Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド 11g リリース1 (11.1.1) E51909-02 |
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この章では、Oracle Business Intelligence Discovererの概要について説明します。この章の内容は次のとおりです。
データ分析のためのビジネス・インテリジェンス・ツールであるOracle BI Discovererは、Oracle Fusion Middlewareの主要コンポーネントです。Discovererは、直観的な非定型のクエリー、レポート機能、分析、Web公開機能から構成されるビジネス・インテリジェンス・ソリューションを提供します。これらのツールを使用すると、高度な技術的知識を持たないユーザーでも、データ・マート、データ・ウェアハウス、マルチディメンション(OLAP)データ・ソース、オンライン・トランザクション処理システムからの情報にすばやくアクセスできます。DiscovererはOracle Portal、Oracle WebCenter PortalおよびOracle WebLogic Portalとシームレスに統合し、ワークブックやワークシートのWebポータルへの迅速なデプロイを可能にします。
Oracle BI Discovererは、Oracleデータベースと連動する複数の統合コンポーネントで構成されており、統合化された完全なビジネス・インテリジェンス・ソリューションを提供します。図1-1にDiscovererのコンポーネントを示します。
Oracle BI Discovererには、エンド・ユーザー向けに、次の2つの主なビジネス分析ツールがあります。
Discoverer Plusは、データベースの複雑な概念を理解しなくても、データの分析やレポートを作成できるWebツールです。ウィザード形式のダイアログやメニューの手順に従うことで、高度なレポートやグラフを作成できます。レポートやグラフにアクセスするには、Discoverer Plus、Discoverer Viewer、Oracle PortalおよびOracle WebCenter Portalを使用します。
Discoverer Viewerは、Discoverer Plusを使用して作成したインタラクティブなレポートやグラフにアクセスするためのWebツールです。Discoverer Viewerはシン・クライアントのHTMLツールで、ユーザーはWebブラウザさえあればDiscoverer Viewerを実行できます。また、Discoverer Viewerを使用して作成したレポートをポータルに公開することもでき、Webサイト特有のルック・アンド・フィールや用途に合せたカスタマイズを容易に行うことができます。Discoverer Viewerは、パフォーマンスの最適化が行われており、ネットワークの通信量を最小限に抑えるように設計されています。
Discovererには、様々なポータルでDiscovererワークシートとグラフが公開できるPortlet Providerが含まれています(詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Portlets公開ガイド』を参照)。
Discovererには、次のアプリケーションを使用してDiscoverer接続、ワークブックおよびワークシートを取得し、クエリーを実行し、ワークシートのコンテンツを返すことが可能なアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)である、Discoverer Webサービスが含まれています。
Javaクライアント・アプリケーション(SOAPプロトコルを使用)
詳細は、第1.9.1.4項「Discoverer Web Servicesサーブレットとは」を参照してください。
Oracle BI Publisher (Oracle BI Enterprise Editionの一部)
詳細は、『Oracle BI Publisherユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Fusion Middleware Controlを使用すると、Discovererの中間層コンポーネントを管理できます。詳細は、第4.1項「Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlについて」を参照してください。
Discovererの典型的なワークフローは次のとおりです。
Discoverer Plusユーザー(パワー・ユーザー)がインタラクティブなレポートおよびグラフを作成します。通常、レポートには、エンド・ユーザーによるデータ分析のための強力なビジネス・インテリジェンス・コンポーネント(たとえば、パラメータ、条件および総計)が含まれます。
Discoverer Viewerユーザーは、インタラクティブなレポートにアクセスし、通常は、一定の制限のもとに、レポートをパーソナライズ(たとえば、必要なデータへのドリル、パラメータの適用およびストップライト・フォーマットの追加)できます。
この項では、Oracle BI Discoverer 11gリリース1 (11.1.1)の重要な構成変更についてのリストを示します。
Oracle 11g (リリース11.1) Enterprise Editionデータベースとの動作保証
DiscovererとOracle 11g (リリース11.1) Enterprise Editionデータベースの動作保証が全面的に更新されました。
Oracle Infrastructureの取り込み
最新バージョンのJava Runtime Environmentへの参照が全面的に更新されました。
シングル・サインオンの統合
シングル・サインオンに対する機能強化では、新しい設定のpropagateGUIDToVPDが追加されました。詳細は、第A.2項「configuration.xml内の構成設定」を参照してください。 また、SSOユーザーへの参照が全面的にGUIDに置き換えられました。
強化されたViewerのナビゲーション
Discoverer Viewerでのページ・ナビゲーション・コントロールに対する機能強化では、新しい設定のpageNavigationが追加されました。詳細は、第A.2項「configuration.xml内の構成設定」を参照してください。
Enterprise Managerの統合
このマニュアルを通して、基になるアーキテクチャの変更に伴うユーザー・インタフェースの向上に関する更新が行われました。
Discoverer Web Services
新しいDiscoverer Web Servicesとの連携機能が提供されます。詳細は、第1.9.1.4項「Discoverer Web Servicesサーブレットとは」を参照してください。
管理性と診断
手動で構成ファイルを編集するかわりに、Oracle Fusion Middleware ControlでMBeanブラウザを使用して詳細な構成設定を更新できます。詳細は、第4.12項「システムMbeanブラウザを使用したDiscovererの構成」を参照してください。
Oracle BI Discovererは、次の方法でインストールできます。
スタンドアロン・インストール
DiscovererをOracle Internet Directoryおよびデータベース・スキーマに関連付けないでインストールした場合、Discovererインストールはスタンドアロン・インストールとみなされます。
詳細は、第1.3.2項「Discovererスタンドアロン・インストールについて」を参照してください。
スタンドアロン・インストールの実行後に、DiscovererをOracle Internet Directoryおよびデータベース・スキーマに関連付ける必要がある場合は、Discoverer構成ツール(config.sh
)を再実行して、Oracle Internet Directoryおよびデータベース・スキーマと関連付けることによってDiscovererを構成する必要があります。この新しいインスタンスには、スタンドアロン・インスタンスのORACLE_HOMEと同じものを指定できます。最初のスタンドアロン・インスタンスは、必要に応じて破棄できます。
注意: 手動で既存のスタンドアロン・インストールをOracle Internet Directoryおよびデータベース・スキーマに関連付ける方法はありません。
Oracle Internet Directoryインストール
インストール時に、DiscovererをOracle Internet DirectoryおよびDiscovererに必要な2つのデータベース・スキーマ(PStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマ)に関連付けます。これは最も一般的なインストール方法です。
詳細は、第1.3.1項「Oracle Internet Directoryおよびスキーマに関連付けられたDiscovererインストールについて」を参照してください。
標準インストール時に、DiscovererをOracle Internet DirectoryおよびDiscovererに必要な2つのデータベース・スキーマ(PStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマ)に関連付けます。特に記載がないかぎり、このマニュアルでは、このタイプのインストールを前提としています。
Discovererソフトウェアは、Oracle Internet Directoryおよびスキーマと同じマシンに存在する場合もあれば、別のマシンに存在する場合もあります。詳細は、第6章「複数マシン環境または複数インスタンス環境におけるDiscovererの管理」を参照してください。
Discovererの複数のインスタンスをサポートするために、複数のPStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマを設定できます。Oracle Internet Directoryは、Discovererでサポートされている唯一のアイデンティティ・ストアです。
このタイプのインストールで使用可能なコンポーネントは、次のとおりです。
Discoverer Plus RelationalおよびDiscoverer Plus OLAP
Discoverer Viewer
Discoverer Portlet Provider
Discoverer Web Services
Oracle HTTP Server(OHS)
WebLogicサーバー
OPMN
Oracle Fusion Middleware Control
Oracle Web Cache
Oracle Single Sign-On
Discoverer接続の管理ページ
Discovererのプライベート接続とパブリック接続
DiscovererのSSL機能
Oracle Identity Management
エンド・ユーザーは、Discovererの接続ページを使用して、Discovererの起動やログイン詳細の管理を行うことができます。Discoverer接続の詳細は、第3章「Oracle BI Discoverer接続の管理」を参照してください。
図1-4にあるように、インストールが終了すると、DiscovererはOracle Fusion Middleware Controlホームページの「Fusion Middleware」リージョンにリストされます。
Fusion Middleware Controlの表示方法の詳細は、第4.1.2項「Fusion Middleware Controlを起動してファーム・ホームページを表示する方法」を参照してください。Oracle Fusion MiddlewareのCDからインストールしたコンポーネントの表示方法の詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。
Discovererスタンドアロン・インストールでは、次のリストに示すように、限られた数のコンポーネントが提供されます。
Discoverer Plus RelationalおよびDiscoverer Plus OLAP
Discoverer Viewer
Discoverer Portlet Provider (インストールされるが使用できない)
Discoverer Web Services (インストールされるが使用できない)
DiscovererのSSL機能
Oracle HTTP Server(OHS)
WebLogicサーバー
OPMN
Oracle Fusion Middleware Control
Oracle Web Cache
注意: エンド・ユーザーは直接ログインのページを使用してDiscovererを起動します。Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerのパブリック接続と、Oracle Single Sign-Onは使用できません。
図1-4にあるように、インストールが終了すると、DiscovererはOracle Fusion Middleware Controlホームページの「Fusion Middleware」リージョンにリストされます。
データベース要件の詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.htmlのOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成
を参照してください。
Oracle BI Discovererは、インストールした後、特に構成を行わなくても機能します。必要に応じて、次の表にリストされている、Discoverer中間層の構成タスクを1つ以上実行します。
何をしたいか | この項を参照: |
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Discovererを構成してOracle Applicationsと併用します。 | 第14章「Oracle BI DiscovererとOracle E-Business Suite」 |
Discovererを構成してファイアウォールおよび非武装地帯を使用します。 | 第13章「Oracle BI Discovererのセキュリティ管理」 |
Fusion Middleware Controlを使用してDiscoverer中間層(Discovererサービスの起動および停止など)を構成します。 | 第4章「Discovererの管理と構成」 |
Discovererのインストールを確認します。 | 第1.5項「Oracle BI Discovererインストールの確認方法」 |
パブリック接続(データベースへのログイン)を作成します。 | 第3章「Oracle BI Discoverer接続の管理」 |
Discoverer Viewerの外観をカスタマイズします。 | 第8章「Discovererのルック・アンド・フィールのカスタマイズ」 |
DiscovererとOracle Web Cacheをデプロイしてパフォーマンスを向上します。 | 第7章「Oracle Web CacheとのDiscoverer Viewerの使用」 |
URL詳細を使用して特定のDiscovererワークブックおよびワークシートをデプロイします。 | 第12章「URLパラメータを使用したOracle BI Discovererの起動」 |
Discovererで使用される管理アカウントの情報を得ます。 | 付録D「Oracle BI Discoverer管理アカウント情報」 |
Discoverer構成ファイルの情報を得ます。 | 付録A「Oracle BI Discovererの構成ファイル」 |
Discovererを微調整して最適なパフォーマンスとスケーラビリティを得ます。 | 第10章「Oracle BI Discovererのパフォーマンスおよびスケーラビリティの最適化」 |
Discoverer Plus OLAPのDiscovererカタログをインストールおよび構成します。 | 第5章「Discoverer Plus OLAPの構成」 |
Discovererにロード・バランシングを提供するか、中央のDiscovererプリファレンス・サーバーを指定します。 | 第6章「複数マシン環境または複数インスタンス環境におけるDiscovererの管理」 |
Discoverer PlusまたはDiscoverer Viewerを実行します。 | 第2章「Oracle BI Discovererの開始」 |
Discovererエンド・ユーザー・プリファレンスの指定 | 第9章「Oracle BI Discovererプリファレンスの管理」 |
新しいリリースへのDiscovererのアップグレード | 付録B「以前のリリースのDiscovererからのアップグレード」 |
Oracle BI Discovererのインストールを確認するには:
Webブラウザを起動して、Oracleのインストールで使用した完全修飾ホスト名(必要な場合はポート番号を含む)を含むDiscoverer ViewerのURLを入力します。
例:
http://<host.domain>:<port>/discoverer/viewer
DiscovererのインストールがOracle Internet DirectoryおよびDiscovererに必要な2つのデータベース・スキーマ(PStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマ)に関連付けられていない場合は、エンド・ユーザーが「Oracle BI Discovererに接続」ページの「直接接続」領域を使用して直接接続します(次のスクリーンショットを参照)。
注意: シングル・サインオン(SSO)が有効になっている場合は、最初にSSO/OAMユーザーとしての認証が要求されます。
DiscovererのインストールがOracle Internet DirectoryおよびDiscovererに必要な2つのデータベース・スキーマ(PStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマ)に関連付けられている場合は、「Discoverer Viewerに接続」ページが表示されます(次のスクリーンショットを参照)。
「接続の選択」領域が表示された場合は、次のいずれかを実行します。
「接続」列で接続名を選択し、Discoverer Viewerを起動します。
プライベート接続を作成し、データベース・ログイン詳細を保存します(プライベート接続を追加するには「接続の作成」をクリックします)。次に新しい接続を選択します。
「直接接続」領域を使用してログイン詳細を入力し、「実行」をクリックしてDiscoverer Viewerを起動します。
「直接接続」領域のみ表示された場合は、ログイン詳細を入力して「OK」をクリックします。
「ワークシート・リスト」ページが表示されます。このページを使用すると、開くワークシートを選択できます。これでDiscovererの強力なビジネス・インテリジェンス分析ツールを使用して、データの分析を開始できます。
注意
プライベート接続の作成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Discoverer Viewerの起動の詳細は、第2.11項「HTTPを使用したDiscoverer Viewerの開始」を参照してください。
Discoverer Plusの起動の詳細は、第2.6項「HTTPを使用してクライアント・マシンで初めてDiscoverer Plusを実行する場合について」を参照してください。
checkdiscovererユーティリティを使用してDiscovererの構成を確認し、障害または異常についてレポートできます(checkdiscovererユーティリティの詳細は、第11.2項「checkdiscovererユーティリティとは」を参照)
Discoverer Plus OLAPには独自の診断ユーティリティがあります(詳細は、第5.6項「Discoverer Plus OLAPの構成診断ユーティリティ」を参照)
Discovererエンド・ユーザーは、次の2つの方法でDiscovererに接続できます。
Oracle BI Discoverer Desktopを使用して、エンド・ユーザーのデータベース・ユーザー名とパスワードでログインします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Desktopユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle BI Discoverer PlusまたはOracle BI Discoverer Viewerを使用して、エンド・ユーザーがログイン情報をプライベート接続に保存し、その後、その接続を選択します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』またはOracle Business Intelligence Discoverer Viewerオンライン・ヘルプを参照してください。
また、Discoverer中間層の管理者がパブリック接続を作成すると、Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerのエンド・ユーザーは、Discovererをログイン詳細を入力せずに自動で起動できるようになります。詳細は、第3.6項「パブリック接続の作成方法」を参照してください。
Oracle BI Discovererには、Web環境の分散化特性を活用する、複数層アーキテクチャがあります。1台のマシンにOracle BI Discovererアーキテクチャのすべての層をインストールすることも可能ですが、パフォーマンスと信頼性を最大限に活用するために、各層を複数のマシンに分散してインストールすることをお薦めします。
注意: 複数のアプリケーション・サーバーを1台のマシンにインストールできます。
Discovererの複数層アーキテクチャは次の層で構成されます。
WebブラウザからアクセスするDiscovererクライアント層。詳細は、第1.8項「Discovererクライアント層について」を参照してください。
1つ以上のOracle BI Discovererインストール、Oracle Internet DirectoryおよびDiscovererに必要な2つのデータベース・スキーマ(PStoreスキーマおよびPortlet Providerスキーマ)を含むDiscoverer中間層。詳細は、第1.9項「Discoverer中間層について」を参照してください。
データおよびメタデータを含むDiscovererデータベース層(詳細は、第1.10項「Discovererデータベース層について」を参照)。
注意
複数マシン上のDiscovererの構成の詳細は、第6章「複数マシン環境または複数インスタンス環境におけるDiscovererの管理」を参照してください。
Discovererのクライアント層は、Discoverer PlusまたはDiscoverer ViewerにアクセスするWebブラウザです(図1-6を参照)。また、Discovererクライアント層には次の部分も含まれます。
Discoverer Portlet Provider
様々なポータルでDiscovererワークブックの公開を可能にします。
Discoverer WebサービスAPI
サード・パーティのアプリケーションで、Discovererのコンテンツを返すことができます。
Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerをエンド・ユーザーにデプロイするには、適切なURLをエンド・ユーザーに提供する必要があります。詳細は、第2章「Oracle BI Discovererの開始」を参照してください。
Fusion Middleware Controlを使用して、Discovererクライアント層コンポーネントを有効および無効にできます。詳細は、第4.5項「Discovererクライアント層コンポーネントの有効化および無効化について」を参照してください。
Discoverer Plusの場合、クライアント・マシンの要件は、Java Virtual Machine (JVM)とJava対応のWebブラウザ(たとえば、Microsoft Internet Explorer、Netscape NavigatorまたはMozilla Firefox)の使用のみになります。ソフトウェア要件の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportおよびDiscovererインストレーション・ガイドを参照してください。
マシンを初めてDiscovererに接続すると、Discoverer PlusアプレットがDiscoverer中間層からダウンロードされ、クライアントのマシンにキャッシュされます。
Discoverer Plusアプレットには、ワークブックを作成してデータを分析するための、Discoverer Plusユーザー・インタフェースおよび機能が含まれています。以降のユーザーのログイン時には、Discoverer Plusアプレットはローカル・キャッシュから実行されるため、ダウンロードは行われません。
注意: Discovererをアップグレードすると、ユーザーがDiscovererクライアント・マシンにDiscoverer Plusアプレットをダウンロードする必要があることがあります。詳細は、第2章「Oracle BI Discovererの開始」を参照してください。
Discoverer中間層はDiscovererアーキテクチャの一部であり、Discoverer中間層の管理者が管理します。
図1-7に示すように、Discoverer中間層は、次のコンポーネントで構成されます。
Discoverer Java EEアプリケーション。詳細は、第1.9.1項「Discoverer Java EEアプリケーションについて」を参照してください。
Discoverer CORBAコンポーネント。詳細は、第1.9.2項「Discoverer CORBAコンポーネントについて」を参照してください。
注意
Discoverer中間層にはDiscoverer Plusアプレットも保存されています。これは、Discovererエンド・ユーザーがDiscoverer Plusを最初に実行したとき、クライアント・マシンにダウンロードされます。詳細は、第2章「Oracle BI Discovererの開始」を参照してください。
Discoverer中間層を実行するマシンは、すべて同じサブネットに存在する必要があります。
図1-8に示すように、Discoverer Java EEアプリケーションは、次のコンポーネントで構成されます。
Discovererサーブレット(詳細は、第1.9.1.1項「Discovererサーブレットとは」を参照)。
Discoverer Plusサーブレット(詳細は、第1.9.1.2項「Discoverer Plusサーブレットとは」を参照)。
Discoverer Portlet Providerサーブレット(詳細は、第1.9.1.3項「Discoverer Portlet Providerサーブレットとは」を参照)。
Discoverer Web Servicesサーブレット(詳細は、第1.9.1.4項「Discoverer Web Servicesサーブレットとは」を参照)。
サーブレットは、サーバー・マシンで動作するJavaコードのモジュールで構成されており、クライアント・マシンからのリクエストに応答します。サーブレットを使用することにより、クライアント側の処理を最小限にすることができます。
Discovererサーブレットは、サーブレットを実行するためのサーブレット・エンジンを含むWebLogic管理対象サーバーにデプロイされます。
Discovererサーブレットの起動および停止の詳細は、第4.4項「Discovererサーブレットの起動および停止について」を参照してください。
Discoverer Plusサーブレットは、Discoverer Plus Relationalアプレットとそのセッションに対して開始されたDiscoverer Sessionプロセスとの間のトラフィックを処理します。
Discoverer Portlet Providerサーブレットは、Discovererワークシートを公開するためのユーザー・インタフェースを提供し、ポータル・ページのDiscovererワークブックにリンクします。Discoverer Portlet Providerの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Portlets公開ガイド』を参照してください。
Discoverer Web Servicesサーブレットは、SOAPプロトコルを介してDiscoverer接続、ワークブック、ワークシートを取得し、ワークシート・クエリーを実行して、ワークシートのコンテンツを返すためのアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を提供します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Web Services APIユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Discoverer CORBA (Common Object Request Broker Architecture)コンポーネントは、エンド・ユーザーがDiscoverer Sessionを開始したとき(つまり、ユーザーがDiscoverer PlusまたはDiscoverer Viewerに接続したとき)に、Discovererをアクティブ化します。
Discoverer CORBAコンポーネントは、すべてのDiscovererクライアント層コンポーネント(Discoverer Plus、Discoverer Viewer、Discoverer Portlet ProviderおよびDiscoverer Web Services)で使用されます。
図1-9に示すように、Discoverer CORBAコンポーネントは、次のコンポーネントで構成されます。
Discovererセッション・コンポーネント(詳細は、第1.9.2.1項「Discovererセッション・コンポーネントとは」を参照)。
Discovererプリファレンス・サーバー・コンポーネント(詳細は、第1.9.2.2項「Discovererプリファレンス・サーバー・コンポーネントとは」を参照)。
Discovererセッション・コンポーネント(CORBAサーバーとも呼ばれます)は、データベースへの接続やワークブックを開くなど、Discovererの操作を実行します。Discovererセッション・コンポーネントにより、Discovererサーブレットまたはアプレットとデータベースとの間のリンクが提供されます。アクティブなユーザー・ログイン・セッションごとに、1つのDiscovererセッション・コンポーネントがあります。
Oracle BI Discovererプリファレンス・サーバー・コンポーネントにより、すべてのDiscovererユーザー(Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerの両方)のプリファレンスが1箇所に保存されます。Discoverer中間層は、保存されたプリファレンスに従って、デフォルトのDiscoverer動作を指定します。
詳細は、第4.2項「Fusion Middleware Controlを使用したDiscoverer中間層コンポーネントの管理について」を参照してください。
注意: 異なるマシンでそれぞれ別のDiscovererセッション・コンポーネントを実行する複数のマシン環境では、Discovererは単一のプリファレンス・サーバーを使用します。単一のプリファレンス・サーバー・コンポーネントの指定の詳細は、第6.6項「複数のマシン環境でのDiscovererプリファレンス・コンポーネントについて」を参照してください。
Discovererアーキテクチャのデータベース層には、データおよびメタデータが含まれます。
図1-10に示すように、Discovererデータベース層は、次のコンポーネントで構成されます。
レポートおよびグラフの保存に使用されるDiscovererワークブック
データをわかりやすく表示するEnd User Layer (EUL)
ユーザーが分析するビジネス・インテリジェンス・データ
アクティブ・カタログ(アナリティック・ワークスペースに格納されたメタデータから標準を公開するリレーショナル・ビューのセットで、これによってSQLがアクセスできるようになります)
リレーショナル表に格納されたマルチディメンション・スキーマであるアナリティック・ワークスペース
EULを作成および管理するには、Discoverer Administratorを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer管理者ガイド』を参照してください。
注意
ユーザーがDiscovererを使用してリレーショナル・データを分析するには、データベースにDiscoverer End User Layer (EUL)リリース5.1.xをインストールする必要があります。Discovererマネージャは、事前に、Oracle BI Discoverer Administratorを使用して、EULを作成または更新しておく必要があります。
ユーザーがDiscovererを使用してマルチディメンション・データを分析する前に、Discovererカタログをインストールする必要があります。詳細は、第5章「Discoverer Plus OLAPの構成」を参照してください。
この項では、Discoverer PlusおよびDiscoverer Viewerの動作について説明します。
この項では、Discoverer Plus RelationalがDiscovererサービス層およびデータベースと連携する方法について説明します。
クライアント・コンピュータでWebブラウザを起動し、Discoverer PlusサーブレットのURLを入力します。
WebブラウザがDiscovererサービス層のDiscoverer Plusサーブレットにアクセスすると、リクエストがDiscovererサーブレットに転送されます。
DiscovererサーブレットではDiscovererの接続ページを取得し、これをDiscoverer Plusサーブレットに返します。次に、Discoverer Plusサーブレットによりページがクライアントに返されます。
ユーザーがログインします(直接接続するか、またはDiscoverer接続を使用します)。
Discoverer Plus Relationalアプレットがクライアント・コンピュータに転送されます(転送されていない場合)。
この間に、DiscovererサーブレットではDiscovererセッションが開始され、セッションとの接続が確立されます。
Discovererセッションがリクエストを送信し、データベースからデータを取得します。
DiscovererセッションがデータをDiscovererサーブレットに転送します。Discovererサーブレットにより、Discoverer Plusサーブレットにデータが転送され、そこからクライアント・マシンに転送されます。
この項では、Discoverer Plus OLAPがDiscovererサービス層およびデータベースと連携する方法について説明します。
クライアント・コンピュータでWebブラウザを起動し、Discoverer PlusサーブレットのURLを入力します。
WebブラウザがDiscovererサービス層のDiscoverer Plusサーブレットにアクセスすると、リクエストがDiscovererサーブレットに転送されます。
DiscovererサーブレットではDiscovererの接続ページを取得し、これをDiscoverer Plusサーブレットに返します。次に、Discoverer Plusサーブレットによりページがクライアントに返されます。
ユーザーがログインします(直接接続するか、またはDiscoverer接続を使用します)。
Discoverer Plus OLAPアプレットがクライアント・コンピュータに転送されます(転送されていない場合)。
Discoverer Plus OLAPはデータベースに直接接続します。
この項では、Discoverer ViewerがDiscovererサービス層およびデータベースと連携する方法について説明します。
クライアント・コンピュータでWebブラウザを起動し、DiscovererサーブレットのURLを入力します。
WebブラウザがDiscovererサービス層上のDiscovererサーブレットにアクセスします。
DiscovererサーブレットがDiscovererの接続ページを取得して、クライアントに返します。
ユーザーがログインします(直接接続するか、またはDiscoverer接続を使用します)。
この間に、DiscovererサーブレットではDiscovererセッションが開始され、セッションとの接続が確立されます。
Discovererセッションがリクエストを送信し、データベースからデータを取得します。
DiscovererセッションがデータをDiscovererサーブレットに転送します。DiscovererサーブレットはHTMLページを生成し、そのページをクライアント・マシンに転送します。
キーボードによるナビゲーション
Oracle BI Discovererでは、標準のキーボード・ナビゲーションがサポートされています。標準のキーボード・ナビゲーションには、[Tab]キー、ニーモニック([Alt]キーと下線付きの文字を使用)、およびアクセラレータ(ウィンドウを閉じる[Alt]+[F4]キーなど)の使用が含まれます。
DiscovererでのJAWSスクリーン・リーダーの使用
ユーザーがDiscovererでスクリーン・リーダー(たとえば、JAWS)を使用する場合は、Discoverer Plusを構成して別のウィンドウに表示されるようにする必要があります。これには、framedisplaystyle
構成値をseparate
に設定してデプロイします。詳細は、第12.8項「Discoverer Plus固有のURLパラメータのリスト」または第5.7項「Discoverer Plus OLAPのURLパラメータ」を参照してください。
また、クエリーの進行状況ページを遅延させることによってページがリフレッシュ前にスクリーン・リーダーがページを読み取るのに十分な時間を確保する必要がある場合があります。