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Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
ライブラリ内のカートリッジ上のアーカイブコピーをリサイクルする場合は、recycler.cmd ファイルを作成します。
アーカイブセット単位でリサイクルする場合も、recycler.cmd ファイルで各ライブラリを構成します。これにより、アーカイブセットに属さない VSN も、必要に応じてリサイクルできるようになります。
recycler.sh ファイルを作成して操作を完了します。
recycler.cmd ファイルには、一般的なリサイクル指示が含まれます。SAM-QFS 環境の各ライブラリに対する指示も含めることができます。通常の recycler.cmd ファイルには、次の指示行が含まれています。
リサイクラのログファイルを指定する logfile= 指示。
リサイクル対象のボリュームを含む各ライブラリを対象とした 1 つまたは複数の指示。この行には、mcf ファイルに定義されている、リサイクル対象のライブラリのファミリセット名を指定します。ファミリセット名によって、ライブラリがリサイクラで識別されます。
テスト中は ignore キーワードを含めます。ignore キーワードはあとで削除します。
root ユーザーとして、/etc/opt/SUNWsamfs/recycler.cmd ファイルに 1 つまたは複数の指示を追加します。
別の方法として、SAM-QFS Manager ソフトウェアを使用して recycler.cmd ファイルを作成することもできます。詳細は、SAM-QFS Manager のオンラインヘルプを参照してください。
例 16-1 recycler.cmd ファイルの例
logfile = /usr/tmp/recycler.log stk30 -hwm 51 -mingain 60 -ignore -mail root
recycler.cmd ファイルは、次のセクションで説明する指示を受け付けます。
logfile 指示は、リサイクラログファイルを作成します。この指示の形式は、次のとおりです。
logfile = filename
filename には、ログファイルのパスを指定します。
次は、logfile= 指示行の例です。
logfile=/var/adm/recycler.log
例 16-2 リムーバブルメディアカートリッジのリサイクラログファイルの例
次の例は、リムーバブルメディアカートリッジをリサイクルするリサイクラログファイルの例を示しています。
========== Recycler begins at Wed Dec 12 14:05:21 2001 =========== Initial 2 catalogs: 0 Family: m160 Path: /var/opt/SUNWsamfs/catalog/m160 Vendor: ADIC Product: Scalar 100 SLOT ty capacity space vsn 0 at 25.0G 25.0G CLN005 1 at 48.5G 6.1G 000003 2 at 48.5G 32.1G 000004 3 at 48.5G 35.1G 000005 4 at 48.5G 44.6G 000044 5 at 48.5G 45.1G 000002 6 at 48.5G 45.9G 000033 7 at 48.5G 48.5G 000001 Total Capacity: 364.8G bytes, Total Space Available: 282.3G bytes Volume utilization 22%, high 95% VSN_min 50% Recycling is ignored on this robot. 1 Family: hy Path: /var/opt/SUNWsamfs/catalog/historian Vendor: Sun SAM-FS Product: Historian SLOT ty capacity space vsn (no VSNs in this media changer) Total Capacity: 0 bytes, Total Space Available: 0 bytes Volume utilization 0%, high 95% VSN_min 50% Recycling is ignored on this robot. 8 VSNs: ---Archives--- -----Percent----- m160 ----Status----- Count Bytes Use Obsolete Free Library:Type:VSN no-data VSN 0 0 0 87 13 m160:at:000003 no-data VSN 0 0 0 33 67 m160:at:000004 no-data VSN 0 0 0 27 73 m160:at:000005 no-data VSN 0 0 0 8 92 m160:at:000044 no-data VSN 0 0 0 7 93 m160:at:000002 no-data VSN 0 0 0 5 95 m160:at:000033 empty VSN 0 0 0 0 100 m160:at:CLN005 empty VSN 0 0 0 0 100 m160:at:000001 Recycler finished. ========== Recycler ends at Wed Dec 12 14:05:32 2001 ===========
no_recycle 指示は、ボリュームのリサイクルを無効にします。この指示の形式は、次のとおりです。
no_recycle media-type VSN-regexP [VSN-regexP...]
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次の例は、VSN 識別子が DLT で始まるテープボリュームを除外します。
no_recycle lt DLT.*
ライブラリ指示により、特定のライブラリに対応する VSN に対して各種のリサイクルパラメータを指定できます。この指示の形式は、次のとおりです。
library parameter [parameter...]
library には、mcf ファイルのファミリセットフィールドに指定されているライブラリの名前を指定します。
parameter には、次の表に示す 1 つまたは空白文字で区切られた複数の parameter キーワードを指定します。
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例 16-3 library 指示
次の例は、ライブラリ gr47 に対して次を指定しています。
ライブラリ内のボリュームが 85% 占有されているときに、そのライブラリをリサイクル対象とみなす。
最小増量率は、40% である。
1 つのボリュームだけをリサイクルする。これも、デフォルト設定値である。
root に電子メールでリサイクルメッセージを送信する。
再アーカイブ量は 1G バイトまでとする。この値はデフォルトであるため、recycler.cmd ファイルには指定されていません。
gr47 -hwm 85 -ignore -mail root -mingain 40
以降のセクションでは、パラメータについて説明します。
高位境界値を指定することにより、メディア利用率がこの値より下がったときにリサイクルを行えないとする、メディア使用率の下限を設定します。このパーセントは、ライブラリの総容量に対する使用中空間の割合です。たとえば、20G バイトのテープを 10 本格納するライブラリで、そのうちの 3 本が 100% 使用され、残りの 7 本がそれぞれ 30% 使用されている場合、そのメディア利用率は次のとおりです。
((3* 1.00 + 7 * 0.30) * 20G ) / ( 10 * 20G ) * 100%= 51%
この計算では、現在のデータと期限切れデータを区別していません。メディアの使用量だけを対象としています。
この例で利用率が 51% 以下である場合、リサイクラはリサイクルに使用する自動ライブラリの VSN を自動的に選択しません。
VSN を強制的にリサイクルするには、次のコマンドを使用してリサイクルフラグを設定します。
# chmed +c lt. VSN
+c フラグをセットすると、アーカイバはそれ以上アーカイブイメージをボリュームに書き込みません。samu ユーティリティーを使用して、+c フラグを表示できます。詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「chmed(1M)」 および『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「samu(1M)」 を参照してください。samu(1M) オペレータユーティリティーの使用方法については、『Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド』を参照してください。
最小 VSN 増量率は、カートリッジをリサイクルすることによって増える容量の下限を設定します。たとえば、自動ライブラリ内のカートリッジの 95% が現在のデータであり、5% が有効である場合、最小増量として 6% 以上を設定しておくと、リサイクラはこの VSN を自動的に選択しなくなります。
-ignore パラメータは、特定のライブラリに対してリサイクラを無効にします。これは、リサイクラの構成およびテスト中に使用してください。
-mail パラメータは、ライブラリ上でリサイクルが行われるときにリサイクラが電子メールメッセージを送信するように指定します。この電子メールメッセージには、次の件名行が付いています。
Robot robot-name recycle
例 16-4 リサイクルメッセージの例
I will recycle VSN vsn. Cannot find any candidate VSN in this media changer. Previously selected VSN _vsn_ is not yet finished recycling. Previously selected VSN _vsn_ is now finished recycling. It will now be post-recycled.
リムーバブルメディアカートリッジ上でアーカイブする場合は、recycler.sh ファイルを作成します。
ディスクだけを対象としてアーカイブする場合には、この手順は実行しません。
リサイクル済みのカートリッジに関するサイトのポリシーを決定します。カートリッジを再ラベル付けして再利用するサイトもあれば、自動ライブラリからカートリッジを取り出して、あとで履歴ファイルへのアクセスに使用するサイトもあります。
1 つの VSN のすべての現在のイメージが別の VSN に再アーカイブされると、リサイクラは recycler.sh スクリプトを実行します。
上記の例では、リサイクラは、次の引数を付けて /opt/SUNWsamfs/scripts/recycler.sh スクリプトを呼び出しています。
Media type: $1 VSN: $2 Slot: $3 Eq: $4
スクリプトの例については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「recycler.sh(1M)」 またはリサイクルした VSN を再ラベル付けしてスーパーユーザーにメールを送信する方法を示す /opt/SUNWsamfs/examples/recycler.sh スクリプトを参照してください。