD-ROM とフロッピーディスクのドライブへのアクセスを提供します。
ボリューム管理は、/vol/dev のサブディレクトリ、つまり diskette0 と rdiskette0 から、システムのフロッピーディスクドライブへのアクセスを提供します。
システムに 2 番目のフロッピーディスクドライブがある場合、ボリューム管理は、diskette1 と rdiskette1 という 2 番目の対のディレクトリを作成します。3 つ目のフロッピーディスクドライブの場合は、diskette2 と rdiskette2 という対が作成されます。ドライブが追加されるたびに、同様に対のディレクトリが作成されます。
diskette ディレクトリからはファイルシステムに、rdiskette ディレクトリからは raw データに、それぞれアクセスできます。フロッピーディスク自体は、ドライブディレクトリの下にあるサブディレクトリに示されます。 [ この図と以下の図において、ノードのいくつかは強調のため「グレー表示」されています。これは構造上の違いを示すものではありません。]
CD の場合は、フロッピーディスクの場合と似ていますが、ブロックディレクトリと raw ディレクトリにそれぞれ /dsk および /rdsk という名前が付けられている点が異なります。また、CD-ROM デバイスは、実際にはこれらよりも 1 つ下のディレクトリにあります。
上記の図では、そのディレクトリは c0t6 と命名されています。これは、特定システムのデバイス命名規則を反映しています。このため、使用するシステムによっては、ディレクトリが同じ形式であってもディレクトリ名が異なる場合があります。
ただし、CD 自体は、それらのデバイスに属するディレクトリの下にマウントされるという点で、フロッピーディスクと似た規則に従っています。
したがって、1 つのフロッピーディスクドライブと 1 つの CD-ROM ドライブを備えたシステムの /vol/dev ファイルシステムは、次のようになります。
(実際には、/vol/dev には、aliases という名前のサブディレクトリが含まれますが、これについては後で説明します。)
アクセスをより容易にするために、ボリューム管理は、/floppy および /cdrom という 2 つの特殊なマウントポイントを使用します。
ボリューム管理は、/vol/dev/diskette0 および /vol/dev/dsk/c0t6 というディレクトリを、/floppy および /cdrom にマウントします。
これらのマウントポイントがあるため、フロッピーディスクを挿入すると、/floppy/diskette-name によりアクセスできます。同様に、CD を挿入すると、/cdrom/cd-name によりアクセスできます。
ただし、これらのマウントポイントは、適切なフォーマットが必要です。フロッピーディスクがフォーマットされていればマウントは成功しますが、フォーマットされていないと、マウントは失敗して、フロッピーディスクは /vol/dev/diskette0 でしか使用できません。フロッピーディスクは、「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」または 「DOS フロッピーディスクをフォーマットする方法」の説明に従ってフォーマットできます。
システムに複数のドライブがある場合は、/floppy/floppy0、/floppy/floppy1、/cdrom/cdrom0 などの並列のディレクトリにマウントされます。
ボリューム管理は、さらに次の 2 つの個別のシンボリックリンクセットを作成します。
ファイルシステムアクセス用
raw デバイスアクセス用
ファイルシステムアクセス用のシンボリックリンクは、ディレクトリ /floppy/floppy0 と /cdrom/cdrom0 を、最初のフロッピーディスクドライブに挿入されたフロッピーディスクと、最初の CD-ROM ドライブに挿入された CD にリンクします。
/floppy/floppy0 --> /floppy/name --> /vol/dev/diskette0/name /cdrom/cdrom0 --> /cdrom/name --> /vol/dev/dsk/c0t6/CD-name
これらのリンクを使用すると、名前を知らないフロッピーディスクや CD にアクセスすることができます。リンク名 floppy0 または cdrom0 を名前の代わりに使用できます。
後続のドライブに挿入されたフロッピーディスクと CD は、表 11-3 に要約した命名規則に従います。
raw デバイスへのアクセスをさらに容易にするために、ボリューム管理は、/vol/dev の下に aliases ディレクトリを作成します。
ボリューム管理は、aliases ディレクトリの下に、ブロック型アクセス用に使用されるものに似たシンボリックリンクのセットを作成します。つまり、raw データをアクセスする場合、これらのディレクトリは同等にあつかえます。
/vol/dev/aliases/floppy0 --> /vol/dev/rdiskette0/diskette-name
/vol/dev/aliases/cdrom0 --> /vol/dev/rdsk/c0t6d0/cd-name
ファイルシステムアクセス用シンボリックリンクと同様、これらのリンクの目的は、raw データフロッピーディスクまたは CD の名前を知らなくても、アクセスできるようにすることにあります。つまり、/vol/dev/aliases/floppy0 および /vol/dev/aliases/cdrom0 の各リンク名を使用します。
上記の例は、フロッピーディスク用と CD 用にそれぞれ 1 つずつシンボリックリンクがある場合を示しています。システムに 2 つのフロッピーディスクまたは 2 つの CD がある場合は、次に示すように、それぞれに 1 つずつシンボリックリンクが作成されます。
UFS フォーマットは、アーキテクチャが異なると互換性がないため、それらがフォーマットされたアーキテクチャ上で使用する必要があります。たとえば、SPARC システム用にフォーマットされた UFS CD は、x86 システムでは認識されません。 同様に、 x86 UFS CD は、ボリューム管理によって SPARC システム上にマウントすることはできません。同じ制限が、フロッピーディスクにもあてはまります。
したがって、ボリューム管理は、SPARC システム上の x86 UFS 媒体を認識してマウントすることはできません。また、x86 システム上の SPARC UFS 媒体も認識できません。
ほとんどの CD は、ISO 9660 標準 (High Sierra File System - HSFS) に従ってフォーマットされます。これは、ボリューム管理をまったく制限しないため、 CD において互換性が問題になることはほとんどありません。
フロッピーディスクの場合、UFS の互換性の問題は、CD の場合よりも頻繁に起こる可能性があります。これは、ユーザーがフォーマットを設定できるためです。あるアーキテクチャで UFS フロッピーディスクをフォーマットした場合、それを別のアーキテクチャでは使用できないことに注意してください。 (「UFS フロッピーディスクをフォーマットする方法」を参照してください。)
いくつかの CD、特にインストール用 CD には、混合フォーマットが含まれます。つまり、一部が UFS で、一部 ISO 9660 です。異なるフォーマットを格納するために、CD は、実質的にハードディスクのパーティションに似たスライスに分割されます。9660 部分は移植可能ですが、UFS 部分はアーキテクチャに固有です。さらに、CD をいくつかの異なるアーキテクチャで使用できるようにするために (異なる PROM アーキテクチャがシステムのブートに使用される可能性のあるインストールの場合などのために)、複数の UFS フォーマットが CD にロードされます。
この場合ボリューム管理は、ローカルシステムのアーキテクチャに固有ではない UFS フォーマットを無視して、適切な UFS スライスと ISO 9660 スライスをマウントします。
これらのスライスは、サブディレクトリとして、/vol/dev/dsk/c0t6 と /cdrom/cdrom0 の両方の下に現れます。
$ ls /cdrom/cdrom0 S0 S2 $ ls /vol/dev/dsk/c0t6 S0 S2