Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド リリース12 E05658-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、フレックスフィールドの基本概念について説明します。この章で説明する項目は次のとおりです。
フレックスフィールドの一般機能
フレックスフィールドの用語
フレックスフィールドの利点
キー・フレックスフィールドと付加フレックスフィールドの違い
フレックスフィールドの設定処理の概要
フレックスフィールドは、複数のサブフィールドまたはセグメントからなる1つのフィールドです。キー・フレックスフィールドおよび付加フレックスフィールドの2つのタイプがあります。キー・フレックスフィールドは、フォーム上の通常テキスト・フィールドとして表示され、各フィールドに対応したプロンプトも同時に表示されます。付加フレックスフィールドは、フォーム上で大カッコ([ ])で囲まれた2文字幅のテキストフィールドとして、プロンプトのかわりに表示されます。どちらのフレックスフィールドでも、フィールドおよびプロンプトがセグメントごとにポップアップ・ウィンドウで表示されます。セグメントには、それぞれ名前と有効な値セットがあります。また場合によっては値の摘要が存在します。
フレックスフィールド
関連トピック
ほとんどの組織では、総勘定元帳、部品番号、その他のビジネス・エンティティを指定するために、複数の有意なセグメント(インテリジェント・キー)からなるコードを使用しています。コードの各セグメントは、エンティティの特徴を表しています。たとえばある組織では、細罫で黄色の8.5x14インチ・サイズのノートを表すのに、部品番号PAD-NR-YEL-8 1/2"x14"を使用しており、一方、別の組織では同じノートを部品番号「PD-8x14-Y-NR」で指定しているという場合があります。これらの部品番号はいずれも、部品の特徴を記述したセグメントからなるコードです。これらのコードは同じものを表していますが、それぞれが異なるセグメント体系を持ち、それらのコードを使用している組織内でのみ通用します。
Oracle Applicationsでは、これらのコードをキー・フレックスフィールド内に格納します。キー・フレックスフィールドは柔軟性に富んでいるため、すべての組織が複雑なプログラミングを行うことなく、目的のコード体系を使用できます。
組織でOracle Applicationsを初めてインストールするときには、組織の実装チームが各キー・フレックスフィールドをカスタマイズして、業務に必要なコード・セグメントを取り込みます。ユーザーは、各セグメントの意味、各セグメントの有効値およびセグメントの値の意味を決定します。組織は、各セグメントの値を組み合せて有効なコード(組合せとも呼ばれる)にするルールを定義できます。また、各セグメント間の関係も定義できます。その結果、各組織では(コードを変更するのではなく)必要なコードを使用してOracle Applicationsの必要条件を満たすことができます。
たとえばある組織が総勘定元帳の識別にコードを使用する場合を考えてみます。Oracle Applicationsでは、会計フレックスフィールドと呼ばれる特定のキー・フレックスフィールドを使用して、これらのコードを表します。ある組織では会社、事業部、課、科目、およびプロジェクトの5つのセグメントを持つように会計フレックスフィールドのカスタマイズを選択できるようにしました。一方、別の組織では総勘定元帳の科目セグメントを、5つではなく、12のセグメントを使用するという異なった方法で作成しました。そのような場合、会計フレックスフィールドを使用することによって、Oracle General Ledgerのアプリケーションではキー・フレックスフィールドを特定の業務に合せてカスタマイズすることで、各組織のニーズを満たすことができます。会計フレックスフィールドの詳細は、『Oracle General Ledger documentation』を参照してください。
注意: このガイドでは、それぞれの使用例および図版で「部品番号キー・フレックスフィールド」を使用しています。この部品番号キー・フレックスフィールドの例は、会計や人事管理、製造に関する特殊な知識を必要とせずに、それぞれのキー・フレックスフィールドの使用方法や動作を説明するのに役立つため使用しています。ただし、実際のOracle Applicationsに部品番号キー・フレックスフィールドは存在しないため、これをOracle Inventoryなど多くのOracle Applications製品で使用されているシステム品目フレックスフィールド(品目フレックスフィールド)と混同しないようにしてください。
付加フレックスフィールドには、フォーム上でカスタマイズ可能な拡張領域が用意されています。付加フレックスフィールドを使用すると、フォームでは取得できない、業務にとって重要で固有な追加情報を追跡できます。付加フレックスフィールドはコンテキスト依存に設定できるため、その場合アプリケーションによって格納される情報は、ユーザーがフォームのその他の部分で入力した値によって異なります。
付加フレックスフィールドは、大カッコで囲まれた1文字の、名前のないフィールドとしてフォーム上に表示されます。キー・フレックスフィールドの場合と同じように、カーソルをカスタマイズ済の付加フレックスフィールド内に移動すると、ポップアップ・ウィンドウが表示されます。またキー・フレックスフィールドの場合と同じように、必要な個数のフィールドがポップアップ・ウィンドウに表示されます。
付加フレックスフィールドの各フィールドまたはセグメントには、通常のフィールドと同じようにプロンプトが表示され、一連の有効な値を入力できます。それぞれのセグメント間の依存性を定義したり、コンテキスト依存の各セグメントを表示するように付加フレックスフィールドをカスタマイズすることにより、(その他のフィールドまたはセグメントに入力した値に基づいて)異なるセグメントやその他のポップアップ・ウィンドウを表示させることができます。
たとえば「追加」フォームを使用してOracle Assetsアプリケーションで資産を定義する場合を考えてみます。このフォームには(資産のタイプや資産番号などの)資産に関する標準的な情報を入力するフィールドが含まれています。しかしこのフォームには、(コンピュータのメモリー容量やフォークリフトの揚力などの)該当する資産の細目に関する固有のフィールドは含まれていません。この場合、必要と思われるすべてのフィールドをフォームに組み込むことは難しいだけでなく、望ましい形でもありません。これは、コンピュータやフォークリフトを資産とする組織もあれば、コンピュータと(フォークリフトではなく)高級車を資産とする組織もあるためです。フォームにフォークリフトの各属性に関する組込みフィールドが含まれている場合、たとえばフォークリフトを保有しない部署では別のタイプの資産の情報を入力するときにそれらのフィールドをスキップしなければならず、不要かつ迷惑なものになります。事実、フォークリフトの情報に関するフィールドは、各組織のユーザーがフォークリフト以外の資産を入力するときには邪魔になります。
資産情報として使用する可能性があるすべてのフィールドを組み込むかわりに、「追加」フォームには、資産に関して各組織で必要な情報のみを取り込むようにカスタマイズできる付加フレックスフィールドがあります。フレックスフィールド体系は、「資産カテゴリ」フィールドの値によって決定され、特定のタイプの資産に適用されるフィールド(セグメント)のみを表示できます。たとえば、資産カテゴリがデスク、木製の場合は、付加フレックスフィールドには形式、サイズおよび木材の種類の入力が求められるように設定できます。資産カテゴリがコンピュータ、ハードウェアの場合は、フレックスフィールドにはCPUチップやメモリー・サイズの入力が求められるように設定できます。さらに、新規の資産カテゴリを作成した時点で、それを付加フレックスフィールドに追加することもできます。
また、Oracle General Ledgerアプリケーションの「仕訳の入力」ウィンドウも、付加フレックスフィールドを持つフォームの1つの使用例であり、各組織ではこの「仕訳の入力」ウィンドウを使用して、それぞれの組織で選択したその他の情報を設定できます。各ブロックには、その最後のフィールドとして付加フレックスフィールドがあります。それらを使用して、(ソース・ドキュメントの番号やエントリを準備した担当者の名前などの)各仕訳に関するその他の情報を入力できます。
フレックスフィールドでは、次のような業務ニーズを満たす機能を備えています。
科目コード、製品コードおよびその他のコードに関する現行の業務規則に準拠するようにアプリケーションをカスタマイズします。
アプリケーションでは追跡や記録のできないデータを入手するために、アプリケーションをカスタマイズします。
1つ以上のセグメントで構成される「インテリジェント」フィールドを設定します。各セグメントには値と意味の両方が備わっています。
「インテリジェント」フィールドに入力する値や値の組合せが有効になるよう、アプリケーションを設定します。
フォームやアプリケーション・データに応じて、「インテリジェント」フィールドの体系を変更します。
プログラミングを行うことなく業務ニーズを満たせるように「データ」フィールドをカスタマイズします。
きわめて特定された情報を取得するよう、「インテリジェント」フィールドに問い合せます。
フレックスフィールドとアプリケーション機能の違いについて説明します。フレックスフィールドはOracle Applications全体の主要な機能であり、多数のアプリケーション機能を提供する機構の1つです。キー・フレックスフィールドは、科目コード、部品番号、作業説明などの各オブジェクトを表現する柔軟な方法を、Oracle Applicationsに提供します。たとえば会計フレックスフィールドは、キー・フレックスフィールドを使用してほとんどすべてのOracle Applicationsで科目コードを表現できます。同様に付加フレックスフィールドは、カスタマイズ可能な拡張領域をフォーム内に作成する柔軟な方法をOracle Applicationsに提供し、また必要なときのみ表示されるコンテキスト依存フィールドを実現する方法も提供します。両方のタイプのフレックスフィールドを使用することによって、プログラミングを行わずに、Oracle Applicationsの各機能をカスタマイズすることができます。
キー・フレックスフィールドおよび付加フレックスフィールドに関しては、次の用語を使用します。
セグメント
値
検証
値セット
体系
基本的なフレックスフィールドの概念
セグメントは、フレックスフィールド内の1つのサブフィールドです。フレックスフィールドをカスタマイズするときに、個々のセグメントの外観や意味を定義します。セグメントは、データベース内では表の中の1つの列となります。
キー・フレックスフィールドでは、セグメントは普通、フレックスフィールドで識別されるエンティティの特定の特徴を記述します。たとえば、部品番号を格納したキー・フレックスフィールドを設定できます。キー・フレックスフィールドには、黄色で細罫の8 1/2" x 14"サイズのノートを表す部品番号PAD-YEL-NR-8 1/2x14を設定できます。部品番号内のハイフンで分離された各セクションが、部品の特徴を示しています。最初のセグメントは、ノートのオブジェクト、2番目のセグメントは黄色というオブジェクトの色、などです。
また付加フレックスフィールドのポップアップ・ウィンドウ内の各フィールドも(たとえキー・フレックスフィールド内の各セグメントのように、意味のあるコードを必ずしも構成しない場合でも)セグメントとして扱います。しかし多くの場合、これらのセグメントは、使用中フォームの別の部分で識別されたエンティティの特定の特徴を記述しています。
各エンド・ユーザーはアプリケーションを使用しているときに、セグメントの値をセグメントに入力します。一般にフレックスフィールドは、通常は事前に定義された有効な値セットに照らして、各セグメントを検証します。セグメントの検証とは、ユーザーがセグメント内に入力した値を、フレックスフィールドがそのセグメントの値セットの各値と比較することを意味しています。
固有のフレックスフィールドを設定して、ユーザーが入力するセグメントの値を、有効値(値の摘要が含まれる場合もあります)の表に照らして自動的に検証させることができます。ユーザーが無効なセグメント値を入力した場合、有効な値のリストを自動的に表示させて、ユーザーに(リスト内の)有効な値を選択させることができます。
この値セットは、有効な値の「コンテナ」と考えることができます。その長さや書式など、ユーザーの値セットに適合する値のタイプを選択できます。
通常の場合、各セグメントは検証され、フレックスフィールド内の各セグメントでは異なる値セットが使用されます。複数のセグメントに対して1つの値セットを割り当てることができ、また異なるフレックスフィールド間で複数の値セットを共有することもできます。ほとんどの値セットの場合、フレックスフィールド・セグメントに値を入力するときは、そのセグメントに対して割り当てられている値セット内にすでに存在している値のみを入力できます。
フレックスフィールド体系は、複数セグメントからなる固有の構成になっています。セグメントを追加または削除する、あるいはフレックスフィールド内の各セグメントの順序を変更すると、別の体系になります。
同じフレックスフィールドに対して複数のセグメント体系を定義できます(ただしそのフレックスフィールドが複数の体系をサポートするように設定されていることが必要)。そのフレックスフィールドでは、フォーム内のデータの条件やアプリケーション・データに応じて、個々のエンド・ユーザー毎に異なるプロンプトやフィールドを表示できます。キー・フレックスフィールドおよび付加フレックスフィールドの両方で、複数の体系を設定できます。
一部のアプリケーションでは、異なるセグメント配列を個々のユーザーが(キーおよび付加)フレックスフィールド内で必要とする場合があります。また、たとえば他のフォームやデータベース・フィールドの値に応じて、異なるセグメントをフレックスフィールド内で使用する場合もあります。
たとえばOracle General Ledgerアプリケーションは、異なる会計帳簿のユーザーに対して、異なる会計フレックスフィールド(勘定科目)の構成を用意しています。Oracle General Ledgerアプリケーションでは、GL会計帳簿名ユーザー・プロファイル・オプションの値に応じて、使用するフレックスフィールド体系が決定されます。
関連トピック
フレックスフィールドの実装と使用の一般的プロセスは、次の主なフェーズからなります。
また使用システムでのカスタム・レポートの作成など、その他のフェーズが必要となる場合もあります。
新しいアプリケーションの実装の場合などと同様に、計画はフレックスフィールドの実装の最も重要な(おそらく、最も時間のかかる)フェーズであり、慎重な検討を必要とします。計画フェーズは、相互に関連する小さなステップに分割できます。
実装するフレックスフィールドの決定
特定のフレックスフィールドに関する学習
体系の計画
セグメントの計画
セグメントの検証の計画
その他機能の使用計画
計画のドキュメント化
ヒント: Oracle Applicationsフォームを使用してフレックスフィールドを定義する前に、(可能性のあるセグメントの値を含む)フレックスフィールドについて可能なかぎり完全に計画してください。フレックスフィールドを使用してデータ収集を開始した後は、フレックスフィールドの変更を簡単に行うことはできません。すでにデータを設定したフレックスフィールドを変更するには、複雑な変換処理が必要になります。
Oracle Applicationsの各製品は、アプリケーションの基本部分として一部のキー・フレックスフィールドに依存しているため、それらのキー・フレックスフィールドを設定する必要があります。たとえばOracle General Ledger製品は会計フレックスフィールドのキー・フレックスフィールドのみを使用しますが、ほとんどすべてのOracle Applications製品はその処理の一部として会計フレックスフィールドを使用しています。したがって、特に使用システムで複数のOracle Applicationsを使用するほとんどの場合に、会計フレックスフィールドを設定してください。さらに、Oracle InventoryやOracle Purchasingなどの多くのOracle Applications製品は、システム品目フレックスフィールド(品目フレックスフィールド)を使用しています。その他のOracle Applicationsは、様々な目的のために各種のキー・フレックスフィールドを使用しており、それらのフレックスフィールドの定義が、通常、特定のアプリケーションで必要になります。
ほとんどのOracle Applications製品では、特定のキー・フレックスフィールドを設定する必要がありますが、多くの付加フレックスフィールドの設定は任意です。フォーム・フィールドでは収集できない業務データを収集する場合、各フォームに対してオプションの付加フレックスフィールドを設定するのみで十分です。
キー・フレックスフィールドおよび付加フレックスフィールドはそれぞれが異なる用途を持つため、定義するフレックスフィールドの用途や要件を確実に理解する必要があります。特に会計フレックスフィールドなどの一部のフレックスフィールドでは、定義できる内容に制限があります。ほとんどの付加フレックスフィールドは、組織のニーズに合せて使用できるように、一定数のセグメント列を用意しています。
実装する各フレックスフィールドに対して、セグメントの体系を計画してください。フレックスフィールドのポップアップ・ウィンドウは、タイトル、セグメント数、各セグメントの順序、長さおよびプロンプトを含め、その外観を完全にカスタマイズできます。フレックスフィールドのポップアップ・ウィンドウでは、そのタイトルやプロンプトなどの表示部分はいつでも変更できますが、フレックスフィールドにデータを設定した後は、ユーザー・セグメントの数、順序および最大長を決して変更しないでください。したがって、将来のニーズにも適合できるように、その体系を慎重に計画する必要があります。
各セグメントに対して、その表示長および最大長の2つの長さを選択してください。最大長とは、各セグメント内に入力できる値の最大の長さです。選択できる最大長の値は、セグメントに対応する列の長さ以下である必要があります。これらの列のサイズはそれぞれのフレックスフィールドによって異なるため、フレックスフィールドで使用可能な列の長さを知る必要があります。
表示長とは、ポップアップ・ウィンドウ内に表示されるセグメントの長さのことです。この表示長が最大長より小さいと、ユーザーはセグメントをスクロールさせて全体の内容を表示する必要があります。
各セグメントに対して、検証を計画してください。その場合、各フレックスフィールド・セグメントで使用する値のタイプを考慮します。それらの決定内容は、次のように値セットや各値を設定する方法に影響します。
各セグメントに値のリストを設定する場合。各セグメントに対して値リストを設定することにより、ユーザーはデータ入力を短時間で簡単に行うことができ、また有効な値を確実に入力できるようになります。
異なる体系やフレックスフィールド内のセグメント間で値を共有する場合。
ユーザーが直前のセグメントで入力した値に応じて、現在のセグメントで使用可能な値を設定できるようにする場合。
セグメントの検証をまったく行わない場合(その場合、事前に定義されていないライセンス番号など、ユーザーはどのような値でも入力可能になります)。
時間の経過に伴い、値は変化することに注意してください。通常、各組織はその発展に伴なってさらに多くの値を追加し、また組織変更を行い新しい値を使用するようになります。たとえば部門を識別するために2文字の長さのセグメントが使用する場合があります。最初は、2文字の長さの部門番号(01、02、15など)で十分です。後になって、部門番号が100番に達すると、このセグメントにはそれ以上の値を入力できないため、セグメントの長さの変更および既存データの変換が必要になります。たとえば、01、02、15などの2文字の長さの部門番号のかわりに、001、002、015などの3文字の長さの部門番号を使用するなどです。そのような変換をできるかぎり避けるために、将来のニーズに適合できるように値の計画が必要となります。
また次の場合には、値の収集方法も計画する必要があります。
Oracle Applicationsフォームを使用して、各セグメントの値を手動で事前に定義する計画の場合。
使用できる適切な値を格納したアプリケーション表がすでに作成済の場合。
ユーザーがセグメント内にどのような値でも入力できるように、検証を行わない(事前定義済の値を持たない)セグメントを使用する計画の場合。
自動更新システムを使用しているとき、そのシステムからなんらかの自動的な方法を使用してフレックスフィールドの値を導出する計画がある場合。
フレックスフィールドには、それを簡単に使用できるようにする機能がいくつか用意されており、またユーザーが使用できる値を制限するための機能も用意されています。これらの機能の詳しい説明は、「その他のフレックスフィールド機能」の章を参照してください。これらの機能には次のものがあります。
フレックスフィールド値セキュリティ
相互検証(キー・フレックスフィールドの場合)
短縮入力機能(キー・フレックスフィールドの場合)
Oracle Applicationsの設定フォームを使用して、各フレックスフィールドを定義する前に、フレックスフィールドの計画を完全に文書化する必要があります。
本書にはワークシートおよびテンプレートが用意されており、それらを決定処理や文書化処理に使用できます。
関連トピック
フレックスフィールドの定義は、すでに計画段階を完了して、文書化が終了していれば、とても簡単です。Oracle Applicationsの設定フォームを使用して、フレックスフィールドを定義してください。
各ユーザー・セグメントの検証をどの程度正確に行うかによって違いますが、値セットの定義には10から30分間を要します(これはセグメント当たりほぼ1つの値を定義する場合ですが、複数の値セットを共有する場合や、特定のセグメントに値セットを使用しない計画の場合はこれより短くなります)。
ここでは実際の値を定義せず、単に値のコンテナを定義している点に注意してください。「値セット」ウィンドウを参照してください。
これはフレックスフィールドの定義の主要部分であり、体系のタイトル、セグメントのプロンプト、セグメントの順序およびセグメントの表示サイズの定義が含まれます。使用する体系やセグメントの件数に応じて、その定義にはフレックスフィールド当たり20から90分間を要します。キー・フレックスフィールド・セグメント、付加フレックスフィールド・セグメントを参照してください。
各セグメントの検証をどの程度正確に行うかによって違いますが、Oracle Applicationsフォーム内のそれぞれの依存または独立した値の定義には1から3分間を要します。自動更新システムを使用しているときに、プログラムを作成して自動更新の値をOracle Applicationsの表にインポートする必要があります。値および値セットを参照してください。
相互検証ルールやフレックスフィールド値のセキュリティ機能など、その他の機能を使用する計画がある場合は、ここでその他の機能を定義してください。
関連トピック
データ入力は日常業務として、アプリケーションを使用することになります。キー・フレックスフィールドに入力可能なすべてのコード(セグメントの値の組合せ)を事前に定義できます。
組織の都合により変更が必要になったときには、フレックスフィールドの継続的保守を行う必要があります。たとえば新しいフレックスフィールド体系を定義したり、旧体系を使用禁止にする必要があります。また新しい値を追加したり、相互検証ルールや値のセキュリティ規則を追加することも必要です。
関連トピック
Oracle Applicationsには、組織のデータの検索に使用できる多くのレポートがあらかじめ定義されており、それらのレポートの多くにフレックスフィールドのデータが入っています。また当社が提供するフレックスフィールドの各種ルーチンやビューを使用して、特定の組織に適したカスタム・レポートも作成できます。フレックスフィールド・データのレポートを参照してください。
関連トピック
Oracleでは、Oracleデータベースに対する情報の挿入、更新および削除に使用できる強力なツールが用意されています。しかしSQL*PlusまたはOracle Data BrowserなどのOracleのツールを使用してOracle Applicationsのデータを変更した場合、ユーザー・データの保全性が崩れたり、ユーザー・データの変更内容が監査できなくなる恐れがあります。
Oracle Applicationsの各表は相互に関連性があるため、Oracle Applicationsフォームを使用していずれかの表を変更した場合、その他の表も同時に更新されます。ただし、Oracle Applicationsフォーム以外のツールを使用してOracle Applicationsのデータを変更した場合は、いずれかの表の行を変更しても、関連する他の表の該当部分は変更されません。各表間の相互同期が失われると、間違った情報を検索する危険や、Oracle Applicationsの動作が保証されなくなる危険があります。
Oracle Applicationsフォームを使用してユーザー・データを変更すると、Oracle Applicationsはその変更内容が有効かどうかを自動的にチェックします。またOracle Applicationsは、情報を変更したユーザーを追跡し記録します。ただし、データベース・ツールを使用して情報をデータベースの表に入力した場合は、無効な情報が格納される可能性があります。またSQL*Plusなどのデータベース・ツールは変更内容の記録を保管しないため、情報を変更したユーザーを追跡できません。
警告: Oracle Applicationsは、Oracle Application Object Libraryの表またはモジュールのいかなるカスタマイズもサポートしておらず、Oracleコンサルタントがカスタマイズを行う場合でもサポートされません。Oracle Application Object Libraryの表名は、「FND_」で始まります。
カスタム・プログラムや各種のツール(SQL*Plus、Oracle Data Browser、データベース・トリガー、その他のプログラミング・ツール)を使用して、FND_表にデータを直接書き込んだり、表内のデータを変更しないでください。データベースが破壊されたり、アプリケーションがすべて損傷する危険があります。
したがって、インストレーション、インプリメンテーションおよびオープン・インタフェースの各ガイドで特に指示されている場合を除き、SQL*Plus、Oracle Data Browser、データベース・トリガーなどのツールを使用してOracle Applicationsの表を変更しないでください。
フレックスフィールドにプログラミングは必要ありませんが、フレックスフィールドを使用すると、Oracle Applicationsを大幅にカスタマイズできるので、フレックスフィールドから得られる機能を最大限活用できるように十分理解することが必要です。また、フレックスフィールドを使用して作成するOracle Applicationsのある1つの機能を計画して設定する方法を習得すると、フレックスフィールドを使用するOracle Applicationsのその他の機能も簡単に設定できることがわかります。
フレックスフィールドの情報の主なタイプには、各フレックスフィールドの計画/設定に関する一般的な情報と、フレックスフィールドを使用してOracle Applicationsの特定の機能を設定する特定情報の2つがあります。たとえば「キー・フレックスフィールドの計画と定義」の章は、すべてのキー・フレックスフィールドに適用され、ユーザーが使用する必要があるフォームなどの設定手順が説明されています。各製品の個々のフレックスフィールドの設定の詳細は、該当する製品のドキュメントを参照してください。たとえば、会計フレックスフィールドを設計および設定する場合は、『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。これまで一度もフレックスフィールドを設定したことがない場合は、両方のタイプの情報に目を通し、十分理解するようにしてください。
このガイドには、フレックスフィールドに関連する高度なカスタマイズに関する情報も含まれています。たとえば、フレックスフィールドの各ルーチンを使用して、フレックスフィールドの表や情報にアクセスするカスタム・レポートを作成できます。または、フレックスフィールドをレポート・パラメータとして使用するカスタム・レポートを作成できます。さらに、いくつかの特殊なレポート・パラメータを持つ標準要求発行レポートを作成できます(この標準要求発行機能では、付加フレックスフィールドを使用してポップアップ・ウィンドウを表示し、ユーザーがレポート対象の値などの選択肢を入力できるようになっています)。
このガイドには、エンド・ユーザーとしてフレックスフィールドを使用する方法に関する情報は記載されていません(フレックスフィールド・データの入力方法や問合せ方法、または「フレックスフィールド: 短縮入力」のようなフレックスフィールドのエンド・ユーザーでの動作に影響するユーザー・プロファイル・オプションの設定方法など)。これらの情報は、『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。