アーカイブコピー保持のリサイクル

通常のリサイクルプロセスの代わりに、sam-nrecycler ツールを File System Manager のバックアップおよび回復ポイント機能と組み合わせて使用できます。このツールは期限切れのアーカイブコピーを削除し、アーカイブボリュームを解放することで、SAM-QFS のダンプファイルをアーカイブ保持に使用できるようにします。この機能を利用するには、既存の sam-recycler コマンドの代わりにこのリサイクラを使用する必要があります。

sam-nrecycler ツールは、ファイルシステムのメタデータと SAM-QFS のダンプファイルをスキャンし、どのボリュームにアーカイブイメージが格納されているかを判定します。このツールは、オフピーク時に crontab ファイルから起動するか、または sam-nrecycler コマンドを使用すればいつでも起動できます。nrecycler は、すべてのファイルシステムの .inodes ファイルおよび指定された SAM-QFS のダンプファイルをスキャンすることで、リムーバブルメディアボリュームまたはディスクアーカイブの tar ファイルにあるすべてのアーカイブイメージを識別します。次に、nrecycler はボリュームにアーカイブイメージが格納されているかどうかを判定できます。これらのボリューム上の領域は回収できます。リムーバブルメディアボリュームにアーカイブイメージが格納されていない場合は、カートリッジを再ラベル付けします。ディスクアーカイブの tar ファイルにアーカイブイメージが含まれていない場合は、その tar ファイルをディスクアーカイブディレクトリから削除してください。

リムーバブルメディアボリュームに空き空間または期限切れ空間だけが含まれ、再ラベル付け可能なことが sam-nrecycler で検出されると、sam-nrecycler.sh スクリプトが起動されます。このスクリプトは、元の VSN または新しい VSN を使用してカートリッジに再ラベル付けを行います。そのあとは、カートリッジをライブラリからエクスポートすることも、別のユーザー定義の動作を実行することもできます。

ディスクアーカイブボリュームに空き空間または期限切れ空間だけが含まれていることが sam-nrecycler で検出されると、未使用のディスクアーカイブの tar ファイルがリンク解除されます。

sam-nrecycler ツールの動作を制御するには、/etc/opt/SUNWsamfs/nrecycler.cmd ファイルに指示を含めます。SAM-QFS のダンプファイルが格納されたディレクトリのパスも指定する必要があります。ディレクトリリストをすべて指定し、SAM-QFS のすべてのダンプファイルをディレクトリリストに含める必要があります。

nrecycler.cmd ファイルに logfile= 指示行を含めることで、nrecycler のログファイルを指定することもできます。システムは、リサイクルメッセージとリサイクルレポートをこのファイルに書き込みます。

sam-nrecycler(1M) の詳細は、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam-nrecycler(1M)」 を参照してください。