Oracle Receivablesユーザー・ガイド リリース12 E06003-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle ReceivablesはOracle Advanced Collectionsと統合されており、完全な回収管理ソリューションを提供します。この統合により、すべての回収活動はAdvanced Collections内で発生します。
Advanced Collectionsを使用すると、ユーザーにとっては、より単純で自動化された回収処理フローが使用可能になるのみでなく、多数の強力な機能を伴う複雑な回収アプローチもサポートされます。
より単純な処理フロー
たとえば、ユーザーは顧客との対話を記録しながら主に1つのメイン画面で作業して、勘定科目の検討、約束の取付け、支払、修正および修正依頼の処理をすべて容易に行うことができます。また、Advanced Collectionsの「回収担当の作業キュー」には、回収エージェントに割り当てられているか所有している処理可能な全作業の高レベルのリストが表示されます。この方法では、回収活動がユーザーに効果的にプッシュされ、ユーザー操作がより単純で効果的になります。
強力な回収機能
Advanced Collectionsでは、様々な分野の顧客にあわせた各種回収アプローチを決定する、構成可能な回収戦略が採用されています。ビジネス要件を満たすために必要なだけの複雑さを備えた戦略を使用できます。たとえば、差し迫った支払期限日に関する督促状を自動的に送付し、次に督促状をもう1度送付し、最後に延滞顧客に個人的に電話連絡するタスクを回収担当にプッシュするという戦略をとることができます。
ReceivablesとAdvanced Collectionsのデフォルトの統合では、基本的な回収機能が提供され、すべての活動はAdvanced Collectionsで発生します。このAdvanced Collectionsとのデフォルト・レベルの統合は、すべてのReceivablesユーザーが使用可能であり、製品の機能の限定的サブセットが組み込まれています。
たとえば、Advanced Collectionsのスコアリング・エンジンを使用して、取引が延滞しているかどうかを自動的に判別し、顧客の回収可能性を表すスコアを計算できます。ただし、デフォルト・レベルの統合では、スコアリング・エンジンには事前定義済のスコアリング・コンポーネント・セットが組み込まれており、これは変更できません。
また、Advanced Collectionsには、督促計画および回収戦略という2つの回収方法が用意されています。デフォルト・レベルの統合で使用できるのは、督促計画のみです。
関連項目: Receivablesの回収機能
Advanced Collectionsには、標準E-Business Suiteライセンスとは別にライセンスが必要です。Advanced Collectionsの別途ライセンスを購入すると、すべてのAdvanced Collections機能の全機能が付与されます。
たとえば、デフォルト・レベルと同様に、スコアリング・エンジンにアクセスできます。ただし、ライセンスを取得すると、これらのスコアリング・エンジンを完全に構成可能です。
また、督促計画と回収戦略の両方を使用できます。
関連項目: Oracle Advanced Collectionsの機能
Advanced Collectionsとのデフォルト・レベルの統合をアクティブ化するための設定ステップは、次のとおりです。
Oracle Advanced Collectionsの「回収チェックリスト」と「回収質問」を完了します。
関連項目: 『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』のOracle Advanced Collectionsの設定に関する項
ヒント: このチェックリストには、Receivablesのナビゲータからもアクセスできます。
Advanced Collectionsのメニューと職責を評価し、製品機能のユーザー・アクセスを構成します。
関連項目: 『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』のセキュリティおよび職責の設定に関する項
督促状を送付する場合は、Oracle Advanced Collectionsで事前構成済の督促状をビジネス・ニーズに従ってカスタマイズします。
関連項目: 『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』の督促の使用の概要に関する項
督促状を送付する場合は、XML Publisherをインストールします。
関連項目: 『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』のOracle XML Publisherの設定に関する項
Oracle Advanced Collectionsでコンカレント・プロセスの予定を作成します。
関連項目: 『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』のコンカレント・プログラムの実行に関する項
Oracle Advanced Collectionsの全機能を使用するための完全ライセンスを取得している場合、必要な全実装タスクの詳細は、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』を参照してください。
以前のリリースのReceivablesを使用していた場合は、OracleMetaLinkのドキュメント『Migration to Oracle Advanced Collections: An Overview for Oracle Receivables Users』(#389443.1)を参照してください。
回収担当の作業キュー、『Oracle Advanced Collections User Guide』
検索ツール、『Oracle Advanced Collections User Guide』
回収ヘッダーおよびタブ、『Oracle Advanced Collections User Guide』
事前構成済のメトリックを持つプロファイル、『Oracle Advanced Collections User Guide』
履歴、『Oracle Advanced Collections User Guide』
勘定、『Oracle Advanced Collections User Guide』
取引、『Oracle Advanced Collections User Guide』
年齢調べ、『Oracle Advanced Collections User Guide』
ノート、『Oracle Advanced Collections User Guide』
タスク、『Oracle Advanced Collections User Guide』
「AR回収担当」フィールドを使用した回収担当の割当
顧客、勘定、請求先または不履行の各データ・レベル別の回収情報の表示、『Oracle Advanced Collections User Guide』
支払の処理、『Oracle Advanced Collections User Guide』
予約の作成、『Oracle Advanced Collections User Guide』
修正依頼の入力、『Oracle Advanced Collections User Guide』および修正、『Oracle Advanced Collections User Guide』
Oracle Bill Presentment Architectureを使用した請求書の表示、『Oracle Advanced Collections User Guide』
Receivablesレポートおよび回収レポートの実行、『Oracle Advanced Collections User Guide』
事前構成済不履行作成エンジン、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』
事前構成済顧客スコアリング・エンジン、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』
構成可能な督促、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』(督促通知およびコールバックを含むツール)
注意: すべての督促活動をOracle Advanced Collectionsで実行します。ただし、以前のリリースのReceivablesで顧客に送信された期日超過督促状履歴を再印刷できるように、Oracle Receivablesには「督促状再印刷 - 売掛管理履歴のみ」プログラムが用意されています。このプログラムを使用して、特定の顧客の回収調査を行います。関連項目: 督促状履歴の再印刷
通信用表示、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』(修正依頼、修正、戻し処理、請求書、予約および支払)
Oracle Advanced Collectionsには、前述の機能以外に次の機能が用意されています。
構成可能なスコアリング、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』
構成可能な戦略および作業項目、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』
構成可能なセグメント、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』(スコアリングおよび戦略で使用するデータベース・ビュー)
テリトリ・マネージャを使用した回収テリトリの作成、『Oracle Advanced Collections Implementation Guide』
作業再割当、『Oracle Advanced Collections User Guide』
その他のAdvanced Collectionsのタブ:
戦略、『Oracle Advanced Collections User Guide』
「ライフサイクル」、『Oracle Advanced Collections User Guide』
カスタム1、『Oracle Advanced Collections User Guide』
カスタム2、『Oracle Advanced Collections User Guide』
追加ライセンスで使用できるタブ:
Oracle Loansを使用する場合: 「貸付金」、『Oracle Advanced Collections User Guide』
事例管理(Oracle Lease Managementを使用する場合)
Oracle Contractsを使用する場合: 「契約」、『Oracle Advanced Collections User Guide』
督促状は、支払遅延の請求書、デビット・メモ、およびチャージバックを顧客に通知するために使用します。Oracle Receivablesは、Oracle Advanced Collectionsと統合して、完全な回収管理ソリューションを提供します。統合の一環として、督促計画を使用してすべての督促活動をOracle Advanced Collectionsで実行できます。関連項目: 回収の管理
以前のバージョンのOracle Receivablesで提供されていた督促機能を使用している場合は、「督促状再印刷 - 売掛管理履歴のみ」プログラムを使用して、督促状履歴にアクセスできます。このプログラムは、Oracle Advanced Collectionsと統合される前のバージョンのOracle Receivablesで作成された各督促状を再印刷します。
Oracle Advanced Collectionsと統合される前、Oracle Receivablesでは次の2つの督促方法が使用されていました。
期日超過日数: 督促状は、借方品目が支払遅延であった合計日数に基づいていました。この方法では、ユーザーが各督促状セットに定義した期日超過日数に基づいて、特定顧客への督促状が生成されました。Oracle Receivablesでは、顧客に対して定義した支払遅延許容日数(ある場合)を考慮して、品目が支払遅延になっている日数が計算されました。
段階的督促: 督促状は、支払遅延借方品目の督促レベルに基づいていました。この方法では、品目が支払遅延であった日数ではなく、最後の督促状が送付された後の日付に基づいて、督促状が送付されました。各督促状には、Oracle Receivablesで品目の督促レベルを上げる前に経過する必要がある最小日数で、かつ、この品目を次に送付する督促状に含めるまでの最小日数をユーザーが指定していました。
重要: 「督促状再印刷 - 売掛管理履歴のみ」プログラムで再印刷されるのは、当初「期日超過日数」督促方法を使用して生成された督促状のみです。「段階的督促」方法を使用して生成された督促状を表示するには、「督促履歴 - 売掛管理で生成された督促状のみ」レポートを実行します。
「督促状の印刷」ウィンドウまたは「要求の発行」ウィンドウにナビゲートします。
「督促状再印刷 - 売掛管理履歴のみ」プログラムを選択します。
営業単位を選択します。
次のような印刷パラメータを入力します。
顧客名
顧客番号
督促状名
督促状日付
督促方法
選択できるのは、「期日超過日数」督促方法のみです。
注意: 「段階的督促」方法を使用して生成された督促状の履歴情報を表示する場合は、「「督促履歴 - 売掛管理で生成された督促状のみ」レポート」を参照してください。
「回収レポートの印刷」ウィンドウから回収レポートを実行します。ユーザーが要求を発行すると、Oracle Receivablesでは要求ID番号が生成されます。この番号を使用して、「要求」ウィンドウにレポートのステータスを表示できます。
「回収レポートの印刷」ウィンドウにナビゲートします。
印刷するレポートの「名称」を入力するか、値リストから選択します。
このレポートを印刷するためのパラメータを入力します。たとえば、使用する「レポート要約」、「フォーマット」、「年齢調べバケット」、および「顧客」、「取引」または「未回収残高」の範囲などです。
「OK」を選択します。
デフォルトの印刷オプションを変更するには、印刷部数、印刷スタイルおよび使用プリンタを入力します。
この発行の出力をファイルに保存するには、「出力の保存」ボックスを選択します。
このレポートを2回以上発行するには、「実行オプション」を入力します。再発行間隔、この再発行を開始/終了する日付と時刻を入力します。
「発行」を選択します。この要求の要求IDが表示されます。この番号を使用すると、「コンカレント要求の表示」ウィンドウにユーザーの要求のステータスを表示できます。
関連項目
顧客が絶えず支払を遅延する場合、与信限度額を超過している場合、またはリスクが高いとみなされる場合は、その顧客アカウントを与信による保留に指定することによって、それ以上の与信購買を回避できます。
Oracle Receivablesでは、Oracle Credit Managementとの統合によって、与信検討の結果に応じて、自動的に顧客を与信保留の状態にしたり、与信保留から解除します。関連項目: 『Oracle Credit Management User Guide』
顧客に関する一連のページを使用して、顧客アカウントまたはサイトを、手動で与信保留の状態にすることもできます。
顧客アカウントを与信による保留状態にした場合も、Oracle Order Managementではその顧客の新規売上受注を作成できます。ただし、新規の受注のステータスはすべて保留状態になり、その顧客アカウントの保留状態が削除されるまで受注の予約または出荷はできなくなります。
Oracle Receivablesでは、与信保留の状態でも、顧客の新規取引を作成できます。
顧客に関する一連のページにナビゲートします。
顧客アカウントまたはサイトを問い合せます。
アカウント・レベルの「アカウント・プロファイル」タブで「与信保留」チェック・ボックスを選択します。
サイト・レベルでは、このチェック・ボックスは「プロファイル」タブに表示されます。
顧客に関する一連のページにナビゲートします。
顧客アカウントまたはサイトを問い合せます。
「与信保留」チェック・ボックスの選択を解除します。
関連項目
延滞手数料は、各顧客、アカウントまたはサイトの支払遅延借方品目に対して計算できます。また、延滞手数料は、組織の延滞手数料規定に従って計算されます。
延滞手数料規定は、延滞手数料を顧客と照合して査定するかどうかを規定し、査定する場合は延滞手数料の計算方法を規定します。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の延滞手数料の設定に関する項
たとえば、異なる計算方法を使用して延滞手数料を査定するように延滞手数料規定を設定できます。支払遅延日数に基づいて延滞手数料を決めることもでき、たとえば、支払遅延日数が多いほど、高額な延滞手数料を査定できます。さらに、計算した延滞手数料に加えて、罰金も査定できます。
延滞手数料規定を定義すると(1組織に1つの規定)、延滞手数料を査定する顧客を指定できます。特定の顧客に対して延滞手数料を査定するには、顧客プロファイル区分を使用します。また、1つ以上の顧客、または1つ以上の取引を延滞手数料計算から除外することもできます。
実際に延滞手数料を生成するには、「延滞手数料の生成」プログラムを使用します。このプログラムを「草案」モードで実行すると、延滞手数料をプレビューし、必要に応じて訂正を加えることができます。関連項目: 延滞手数料の生成
Oracle Receivablesでは、延滞手数料の計上方法を決定できます。また、延滞手数料を顧客に示す方法(当初取引に対する修正、利息請求書またはデビット・メモとして)も選択できます。
延滞手数料は、督促および取引明細書とは関係なく計算されます。延滞手数料をOracle Receivablesの取引明細書、およびOracle Advanced Collectionsで印刷する督促状に記載するには、取引明細書または督促状を作成する前に、「延滞手数料の生成」プログラムを実行する必要があります。
関連項目
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の延滞手数料の設定に関する項
この項では、Oracle Receivablesでの延滞手数料の計算例について説明します。
支払が遅延するにつれ、延滞手数料を増加するように査定するには、利息階層を使用します。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の利息階層および手数料計画の定義に関する項
次の表では、各階層に利率を割り当てた4つの利息階層の手数料計画を定義します。
期限超過日数層 | 利率 |
---|---|
1-30日 | 2% |
31-45日 | 3% |
46-60日 | 4% |
61日以上 | 5% |
この例について考えてみます。
$1,000の請求書が遅延しています。
請求期間は30日です。
延滞手数料は、単純な利息計算式を使用して計算します。
Amount Overdue * (Interest Rate/100) * (Number of Days Late/Number of Days in Period)
このシナリオを使用すると、45日遅延している請求書の延滞手数料は、次のように計算されます。
$1,000 * (3/100) * (45/30) = $45
さらに15日遅延した場合の延滞手数料は、次のように計算されます。
$1,000 * (4/100) * (45/30) = $60
日次平均残高の例には、請求後の借方品目と計算期間の影響があります。
期限超過請求書の日次平均残高に基づいて延滞手数料を計算するには、「日次平均残高」延滞手数料計算方法を使用します。繰越残高請求書を顧客に送付する場合は、この延滞手数料計算方法を使用します。関連項目: 繰越残高請求書
次の表では、5日間の請求期間があり、学生はクラスに登録した2日後に一部支払をしています。
日付 | 活動 | 学生の残高 |
---|---|---|
6月1日 | 活動なし | $0 |
6月2日 | クラスに登録 | $1,000 |
6月3日 | 活動なし | $1,000 |
6月4日 | $250支払 | $750 |
6月5日 | 活動なし | $750 |
この例について考えてみます。
この顧客の期首残高は$0で、1日目、3日目および5日目にアカウント活動はありません。
6月2日に学生がクラスに登録すると、手数料$1,000が発生します。
6月4日に学生は、その登録に対して$250の一部支払をします。
最後の列は日次残高を示します。日次平均残高は$700です。
利率が10%の場合、この請求期間の合計延滞手数料は$70です。
($0 + $1,000 + $1,000 + $750 + $750 = $3,500) / 5 days = $700
$700 * 10% interest rate = $70 total late charge
少額に対して延滞手数料を計算して回収することは、費用効果がない場合があります。このため、最小顧客残高を設定して、顧客アカウントまたはサイトに対して延滞手数料を査定するかどうかを示すことができます。Oracle Receivablesでは、最小顧客残高を超過した場合に延滞手数料が査定されます。
次の例では、「日次平均残高」および「期限超過取引のみ」の両方の延滞手数料計算方法について、最小顧客残高を計算した場合の相違について説明します。この例では、最小顧客残高は$250とします。
また、この例では、「延滞手数料の生成」プログラムを異なる日付(5月20日と5月30日)に発行した場合に、延滞手数料計算で選択される活動が変化する可能性があることを示します。
次の表は、顧客のアカウントに対する借方と貸方の時系列の記録です。
日付 | 請求タイプ | 金額 |
---|---|---|
4月10日 | 借方 | $200 |
4月12日 | 借方 | $200 |
5月4日 | 借方 | $100 |
5月6日 | 貸方 | $50 |
5月13日 | 貸方 | $25 |
5月18日 | 貸方 | $200 |
5月24日 | 貸方 | $50 |
5月27日 | 借方 | $100 |
「期限超過取引のみ」延滞手数料計算方法を使用した場合
この方法を使用すると、Oracle Receivablesでは、「延滞手数料の生成」プログラムを実行した日付時点で、顧客のすべての借方活動と貸方活動の合計と最小顧客残高が比較されます。
5月20日にこのプログラムを発行した場合、顧客残高には3つの期限超過請求書(4月10日、12日および5月4日)が含まれ、その合計は$500です。また、残高には3つの支払(5月6日、13日および18日)が含まれ、その合計は$275です。
顧客残高合計は$225で、最小顧客残高の$250を下回っています。したがって、Oracle Receivablesではこの顧客の延滞手数料が計算されません。
「日次平均残高」延滞手数料計算方法を使用した場合
この方法を使用すると、Oracle Receivablesでは、期日に支払遅延許容日数を加えた日付までのすべての貸方を、前回の繰越残高請求書の最終残高から減額して、顧客残高に対して延滞手数料を計算するかどうかが判断されます。
この例について考えてみます。
請求日は5月1日で、請求サイクルは月初から月末です。
期日は翌月の10日です。
支払遅延許容日数は3日間です。
延滞手数料を計算するために、Oracle Receivablesは、前回の繰越残高請求書の最終残高から計算を開始し、最後の請求に含まれる請求書のみを対象にします。この例では、Oracle Receivablesは5月1日より前に作成された請求書(4月10日と12日)を対象にし、その合計は$400です。
次に、Oracle Receivablesでは、5月13日(期日に支払遅延許容日数を加えた日付)以前に記録されたすべての貸方が減額されます。減額される貸方には、5月6日と13日の入金が含まれ、その合計は$75です。
この場合、顧客残高合計は$325で、最小顧客残高の$250を上回っています。したがって、Oracle Receivablesでは、前述の「日次平均残高」延滞手数料計算方法を使用して、この顧客の延滞手数料が計算されます。関連項目: 「日次平均残高」延滞手数料計算方法の使用
「期限超過取引のみ」延滞手数料計算方法を使用した場合
5月30日にこのプログラムを発行した場合、顧客残高には4つの期日超過請求書(4月10日、12日、5月4日、27日)が含まれ、その合計は$600です。また、残高には4つの支払(5月6日、13日、18日および24日)が含まれ、その合計は$325です。
顧客残高合計は$275で、最小顧客残高の$250を上回っています。この日付時点で、Oracle Receivablesはこの顧客の延滞手数料を計算します。
「日次平均残高」延滞手数料計算方法を使用した場合
5月30日にこのプログラムを発行すると、5月20日の場合とは対照的に、顧客残高計算は変わりません。顧客残高を判断するために、Oracle Receivablesでは、前回の繰越残高請求書(5月1日)の最終残高から計算を開始し、期日に支払遅延許容日数を加えた日付(5月13日)までのすべての貸方(入金およびクレジット・メモ)が減額されます。
繰越残高請求書を顧客に送付する場合は、「システム・オプション」ウィンドウの「日次平均残高」リージョンを使用して、Oracle Receivablesで日次平均残高を計算する方法を変更できます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引および顧客のシステム・オプションに関する項
残高算定基準
請求後の借方品目を日次平均残高計算に含めるか除外するかを指定できます。
請求後の借方品目を除外する場合、Oracle Receivablesでは、「日次平均残高」延滞手数料計算方法を使用した場合」で説明したように日次平均残高が計算されます。
請求後の借方品目を含める場合は、日次平均残高の計算時に、請求締開始日後に作成された請求書が含まれます。
前述の例では、請求締開始日は5月1日です。5月20日に「延滞手数料の生成」プログラムを実行した場合は、日次平均残高の計算に、5月4日の$100の請求書が含まれます。
計算期間
日次平均残高の計算に使用される計算期間を指定できます。
支払期日から実行日まで
実行日から実行日まで
前述の例で、「支払期日から実行日まで」を選択した場合は、期日(5月10日)から「延滞手数料の生成」プログラム発行の実行日(5月20日)までの間に残っている平均期日超過残高に対してのみ遅延手数料が計算されます。月内の他の日付の活動は日次平均残高の計算に含まれず、遅延日数は延滞手数料計算に影響を与えません。
「実行日から実行日まで」を選択した場合は、前回の実行日(4月20日)から今回の実行日(5月20日)までの間に残っている平均期日超過残高に対して遅延手数料が計算されます。
関連項目
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の延滞手数料の設定に関する項
「顧客プロファイル区分」ウィンドウで通貨に利率を割り当てないと、Oracle Receivablesでは、期日を過ぎた品目に対する延滞手数料がその通貨で計算されません。
たとえば、ある顧客がUSD(米ドル)とEUR(ユーロ)の2つの通貨でビジネスを行っており、どちらの通貨についても支払遅延残高があるが、EUR(ユーロ)の顧客アカウントまたはサイト・レベル・プロファイルのいずれにも率が割り当てられていないとします。
延滞手数料が最後に計算されたのは6月30日で、今回は7月31日に延滞手数料を計算します。
この場合、7月1日から7月31日の期間についてUSD(米ドル)では延滞手数料が計算されますが、EUR(ユーロ)では計算されません。
注意: Oracle Receivablesでは、最初に、顧客の延滞手数料プロファイルの手数料開始日がチェックされて、顧客の延滞手数料の査定を開始する日付が確認されます。この例では、手数料開始日は1月1日です。
次に、率をEUR(ユーロ)に割り当て、8月31日に延滞手数料を計算します。
8月1日から8月31日の期間について、通貨がUSD(米ドル)の支払遅延品目の延滞手数料が計算されます。1月1日の手数料開始日から開始して、通貨がEUR(ユーロ)の支払遅延品目の延滞手数料も計算されます。
関連項目
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分の定義に関する項
『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の通貨の定義に関する項
組織で定義済の延滞手数料規定に従って延滞手数料を計算するには、「延滞手数料の生成」プログラムを使用します。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の延滞手数料の設定に関する項
このプログラムを「草案」モードで発行すると、草案延滞手数料バッチを作成して、最初に検討できます。各バッチを検討するには、次のいずれかの方法を使用します。
「延滞手数料レポート」を検討します。このレポートは、「延滞手数料の生成」プログラムの発行時に自動的に作成されます。このレポートには、作成した草案または確定延滞手数料が記載されます。関連項目: 延滞手数料レポート
「延滞手数料バッチ」ウィンドウを使用して、延滞手数料のバッチをオンラインで検討します。
関連項目: 延滞手数料バッチの検討
バッチを検討した後は、必要に応じて延滞手数料規定を変更し、プログラムを「確定」モードで実行して永続的な延滞手数料を作成できます。あるいは、「延滞手数料バッチ」ウィンドウを使用してバッチ詳細を変更し、確定手数料を生成できます。関連項目: 延滞手数料バッチの検討
延滞手数料規定によって、延滞手数料が利息請求書またはデビット・メモとして生成されると、請求書APIで延滞手数料が作成されます。延滞手数料規定によって、延滞手数料を修正として記録すると、修正APIで延滞手数料が作成されます。
作成した延滞手数料は、取引明細書や督促状に記載することができます。確定延滞手数料は、「延滞手数料バッチ」ウィンドウで検討し、請求済の各顧客アカウントと照合できます。
その後、顧客が延滞手数料を支払うと、「自動ロックボックス」によってその支払が超過支払として記録され、Oracle Trade Managementを使用している場合は、請求書関連要求が作成されます。また、必要に応じて、売掛/未収金部門が超過支払または要求を延滞手数料に対して消し込む手動プロセスを実装できます。
営業単位: 延滞手数料を作成する営業単位を選択します。アクセス可能なすべての営業単位、およびそれらの営業単位のすべての顧客について延滞手数料を計算する場合、このパラメータは空白のままにします。
事業所: 顧客を指定した場合は、延滞手数料計算を特定のサイトに限定できます。
GL記帳日: この日付は、新規に作成した利息請求書またはデビット・メモのGL記帳日として、または新規に作成した修正の修正日として使用されます。
延滞手数料日付: この日付は、延滞手数料計算時の現在日として使用されます。
通貨: ここで選択した通貨と一致する取引の延滞手数料が作成されます。
モード: 延滞手数料をプレビューする場合は「草案」を選択します。それ以外の場合は「確定」を選択します。
パラレル・ワーカー数: このプログラムの実行に使用するパラレル・ワーカーの数を入力します。パラレル処理では、プログラムを複数のプロセスに分割して各プロセスを同時に実行するため、プログラムの合計実行時間を短縮できます。
関連項目
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の延滞手数料の設定に関する項
「延滞手数料バッチ」ウィンドウを使用して、「延滞手数料の生成」プログラムの発行時にReceivablesにより作成される延滞手数料バッチを検討します。このウィンドウからバッチを問い合せて「延滞手数料文書」ウィンドウにナビゲートし、バッチ内の個別の延滞手数料を表示できます。
「延滞手数料文書」ウィンドウから、次の操作を実行できます。
草案延滞手数料文書のエラーなどの検討
バッチ詳細の変更
たとえば、バッチから特定の延滞手数料を削除できます。また、利息請求書とデビット・メモの通貨換算レート・タイプを変更できます。
「延滞手数料バッチ」ウィンドウから、次の操作を実行できます。
草案または確定延滞手数料のバッチの表示
草案延滞手数料バッチの削除
確定延滞手数料を計算するための変更済バッチの発行
注意: 「延滞手数料文書」ウィンドウでの変更内容により、延滞手数料規定が上書きされます。バッチを確定延滞手数料計算のために(「延滞手数料の生成」プログラムを使用するのではなく)「延滞手数料バッチ」ウィンドウから発行すると、Receivablesでは延滞手数料規定が無視されます。かわりに、「延滞手数料文書」ウィンドウで変更済のバッチ情報を使用して確定延滞手数料が作成されます。
「延滞手数料バッチ」ウィンドウにナビゲートします。
営業単位を選択し、検討する草案延滞手数料バッチの問合せを実行します。
確定延滞手数料バッチを表示するには、問合せを実行する前に「完了バッチの表示」ボックスを選択します。
「延滞手数料バッチ」ウィンドウに、バッチに関する重要な詳細がいくつか表示されます。次に例を示します。
モード: 検討対象が草案バッチであるか確定バッチであるかを示します。
ステータス: バッチの状態を示します。可能なステータスは、次のとおりです。
準備完了
バッチの確定延滞手数料計算の準備が完了しています。
エラー
バッチにエラーがあります。実際に延滞手数料を作成する請求書APIまたは修正APIにより、なんらかのエラーが生成された可能性があります。
転送済
バッチには確定延滞手数料が含まれています。
処理中
バッチには草案延滞手数料が含まれています。
オプションで、このウィンドウで「編集」 > 「削除」を選択して、草案延滞手数料バッチを削除できます。
バッチ内の延滞手数料を表示するには、「文書の表示」ボタンを選択して「延滞手数料文書」ウィンドウにナビゲートします。
「延滞手数料文書」ウィンドウで、次の操作を実行できます。
「ヘッダー表示オプション」リストを使用して、延滞手数料をカテゴリ(「すべて」、「転送済」、「エラー」または「準備完了」)別に表示します。
「編集」 > 「削除」を選択して、草案延滞手数料を削除します。
外貨取引のレート・タイプなど、草案延滞手数料を変更します。
注意: 修正の場合、換算レート・タイプとレートは当初の期日超過取引からデフォルト設定され、更新はできません。ただし、利息請求書とデビット・メモの換算レート・タイプは更新できます。
暫定利息請求書、デビット・メモまたは修正の個別手数料を変更するには、「明細」ボタンを選択します。
たとえば、個別手数料明細を削除できます。また、Receivablesで延滞手数料計算に使用された日数を変更できます。
バッチの変更後に、「延滞手数料バッチ」ウィンドウで確定延滞手数料バッチを再生成する必要があります。これにより、Receivablesに対して、延滞手数料規定を無視し、かわりに変更後のバッチ情報を使用して確定延滞手数料を作成するように指示します。確定延滞手数料バッチを生成する手順は、次のとおりです。
モードを「確定」に、ステータスを「準備完了」に変更します。
「生成」ボタンを選択します。
手数料が正常に作成されると、バッチ・ステータスが「転送済」に変わります。
確定延滞手数料を表示するには、次の方法があります。
「延滞手数料バッチ」ウィンドウで問合せを実行する前に、「完了バッチの表示」ボックスを選択します。
確定延滞手数料バッチに対して「延滞手数料」レポートを実行します。
「取引」ワークベンチで利息請求書またはデビット・メモを問い合せて、取引の明細項目を表示します。
各明細の摘要には、手数料の作成対象となった期限超過請求書に関する情報が含まれています。
また、「取引」ワークベンチでは、利息請求書およびデビット・メモ用に定義した取引タイプを使用して問合せを実行することもできます。
延滞手数料修正を表示するには、修正済の期限超過取引を問い合せて、その取引の活動を表示します。
関連項目
請求書、デビット・メモ、チャージバック、前受/預り金、入金、対顧客勘定クレジット、クレジット・メモ、修正活動に関する特定期間の完全な記録を顧客に供給する取引明細書を印刷します。
顧客の未払い品目に対する請求先サイトを区別する取引明細書を作成できます。顧客の取引明細書サイトを定義しない場合は、各顧客の請求先サイトに対して取引明細書が作成されます。各請求先サイト取引明細書には、サイトに固有の取引が含まれます。「顧客」ウィンドウでは、取引明細書を定義し、顧客所在地の請求先ビジネス目的を定義できます。
注意: 「繰越残高請求」を使用して、顧客の全活動を特定期間にわたって要約した単一の文書を作成することもできます。
重要: 特定の顧客のすべての事業所の取引明細書を印刷するときには(顧客名を入力し、事業所は空白にする)、印刷全体で1つの言語を選択する必要があります。しかし、特定の顧客の名前を選択し、特定の事業所を選択すると、Oracle Receivablesでは自動的に、取引明細書を印刷する正しい言語が選択されます。すべての顧客の取引明細書を印刷する場合は、取引明細書生成時の言語は選択しないでください。Oracle Receivablesで自動的に、顧客の取引明細書の事業所ごとに指定された正しい言語で印刷されます。
Oracle Receivablesのすべての「入金入力」のウィンドウで、入金の顧客事業所を指定できます。入金の事業所を特定した場合、Oracle Receivablesにより、この事業所が取引明細書に印刷されます。
特定の顧客事業所と関連しない対顧客勘定または未消込入金がある場合、Oracle Receivablesによりこれらの入金が、取引明細書サイトを定義して作成した一括取引明細書に貸方として集計されます。各顧客請求先サイトの小計リストが集計される前に、Oracle Receivablesにより、これらの入金が一括取引明細書の別々のページに印刷されます。
顧客に特定の顧客事業所に関連付けられていない対顧客勘定と未消込入金があり、かつこの顧客に取引明細書サイトを作成していない場合、これらの入金はこの顧客用の請求先サイト取引明細書には含まれません。
顧客に明細書サイトを定義すると、Oracle Receivablesではその顧客の取引のすべてが単一の一括明細書に生成され、その明細書がサイトに郵送されます。顧客の取引明細書サイトを定義しない場合、Oracle Receivablesにより、次の事項をもとに各顧客のサイトの取引明細書が作成されます。
請求先ビジネス目的
プロファイル区分に「Yes」とセットされた「取引明細書送付」パラメータ
関連項目: 取引明細書サイトの定義
取引明細書送付サイクルを使用して、取引明細書を顧客に送付する時期を決定します。これらのサイクルを顧客とサイト・レベルのプロファイルに割り当てます。Oracle Receivablesにより、特定な取引明細書送付サイクルに関連するすべての顧客についての取引明細書を生成できます。
顧客に明細書サイトを定義すると、Oracle Receivablesではその顧客プロファイルに定義された明細書サイクルにより、いつ明細書を郵送するべきかが決定されます。取引明細書サイトを定義しない場合、Oracle Receivablesでは、顧客サイト・レベル・プロファイルに定義された取引明細書送付サイクルにより、いつ明細書を各サイトに郵送するべきかが決定されます。
Oracle Receivablesでは、顧客の取引明細書送付サイクルが1つ以上の取引明細書日付での印刷をスキップするよう設定されている場合でも、この顧客の取引明細書を最後に印刷したときから現在の取引明細書の日までのすべての活動が含まれます。Oracle Receivablesにはまた、取引明細書の前期間からのオープン借方品目が含まれます。たとえば、次のとおりです。
今日の日付: 1997年9月3日
取引明細書日付: 1997年9月1日
前回取引明細書日付: 1997年6月1日(スキップ)
取引明細書送付サイクル: 四半期ごと
この取引明細書に含まれる活動は、取引明細書が前回に印刷された日付01-MAR-97から、取引明細書の現在の日付01-SEP-97までです。日付が01-JUN-97である前期の取引明細書はスキップされたので、その期間の活動は当期の取引明細書に表示されています。次の図に、この取引明細書に含まれている活動を示します。
取引明細書送付サイクル
次の表に、この例の取引明細書に含まれる請求書を示します。
請求書作成日 | 取引明細書に含まれるかどうか |
---|---|
請求日: 1997年2月30日 | 含まれない。ただし、それが依然としてオープンしている場合、または1997年3月1日から1997年8月31日の間にクローズ済である場合は、この限りではありません。 |
請求日: 1997年8月30日 | 含まれる。請求日の日付が、取引明細書が最後に印刷された日付と、取引明細書日付の間にあるからです。 |
請求日: 1997年9月2日 | 含まれない。請求日の日付が、取引明細書日付よりも後だからです。 |
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引明細書送付サイクルに関する項
Oracle Receivablesでは、各顧客と各請求先事業所に対して、「顧客プロファイル区分」ウィンドウを使って、与信プロファイルを定義できます。プロファイル区分により、このプロファイル区分を使用して、顧客に取引明細書を送付するかどうかを選択できます。その場合、次の事項を指定できます。
取引明細書サイクル
通貨による最小取引明細書金額
顧客が与信残高をもつ場合、顧客に取引明細書を送るかどうか
注意: 取引明細書サイトが定義されている顧客の取引明細書を印刷するときは、取引明細書サイトで定義した取引明細書プロファイル金額が使用されます。ただし、これは、「AR: 取引明細書、 督促状および延滞手数料サイト・プロファイルの使用」プロファイル・オプションが「Yes」に設定されている場合です。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分の定義に関する項
顧客の取引明細書を印刷する前に、次の事項を定義する必要があります。
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引明細書送付サイクルに関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の標準メッセージに関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引明細書年齢調べバケットに関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分に関する項
関連項目
Oracle Receivablesでは、複数の請求先サイトのある顧客の管理を向上させるために、取引明細書サイトを定義できます。取引明細書サイトを定義することによって、各サイトに対する取引明細書ではなく、請求先サイトすべてに対する1つの一括取引明細書を顧客に送付できます。顧客ごとに定義できるのは、1つの有効取引明細書サイト使用のみです。
顧客に有効な取引明細書サイトを定義してある場合でも、Oracle Receivablesではサイト・レベル与信プロファイルに異なったオプションを入力できます。ただし、Oracle Receivablesにより、顧客レベル・プロファイルに割り当てられている取引明細書送付サイクルを使って、取引明細書送付サイクルは依然としてすべて同じであることが確実にされます。
注意: 顧客レベルのプロファイルでなく、サイト・レベルの与信プロファイル金額を使用する場合は、「AR: 取引明細書サイトおよび督促状サイト・プロファイルの使用」を「Yes」に設定します。
取引明細書サイトを作成するには、ビジネス目的取引明細書を顧客の所在地に割り当てます。
取引明細書の印刷提出に含まれる顧客に対する取引明細書を定義しなていない場合、Oracle Receivablesにより、「取引明細書送付」オプションが「Yes」に設定された顧客の請求先事業所のそれぞれに取引明細書が生成されます。
関連項目
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分の定義に関する項
Oracle Receivablesでは、個々の顧客請求先場所別の明細書を生成できます。明細書には、取引の後の行にノートを記して、その中に記されている取引の場所が請求先事業所と異なることを表します。
詳細は、「取引明細書」を参照してください。
前提条件
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引明細書送付サイクルの定義に関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の標準メッセージの定義に関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の年齢調べバケットの定義に関する項
『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分の定義に関する項
延滞手数料の生成(延滞手数料を取引明細書に含める場合)
「取引明細書の印刷」ウィンドウにナビゲートします。
営業単位を選択します。
印刷オプションを入力します。次から選択します。
取引明細書の印刷: 特定の顧客、顧客サイト、または与信プロファイルに指定の明細書サイクルが記されているすべての顧客と顧客事業所のどれれかに対して明細書を印刷します。このオプションには、最後の明細書日付から現在の明細書日付までの活動が含まれています。
取引明細書草案の印刷: 顧客またはサイトの取引明細書草案を印刷して、顧客に送信する前に確認します。
取引明細書の再印刷: 印刷した取引明細書を再印刷します。
使用する年齢調べバケットを入力します。選択できるのは、「取引明細書による年齢調べ」タイプの有効年齢調べバケットのみです。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の年齢調べバケットに関する項
この発行について、顧客の名称または番号および請求先事業所を入力します。
顧客を選択しない場合は、次のようになります。
指定した取引明細書送付サイクルに対する全顧客の取引明細書が印刷されます。
また、取引タイプまたは営業担当責任者のいずれのパラメータにも値を入力できません。
ヒント: 取引タイプ別または営業担当別に全顧客の取引明細書を印刷する場合は、「取引明細書の再印刷」オプションを使用して、後続の要求を発行してください。紙の節約のため、最初の要求はプリンタに送らないでください。
取引明細書送付サイクルを入力します。デフォルトは、ユーザーが顧客のプロファイル区分に指定したサイクルです。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の顧客プロファイル区分に関する項
取引明細書草案を印刷する場合は、「現在日」を入力します。この日付によって、取引明細書草案に含める取引が決まります。デフォルトは今日の日付です。
この発行について取引明細書日付を入力します。取引明細書送付サイクルを入力すると、デフォルトの取引明細書日付は、このサイクルの使用可能な次の取引明細書日付になります。値リストから別の日付を選択することもできます。
注意: 取引明細書日付の定義後にスキップを選択すると、取引明細書日付は値リストに表示されません。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の取引明細書送付サイクルに関する項
特定の取引のみをこの明細書に含めるには、「取引タイプ」を入力します。
特定の取引明細書送付サイクルの全顧客に対して取引明細書を印刷するとき、このフィールドは使用できません。
注意: 印刷する取引明細書には、すべての対顧客勘定入金および未消込入金が表示されます。対顧客勘定入金および未消込入金はどの取引にもリンクされていないので、取引タイプを理由に取引明細書から除外することはできません。
特定の営業担当に割り当てた取引のみを含める場合は、「営業担当責任者」を入力します。
特定の取引明細書送付サイクルの全顧客に対して取引明細書を印刷するとき、このフィールドは使用できません。
ビットマップを使用するグラフィカル・バージョンのOracle Reports 2.0を使用して取引明細書を印刷するには、「ビットマップ」ボックスを選択します。
取引明細書に標準メッセージを印刷するには、その標準メッセージの名称を入力するか、値リストから選択します。選択できるのは、開始日から終了日までの範囲に現在の日付が含まれるメッセージのみです。
作業内容を保存します。この発行に対して一意の要求IDが割り当てられます。この番号を使用すると、「要求」ウィンドウで要求のステータスをチェックできます。
注意: Oracle Receivablesでは、取引明細書出力ファイルが作成されるので、オペレーティングシステムの横方向印刷コマンドを使用してこのファイルをプリンタに送る必要があります。このファイルをプリンタに送る場合、Oracle Receivablesにより、Xsの1つのサンプルページが印刷され、どのように取引明細書が印刷されるを示します。取引明細書の印刷を開始する前に、任意に必要な調整を入力できます。
関連項目
Oracle Receivablesにより、顧客および顧客サイトにまたがって消し込まれた入金について、正確に記録し、レポートできます。
Oracle Receivablesにより、請求書に関連する顧客または顧客サイトの取引明細書の、各顧客間またはサイト間の入金が表示されます。その請求書に対して、入金を所有する顧客または顧客サイトの取引明細書と同様に、この入金が消し込まれます。
取引明細書の参照列は、各入金の金額を含み、一方対応する取引列には、特定請求書に消し込まれた各入金の金額が表示されます。
顧客サイト、または顧客消込のある入金は、対顧客勘定と未消込入金の後に、取引明細書に報告されます。これらの値は、取引金額列の他のサイトの取引に消し込まれた金額を表示し、取引明細書の残高には影響しません。
下記の例では、SFとCAの2つのサイトがそれぞれ互いの請求書を支払います。すべての入金は、それが消し込まれる請求書に記録されます。この入金はまた、その入金を所有するサイトの取引明細書にも相互サイト値として報告され、もう一方のサイトに消し込まれた金額は取引金額として表示されます。入金が全額消込済でない場合は、消込済でない部分は未消込入金として入力されます。
SFサイト
次の表は、SFサイトが受け取る取引明細書を説明しています。
請求書 | 取引 | 参照 | 事業所 | 取引金額 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
請求書1 | 請求書 | SF | 200.00 | ||
請求書1 | 支払 | 小切手 p1 200.00 | CA | -150.00 | 50.00 |
請求書5 | 請求書 | SF | 1200.00 | ||
請求書5 | 支払 | 小切手 p5 700.00 | SF | -600.00 | |
請求書5 | 支払 | 小切手 p6 600.00 | CA | -600.00 | 0.00 |
未消込 | 支払 | 小切手 p2 500.00 | SF | -100.00 | |
未消込 | 支払 | 小切手 p5 700.00 | SF | -100.00 | -200.00 |
相互入金 | 支払 | 小切手 p2 500.00 | SF | 400.00 | |
相互入金 | 支払 | 小切手 p3 500.00 | SF | 500.00 | |
相互入金 | 支払 | 小切手 p4 100.00 | SF | 100.00 |
CAサイト
次の表は、CAサイトが受け取る取引明細書を説明しています。
請求書 | 取引 | 参照 | 事業所 | 取引金額 | 金額 |
---|---|---|---|---|---|
請求書2 | 請求書 | CA | 500.00 | ||
請求書2 | 支払 | 小切手 p2 500.00 | SF | -400.00 | 100.00 |
請求書3 | 請求書 | CA | 600.00 | ||
請求書3 | 支払 | 小切手 p3 500.00 | SF | -500.00 | |
請求書3 | 支払 | 小切手 p4 100.00 | SF | -100.00 | 0.00 |
未消込 | 支払 | 小切手 p1 200.00 | CA | -50.00 | -50.00 |
相互入金 | 支払 | 小切手 p1 200.00 | CA | 150.00 | |
相互入金 | 支払 | 小切手 p6 600.00 | CA | 600.00 | 0.00 |
関連項目
顧客の取引明細書サイトを定義してある場合、Oracle Receivablesにより、各請求先サイトの個別のサイト固有の取引明細書ではなく、取引明細書サイトに対して1つの一括取引明細書が作成されます。Oracle Receivablesでは各顧客の一括取引明細書がさらに細分化され、顧客の各請求先サイトの小計が表示されます。次にOracle Receivablesにより、各小計が通貨でソートされます。この一括取引明細書には、各顧客の請求先サイトの通貨別の集計小計の要約ページが、レポートの最後に含まれています。 事業所をもたない対顧客勘定または未消込入金がある場合、これらは要約ページの前に別のシートに印刷されます。
取引明細書サイトを定義していない場合、Oracle Receivablesにより、各請求先サイトに対する別の取引明細書が印刷されます。その請求先サイトは、そのサイトに関連するすべての取引を表示し、通貨別に小計されます。事業所のない「対顧客勘定入金」または「未消込入金」は、どの取引明細書にも現われません。
どちらの場合にも、相互サイトおよび相互顧客入金は、各請求先サイト未消込入金の下に表示されます。
次の図は、2つの請求先(SFおよびCA)の一括取引明細書と、これら2つのサイトのサイト固有取引明細書の間の相違を示します。
取引明細書送付サイクル
この図の説明文は、取引明細書送付サイクルの図の説明文を参照してください。
関連項目