この章の構成を次に示します。
TNAS では、HTML ベースのメニューとダイアログボックスを使用して TotalNET ネットワークを構成できます。これは、前リリースの TAS (TotalNET Advanced Server) において TotalAdmin で行っていた機能です。TotalAdmin は TNAS を構成するスフィアの 1 つです。
よりわかりやすくなった TNAS フレームワークに対応して、TotalAdmin のメニュー項目も一新されています。
『TAS Administration Manual』、『TAS Reference Manual』、および『TAS-DCE Manual』(使用可能な場合のみ) が HTML 形式のオンラインマニュアルとして提供されています。
TAS のファイル名処理では、大文字小文字の変換は行なわれません。つまり、UNIX に対するファイル名の割り当てでは、ファイル名は小文字に変換されることはなく、クライアントの指定どおりに割り当てられます。
TotalNET の遠隔ユーティリティ (たとえば、ru- や nc-) で長いファイル名が使用できるようになりました。tnpasswd ユーティリティのパフォーマンスが向上しています。また、「CAP to MAC」ユーティリティが、TAS 5.0 ファイル形式に対応しました。atconvert ユーティリティで、Helios から TAS への変換が可能になりました。さらに、NetWare クライアントユーティリティが使いやすくなっています。
3 つのレルムのいずれからでも、またどのファイルサービスにおいても、トレースのオン・オフを切り替えられるようになりました。また、その方法も前リリースよりも簡単になりました。
TAS を使用することにより、AppleTalk プリンタへの印刷出力が可能になります。TAS は、PAP ドライバへの入出力サポートを拡張します。
本書では、TAS のインストール後に、TotalAdmin スフィアから TAS の設定、構成、管理を行う方法について詳しく説明します。TAS のインストール手順については、付属の『TotalNET Advanced Server ご使用にあたって』を参照してください。本書は、各システムのネットワーク管理およびネットワーク管理権限について、 ユーザーがすでに基礎知識を持っていることを前提としています。
最初に 「用語の説明」と第 2 章「TAS、TNAS、TotalAdmin」を読み、第 3 章「初期設定」に従って設定を行います。その後、第 4 〜 6 章を読んで TAS の管理を行います。
この節の構成を次に示します。
次のテーブルでは特別な意味を持つ字体や記号について説明します。
courier |
コマンド名、ファイル名、およびディレクトリ名を示します。 |
italics |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
bold |
TotalAdmin スフィアでは、ユーザーが入力する情報を示します。 |
TotalNET のホームディレクトリ。TAS のファイルとプログラムがここに入っています。ディレクトリ名は、/var/opt/totalnet です。
TotalNET Administration Suite の略語。TotalNET 製品の管理、ライセンス管理、システム管理のためのタスク指向のグラフィックインタフェースです。TNAS には、TAS 管理のための TotalAdmin スフィアが入っています。
TNAS でユーザーを特定し、そのアクティビティを個別に管理する方法。セッションはユーザーのログインで開始し、ユーザーのログアウトで終了します。
TNAS における TAS 管理スフィア。TotalAdmin スフィアとも言います。TAS に含まれています。
TotalNET システムの全般的管理を行うデーモン。
オブジェクトやプロセスのグラフィック表現。本書では、アイコンをクリックして実行できる諸機能について説明します。
企業内の全 TAS システムを表示する機能。ここから管理システムを選択できます。
TotalNET 環境におけるファイル、印刷、端末のサービス。
システム管理タスクの論理セットを実行するためのメニューの集合。ホストサーバーには、このような「プラグイン」スフィア (「スナップイン」スフィア) を追加したり削除できます。
TNAS 画面の右上ウィンドウ。このサーバーで使用できるプラグインスフィアがすべて表示されます。
TNAS 画面の左上にあるウィンドウ。TNAS 専用のオプションが入っています。
ボリューム内のディレクトリパスの別名。接続ポイントはボリュームとして表示され、ユーザーは接続ポイントを越えてディレクトリツリーを移動することはできません。
AppleTalk 環境におけるクライアントの論理グループ。類似ドメイン内で、サーバーやプリンタなどのネットワーク資源を見つけ出すのが簡単になります。DNS (ドメインネームシステム) データベースでは、DNS データベースのサブディレクトリでゾーンが構成されます。DNS ネームサーバーとして機能します。単一ドメインが入っていることも複数のサブドメインが入っていることもあります。1 つのゾーンで複数のネームサーバーを設定できます。
特定ネットワークに関連付けられている全ゾーン。
システムレベルで定義されている低レベルのネットワークプロトコル群で、全レルムから参照されます。TAS は各レルムに固有のトランスポートプロトコル、つまり、TCP/IP 上の NetBIOS、NetBEUI 上の NetBIOS、IPX/SPX、AppleTalk に対するサービスを提供します。
アクションを実行したり、属性や機能の変更などを行うコントロール。
TAS とそのクライアントに知らされている UNIX ディレクトリパスのショートネーム。ファイルサービスはクライアントにボリュームをエクスポートします。ボリュームとそれに対するディレクトリパスを定義して、ネットワーククライアントからアクセスできるようにする必要があります。クライアントアクセスを可能にするファイルサービスすべてに対してボリュームへの参照を可能にします。
TNAS 画面の左下にあるウィンドウ。そのスフィアで使用できるオプションを階層表示します。
TAS 環境におけるドメイン。TAS には、クライアントの種類とトランスポートプロトコルが異なる次の 3 つのレルムがあります。
LM-NT-OS/2 レルム - TCP/IP で NetBIOS を使用するか、NetBEUI で NetBIOS を使用する LAN Manager、Windows NT、Windows 95、IBM OS/2 のクライアント。
NetWare レルム - IPX/SPX トランスポート を使用する NetWare クライアント。
AppleTalk レルム - AppleTalk トランスポートを使用する Macintosh クライアント。
TNAS 画面の右下にあるウィンドウ。入力フォームはここに表示されます。
パート II の作業を実行する前に、必ず第 3 章「初期設定」までを読んでください。
パート I : 初期設定
第 1 章「はじめに」 - 新しい機能、使用方法、用語の説明、本書の構成、関連マニュアルについて説明します。
第 2 章「TAS、TNAS、TotalAdmin」 - TAS、TNAS の用語説明、TNAS と TotalAdmin のアイコンとボタン、TAS 管理のための TotalAdmin メニューフレームについて説明します。また、TotalNET マスターサーバーの構成、TNAS と TotalAdmin へのアクセス、TNAS ポート番号の変更、TNAS の停止と再起動、現在の TNAS セッションの表示、TNAS タイムアウトと有効期限の設定、ライセンス管理に関する手順についても説明します。
第 3 章「初期設定」 - TotalAdmin を使用して TAS の初期設定を行う手順について詳しく説明します。
パート II : 管理
第 4 章「全般的な管理作業」 - サーバーシステムの制御、ユーザー名割り当ての管理、認証の保護管理、ユーザー管理、ボリューム管理、プリンタ管理、UNIX コマンドの実行、UNIX ファイル属性の更新を行う手順について説明します。
第 5 章「サービスの構成」 - LM-NT-OS/2、NetWare、AppleTalk の各レルムでサービスを構成する手順について説明します。
第 6 章「トランスポートの構成」 - 各レルムにおけるトランスポートプロトコルの管理手順について説明します。
第 7 章「トラブルシューティング」 - 一般的なトラブルシューティング、エラーログとアクティビティログの作成、エラーメッセージからその原因と解決方法を調べる方法、テクニカルサポートへの連絡方法、カスタマサービス要求 (CSR) レポートシステム情報の作成手順について説明します。
『TotalNET Advanced Server ご使用にあたって』 - TAS のインストール手順を説明する付属マニュアル。本書または『TAS Reference Manaul』の作業を行う前に、『TotalNET Advanced Server ご使用にあたって』に示された手順を完了しておく必要があります。
『TAS Quick Reference』 - UNIX コマンドの要約が記載されている付属マニュアル。
『TAS Reference Manual』 - TAS の管理構成を UNIX コマンドラインから実行するときのオンライン手順。TAS の構成を UNIX コマンドラインから行う場合は、本書の代わりに『TAS Reference Manual』を参照してください。