Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド リリース12 E06011-01 | 目次 | 前へ | 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle Inventoryには、単位を定義して操作するための強力な方法が用意されています。定義した複数の単位の間で簡単に換算ができます。これによって、任意の単位で品目を製造、受注または受け入れることができます。単位を使用して、次のことができます。
単位区分は、類似した特性を持つ単位のグループです。単位区分の作成は、単位を管理するための最初の手順です。定義するそれぞれの単位は、単位区分に属している必要があります。
各クラスには、基準単位があります。基準単位は、区分の単位間で換算を実行するときに使用されます。このため、基本単位は区分の中の代表的な単位であることが必要で、通常は小さな単位の1つです。たとえば、容積という区分の基準単位としてCU(立方フィート)を使用できます。
単位区分は組織に特定のものではありません。デフォルトの単位区分はありません。
単位区分を定義する手順は、次のとおりです。
「単位区分」ウィンドウにナビゲートします。
重要: Oracle AssetsまたはOracle Order Entryのこのウィンドウは、Oracle InventoryまたはOracle Purchasingがインストールされていない場合にのみ使用してください。Oracle InventoryまたはOracle Purchasingを使用している場合は、Oracle InventoryまたはOracle Purchasingの「単位区分」ウィンドウを使用してください。
Oracle Assetsを使用しているときは、製品の減価償却方法の単位を使用する場合のみ単位を設定してください。
他と重複しない単位区分名を入力します。
この区分の基準単位を定義します。
たとえば、each(個)を表すには「EA」、hours(時間)を表すには「HRS」と入力します。
作業内容を保存します。
単位区分を無効にする日付を入力します。
この日付以降、この区分に新しい単位は定義できません。
関連項目
単位 | 基準単位 | その他の単位 |
---|---|---|
数量 | 各 | ダース、箱 |
重量 | グラム | ポンド、キログラム |
時間 | 秒 | 分、時間 |
容積 | 立方インチ | 立方フィート、立方センチメートル |
単位は、品目の数量を表すために様々な機能と取引で使用されます。単位の定義は、単位管理における第2の手順です。
「単位」ウィンドウで定義する値によって、他のウィンドウの単位フィールドで使用できる値のリストが決まります。
単位は組織固有の属性ではありません。
基準単位は、特定の組織における品目の保管単位で、各品目の定義時に指定する品目属性です。
前提条件
単位を定義する手順は、次のとおりです。
「単位」ウィンドウにナビゲートします。
重要: Oracle AssetsまたはOracle Order Entryのこのウィンドウは、Oracle InventoryまたはOracle Purchasingがインストールされていない場合にのみ使用してください。Oracle InventoryまたはOracle Purchasingを使用している場合は、Oracle InventoryまたはOracle Purchasingの「単位」ウィンドウを使用してください。
Oracle Assetsを使用しているときは、製品の減価償却方法の単位を使用する場合のみ単位を設定してください。
他と重複しない単位名を入力します。
たとえば、each(個)を表すには「EA」、hours(時間)を表すには「HRS」と入力します。
単位区分を入力します。
この単位が単位区分の基準単位であるかどうかを指定します。
作業内容を保存します。
標準換算または品目固有の換算が定義されていない場合は、基準単位以外の既存単位を削除できます。
単位を無効にする日付を入力します。この日付以降、標準換算または品目固有の換算を単位に割り当てることはできません。
関連項目
次の表に単位を示します。
単位区分 | 単位 | 単位コード | 基準単位かどうか |
---|---|---|---|
数量 | 個 | EA | Yes |
数量 | ダース | DZ | No |
重量 | グラム | GR | Yes |
重量 | キログラム | KG | No |
単位換算は、品目を基準単位以外の単位で取引できるようにする数値ファクタです。次の換算を定義できます。
単位換算は組織に特定のものではありません。
基準単位以外の単位を品目に割り当てるときは、その単位と基準単位の間の換算を事前に定義する必要があります。
品目を定義するときに、その品目に適用する単位換算を指定します。
品目固有: この品目固有の単位換算のみを使用します。品目固有の換算がない場合は、この品目の取引は基準単位でのみ行われます。
標準: 品目固有の換算が使用可能でない場合は、この品目に標準単位換算を使用します。
両方: 品目固有の単位換算と標準単位換算の両方を使用します。単位と品目の同一の組合せに対して両方の換算が存在する場合は、品目固有の換算が適用されます。
品目数量を入力するときのデフォルト単位は、必ず品目の基準単位です。基準単位からの標準換算または品目固有換算(あるいはその両方)が定義されているすべての単位が、単位フィールドの値リストに表示されます。
取引はユーザーが指定した単位で実行されます。単位の換算は自動的に実行され、品目数量は品目の基準単位で更新されます。
重要: 在庫取引と手持残高では、小数点以下5桁までの小数精度がサポートされています。Oracle Work in Processでサポートされる小数精度は6桁です。他のOracle Applicationsでは異なる小数精度がサポートされています。小数精度の不一致の結果として、他のOracle Applicationsから渡される取引は、Oracle Inventoryで処理される際に端数処理が行われる場合があります。取引数量がゼロに端数処理されると、その取引はOracle Inventoryでは処理されません。したがって、品目の基本単位は、基本単位での取引数量で5桁を超える小数精度を要求しないように設定することをお薦めします。
すべての品目に適用する標準換算を定義する手順は、次のとおりです。
「単位換算」ウィンドウにナビゲートします。
「標準」タブ・リージョンを選択します。
単位を入力します。
単位がこの区分に対して設定された基準単位と等価になるような換算ファクタを入力します。
たとえば、1 DZ(3.で入力した単位)が12 EA(基準単位)と等しい場合、換算ファクタは12です。また、EAがDZの12分の1と等しい場合、換算ファクタは0.08333です。
作業内容を保存します。
単位区分内の特定品目に適用する換算(区分内)を定義する手順は、次のとおりです。
「単位換算」ウィンドウにナビゲートします。
「区分内」タブ・リージョンを選択します。
品目を入力します。
単位を入力します。
単位がこの区分に対して設定された基準単位と等価になるような換算ファクタを入力します。
たとえば、1 LB(3.で入力した単位)が16 OZ(基本単位)と等しい場合、換算ファクタは16です。
作業内容を保存します。
単位区分間の特定品目に適用する換算(区分間)を定義する手順は、次のとおりです。
「単位換算」ウィンドウにナビゲートします。
「区分間」タブ・リージョンを選択します。
品目を1つ選択します。
単位換算先区分の換算先基準単位を選択します。
換算元基準単位が換算先基準単位と等価になるような換算ファクタを入力します。
たとえば、1 ML(換算元の基準単位)が1 GR(換算先の基準単位)と等しい場合、換算ファクタは1です。
作業内容を保存します。
換算を無効にする日付を入力します。
この日付以降、この単位換算は使用できません。
関連項目
次の表に標準換算を示します。
単位区分 | 単位 | 単位コード | 基準単位かどうか | 標準換算 |
---|---|---|---|---|
数量 | 個 | EA | Yes | - |
数量 | ダース | DZ | No | 1 DZ = 12 EA |
重量 | グラム | GR | Yes | - |
重量 | ポンド | LB | No | 1LB = 454 GR |
時間 | 秒 | SE | Yes | - |
時間 | 分 | MI | No | 1 MI = 60 SE |
次の表に品目固有の区分内換算を示します。
品目 | 単位区分 | 単位 | 単位コード | 換算 |
---|---|---|---|---|
ソーダ水 | 数量 | ケース | CS | 1 CS = 24 EA |
缶詰トマト | 数量 | ケース | CS | 1 CS = 10 EA |
次の表に品目固有の区分間換算を示します。
品目 | 換算先基準単位 | 区分 | 換算 | ソース基準単位 | 区分 | 数学的関係 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガソリン | グラム | 重量 | 1.35 | ミリリットル | 容積 | 1.35 ML = 1 GR |
水 | グラム | 重量 | 1 | ミリリットル | 容積 | 1 ML = 1 GR |
ロット固有の換算を使用すると、特定のロットに対して固有の区分間換算を実行できます。この結果、ロットの取引数量全体をより詳細に管理できます。たとえば、あるロット管理品目の標準の区分間換算では1ガロンが15ポンドであるのに対して、その品目の特定のロット受入時に、1ガロンが16ポンドだったとします。このような場合には、ロット固有の単位を作成できます。
手持のロットまたは残高0(ゼロ)のロットに対してロット固有の単位換算を作成できます。手持数量のあるロットに対してロット固有の換算を作成した場合は、手持数量をより正確に反映するように、システム内の数量を自動的に更新できます。
ロット単位換算の変更の履歴および対応する数量変更の履歴を表示することもできます。
「ロット区分間単位換算」ウィンドウにナビゲートします。
「品目」フィールドに品目番号を入力します。
「ロット番号」フィールドにロット番号を入力します。
単位換算先区分の基準単位を選択します。
換算元基準単位が換算先基準単位と等価になるような換算ファクタを入力します。
たとえば、16ポンド(換算元の基準単位)が1ガロン(換算先の基準単位)と等しい場合、換算ファクタは16です。
必要に応じて、換算に対する無効日を入力します。この日付は、ロットの単位換算が標準の区分間換算に戻る日付です。
必要に応じて、換算の取引事由を入力します。詳細は、「取引事由の定義」を参照してください。
作業内容を保存します。
ロット固有の単位換算を選択します。
「ロット区分間単位換算」ウィンドウで「更新数量」をクリックします。
「更新タイプ」を選択します。次の中から選択できます。
手持残高の更新: 新しい基準手持残高または第2手持残高を入力できます。他の手持残高および取引数量は、換算ファクタに基づいて自動的に再計算されます。
バッチ基準数量の再計算: 換算ファクタに基づいて、処理バッチに対する新しい基準数量が自動的に再計算されます。第2数量は同じままです。また、取引数量も自動的に更新されます。
バッチ第2数量の再計算: 換算ファクタに基づいて、処理バッチに対する第2バッチ数量が自動的に再計算されます。基準数量は同じままです。また、取引数量も自動的に更新されます。
手持基準数量の再計算: 換算ファクタに基づいて基準数量が自動的に再計算されます。第2数量は同じままです。取引数量は更新されます。
手持第2数量の再計算: 換算ファクタに基づいて第2数量が自動的に再計算されます。基準数量は同じままです。取引数量は更新されます。
「更新残高」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。行の残高を更新しない場合は、「更新残高」チェック・ボックスを選択します。
事業所および取引の情報を確認します。「組織」、「改訂」、「LPN」、「保管場所」、「保管棚」、「基準取引」および「第2取引」の各フィールドは表示専用です。更新タイプに「手持残高の更新」を選択した場合は、新しい基準数量または第2数量を更新できます。
作業内容を保存します。
ロット固有の単位換算を選択します。
「ロット区分間単位換算」ウィンドウで「履歴」をクリックします。
ロット取引履歴情報が表示されます。このウィンドウは表示専用で、情報は変更できません。次の情報が表示されます。
監査 参照: 内部的なシステム参照番号
事由: ロット更新の取引事由
更新タイプ: ロットで実行される更新のタイプ
旧換算: 品目に対する標準の区分間換算レート
新規換算: ロットに対するロット固有の換算レート
更新日: ロット数量を更新した日付
残高更新済: 選択されている場合、システムで更新されたロット手持残高
組織: ロットが保管されている組織
改訂: ロットに対する品目改訂
LPN: ロットが保管されているLPN(該当する場合)
保管場所: ロットの保管場所
保管棚: ロットが保管されている保管棚(該当する場合)
以前の基準数量と第2数量: ロット更新取引前の手持基準数量と手持第2数量
新しい基準数量と第2数量: ロット更新取引後の手持基準数量と手持第2数量
取引基準数量と取引第2数量: 基準取引数量と第2取引数量
「資材取引の表示」をクリックして取引情報を表示します。詳細は、「資材取引の表示」を参照してください。
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関連項目