次のシナリオでは、ネットワーク仮想化機能と Oracle VM Server for SPARC を組み合わせて、クラウド環境を並列化するマルチレベルの仮想ネットワークを作成します。このデプロイメント方法は、Oracle SPARC T シリーズサーバーおよびサポートされている M シリーズサーバーに高度な効率性とエンタープライズクラスの仮想化機能を提供します。
このシナリオでは、Oracle Solaris 11.2 がサポートされている Oracle VM Server for SPARC バージョンを実行していることが前提となっています。Oracle VM Server for SPARC の詳細は、http://www.oracle.com/technetwork/documentation/vm-sparc-194287.html にあるドキュメントライブラリを参照してください。
このシナリオの高いレベルでの目的は、SPARC ベースのシステムを、各ドメインがクラウド環境内のノードに対応する複数の Oracle Solaris VM Server ゲストドメインに分割することです。これらの Oracle VM Server for SPARC ゲストドメイン内では、ゾーンとしてテナントごとのワークロードをデプロイできます。
この方法でネットワーク仮想化機能を構成すると、単一の SPARC ベースのシステム内にクラウド全体を構築できます。また、このタイプの構成を使用すると、SPARC ベースのシステムを、システムがその環境内のノードのセットとして表示されるより大きなクラウド環境に統合できます。
ネットワーク仮想化機能と Oracle VM Server for SPARC を組み合わせると、次のように従来のクラウドが並列化されます。
計算ノードは、Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインとして実装されています。
計算ノードは、サービスドメインで実行されている Oracle VM Server for SPARC および Oracle Solaris 11 で提供される仮想ネットワークインフラストラクチャーを介して、相互に通信します。
各ゲストドメイン内にある vnet ドライバインスタンスは、物理計算ノード内の物理 NIC に対応します。
このタイプの構成の利点は次のとおりです。
システムで実行されているその他のワークロードに影響を与えることなく個別にアップグレードできる、より小さなドメインを実行できるようになるため、より高い柔軟性が実現されます。
SPARC の信頼性、可用性、および保守性 (RAS) 機能を利用できます。
物理インフラストラクチャーに依存する代わりに、より高速な仮想ネットワークを使用してノード間の通信を行います。