Oracle Payablesユーザーズ・ガイド リリース12 E06002-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle Subledger Accountingアーキテクチャを使用して、Oracle Payablesで請求書および支払取引の会計仕訳を作成できます。
Subledger Accountingはルール・ベースの会計エンジン、ツールセットおよびリポジトリであり、E-Business Suite全体の会計を集中管理します。Subledger Accountingでは、各補助元帳アプリケーションとOracle General Ledgerとの間の中間工程として機能することによって、補助元帳仕訳の最終的な会計を作成し、General Ledgerに転送します。
PayablesにはSubledger Accountingで会計の作成に使用する事前定義済の一連の会計基準が含まれていますが、共通のユーザー・インタフェースで集中会計設定を使用して、詳細な会計基準を固有に定義できます。Subledger Accountingでは、会計処理基準ビルダー(AMB)を使用して、補助元帳取引が計上される方法を定義します。それには、補助元帳仕訳明細の設定およびアプリケーションの会計定義を作成および変更します。これらの定義によって、組織が財務要件、規制要件および分析要件を満たすことのできる仕訳入力が定義されます。このような定義は、補助元帳会計処理基準にグループ化され、一括して元帳に割り当てられます。関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の「会計処理基準ビルダー(AMB)の概要」
Subledger Accountingの詳細は、『Oracle Subledger Accounting Implementation Guide』を参照してください。
会計に影響を及ぼすそれぞれの取引は、会計イベントと呼ばれます。Payablesにおける会計イベントの詳細は、「Payablesの会計イベント」を参照してください。
「会計の作成」プログラムを発行して会計仕訳を作成できます。また、特定の請求書、請求書バッチ、支払または支払バッチに対してオンライン会計仕訳を作成できます。関連項目: 買掛管理における会計仕訳の作成
会計仕訳が作成されると、Payablesの次のウィンドウでそれらの会計仕訳を参照することができます。
会計の表示 関連項目: 会計仕訳の表示
会計仕訳の作成後、その仕訳をGeneral Ledgerに転送して転記できます。関連項目: 一般会計への会計仕訳の転送
General Ledgerで会計仕訳を転記すると、仕訳明細からPayablesの会計仕訳や取引にドリルダウンできるようになります。
予算管理を使用している場合に請求書を計上すると、Payablesで請求書に必要な予算引当または予算引当修正も作成されます。詳細は、『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「予算引当会計」を参照してください。
会計イベントとは、会計に影響を与えるPayablesの取引のことです。必ずしもすべての会計イベントが会計に影響を与えるわけではないため、会計設定を変更し、一部のイベントについては会計を作成し、他のイベントについては作成しないようにできます。
関連項目: 『Oracle Financial Services Accounting Hub Implementation Guide』のイベントおよびソースの概要に関する項
Oracle Subledger Accountingでは、会計イベントはイベント・タイプに分類されます。イベント・タイプはイベント・クラスにグループ化され、それがさらにイベント・エンティティにグループ化されます。このようなコンポーネントのグループ化を総称してイベント・モデルと呼びます。Oracle Payablesの会計イベント・モデルは事前定義されており、Payablesの各取引タイプ(イベント・クラス)およびそのライフサイクルを含みます。Payablesの会計イベント・モデルでは、補助元帳会計作成の基礎となるPayablesの会計イベントを分類するため、モデルを理解しておく必要があります。
Payablesでは、イベント・モデルの基本設定時にイベント・エンティティが事前定義されます。Oracle Subledger Accountingでは、イベント・エンティティによって一貫した方法で類似するビジネス・イベントの会計を処理できます。Payablesでのイベント・エンティティは請求書および支払です。
各イベント・エンティティは、1つ以上のイベント・クラスに関連付けられます。イベント・クラスは、特定の取引タイプまたは文書のビジネス・イベントのカテゴリを表します。たとえば、Payablesでイベント・エンティティ「AP請求書」用に事前定義されるイベント・クラスの一部には、「クレジット・メモ」、「デビット・メモ」、「経費精算書」および「請求書」が含まれます。
イベント・クラスでは類似したイベント・タイプがグループ化され、会計定義の共有が可能になります。イベント・タイプは、イベント・クラスに対して実行できる業務処理を表します。会計イベントにはイベント・クラスおよびイベント・タイプがあり、「会計の作成」プログラムで補助元帳会計がどのように決定されるかに影響します。イベント・タイプでは、会計定義の保存について、最低レベルの詳細度が指定されます。たとえば、Payablesのイベント・クラス「請求書」は、「請求書修正済」、「請求書取消済」および「請求書検証済」のイベント・タイプによって表される3つの業務処理タイプの対象になります。
Payablesでは、それぞれの会計イベント・エンティティについて、事前定義された一連のイベント・クラスおよびイベント・タイプを備えています。
この表には、AP請求書イベント・エンティティ用にPayablesで事前定義されるイベント・クラスおよびイベント・タイプを示します。
イベント・クラス | イベント・タイプ |
---|---|
クレジット・メモ | クレジット・メモ修正済 クレジット・メモ取消済 クレジット・メモ検証済 |
デビット・メモ | デビット・メモ修正済 デビット・メモ取消済 デビット・メモ検証済 |
経費精算書 | 経費精算書取消済 経費精算書作成済 経費精算書配分済 経費精算書確定済 経費精算書保留解除済 経費精算書配分上書済 経費精算書税金上書済 経費精算書再配分済 経費精算書確定解除済 経費精算書更新済 経費精算書税金検証済 |
請求書 | 請求書修正済 請求書取消済 請求書検証済 |
請求書間接費 | 請求書間接費修正済 請求書間接費取消済 請求書間接費検証済 |
前払金充当 | 前払金充当修正済 充当済前払金 非充当前払金 |
前払金請求書 | 前払金取消済 前払金作成済 前払金配分済 前払金確定済 前払金保留解除済 前払金配分上書済 前払金税金上書済 前払金再配分済 前払金確定解除済 前払金更新済 前払金検証済 |
前払金 | 前払金修正済 前払金取消済 前払金検証済 |
前払金間接費 | 前払金修正済 前払金取消済 前払金検証済 |
前払金充当間接費 | 前払金充当済間接費 前払金非充当間接費 前払金充当修正済間接費 |
標準請求書 | 標準請求書取消済 標準請求書作成済 標準請求書配分済 標準請求書確定済 標準請求書戻し処理済 標準請求書税金保留解除済 標準請求書税金配分上書済 標準請求書税金上書済 標準請求書再配分済 標準請求書確定解除済 標準請求書更新済 標準請求書検証済 |
この表には、AP支払イベント・エンティティ用にPayablesで事前定義されるイベント・クラスおよびイベント・タイプを示します。
イベント・クラス | イベント・タイプ |
---|---|
先日付支払 | 支払方法 支払満期修正済 支払満期戻し処理済 |
支払 | 手動支払修正済 支払修正済 支払取消済 支払作成済 |
支払消込 | 支払決済済 支払決済修正済 支払未決済 |
払戻 | 払戻修正済 払戻取消済 払戻記録済 |
Payablesの会計イベントに対して、次の2つの方法で会計仕訳を作成することができます。
「会計の作成」プログラムの発行。関連項目: 「会計の作成」プログラムの発行
単一の取引またはバッチに対するオンライン会計仕訳の作成。関連項目: 「取引」ウィンドウからの会計仕訳の作成
どちらの場合も、生成された会計仕訳を次の場所で表示できます。
「会計の表示」および「会計仕訳の表示」ウィンドウ。関連項目: 会計仕訳の表示
補助元帳会計プログラム・レポート。このレポートは会計仕訳の作成時に自動生成されます。関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の補助元帳会計プログラム・レポートに関する項
会計買掛/未払金オプションが定義されていること。関連項目: 『Oracle Payablesインプリメンテーション・ガイド』の「買掛/未払金オプション」
Payables内の期間がオープンされていること。関連項目: 『Oracle Payablesインプリメンテーション・ガイド』の「買掛/未払金期間のステータスの管理」
複数通貨を使用している場合、すべての外貨取引について換算レートが指定されていること。換算レートを手動で入力するか、「自動レート」を発行して、換算レートが指定されていない請求書および支払に対して自動的に換算レートを入力できます。
支払手形(先日付支払)機能を使用している場合、満期支払手形のステータスが「譲渡可」に更新されていること。関連項目: 「満期支払手形ステータスの更新プログラム」
請求書を計上する場合は、その請求書が検証済である必要があります。関連項目: 請求書検証
支払を計上する場合は、請求書が計上済であること。
未計上取引レポートを発行および検討して、会計仕訳の妨げとなる取引上の問題を特定および解決しておくこと。関連項目: 未計上取引レポート
「会計の作成」プログラムを使用して、複数取引の会計仕訳を作成します。取引のウィンドウで会計仕訳を作成できなかった場合は、このプログラムを使用して詳細なエラー・レポートも生成できます。
「最終」モードで最終的な会計を作成する前に会計結果を表示する場合は、「会計の作成」プログラムを「草案」モードで発行します。
関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の「会計の作成」プログラムに関する項
このプログラムは補助元帳会計プログラム・レポートを生成します。詳細は、『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
取引ウィンドウから、選択した請求書、支払、請求書バッチまたは支払バッチに対する会計仕訳を作成できます。単一の請求書または支払の場合、会計処理はオンラインで完了します。バッチの場合は、会計処理が要求として発行され、「要求」ウィンドウで完了ステータスを確認することができます。
請求書、支払または支払バッチに対する会計仕訳を作成する手順は、次のとおりです。
請求書、支払または支払バッチを、「請求書」、「支払」または「支払バッチ」ウィンドウで問い合せて選択します。「処理」ボタンを選択します。
選択した取引の処理ウィンドウがオープンします。「会計の作成」チェック・ボックスを選択します。
次のいずれかのオプションを選択します。
草案
最終
最終および転記
請求書バッチに対する会計仕訳を作成する手順は、次のとおりです。
Oracle Subledger AccountingおよびOracle General Ledgerで設定された会計に基づいて、取引に対する会計仕訳が自動的に生成されます。
「会計の作成」プログラムを「草案」モードで実行した場合のみ、Payablesで会計仕訳の修正ができます。会計仕訳を修正するには、取引詳細を修正し、「会計の作成」プログラムを再実行します。
Payablesの会計仕訳が生成される方法の詳細は、『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
会計の詳細は、『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』および『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Subledger Accountingを使用して、会計イベント、仕訳および仕訳明細の情報を表示できます。
次の補助元帳会計の照会を実行できます。
会計イベントまたは仕訳のエラー情報の表示
会計イベントの補助元帳仕訳ヘッダーに関する詳細情報の表示
任意の2つの仕訳に関する補助元帳仕訳情報の比較
複数の文書または取引の補助元帳仕訳明細の表示
T字型勘定フォーマットによる補助元帳仕訳の表示
会計イベントまたは仕訳に関する取引の表示
関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の補助元帳会計の照会の概要に関する項
次のレポートを使用して、会計情報を検討できます。
仕訳レポート
勘定科目分析レポート
サード・パーティ残高レポート
複数期間会計レポート
補助元帳期間クローズ例外レポート
オープン勘定科目残高リスト
関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の補助元帳会計レポートの概要に関する項
会計仕訳の作成後、その仕訳をGeneral Ledgerへ転送します。次の方法で会計仕訳を転送できます。
取引ウィンドウから会計仕訳を作成する場合、「作成」および「転記」オプションを選択します。これにより、会計仕訳の作成、General Ledgerへの仕訳の転送および転記が自動的に行われます。
関連項目: 買掛管理における会計仕訳の作成
「会計の作成」プログラムを実行する場合、「一般会計への転送」パラメータを「Yes」に設定します。これにより会計仕訳が作成され、GL_INTERFACE表に転送されます。仕訳がGeneral Ledgerに転送された後、検討および転記できます。
関連項目: 買掛管理における会計仕訳の作成
「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムを実行します。このプログラムにより、Oracle Subledger AccountingからGL_INTERFACE表へ仕訳が転送されます。
関連項目: 『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』の「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムに関する項
Oracle General Ledgerを使用している場合、「仕訳インポート」を発行できます。このプログラムにより、GLインタフェースのデータを使用して、未転記の仕訳バッチ、ヘッダーおよび明細が作成されます。作成された仕訳バッチ、ヘッダーおよび明細をGeneral Ledger内で転記し、General Ledgerの勘定残高を更新できます。「仕訳インポート」は、転送プログラムの発行時に発行することも、転送処理の完了後に個別に発行することもできます。関連項目: 『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の仕訳インポートに関する項
General Ledgerを使用しない場合、GL_INTERFACEのデータを使用して、一般会計に仕訳を作成し、転記できます。
会計仕訳はPayablesで表示できます。また、Oracle General Ledgerで仕訳を転記すると、Payablesで、関連のある会計仕訳または取引にドリルダウンできます。
関連項目
『Oracle Payablesインプリメンテーション・ガイド』の「会計処理基準」
『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「仕訳ソースの定義」
『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「仕訳バッチの転記」
「仕訳インポート」を発行すると、Oracle General Ledgerで仕訳を転記できます。仕訳の転記は「要約」または「詳細」で行います。関連項目: 『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「仕訳バッチの転記」
Oracle General Ledgerを使用している場合、1つの元帳内で複数の会社に対して会計処理を行うことができます。仕訳を転記する際、貸借一致セグメントまたは貸借一致会社に対して仕訳が残高不一致の場合、その差異は、ソースとカテゴリの組合せに対して定義した会社間勘定に自動的に転記されます。次の例で、この処理をさらに詳しく説明します。
例
ある組織がA、B、Cの会社3社を所有しています。会社Aは3社すべてが使用した仕入先についての$150の請求書を受け取ります。会社Aでは、請求書をPayablesに入力し、費用を会社別に分割して、3つの配分を作成します。
この時点では、この取引についての仕訳は残高不一致となっています。これは、会社Aが$150の負債と$50の費用を負っているためです。会社Bおよび会社Cもまた残高不一致となっていますが、$50の費用が発生する一方で負債はありません。次のT字型勘定はこの状況を解説するものです。
転記処理の間に、General Ledgerで前述のような貸借不一致入力が識別され、自動的に追加会社間貸借一致入力が作成されます。会社Aに対する会社間売掛/未収金勘定の借方が100で、会社Bと会社Cに対する会社間売掛/未収金勘定の貸方が50ずつです。次に請求書入力および貸借一致入力の両方が転記されます。
次のT字型勘定で、前の例にあった貸借不一致を解決するためにOracle General Ledgerで作成される会社間貸借一致入力を示します。
Oracle General LedgerでOracle Payablesの仕訳ソースが割り当てられている仕訳を参照しているときに、補助元帳の詳細情報にドリルダウンすることができます。
関連項目: 『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「補助元帳詳細へのドリルダウン」
次の情報が表示されます。
列名 | 請求書 | 支払 | 支払消込 |
---|---|---|---|
消込済請求書番号 | X | X | |
銀行口座 | X | X | |
決済日 | X | ||
貸方 | X | X | X |
通貨換算レート | X | X | X |
借方 | X | X | X |
文書番号 | X | X | |
入力時通貨貸方 | X | X | X |
入力時通貨 | X | X | X |
入力時借方 | X | X | X |
イベント番号 | X | X | X |
請求書日付 | X | ||
請求書配分明細番号 | X | ||
請求書配分明細タイプ | X | ||
請求書タイプ | X | ||
明細番号 | X | X | X |
明細タイプ | X | X | X |
支払日 | X | ||
支払方法 | X | X | |
仕入先 | X | X | X |
詳細な会計明細を選択すると、追加情報が表示されます。
請求書の場合: 発注番号、イベント・タイプ、発注リリース番号、会計日、文書連番、受入番号、注釈
支払の場合: 支払通貨、文書名、請求書通貨、イベント・タイプ、請求書番号、会計日、文書連番
消込済支払の場合: 取引明細書通貨、支払通貨、取引明細書番号、イベント・タイプ、取引明細書明細、会計日、取引明細書文書連番
補助会計仕訳からドリルダウンして、元の補助会計取引を表示できます。
次のレポートを使用して、転記済請求書および支払を買掛/未払金残高試算表へ消し込み、残高試算表に買掛/未払金負債を正確に反映させます。
買掛/未払金残高試算表(前期および当期)
注意: レポートを実行する前に、消込対象期間内のすべての取引に対して、仕訳をGeneral Ledgerに転送する必要があります。
注意: 買掛/未払金残高試算表レポートを検討している際に、特定の請求書の未回収残高が予想より少ないか、マイナスの金額になっていることに気付くことがあります。これは、記録された請求書支払のGL期間が、一部またはすべての請求書配分の記録に使用されたGL期間以前であるために起こります。
例: $200の配分が1件あり、2001年1月4日というGL記帳日を使用する請求書を入力します。支払うのは請求書の全額で、支払日は2000年12月20日です。2000年12月31日の時点で買掛/未払金残高試算表を発行した場合、請求書には未回収残高が<-$200>と正しく表示されます。
Payablesでは、特定の会計処理基準(前払済項目の記録など)をサポートするために、請求書のGL記帳日以前の支払日を許可しています。
前期の買掛/未払金残高試算表に当期の転記済請求書(転記済請求書台帳の請求書合計額)を加え、それから当期の転記済支払(転記済支払台帳の支出額に割引計上額を足し戻した額)を差し引きます。この金額は、当期の買掛/未収金残高試算表の残高と一致するはずです。
たとえば、4月の会計期間をクローズし、最終的な請求書バッチと支払バッチを一般会計(GL)に転記したばかりであるとします。4月の買掛/未払金活動を消し込むには、次の計算を行います。
3月の買掛/未払金残高試算表
+ 4月の転記済請求書台帳
- 4月の転記済支払台帳
= 4月の買掛/未払金残高試算表
関連項目
一般会計(GL)にあるユーザーの買掛金/未払金債務を消し込むには、「買掛金/未払金残高試算表レポート」を使用します。「買掛金/未払金残高試算表レポート」を、一般会計(GL)内でその期間の買掛金/未払金残高と比較します。
残高試算表は買掛金/未払金の未払残高負債情報を表すため、前述の消込は発生主義元帳にのみ有効です。
関連項目
この項では、詳細転送時に、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムによりGLインタフェース列REFERENCE21からREFERENCE30にデータが移入される方法を説明します。
「購買請求書」仕訳カテゴリのレコードでは、費用勘定(換算レート差異および請求価格差異会計仕訳を含む)が借方に記入され、負債勘定が貸方に記入されます。「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムにより、次のようにGL_INTERFACE参照列に購買請求書情報が移入されます。
21: 仕入先名
22: 請求書ID
23: 配分明細番号
25: 請求書番号
26: AP請求書
27: 元帳ID
30: 請求勘定科目のタイプ: 「負債」または「費用」
「支払」仕訳カテゴリのレコードでは、負債勘定が借方に記入され、現預金勘定が貸方に記入されます。これらのレコードは、割引勘定、実現為替差損益勘定、先日付支払勘定および端数処理勘定に請求されます。「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムにより、次のようにGLインタフェース参照列に支払情報が移入されます。
21: 仕入先名
22: 請求書ID
23: 小切手ID
24: 小切手番号
25: 請求書番号
26: AP支払
27: 元帳ID
28: 請求書配分明細番号
29: 請求書支払ID
30: 請求勘定科目: 「負債」、「資金」、「割引」、「為替差益」、「為替差損」、「先日付支払」または「端数処理」
「支払消込」仕訳カテゴリのレコードは、資金決済勘定および消込会計勘定に請求されます。「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムにより、次のようにGLインタフェース参照列に支払消込情報が移入されます。
21: 仕入先名
23: 小切手ID
24: 小切手番号
26: AP支払消込
27: 元帳ID
30: 請求勘定科目: 「資金」、「資金決済」、「手数料」、「エラー」、「為替差益」、「為替差損」または「端数処理」
(会計日または会計期間別に要約して)要約転送する場合「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムで移入される参照列は、REFERENCE21列のみです。この列には、転送バッチおよび元帳の組合せに対して一意である内部識別子AP_AE_HEADERS_ALL.GL_TRANSFER_RUN_IDが移入されます。
たとえば、4つの元帳が含まれるバッチを転送すると、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムによって、GLインタフェースで4つのレコード・セットが作成されます。各レコード・セットには、この列に対して一意の値セットがあります。
注意: 予算引当仕訳は常に詳細転送されます。
この項では、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムおよび「仕訳インポート」プログラムで転送される詳細レベルの例を示します。「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムを発行する場合、会計情報を要約転送または詳細転送します。次に、「仕訳インポート」を発行します。要約転送した場合は、「仕訳インポート」によって要約仕訳が作成されます。詳細転送を実行済であり、General Ledgerから「仕訳インポート」を発行する場合、「仕訳インポート」の発行方法は要約または詳細のいずれかから選択できます。
「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムにより、買掛/未払金会計仕訳明細表(AP_AE_LINES_ALL)から次に対してデータが転送されます。
GLインタフェース表(GL_INTERFACE)
次に、「仕訳インポート」により、次を含むデータがGLインタフェース表からGL表に転送されます。
GL仕訳入力明細表(GL_JE_LINES)
GLインポート参照表(GL_IMPORT_REFERENCES)
この文書には、3つのシナリオ例があります。
一般会計への要約転送および要約仕訳インポート
一般会計への詳細転送および詳細仕訳インポート
一般会計への詳細転送および要約仕訳インポート
この例では、GLインタフェースへの転送時に買掛/未払金会計仕訳が要約されます。同じ勘定科目を持つすべての仕訳は、GLインタフェースの単一レコードに要約され、GL_SL_LINK_ID列で一意の「リンクID」を割り当てられます。会計仕訳明細表の対応する会計仕訳には同じリンクIDが割り当てられるため、これらの仕訳と元の会計仕訳の間には結果的にリンクが張られることになります。
次の表は、買掛/未払金会計仕訳明細表の会計仕訳の例です。
請求書ID | 仕入先 | 仕訳 | 明細 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 | リンクID |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12301 | Acme Inc | 1 | 1 | 01-4000 | $100.00 | 該当なし | 5001 |
12301 | Acme Inc | 1 | 2 | 01-4100 | $200.00 | 該当なし | 5002 |
12301 | Acme Inc | 1 | 3 | 01-6000 | 該当なし | $300.00 | 5004 |
12302 | Ball Inc | 2 | 1 | 01-4000 | $500.00 | 該当なし | 5001 |
12302 | Ball Inc | 2 | 2 | 01-6000 | 該当なし | $500.00 | 5004 |
12303 | Cary Co | 3 | 1 | 01-4000 | $250.00 | 該当なし | 5001 |
12303 | Cary Co | 3 | 2 | 01-4200 | $150.00 | 該当なし | 5003 |
12303 | Cary Co | 3 | 3 | 01-6100 | 該当なし | $400.00 | 5005 |
次の表は、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムを要約で発行したときにGLインタフェース表で作成されるレコードを示します。
勘定科目 | 借方 | 貸方 | リンクID |
---|---|---|---|
01-4000 | $850.00 | 該当なし | 5001 |
01-4100 | $200.00 | 該当なし | 5002 |
01-4200 | $150.00 | 該当なし | 5003 |
01-6000 | 該当なし | $800.00 | 5004 |
01-6100 | 該当なし | $400.00 | 5005 |
一般会計から「仕訳インポート」を発行する場合、「仕訳インポート」を要約と詳細のどちらで発行するかを選択できます。しかし、会計仕訳はすでに要約されているため、GLインタフェースの明細とGL仕訳明細の明細の間には1対1の相関関係があります。このため、詳細での「仕訳インポート」の発行を選択しても、「仕訳インポート」では要約仕訳が作成されます。
各GL仕訳明細のリンクは、1つ以上の買掛/未払金会計仕訳明細まで遡ることができます。次の例では、勘定科目01-4000の仕訳明細1($850)のリンクは、次の買掛/未払金会計仕訳まで遡ることができます。
仕訳1明細1($100)
仕訳2明細1($500)
仕訳3明細1($250)
インポート参照1から10は、予算引当レコードを除いて、GLインタフェースまたはGLインポート参照には転送されません。
次の表は、「仕訳インポート」によってGL仕訳明細表に作成されるレコードを示します。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|---|
1000 | 1 | 01-4000 | $850.00 | 該当なし |
1000 | 2 | 01-4100 | $200.00 | 該当なし |
1000 | 3 | 01-4200 | $150.00 | 該当なし |
1000 | 4 | 01-6000 | 該当なし | $800.00 |
1000 | 5 | 01-6100 | 該当なし | $400.00 |
次の表は、「仕訳インポート」によってGLインポート参照表に作成されるレコードを示します。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | リンクID |
---|---|---|
1000 | 1 | 5001 |
1000 | 2 | 5002 |
1000 | 3 | 5003 |
1000 | 4 | 5004 |
1000 | 5 | 5005 |
「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムを詳細発行すると、会計明細がGLインタフェースに詳細転送されます。
次の表は、買掛/未払金会計仕訳明細表のサンプル・データを示します。これは、前の例で使用したものと同じデータです。ただし、この場合、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムによってレコードごとに一意のリンクIDが割り当てられています。
請求書ID | 仕入先 | 仕訳 | 明細 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 | リンクID |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12301 | Acme Inc | 1 | 1 | 01-4000 | $100.00 | 該当なし | 5001 |
12301 | Acme Inc | 1 | 2 | 01-4100 | $200.00 | 該当なし | 5002 |
12301 | Acme Inc | 1 | 3 | 01-6000 | 該当なし | $300.00 | 5003 |
12302 | Ball Inc | 2 | 1 | 01-4000 | $500.00 | 該当なし | 5004 |
12302 | Ball Inc | 2 | 2 | 01-6000 | 該当なし | $500.00 | 5005 |
12303 | Cary Co | 3 | 1 | 01-4000 | $250.00 | 該当なし | 5006 |
12303 | Cary Co | 3 | 2 | 01-4200 | $150.00 | 該当なし | 5007 |
12303 | Cary Co | 3 | 3 | 01-6100 | 該当なし | $400.00 | 5008 |
次の表は、「General Ledgerへの仕訳の転送」プログラムを詳細発行する場合、買掛/未払金会計仕訳明細表のレコードとGLインタフェース表のレコードの間には1対1の相関関係があることを示します。
勘定科目 | 借方 | 貸方 | リンクID |
---|---|---|---|
01-4000 | $100.00 | 該当なし | 5001 |
01-4100 | $200.00 | 該当なし | 5002 |
01-6000 | 該当なし | $300.00 | 5003 |
01-4000 | $500.00 | 該当なし | 5004 |
01-6000 | 該当なし | $500.00 | 5005 |
01-4000 | $250.00 | 該当なし | 5006 |
01-4200 | $150.00 | 該当なし | 5007 |
01-6100 | 該当なし | $400.00 | 5008 |
ここで、次の2つのセクションを確認し、GLインタフェースへの詳細転送後の「仕訳インポート」の詳細発行と要約発行を比較できます。
この例は前の例からの続きで、詳細転送後のGLインタフェースから開始することを前提としています。関連項目: GLインタフェース(詳細転送後)
「仕訳インポート」を詳細発行すると、次の表のように、詳細仕訳が作成されます。GLインタフェース表の明細とGL仕訳明細表の明細の間には1対1の相関関係があります。各仕訳明細のリンクは、買掛/未払金会計仕訳明細表の1つの買掛/未払金会計仕訳まで遡ることができます。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|---|
1000 | 1 | 01-4000 | $100.00 | 該当なし |
1000 | 2 | 01-4000 | $500.00 | 該当なし |
1000 | 3 | 01-4000 | $250.00 | 該当なし |
1000 | 4 | 01-4100 | $200.00 | 該当なし |
1000 | 5 | 01-4200 | $150.00 | 該当なし |
1000 | 6 | 01-6000 | 該当なし | $300.00 |
1000 | 7 | 01-6000 | 該当なし | $500.00 |
1000 | 8 | 01-6100 | 該当なし | $400.00 |
次の表は、GLインポート参照表の一部の列を示します。インポート参照1から10はすべてGLインタフェースに転送され、その後GLインポート参照表に転送されます。この例では、参照1、2および10のみが示されています。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | リンクID | 参照1 | 参照2 | 参照10 |
---|---|---|---|---|---|
1000 | 1 | 5001 | Acme Inc | 12301 | EXPENSE |
1000 | 2 | 5004 | Ball Inc | 12302 | EXPENSE |
1000 | 3 | 5006 | Cary Co | 12303 | EXPENSE |
1000 | 4 | 5002 | Acme Inc | 12301 | EXPENSE |
1000 | 5 | 5007 | Cary Co | 12303 | EXPENSE |
1000 | 6 | 5003 | Acme Inc | 12301 | LIABILITY |
1000 | 7 | 5005 | Ball Inc | 12302 | LIABILITY |
1000 | 8 | 5008 | Cary Co | 12003 | LIABILITY |
この例は前の「一般会計への転送」の例からの続きで、詳細転送後のGLインタフェースから開始することを前提としています。関連項目: GLインタフェース(詳細転送後)
「仕訳インポート」を要約発行すると、GL仕訳明細表の記入時に勘定科目別にGLインタフェースの会計仕訳が要約されます。
各GL仕訳明細のリンクは、1つ以上の買掛/未払金会計仕訳明細まで遡ることができます。たとえば、次の表では、勘定科目01-4000の仕訳明細1($805)のリンクは、次の買掛/未払金会計仕訳まで遡ることができます。仕訳1明細1($100)、仕訳2明細1($500)および仕訳3明細1($250)。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|---|
1000 | 1 | 01-4000 | $850.00 | 該当なし |
1000 | 2 | 01-4100 | $200.00 | 該当なし |
1000 | 3 | 01-4200 | $150.00 | 該当なし |
1000 | 4 | 01-6000 | 該当なし | $800.00 |
1000 | 5 | 01-6100 | 該当なし | $400.00 |
次の表は、GLインポート参照表の一部の列を示します。インポート参照1から10はすべてGLインタフェースに転送され、その後GLインポート参照表に転送されます。この例では、参照1、2および10のみが示されています。
仕訳ヘッダー | 仕訳明細 | リンクID | 参照1 | 参照2 | 参照10 |
---|---|---|---|---|---|
1000 | 1 | 5001 | Acme Inc | 12301 | EXPENSE |
1000 | 1 | 5004 | Ball Inc | 12302 | EXPENSE |
1000 | 1 | 5006 | Cary Co | 12303 | EXPENSE |
1000 | 2 | 5002 | Acme Inc | 12301 | EXPENSE |
1000 | 3 | 5007 | Cary Co | 12303 | EXPENSE |
1000 | 4 | 5003 | Acme Inc | 12301 | LIABILITY |
1000 | 4 | 5005 | Ball Inc | 12302 | LIABILITY |
1000 | 5 | 5008 | Cary Co | 12003 | LIABILITY |