クライアントシステムの基本的なネットワーク構成は、ハードウェアを組み立て、次にネットワークプロトコルスタックを実装するデーモン、ファイル、およびサービスを構成するという 2 段階で進めます。ネットワークプロトコルスタック内でさまざまなネットワークコンポーネントを構成する方法についての詳細は、Oracle Solaris ネットワークプロトコルスタック内のネットワーク管理を参照してください。
このセクションに記載されている情報の例については、基本的なネットワーク構成シナリオを参照してください。
基本的なネットワーク構成プロセスは、通常は次のタスクを伴います。
最初にシステム上の物理データリンクをカスタマイズします。各データリンクは、開放型相互接続 (OSI) モデルの第 2 レイヤー (L2) のリンクオブジェクトを表します。このリリースでは、net0、net1、netN という命名規則を使用することで、総称名がデータリンクに自動的に割り当てられます。各データリンクに割り当てられる名前は、システム上にあるネットワークデバイスの総数によります。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 2 章Oracle Solaris でのデータリンク構成の管理を参照してください。
システム上のデータリンクをカスタマイズしたあと、各データリンク上の IP インタフェースと IP アドレスを構成します。この構成は、OSI モデルのネットワークレイヤー (L3) で行われます。インターネット上のパブリックネットワークと通信できるように、一意の IP アドレスを取得します。Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 3 章Oracle Solaris での IP インタフェースとアドレスの構成および管理を参照してください。
Oracle Solaris は、IPv4 と IPv6 の両方の構成をサポートしています。純粋な IPv4 のみのネットワークか、IPv6 のみのネットワークか、または 2 つのタイプの IP アドレスを組み合わせて使用するネットワークのいずれをデプロイするかを選択できます。IPv4 または IPv6 ネットワークをデプロイするには、高度な計画が必要です。系統的かつコスト効果の高い方法で物理ネットワークをデプロイすることの詳細については、Oracle Solaris 11.2 でのネットワーク配備の計画 を参照してください。
ネームサービスおよびほかのシステム全体のネットワーク設定は、どのコンピュータネットワークにも欠かせないものです。これらのサービスは、ホスト名とアドレス、ユーザー名、パスワード、アクセス権などの格納されている情報の検索を実行します。この情報はユーザーに使用可能になるため、ユーザーは各自のホストにログインし、リソースにアクセスして、アクセス許可を取得できます。ネームサービス情報は、ネットワーク管理を容易にするために、ファイル、マップ、およびデータベースファイルの形式で集中管理されます。このリリースでは、ネームサービスはサービス管理機能 (SMF) を介して管理されます。Oracle Solaris クライアントに関するシステム全体でのネットワーク設定の構成についての詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 4 章Oracle Solaris クライアントでのネームサービスとディレクトリサービスの管理を参照してください。
ネットワーク管理には、ルーターや IP トンネルなどのネットワーク内での特定の機能を実行するシステムの構成を伴う場合もあります。追加情報については、ルーターまたはロードバランサとしての Oracle Solaris 11.2 システムの構成 およびOracle Solaris 11.2 での TCP/IP ネットワーク、IPMP、および IP トンネルの管理 を参照してください。
ネットワーク上でクライアントシステムを構成するタスクを開始する前に、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 のネットワーク上のクライアントシステムの構成に必要な情報を参照してください。