Oracle Profitability Managerユーザーズ・ガイド リリース12 E06004-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
製品の生産またはサービスの提供に要する実際の原価はどれくらいか、利益があるのはどの顧客か、利益が最も多いのはどの販売チャネルか、外注が適しているのはどの製品か、削除する必要があるのはどのサービス明細か。これらは基本的な問題ですが、従来の会計システムではその回答を得ることはできません。正確な1対1顧客収益性分析に対する、収益性マネージャの強力なモデル化技術、情報やレポートの企業全体での使用、およびOracle E-Business Suiteとの統合を通じて、これらの回答を実際に得ることができます。
収益性マネージャには、ビジネスを分析するための複雑なモデルをサポートする豊富な機能が用意されています。次の機能があります。
Oracle Enterprise Performance Foundationのデータおよびメタデータ・モデルとの統合。
多数の割当方法をサポートする強力な割当エンジン。
ABM計算。活動原価、積上原価と統計、活動レート、および原価計算対象単位原価が提供されます。
顧客収益性計算。顧客勘定科目の連結、顧客データの集計および収益性結果の判別が可能です。
Enterprise Performance Foundationの全機能および全ユーティリティとの統合。管理、ルール・セレクタ、条件、データ・インスペクタ、データセット・グループ、ルール・セット、実行済ルールなどがあります。
Oracle Workflowシステムの利用。本番データへのアクセスを制御するルール承認プロセスが簡略化されます。
事前定義のDiscovererビジネス・エリアおよびワークブック。データ分析が容易になります。
Oracle General Ledgerのデータまたは外部データ・ソースとの統合。
これらの機能によって、収益性の管理および分析に対する業界をリードするソリューションが提供されます。
収益性マネージャは、企業実績管理の一連の製品のコンポーネントであり、Enterprise Performance Foundation(EPF)に基づいて作成されています。
Enterprise Performance Foundationは、あらゆるソースからの財務データと業務系データを統合し、組織の収益性分析に対する事実上の単一ソースとして機能します。収益性マネージャではEnterprise Performance Foundationが使用されるため、他のCPM製品で使用されるデータおよびメタデータも収益性マネージャ内で使用でき、ソース・システムと他のCPMアプリケーションの間の調整が容易です。
このオープンな環境では、データ・ウェアハウス、GLシステム、取引システムおよびスプレッドシートなどのソースからのデータが受け入れられます。強力なEPFのツールを使用すると、ビジネス・ルール、ディメンション(メンバー、階層および属性を含む)および条件を動的に保守できます。
Oracle Enterprise Performance Foundationでは、End User Layerにインポート可能なDiscovererビジネス・エリアが提供されます。このビジネス・エリアによって、Enterprise Performance Foundation、および収益性マネージャの計算結果に対するレポートの基礎が形成されます。収益性マネージャには、事前定義のワークブックのセットが用意されています。
収益性マネージャには、収益性および原価の分析に適した機能が用意されています。この環境から、Enterprise Performance Foundationのデータ管理ツールにもアクセスできます。
収益性マネージャのユーザー・インタフェースは、次の領域で構成されています。
「ホーム」タブ
「ビジネス・ルール」タブ
「プロセス管理」タブ
「文書」タブ
「管理」タブ
「ホーム」タブは、ユーザーがアプリケーションにログインしたときに表示されるデフォルト・ページです。「ホーム」ページには次の領域があります。
「所有権」領域: アプリケーションおよび収益性マネージャに関するその他の情報が表示されます。
「通知」領域: 各ユーザーに対して、ユーザー宛の通知またはユーザーが送信した通知が表示されます。
「ショートカット」領域: 各ユーザーに対して、ヘッダーの追加および外部Webサイトに対するショートカットの作成を実行する機能が提供されます。
「ビジネス・ルール」タブには、次のサブタブがあります。
「マッピング」サブタブ: 損益計算書と貸借対照表の各項目の割当を実行するルールを作成および管理し、活動レート、直接費、活動原価への原価計算対象マッピングを可能にします。詳細は、「マッピング・ルールについて」を参照してください。
「活動」サブタブ: 活動レート、積上活動原価と統計、および積上原価計算対象単位原価を計算するルールを作成および管理します。詳細は、「活動ルールについて」を参照してください。
「顧客」サブタブ: 顧客収益性を判別するルールを作成および管理します。詳細は、「顧客収益性ルールについて」を参照してください。
「ディメンション」サブタブ: ディメンション・メンバー、属性および階層を操作します。これらの機能の詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「条件」サブタブ: データの制限方法を指定するルールを作成および管理します。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「データ・インスペクタ」サブタブ: 特定の表内のデータを表示または更新する方法を定義するルールを作成および管理します。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「プロセス管理」タブには、次のサブタブがあります。
「ルール・セット」サブタブ: ルールの実行時に規模の経済性を得るために同じタイプのルールを結合します。
「データセット・グループ」サブタブ: 計算用の入力を定義します。
「要求」サブタブ: コンカレント要求をスケジュールおよび管理します。
「ルールの実行」サブタブ: 実行済ルールを表示します。また、結果および処理ロックを削除します。
これらの機能の詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「文書」タブから、シード済の収益性マネージャ・ワークブックにアクセスできます。ワークブックは、Oracle DiscovererまたはOracle Discoverer Viewerで表示されます。
詳細は、「レポートについて」を参照してください。
「管理」タブには、次のサブタブがあります。
「チューニング・オプション」サブタブ: 処理エンジンが機能する方法に影響を与える一連の複数処理オプションまたはルールを作成します。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「登録」サブタブ: オブジェクトと列、値セットおよびグローバル値セットの組合せを定義します。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。「管理者」職責のあるユーザーの場合、このサブタブで、統計および列移入テンプレートを保守できます。ABM付き収益性マネージャ - 管理者職責のあるユーザーの場合は、このサブタブで、多次元の活動および原価計算対象ディメンションの設定もサポートされます。詳細は、「収益性マネージャの管理について」を参照してください。
「セキュリティ」サブタブ: ビジネス・ルールの格納およびユーザー・アクセスの指定に使用されるフォルダを作成します。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
「設定」サブタブ: 収益性マネージャの「ホーム」ページをカスタマイズします。詳細は、『Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド』またはオンライン・ヘルプを参照してください。
次のハイパーリンクはヘッダー領域に表示され、すべてのタブおよびサブタブから使用できます。
ホーム: 収益性マネージャの「ホーム」ページに戻ります。
ログアウト: 収益性マネージャを終了します。
アプリケーション作業環境: デフォルト・フォルダ、デフォルト元帳およびその他の設定について指定できる「アプリケーション作業環境」ページが開きます。詳細は、「アプリケーション作業環境の設定」を参照してください。
ヘルプ: 収益性マネージャの特定のタスクの実行に関する情報が提供されます。ページ上部の「ヘルプ」リンクをクリックすると、オンライン・ヘルプにアクセスできます。
収益性マネージャ・アプリケーションで収益性モデルを定義するための一般的な処理は、次のとおりです。
組織を分析して、収益性モデルからの必須出力およびビジネス環境の定義に必要なディメンションを判別します。
多次元データおよびファクト・データ用のソース・システムを選択します。
ディメンション・ドメイン、ディメンション属性およびディメンション階層を表すメタデータを作成します。
モデルの必須ディメンション間にデータを割り当てるために使用されるビジネス・ルールを作成します。
ソース・システムからのデータを統合します。
ソース・データに対してビジネス・ルールを実行します。
モデル計算結果をレポートします。
次の図は、収益性マネージャ・アプリケーションの様々な部分がどのように連携して動作しているかを示しています。
図の左側に示されているように、ユーザーは適切なソース・システムから必要なデータを統合します。このデータがEnterprise Performance Foundationに統合されると、マッピング、活動に基づく原価計算方法および顧客収益性に対するビジネス・ルールをデータに対して実行できます。次に、その結果を、事前定義のDiscovererビジネス・エリアを利用するDiscovererワークブックで分析できます。
顧客収益性を分析するための一般的な処理は、次のとおりです。
勘定科目連結。このステップでは、異なる多数のソースの顧客勘定科目を単一のリポジトリであるFEM_CUSTOMER_PROFIT表に結合します。
利益集計。このステップでは、個々の顧客勘定科目を単一の顧客勘定レコードに集計するか、または顧客階層に応じて顧客勘定レコードを連結します。
利益計算。このステップでは、値索引スコアおよび利益百分位数と利益十分位数のランキングなどの収益性情報を計算します。値索引スコアでは、勘定科目、顧客および地理リージョン属性に基づいてポイントを割り当てるために、ユーザー定義のフォーミュラが利用されます。
また、ユーザーは、マッピング処理を使用して、個々の顧客勘定表レコードまたは特定の顧客収益性レコードに追加の間接費を割り当てることも選択できます。
この処理を次の図に示します。