Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド リリース12 E06011-01 | 目次 | 前へ | 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
顧客受注が処理され、受注サイクルを介して請求されるとき、販売組織は、必要に応じて仕訳入力を売掛金/未収金、収益、および税金と運賃勘定に記録します。出荷倉庫は仕訳入力を在庫資産勘定と売上原価勘定(COGS)に記録します。
前述のシナリオに、ある営業単位の販売組織と別の営業単位の出荷組織が含まれている場合は、追加会計処理が発生します。出荷組織は販売組織に振替価格で請求を行い、販売組織は対応する支払を行う必要があります。会社間請求では、資材の物理フローとは異なる財務フローが示されます。
会社間の売掛金/未収金(AR)請求は、出荷組織に対する会社間売掛金/未収金を記録するためにOracleが使用する取引で、振替価格の会社間ARを借方として処理し、税金および運送費を請求し、会社間収益を貸方として処理します。
会社間の買掛金/未払金(AP)請求は、販売組織に対する買掛金を記録するためにOracleが使用する取引で、会社間COGSと運送費を借方として処理し、会社間買掛金を貸方として処理します。
会社間請求により、次のことができます。
会社間の収益、買掛金および売掛金/未収金を記録するための、会社間の買掛金および売掛金/未収金請求書の自動作成。
総勘定元帳内での会社間収益の除外。
調達原価を削減
仕入先との対応の複雑さを低減
調達活動用の金額や資金調達のタイミングを子会社にかわって一元的に管理
親会社の信用評価に基づいた供給取引約定の確保
中間搬送先事業所の回避による搬送の促進
受注に対し、営業単位の異なる出荷倉庫を割り当てることができます。会社間請求を生成することで、出荷組織と販売組織間の会社間売上が自動的に記録されます。
取引と会社間COGSおよび販売収益に異なる勘定科目を定義することで、会社間の収益を除外できます。価格表を使用して、会社間請求に振替価格を設定できます。
プログラムの重要な点として、請求および請求明細の作成と振替価格アルゴリズムを含む、ストアド・プロシージャ・コールバックがインストールされました。PL/SQLコードを挿入して、既存のプログラム・ロジックを追加または置換することで、特定の業務の要件を満たすことができます。
注意: 会社間請求を使用するには、品目が在庫保有可能、取引可能および請求可能である必要があります。
会計取引の論理フローをモデル化できます。
関連項目
『Oracle Advanced Pricing User's Guide』の「価格設定の概要」
次に、会社間請求ビジネス・プロセスの全体を示します(ただし、社内発注には異なる形のものもあります)。
社内顧客または外部顧客が販売営業単位を使用して発注します。
発注が、販売営業単位とは異なる営業単位に関連付けられた出荷倉庫から出荷するように計画されます。
製品が、倉庫から社内顧客または外部顧客に出荷されます。
出荷営業単位が、会社間売掛金/未収金請求書を振替価格で販売営業単位に発行します。
販売営業単位が、会社間買掛金を出荷営業単位に発行します。
外部顧客の場合、販売営業単位は個別の請求を顧客に送信します。
関連項目
『Oracle Receivablesユーザー・ガイド』の「受取手形の概要」
『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』の「Payablesにおける会計」
『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』の「要求の発行」
『Oracle HRMSユーザーズ・ガイド(日本仕様)』の「組織の表示」
『Oracle Cost Managementユーザーズ・ガイド』の「品目原価詳細の定義」
『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注インポート」
次の項では、会社間請求の様々な会計レポートを示します。
関連項目
このレポートは、受注から開始された製品出荷および運送費用と、別の営業単位によって開始された社内発注に対する会社間売掛金/未収金請求書の作成に使用します。Oracle Inventoryは、会社間関連定義から顧客、顧客サイト、および取引タイプなどの情報を取得します。
関連項目
このレポートは、会社間買掛金/未払金請求書をOracle Payablesにコピーするのに使用します。この処理によりexpense express表に一意のインポート・ソース名で請求書が作成され、Oracle Payables請求書インポート処理によって処理されます。
関連項目
請求書タイプは、特定のデータおよびプロパティを請求書にデフォルトとして設定します。デフォルト・データには、支払条件および総勘定元帳勘定などが含まれます。プロパティには、税金および運送費を適用するかどうか、請求を元の金額以上で貸方に記入するかなどが含まれます。
関連項目
『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注インポート」
『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』の「取引の入力」
次の例は、会社間請求会計詳細を表します。営業単位Aの営業所は、製品を顧客に販売します。製品は、営業単位Bの出荷組織から出荷されます。発注出荷が確認されると、在庫取引によって資材移動が記録されます。これらの在庫取引により、次の会計配分が作成され、システムによりMTL_TRANSACTION_ACCOUNTS表に記録されます。
営業単位 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|
COGS(勘定科目ジェネレータを使用) | 単位原価×数量 | - | |
営業単位B | 在庫評価 | - | 単位原価×数量 |
Oracle Order ManagementおよびShipping ExecutionのOracle Receivablesインタフェース・プロセスによって、Oracle Receivablesで次の請求書配分が作成されます(適用される税は除外)。
営業単位 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|
取引の売掛金/未収金 | 販売価格×数量 + 運送費 | - | |
営業単位A | 取引の収益 | - | 販売価格×数量 |
営業単位A | 運送費 | - | 運送費 |
「会社間AR請求書の作成」プロセスによって、自動インボイスを使用して、営業単位Bから営業単位Aへの会社間売掛金/未収金請求書が作成されます。在庫出荷取引にスタンプされる取引日は、請求書明細の取引日付です。製品の振替価格は、法的エンティティに関連付けられた価格表から抽出されます。
価格表で定義されている通貨が、新しい会計配分の取引通貨です。価格表の通貨が2つの法的エンティティの機能通貨と異なる場合、自動インボイスによって適用可能な換算レートが適用されます。自動インボイスを起動して会社間Oracle Receivables請求書を処理すると、次にコンカレント・プログラム「会社間AP請求書の作成」によって、会社間売掛金/未収金請求書および対応する会計配分から会社間買掛金請求書が作成されます。
営業単位 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|---|
出荷組織での在庫取引 | |||
COGS | 営業単位Bの単位原価×数量 | - | |
営業単位B | 在庫評価 | - | 営業単位Bの単位原価×数量 |
営業単位 | 勘定科目 | 借方 | 貸方 |
販売組織からの顧客請求書 | |||
営業単位A | 取引の売掛金/未収金 | 販売価格×数量 + 運送費 | - |
営業単位A | 取引の収益 | - | 販売価格×数量 |
営業単位A | 運送費 | - | 運送費 |
出荷組織から販売組織への会社間Oracle Receivable請求書 | |||
営業単位B | 会社間売掛金/未収金 | 振替価格×数量 | - |
営業単位B | 会社間収益 | - | 振替価格×数量 |
営業単位B | 運送費 | - | 運送費 |
販売組織からの会社間Oracle Payables請求書 | |||
営業単位A | 取引のCOGS(勘定科目ジェネレータを使用) | 振替価格×数量 | - |
営業単位A | 運送費(Oracle Payables) | 運送費 | - |
営業単位A | 会社間買掛金 | - | 振替価格×数量 + 運送費 |
次の項では、会社間請求の様々な会計慣行の詳細を示します。
「会社間売掛金/未収金(AR)請求書の作成」プロセスは、Oracle Receivablesに販売実績情報を必ず渡すわけではないため、Oracle Receivablesの「システム・オプションの定義」ウィンドウで、営業担当必須フラグを「No」に設定する必要があります。
請求書バッチ・ソースは、Oracle Receivablesに転送する請求書のソースを示します。また、自動インボイスが請求書を処理する方法も決定します。「会社間AR請求書の作成」プロセスによって生成された会社間請求書はすべて、事前に定義されたバッチ・ソース「会社間」を使用します。この請求書バッチ・ソースを変更すると、自動インボイスの実行中に予期しないエラーが発生する可能性があります。
注意: 自動会計は、販売実績情報レコードを使用して、営業担当を基に配賦勘定科目を構成します。特定の営業単位の1つまたは複数の勘定科目セグメント割当で営業担当を使用する場合、その営業単位の会社間バッチ・ソースに対して「販売実績計上の許可」フラグを「Yes」に設定します。
取引を振替価格で記録し、販売営業単位の請求先サイトと通貨を使用します。たとえば、販売営業単位がイギリスに存在し、出荷営業単位がアメリカに存在する場合は、会社間請求書を英国ポンドで作成し、米国ドルに換算します。
運送費、処理費、税金または保険料(あるいはそのすべて)が振替価格表の通貨と同じでない場合は、別の会社間請求書を作成する必要があります。
「会社間関連」ウィンドウの「通貨コード」フィールドは、会社間AR請求書で使用する通貨コードを定義するために使用されます。このフィールドは、プロファイル・オプション「会社間: 拡張価格設定の使用」が「Yes」に設定されている場合に使用されます。拡張会計および調達については、取引フローの価格設定オプションが「振替価格」に設定されている場合のみ適用されます。
Flタイプ | 拡張価格設定の使用 | 通貨コード | ARの通貨コード |
---|---|---|---|
出荷 | N | 関係なし | 「価格表」の通貨コード |
出荷 | Y | 出荷営業単位 | 「出荷営業単位」の通貨コード |
出荷 | Y | 販売営業単位 | 「販売営業単位」の通貨コード |
出荷 | Y | オーダー通貨コード | 「受注」の通貨コード |
Flタイプ | 価格設定オプション | 拡張価格設定の使用 | 通貨コード | ARの通貨コード |
---|---|---|---|---|
調達 | 発注価格 | N | 関係なし | 「調達」/「営業単位:自」の通貨コード |
調達 | 振替価格 | N | 関係なし | 「価格表」の通貨コード |
調達 | 振替価格 | Y | 調達/出荷営業単位 | 「調達」/「営業単位:自」の通貨コード |
調達 | 振替価格 | Y | 受入/販売営業単位 | 「受入」/「営業単位:至」の通貨コード |
調達 | 振替価格 | Y | オーダー通貨コード | 「発注」の通貨コード |
会社間AR請求書をチェックする前に、次の条件を満たしていることを確認します。
取引プロセッサが受注出庫を正常に完了していること
取引の原価が計算されていること
自動インボイス・プログラムがソース = 会社間に対してエラーなしで完了していること
会社間売掛金/未収金請求書に対する会計は、自動会計を使用して作成されます。これは、Oracleがオープン・インタフェースを使用してOracle Receivablesにレコードをインポートする際に稼働します。各勘定科目セグメントが異なるソースから取得される場合があるため、出荷組織の元帳での組合せを可能にしておく必要があります。
営業担当勘定科目セグメント: Oracleは、営業担当勘定科目セグメントをデフォルト「販売実績なし」に割り当てられた勘定から導出します。
標準明細セグメント: Oracleは、標準明細セグメントを品目に対する品目マスター売上勘定から導出します。
標準明細運送セグメント: Oracleは、標準明細運送セグメントを「税金: 運送用在庫品目」プロファイル・オプションによって識別される品目から導出します。そのとき、「税金: 売上としての運送費請求」プロファイル・オプションは「Yes」に設定したと想定します。
ただし、運送が品目ではなく請求書のヘッダー・レベルの費用である場合、Oracleは勘定科目セグメントを標準メモ明細「会社間運送」から導出します。
請求書タイプ・セグメント: Oracleは、請求書タイプ・セグメントを「会社間関連」ウィンドウで営業単位間の取引に対して指定した請求書タイプから導出します。
会社間請求書に税金を適用する必要がある場合、Oracle PayablesおよびOracle Receivablesで同じ税体系(税金コードと税率)を設定する必要があります。これにより、Oracle Receivables請求書が会社間Oracle Payables請求書に正しく反映されます。
Oracle Inventory、Oracle ReceivablesおよびOracle Payablesで会計期間をクローズする前に、Oracle General Ledgerへの転記を含む(ただし、これに限定されるとはかぎらない)未解決の会社間出荷をすべて処理します。
関連項目
Oracleは、会社間売掛金/未収金請求書の通貨で取引を記録します。AR請求書の通貨が販売営業単位の元帳通貨と異なる場合、Oracleは請求書明細のGL記帳日に対応する換算レートを使用して、通貨を販売営業単位の元帳通貨に換算します。
COGS勘定科目: 勘定科目ジェネレータにより、販売組織の元帳にCOGS勘定科目が作成されます。通常、セグメントのソースは、定数値と販売単位からの売上原価の組合せです。
運賃勘定: Oracle Inventoryでは、「会社間関連」ウィンドウで対応する販売組織と出荷組織に対して定義した運賃勘定が使用されます。
会社間買掛金請求: 会社間買掛金は、販売組織の買掛金システムで作成された仕入先サイト(出荷組織)に関連付けられた負債勘定科目から派生します。1つの仕入先に対して買掛金サイトが1つ以上存在できるため、Oracleでは「会社間関連」ウィンドウで定義したサイトが使用されます。
「作成済会社間買掛金/未払金(AP)請求書」プロセスは、勘定科目ジェネレータ・プロセス「在庫売上原価勘定」を使用して、通常の請求書明細の費用勘定を構成します。「会社間AP請求書の作成」プロセスを使用する前に、このプロセスを設定する必要があります。
関連項目
会社間請求を実行するには、次の項目を設定済であることを確認します。
販売営業単位と出荷営業単位間の会社間関連の定義
会社間取引フローの定義
価格表の定義
Oracle Receivablesシステム・オプションの定義
Oracle Payablesシステム・オプションの定義
Oracle PayablesおよびOracle Receivablesでの税体系の定義
売上原価勘定の勘定科目ジェネレータの設定
会社間AP請求書をチェックする前に、次の条件を満たしていることを確認します。
会社間AR請求書が作成されていること
「会社間AP請求書の作成」プログラムが販売営業単位に対して正常実行されていること
「請求書インポート」プログラムがソース = 会社間の請求書に対して完了していること
「会社間AR請求書の作成」プログラムは、営業単位のすべての職責のプロファイル・オプション値を調べます。職責にプロファイル・オプションを設定していない場合、プログラムはサイト値を使用します。ある職責に特定のプロファイル・オプション・セットが設定されている場合は、プログラムはそのセット値を使用します。2つ以上の職責に同じ値を設定している場合、AR請求書プログラムはそのセット値を使用します。プロファイル・オプション値が職責ごとに異なる場合は、プログラムはエラーを生成します。
INV: 会社間通貨換算
外貨請求書に使用する換算タイプを決定します。
INV:社内発注用会社間請求
このプロファイル・オプションにより、移動中出荷タイプの社内発注に対して会社間請求が作成可能になります。このプロファイル・オプションはサイト・レベルで設定します。
INV:会社間請求用拡張価格設定
このプロファイル・オプションにより、会社間請求に対して拡張価格設定を使用できるようになります。このプロファイル・オプションはサイト・レベルで設定します。このプロファイルを使用するには、Oracle Advanced Pricingをインストールする必要があります。
税金: 税金コード上書の許可
税金コード情報を運送に対するARに渡す必要があるかどうかを決定します。
税金: 売上としての運送費請求
運送明細を収益明細として請求する必要があるかどうかを示します。
税金: 運送用在庫品目
この在庫品目は、運送明細を収益明細として請求するときに使用します。
MO:営業単位
このプロファイル・オプションは、各職責に適した営業単位に設定します。
元帳によって、各会社または会社グループの元帳通貨、勘定科目体系および会計カレンダが決定します。会社に対して元帳が設定されていることを確認します。関連項目: 『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「元帳の定義」
営業単位間の関連で使用する通貨を定義済であることを確認します。関連項目: 『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「通貨の定義」
会社間請求を使用するには、社内顧客と外部顧客の両方を定義する必要があります。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザー・ガイド』の「顧客の作成」
会社間請求処理に関係する組織をすべて設定する必要があります。関連項目: 『Oracle HRMSユーザーズ・ガイド(日本仕様)』の「組織の作成」
会社間請求を使用する営業単位間に会社間関連を設定する必要があります。関連項目: 会社間関連の定義
販売営業単位と出荷営業単位のペアごとに、次のものを定義します。
顧客/顧客サイトの組合せ。出荷組織営業単位で定義され、出荷営業単位からの出荷が可能な各営業単位を表します。この顧客/顧客サイトの組合せは、会社間売掛金/未収金請求書で使用されます。
出荷組織営業単位で定義された請求取引タイプ
仕入先/仕入先サイトの組合せ。販売組織で定義され、各出荷エンティティを表します。 この仕入先/仕入先サイトの組合せは、会社間買掛金請求書で使用されます。
会社間Oracle Receivables請求書を作成するための各在庫組織に対する営業単位
会社間請求を有効にするには、次の品目設定を実行する必要があります。
マスター・レベルと組織レベルで品目を有効にします。
次の品目属性が有効であることを確認します。
顧客受注
顧客受注可能
社内発注
社内発注可能
請求可能品目
請求有効
原価使用可能
在庫保有可能
取引可能
在庫品目
関連項目
『Oracle HRMSユーザーズ・ガイド(日本仕様)』の「組織の表示」
『Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド』の「会計帳簿の定義」
取引フローでは、商品がソース営業単位から搬送先営業単位に移動する際の会計取引に関係する営業単位と在庫組織が指定されます。これは、商品の物理的な流れと異なる場合があり、関係はありません。
Freceipt取引フローでは、調達時点から最終的な販売組織まで、資産の移動に関係する営業単位を示す財務パスが作成されます。ソースと搬送先の間の取引フローでは、ソースから搬送先に資材を出荷する際の原価計算、債務振替および収益に関係する一連の営業単位と関連在庫組織が識別されます。ある営業単位と組織から別の営業単位と組織に、論理取引を使用して負債および収益を振り替えます。
論理取引: 論理取引は、商品の物理的な移動のない2つの営業単位間における会計取引を表す会計イベントです。
取引フローには、出荷と調達の2つのタイプがあります。出荷フローはタイプが出荷の2つの営業単位間で設定され、出荷営業単位が出荷文書の販売営業単位と異なる場合に使用します。調達フローは、営業単位が受入文書の調達営業単位と異なる場合に、タイプが調達の2つの営業単位間で設定されます。このタイプのフローは、発注を作成した営業単位が発注を受け入れる営業単位と異なることを示します。
取引フローを作成する手順は、次のとおりです。
「会社間取引フロー」ウィンドウにナビゲートします。
開始営業単位を入力または選択します。出荷フローの開始営業単位は、出荷組織が含まれる営業単位です。調達フローの開始営業単位は、調達組織が含まれる営業単位です。
終了営業単位を入力または選択します。出荷フローの終了営業単位は、販売組織が含まれる営業単位です。調達フローの終了営業単位は、受入組織が含まれる営業単位です。
ドロップダウン・リストから取引フロー・タイプを選択します。使用可能な値は出荷または調達です。
必要に応じて、出荷元組織と出荷先組織を入力します。出荷元組織または出荷先組織を入力すると、指定した組織は出荷組織または受入組織として自動的に使用されます。
必要に応じて、カテゴリ・クオリファイアを選択します。クオリファイアを選択すると、そのカテゴリ・セットに属する品目が自動的に選択されます。出荷フローを作成している場合は、在庫カテゴリ・セットが使用されます。購買フローを作成している場合は、購買カテゴリ・セットが使用されます。
カテゴリ・クオリファイアを選択した場合は、適切なカテゴリを入力します。
調達フローを作成している場合は、値リストから資産価格を選択します。使用可能な値は発注と振替です。
調達フローを作成している場合は、値リストから費用価格を選択します。選択可能な値は発注と振替です。
「開始」フィールドにフローの有効開始日を入力します。
必要に応じて、「終了」フィールドに有効終了日を入力します。
フロー内に中間営業単位を設定する場合は、「拡張 会計」チェック・ボックスを選択します。3つ以上の営業単位を使用する場合、このボックスは自動的に選択されます。2つの営業単位が含まれる取引フローについては、拡張会計を使用する場合にこのチェック・ボックスを選択します。
中間営業単位を設定する場合は、「ノード」切替リージョンで宛先営業単位を変更します。宛先営業単位は、フロー・タイプに応じて、販売組織または購買組織に自動的にデフォルト設定されます。
ノード切替リージョンに後続の営業単位を入力します。最終的な営業単位が「営業単位」切替リージョンで指定した営業単位であることを確認してください。
作業内容を保存します。
関連項目
会社間請求プログラムは、拡張価格設定エンジンを使用して品目に対する請求価格を導出します。拡張価格設定により、品目に対する請求価格を導出するためにOracleが価格表に基づいて使用するルールを定義できます。
この機能を使用するには、次のプロファイル・オプションを設定する必要があります。設定しない場合、Oracleは販売営業単位の価格表の固定価格を使用します。
INV:会社間請求用拡張価格設定
このプロファイル・オプションをサイト・レベルで設定します。このプロファイル・オプションを「Yes」に設定すると、会社間請求にAdvanced Pricingエンジンを使用できます。
注意: 拡張価格設定用の別ライセンスを購入する必要があります。ライセンスなしでこのプロファイルを設定した場合、拡張価格設定を使用することはできません。
次の図は、Oracle Advanced Pricingを使用または使用しない場合の会社間請求の処理を示しています。
会社間請求プログラムは、価格設定ロジックを使用する前に、受注の品目に対する価格を返す外部APIを検索します。APIが値を返さず、かつ「拡張価格設定」プロファイル・オプションがまだ設定されていない場合、価格設定ロジックは拡張価格設定エンジンを使用し、価格表から価格を導出します。拡張価格設定エンジンが価格表のいずれかから品目の価格を検出した場合、会社間請求プログラムはそのレコードを処理し、次のレコードに進みます。拡張価格設定エンジンが品目の正しい価格を検出できなかった場合は、会社間請求プログラムはそのレコードについてエラー・メッセージをログに記録し、次のレコードに進みます。
受注管理を使用して、静的価格表を作成できます。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「価格表の概要」
Oracle inventoryには外部APIをコールする機能が備わっており、顧客またはサード・パーティが作成したカスタム固有の複雑な価格設定ロジックをサポートできます。
注意: APIの名前は、MTL_INTERCOMPANY_INVOICES.get_transfer_priceです。ファイルの名前はINVICIVB.plsで、$INV_TOP/patch/115/sqlにあります。
会社間請求に対して拡張価格設定エンジンを使用するには、価格設定ルールを設定する必要があります。ルールを設定しない場合、Oracleは静的価格表から請求価格を取得します。関連項目: 『Oracle Advanced Pricing User's Guide』の「クオリファイア・グループの作成」
関連項目
『Oracle Advanced Pricing User's Guide』の「価格設定クオリファイアの概要」
『Oracle Advanced Pricing User's Guide』の「価格表の概要」
『Oracle Advanced Pricing User's Guide』の「価格表の作成」
要求タイプとソース・コード間には、2つのシード済マッピング/関連があります。1つ目は、要求タイプIC<Intercompany>とソース・システムINV<inventory>の間の場合で、2つ目は、要求タイプが会社間でソース・システムが拡張価格設定の間の場合です。これらのマッピングでは、会社間請求と受注請求の両方に共通する価格表を持つことができます。取引発注の場合、ソース・コードがQP<Advanced Pricing>の価格表を作成すると、システムにより、Oracle Order ManagementとOracle Advanced Pricingの間のマッピングを使用して、取引発注請求書のための価格表がピックされます。同様に、会社間請求に個別の価格表を作成することもできます。これは、INV<Inventory>のシステム・ソース・コードを使用して実行します。この場合、プロファイル・オプション「QP: ソース・システム・コード」をINVに設定します。関連項目: 『Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル』の「プロファイル・オプション」。会社間請求に個別の価格表を使用する場合は、会社間と拡張価格設定間のマッピングを使用不可にします。使用不可にしない場合は、拡張価格設定で定義された適切な価格表を価格設定エンジンが検出すると、その価格表が戻されます。
定義済のグローバル構造を使用して、価格表のクオリファイア属性および価格設定属性のマッピング・ルールを定義できます。グローバル構造は、受注または社内受注レコードで取り込まれた、使用可能な情報に基づきます。シード済デフォルト・ルールはすべて、このグローバル構造を使用して定義されます。
クオリファイア・コンテキスト コンテキスト | クオリファイア 属性 | データ・ソース | 表検証値セット |
---|---|---|---|
Intercompany_invoicing | 出荷組織 | Qualifier_attribute1 | HR_OPERATING_UNITS |
販売組織 | Qualifier_attribute2 | HR_OPERATING_UNITS | |
顧客ID | Qualifier_attribute3 | HZ_CUST_ACCOUNTS、Hz_parties | |
顧客サイトID | Qualifier_attribute4 | ra_addresses_all、ra_site_uses_all、fnd_territories_vl ft |
コンテキスト | 価格設定属性 | ソース・パッケージ | ソース機能 | デフォルトの条件 テンプレート |
---|---|---|---|---|
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性1 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、SHIPPING_ORG_ID | INV会社間価格設定 |
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性2 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、IC_SELLING_ORG_ID | INV会社間価格設定 |
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性3 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、IC_CUSTOMER_ID | INV会社間価格設定 |
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性4 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、IC_CUSTOMER__SITE_ID | INV受注容積コンテキスト |
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性1 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、ORDERED DATE | INV受注容積コンテキスト |
Intercompany_Invoicing | クオリファイア属性14 | INV_IC_ORDER_PUB | G_LINE、ORDERED QUANTITY | INV受注容積コンテキスト |
コンテキスト | 価格設定属性 | ソース・パッケージ | ソース機能 | デフォルトの条件テンプレート |
---|---|---|---|---|
品目 | 価格設定属性1 | INV_IC_ORDER_PUB | G_Line、inventory_item _id | INV会社間価格設定 |
コンテキスト | クオリファイア属性 | データ・ソース | 表検証値セット |
---|---|---|---|
Global_Procurement | 調達営業単位 | Qualifer_attribute1 | |
Global_Procurement | 受入営業単位 | Qualifier_Attribute2 | |
Global_Procurement | 仕入先ID | Qualifier_Attribute3 | |
Global_Procurement | 仕入先サイトID | Qualifier_Attribute4 |
コンテキスト | 価格設定属性 | ソース・パッケージ | ソース機能 | デフォルトの条件 テンプレート |
---|---|---|---|---|
Global_procurement | クオリファイア属性1 | INV_IC_ORDER_PUB | G_PROC_LINE、IC_PROCURING | INV会社間請求 |
Global_procurement | クオリファイア属性2 | INV_IC_ORDER_PUB | ORG_ID、G_PROC、LINE、IC_RECEIVING_ORG_ID | INV会社間請求 |
Global_procurement | クオリファイア属性3 | INV_IC_ORDER_PUB | G_PROC_LINE、IC_VEND0R_ID | INV会社間請求 |
Global_procurment | クオリファイア属性4 | INV_IC_ORDER_PUB | G_PROC_LINE、IC_VENDOR_SITE_ID | INV会社間請求 |
受注サイクルは、事前定義の順序で受注を実行する一連の処理です。順序は受注の初期入力で始まり、受注承認、バックオーダー、出荷確認、在庫の請求減少、受注のクローズが含まれます。承認ステップを受注サイクル内に作成し、承認を受けるまで受注フローを中断できます。
受注タイプは、受注のデフォルト情報のソースです。これを、受注を作成する受注ヘッダーに割り当てます。受注タイプにより、次の特性が受注に割り当てられます。
受注サイクル: 受注サイクルでの受注のフロー
請求タイプ: 受注情報をOracle Receivablesに渡して請求書を作成するときにOracle Order Managementが使用する請求のタイプ
与信チェック: 受注に与信チェックが必要かどうか
標準値ルール・セット: 受注の特定のフィールドのデフォルト値を、指定した基準に基づいてどのように自動設定するかを決定
購買依頼から社内発注を作成した後は、受注管理と同じ方法で社内発注を管理できます。受注管理を使用し、受注サイクル承認、および購買依頼受注を処理するための制限を定義できます。受注の場合と同じ方法で、社内発注を選択的にピック・リリースおよび処理できます。
関連項目
『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「取引タイプの定義」
『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注の概要」
『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注インポート」
『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の「社内購買依頼の概要」
『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の「社内購買依頼受注の作成」
イギリスにいる顧客がイギリスの販売部門からコンピュータを購入するというシナリオを例に説明します。アメリカの営業単位に存在する出荷倉庫がコンピュータをアメリカの倉庫からイギリスの顧客に出荷し、原価を米国ドルで記録します。アメリカの営業単位が英国ポンドの振替価格でイギリスの販売組織に請求します。価格はその後米国ドルに換算されます。次の表で、受注用の会社間請求に使用するステップを説明します。表内の説明は、前述のシナリオを前提としています。
イギリスの営業単位の営業所が、製品を顧客に販売するとします。製品は、アメリカの営業単位で出荷組織から出荷されます。発注出荷が確認されると、在庫取引で資材移動が記録されます。これらの在庫取引により、次の表に示す会計配分が生成されます。これは、アメリカの営業単位のOracle Inventory会計配分表MTL_TRANSACTION_ACCOUNTSに記録されます。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
会社間売上原価(勘定科目ジェネレータを使用) | アメリカの単位原価×数量 | - |
在庫評価 | - | アメリカの単位原価×数量 |
Oracle Order ManagementおよびOracle Shipping ExecutionのOracle Receivablesインタフェース・プロセスによって、イギリスの営業単位のOracle Receivablesで、次の表に示す請求書配分が作成されます(適用される税は除外)。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
取引の売掛金/未収金 | (販売価格×数量) | - |
取引の収益 | - | (販売価格×数量) |
「会社間AR請求書の作成」プロセスは、自動インボイス・メカニズムを使用して、アメリカの法的エンティティからイギリスの法的エンティティへの会社間売掛金/未収金請求書を生成します。在庫出荷取引にスタンプされる取引日は、請求書明細の取引日です。製品の振替価格は、該当する価格表から抽出されます。
次の表に、アメリカの出荷組織での会社間売掛金/未収金を示します。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
会社間売掛金/未収金 | 振替価格×数量 | - |
会社間収益 | - | 振替価格×数量 |
会社間でのOracle Receivables請求書を処理する自動インボイスが起動された後に、「会社間AP請求書の作成」コンカレント・プログラムを実行し、次に「AP請求書インポート」プログラムを実行して、イギリスの法的エンティティからアメリカの法的エンティティへの会社間買掛金請求書を作成できます。
次の表に、イギリスの販売組織で作成される会社間買掛金を示します。
勘定科目 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
取引のCOGS(勘定科目ジェネレータを使用) | 振替価格X数量 | - |
会社間買掛金 | - | (振替価格×数量) |
ステップ | プロセス | プログラム | 摘要 |
---|---|---|---|
1 | 受注の入力 | イギリス Oracle Order Management | 受注を入力します。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注の概要」 |
2 | 受注の計画および需要の発行 | イギリス Oracle Order Management | イギリスで需要または予約(あるいはその両方)が発行され、アメリカの製造部門に送信されます。イギリスの受注管理により計画日が保持されます。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注予定」および『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「有効数量および予約」 |
3 | ピック・リリースの実行およびピッキング文書の印刷 | イギリス Oracle Order Management | 倉庫からピックし、出荷に向けて移動する必要のある明細を選択します。適切なピッキング文書を生成します。関連項目: 『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』の「受注をピッキング用にリリース」 ピック・リリースを実行する前に、製品の事業所に関する追加情報の指定が必要になる場合があります。 品目の保管場所を選択する必要があります。ピッキング文書は、アメリカの物流センターで印刷する必要があります。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注のメイン情報および他のヘッダー情報の定義」 |
4 | 「出荷情報の更新」の実行 | イギリス Oracle Shipping Execution | このプログラムによって、受注管理表が更新され、受注明細の「出荷済」ステータスが反映されます。 |
5 | 在庫インタフェースおよび受注管理インタフェースの実行 | イギリス Oracle Shipping | 各受注の出荷確認後、またはプロセスの遅延後に、在庫インタフェース・プログラムを自動的に実行できます。関連項目: 『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』の「出荷取引パラメータの定義」 「トリップ/ストップのインタフェース - SRS」プログラムを実行して、在庫インタフェースおよび受注管理インタフェースのSRSを同時に実行できます。 |
6 | 取引マネージャによる、在庫からの資材出庫の処理 | アメリカ Oracle Inventory | 取引マネージャは、手持残高が減少し、会計配分が作成された後に、在庫インタフェース表を定期的にスイープします。関連項目 取引マネージャの起動 |
7 | 原価計算 | アメリカ Oracle Costing | 受注出庫取引を原価計算する必要があります。 |
8 | 売掛/未収金インタフェースの実行 | イギリス Oracle Order Management | 出荷確認の実行後に、売掛/未収金インタフェース・プログラムを実行して、売掛/未収金インタフェース表を移入します。 関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「請求処理」 |
9 | 自動インボイス・マスター・プログラムの実行 | イギリス Oracle Receivables | イギリスのOracle Order Managementから売掛/未収金インタフェースを実行した後、顧客請求書情報をOracle Receivablesにインポートできます。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「自動インボイスを使用した請求書情報のインポート」 |
10 | 請求書の印刷 | イギリス Oracle Receivables | 顧客請求書を印刷して送付します。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「取引の印刷」 |
11 | 「会社間AR請求書の作成」の実行 | アメリカ Oracle Inventory | このプログラムによって、会社間売掛金/未収金請求書が作成されます。 |
12 | 自動インボイス・マスター・プログラムの実行 | アメリカ Oracle Receivables | アメリカのOracle Inventoryで会社間請求書を作成した後、その請求書をOracle Receivablesにインポートできます。 自動インボイス・マスター・プログラムを実行します。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「自動インボイスを使用した請求書情報のインポート」 |
13 | 請求書の印刷 | アメリカ Oracle Receivables | 会社間請求書を検討し、印刷してイギリスの営業所に送付します。 「会社間AR請求書の作成」プログラムは、在庫を正常に通過した出荷明細を使用してARインタフェースを作成します。したがって、出荷部門の会社間AR請求書の明細番号が、対応する梱包伝票の番号と一致しない場合があります。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「取引の印刷」 |
14 | 「会社間AP請求書の作成」の実行 | イギリス Oracle Inventory | APインタフェース表にレコードを作成します。アメリカのARシステムに正常にインポートされたレコードのみがAPインタフェースに移入されます。 |
15 | 請求書インポートの実行 | イギリス Oracle Accounts Payables | 会社間AP請求書を生成します。 仕入先は出荷営業単位です。「会社間精算勘定の定義」画面で設定した会社間買掛金に対して使用するサイトを選択します。関連項目:『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』 の「買掛金/未払金オープン・インタフェース・プログラム」 |
社内発注に対する会社間請求は、受注に対する会社間請求と異なります。顧客は外部の顧客ではなく、社内組織です。次の使用例を考えてみます。日本に存在する製造部門が、イギリスの営業単位からコンピュータ・チップを購入するというシナリオを例に説明します。イギリスの出荷組織がコンピュータ・チップをイギリスの倉庫から日本の製造部門に出荷し、原価を英ポンドで記録します。次の表で、社内発注用の会社間請求に使用するステップを説明します。表内の説明は、前述のシナリオを前提としています。
注意: 2つの営業単位を設定できるのは、社内発注の場合のみです。社内発注に対して拡張会計はサポートされません。
ステップ | プロセス | プログラム | 摘要 |
---|---|---|---|
1 | 社内購買依頼の生成 | 日本 Oracle Purchasing | 日本の営業単位で受注に対する社内購買依頼を生成します。関連項目: 『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の「社内購買依頼の概要」 |
2 | 社内受注の作成 | 日本 Oracle Purchasing | 社内受注を作成します。関連項目: 『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の「社内受注の作成」 |
3 | 受注インポート | イギリス Oracle Order Management | 社内受注情報をインポートします。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注インポート」 |
4 | 受注の計画および需要の発行 | イギリス Oracle Order Management | イギリスで需要または予約(あるいはその両方)が発行されます。イギリスの受注管理により計画日が保持されます。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注予定」および『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「有効数量および予約」 |
5 | ピック・リリースの実行およびピッキング文書の印刷 | イギリス Oracle Order Management | 倉庫からピックし、出荷に向けて移動する必要のある明細を選択します。適切なピッキング文書を生成します。関連項目: 『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』の「受注をピッキング用にリリース」 ピック・リリースを実行する前に、製品の事業所に関する追加情報の指定が必要になる場合があります。 品目の保管場所を選択する必要があります。関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の「受注のメイン情報および他のヘッダー情報の定義」 |
6 | 請求書の印刷 | イギリス Oracle Receivables | 顧客請求書を印刷して送付します。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「取引の印刷」 |
7 | 在庫インタフェースおよび受注管理インタフェースの実行 | イギリス Oracle Shipping | 各受注の出荷確認後、またはプロセスの遅延後に、在庫インタフェース・プログラムを自動的に実行できます。関連項目: 『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』の「出荷取引パラメータの定義」 「トリップ/ストップのインタフェース - SRS」プログラムを実行して、在庫インタフェースおよび受注管理インタフェースのSRSを同時に実行できます。 |
8 | 取引マネージャによる、在庫からの資材出庫の処理 | イギリス Oracle Inventory | 取引マネージャは、手持残高が減少し、会計配分が作成された後に、在庫インタフェース表を定期的にスイープします。関連項目: 取引マネージャの起動 |
9 | 「会社間AR請求書の作成」の実行 | イギリス Oracle Inventory | このプログラムによって、会社間売掛金/未収金請求書が作成されます。関連項目: 会社間AR請求レポート |
10 | 自動インボイス・マスター・プログラムの実行 | イギリス Oracle Receivables | イギリスのOracle Inventoryで会社間請求書を作成した後、その請求書をOracle Receivablesにインポートできます。 自動インボイス・マスター・プログラムを実行します。関連項目: 『Oracle Receivablesユーザーズ・ガイド』の「自動インボイスを使用した請求書情報のインポート」 |
11 | 請求書の印刷 | イギリス Oracle Receivables | 会社間請求書を検討し、印刷して日本の営業所に送付します。 「会社間AR請求書の作成」プログラムは、在庫を正常に通過した出荷明細を使用してARインタフェースを作成します。したがって、出荷部門の会社間AR請求書の明細番号が、対応する梱包伝票の番号と一致しない場合があります。 |
12 | 「会社間AP請求書の作成」の実行 | 日本 Oracle Inventory | APインタフェース表にレコードを作成します。イギリスのARシステムに正常にインポートされたレコードのみがAPインタフェースに移入されます。関連項目:会社間APレポート |
13 | 請求書レポートの実行 | 日本 Oracle Accounts Payables | 会社間AP請求書を生成します。仕入先は出荷営業単位です。「会社間精算勘定の定義」ウィンドウで設定した会社間買掛金に対して使用するサイトを選択します。関連項目: 『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』の「買掛金/未払金オープン・インタフェース」 |
この項では、会社間請求に関する取引フローと会計仕訳、およびグローバル調達フローを示します。各表には、次の情報が含まれています。
時間: イベント順序。
取引: 物理的なイベント。
摘要: 物理取引および論理取引の両方の基本となる取引を示します。論理取引はイタリック体で示します。
会計: これら列には、各営業単位の会計仕訳を示します。会計仕訳に関するプロセス(原価プロセッサ、会社間請求または受入プロセッサ)についても示します。
注意: AP経過勘定は、設定する組織パラメータによりデフォルト設定されます。
次の図と表は、仕入先から顧客への外部直接出荷に関する取引フローを示しています。
時間 | 取引 | 摘要 | OU1勘定科目 | OU2勘定科目 |
---|---|---|---|---|
T1 | デスクトップを介したRCでの受入 | RCのR1での受入 | (受入プロセッサ)DR OU1清算10 CR見越計上10 | |
T2 | 受入デスクトップ・ウィンドウを介したRCへの搬送 | RCへの搬送 | ||
RCでの発注受入(会計取引) | (原価プロセッサ)DR在庫RC10 CR OU1清算10 | |||
RC > DC(会計取引) (論理I/C出荷論理I/C受入) | (I/C請求)DR I/C売掛金15 CR I/C収益15 | (原価プロセッサ)DR在庫DC15 CR I/C見越計上15 | ||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS10 CR在庫RC10 | (I/C請求)DR I/C見越計上15 CR I/C未払勘定15 | |||
DC > C1 会計取引 (論理受注出庫) | (原価プロセッサ)DR COGS DC15 CR在庫DC15 | |||
(AR請求書)DR売掛金DC20 CR収益DC20 |
次の図と表は、中間財務ノード・プロセスを使用した仕入先から顧客への外部直接出荷を示しています。
時間 | 取引 | 摘要 | OU1勘定科目 | OU2勘定科目 | OU3勘定科目 |
---|---|---|---|---|---|
T1 | デスクトップ受入ウィンドウを介したPCでの受入 | PCでの受入 | (受入プロセッサ)DR OU1清算10 CR見越計上10 | ||
T2 | デスクトップ・ウィンドウを介したPCへの搬送 | PCへの搬送 | |||
PCでの発注受入(会計取引)(論理発注受入) | (原価プロセッサ)DR在庫PC10 CR OU1清算10 | ||||
PC > RC(会計取引) (論理I/C出荷)(論理I/C受入) | (I/C請求)DR I/C売掛金15 CR I/C収益15 | (原価プロセッサ)DR在庫RC15 CR I/C見越計上15 | |||
(原価プロセッサ)DR I/C COG10 CR在庫PC10 | (I/C請求)DR I/C見越計上15 CR I/C未払勘定15 | ||||
RC > DC(会計取引 (論理I/C出荷)論理I/C受入) | (I/C請求)DR I/C売掛金20 CR I/C収益20 | (原価プロセッサ)DR在庫DC20 CR I/C見越計上 | |||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS15 CR在庫RC15 | (I/C請求)DR I/C見越計上20 CR I/C未払勘定20 | ||||
DC > C1 会計取引 (論理受注出庫) | (原価プロセッサ)DR COGS DC20 CR在庫DC20 | ||||
(AR請求書)DR売掛金DC25 CR収益DC25 |
次の図と表は、出荷および財務フロー・プロセスを使用した仕入先からの外部直接出荷を示しています。
時間 | 取引 | 摘要 | OU1勘定科目 | OU2勘定科目 | OU3勘定科目 |
---|---|---|---|---|---|
T1 | RCでの受入 | RCでの受入 | (受入プロセッサ)DR OU1清算10 CR見越計上10 | (受入プロセッサ)DR OU2清算15 CR I/C見越計上15 | |
PCでの発注受入(会計取引)(論理発注受入) | (原価プロセッサ)DR在庫PC10 CR OU1清算10 | ||||
PC > RC RI | (I/C請求DR I/C受入15 CR I/C収益 | I/C請求)DR I/C見越計上15 CR I/C未払勘定15 | |||
RCでの論理受入 | (原価プロセッサ)DR在庫RC15 CR OU2清算16 | ||||
RC > DC(会計取引)(論理I/C出荷)(論理I/C受入) | (I/C請求)DR I/C売掛金20 CR I/C収益20 | (原価プロセッサ)DR在庫DC20 CR I/C見越計上 | |||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS15 CR在庫RC15 | (I/C請求)DR I/C見越計上20 CR I/C未払勘定20 | ||||
(原価プロセッサ)DR COGS DC20 CR在庫DC20 | |||||
(AR請求書)DR売掛金DC25 CR収益DC25 |
次の図とフローは、仕入先プロセスからの内部直接出荷を示しています。
時間 | 取引 | 摘要 | OU1勘定科目 | OU2勘定科目 |
---|---|---|---|---|
T1 | DCでの受入 | DCでの受入 | (受入プロセッサ)DR OU1清算10 CR見越計上10 | (受入プロセッサ)DR RI DC15 CR I/C見越計上15 |
RCでの発注受入(会計取引) (論理発注受入) | (原価プロセッサ)DR在庫RC10 CR OU1清算10 | |||
RC > DC(会計取引)(論理I/C出荷) | (I/C請求)DR I/C売掛金15 CR I/C収益15 | (I/C請求)DR I/C見越計上15 CR I/C未払勘定15 | ||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS10 CR在庫RC10 | ||||
T2 | DCへの搬送 | DCへの搬送 | ||
DCでの発注受入(通常取引) | (原価プロセッサ)DR在庫DC15 CR RI DC15 | |||
T3 | DCからの出荷 | DC > (通常取引) | (原価プロセッサ)DR DC 15 CR在庫DC 15 | |
(AR請求書)DR売掛金DC20 CR収益DC20 |
次の図と表は、中間財務ノード・プロセスを使用したグローバル調達を示しています。
時間 | 取引 | 摘要 | OU1勘定科目 | OU2勘定科目 | OU3勘定科目 |
---|---|---|---|---|---|
T1 | DCでの受入 | DCでの受入 | (受入プロセッサ)DR OU1清算10 CR見越計上10 | (受入プロセッサ)DC OU2清算15 CR I/C見越計上15 | (受入プロセッサ)DR RI DC20 CR I/C見越計上20 |
PCでの発注受入(会計取引) (論理発注受入) | (I/C請求)DR I/C売掛金15 CR I/C収益15 | (原価プロセッサ)DR在庫RC15 CR OU2清算15 | |||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS10 CR在庫RC10 | (I/C請求)DR I/C見越計上15 CR I/C未払勘定15 CR I/C未払勘定15 | ||||
RC > DC会計取引(論理I/C出荷) | (I/C請求)DR I/C売掛金20 CR I/C収益20 | (I/C請求)DR I/C見越計上 CR I/C未払勘定20 | |||
(原価プロセッサ)DR I/C COGS15 CR在庫RC15 | |||||
T2 | DCへの搬送 | DCへの搬送 | |||
T2 >=T1 | DCでの発注受入(通常取引) | (原価プロセッサ)DR在庫DC20 CR RI DC20 | |||
T3 | DCからC1への出荷 | DC > C1(通常取引) | (原価プロセッサ)DR COGS DC20 CR在庫DC20 | ||
(AR請求書)DR売掛金DC25 CR収益DC25 |