Oracle® Solaris 11.2 での印刷の構成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

CUPS の概要

CUPS は、モジュール化されたオープンソースの印刷システムであり、プリンタ、印刷要求、および印刷待ち行列を管理するための基準としてインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用します。CUPS は、ネットワークプリンタのブラウズおよび PostScript Printer Description ベースの印刷オプションもサポートします。CUPS は、ローカルネットワークの共通印刷インタフェースも提供します。

IPP は、ネットワーク上での印刷に関する標準プロトコルです。ほかの IP ベースのプロトコルと同じように、IPP はローカルまたはインターネット経由でリモートプリンタと通信するために使用できます。ほかのプロトコルと異なり、IPP はアクセス制御、認証、および暗号化もサポートするため、ほかのプロトコルよりはるかに高機能で安全な印刷ソリューションです。IPP は、ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) の上位層に位置付けられます。HTTP は、インターネット上に存在する Web サーバーの基盤です。IPP を使用すると、ブラウザを介してプリンタやサーバーのステータス情報を確認したり、プリンタや印刷ジョブを管理したりできます。CUPS は、完全な IPP/1.1 ベースの印刷システムです。基本、ダイジェスト、およびローカル証明書の各認証と、ユーザー、ドメイン、または IP ベースのアクセス制御を提供します。

CUPS では、動的なプリンタ検出とグループ化がサポートされます。CUPS は、lpr コマンドを独自のコマンドに置き換え、LPD プリンタドライバを独自の印刷ドライバに置き換えます。CUPS は、ページ記述のベースとなる言語として PostScript 形式を使用する点で LP 印刷サービスと似ています。CUPS は System V と Berkeley の両方の印刷コマンドを提供するため、ユーザーおよびアプリケーションは今まで使用していたオプションをほとんどまたはまったく変更せずに CUPS の待ち行列に印刷できます。

最後に、CUPS には多くのオープンソースアプリケーションおよびツールキットによって使用されているアプリケーションレベルのインタフェースが含まれています。CUPS のバックエンドには、注釈付きのラスタイメージ形式 (RIP) を処理するのに必要なインタフェースが含まれています。この形式とこれらのインタフェースのサポートは、ほかの重要なオープンソースの印刷ドライバ技術に統合されています。

CUPS は、LP 印刷サービスに代わる Oracle Solaris リリースのデフォルトで唯一の印刷サービスです。Oracle Solaris オペレーティングシステム (OS) での CUPS を使用した印刷は、次を使用して管理します。

  • CUPS コマンド行ユーティリティー - これらのコマンドには、新しい CUPS 印刷コマンドのほか、今まで LP 印刷サービスで使用されていたいくつかの印刷コマンドも含まれています。

  • CUPS Web ブラウザインタフェース - http://localhost:631 にアクセスしてください。

  • CUPS 印刷マネージャー GUI – この GUI には、GNOME 2.30 を含む Oracle Solaris Desktop からアクセスするか、または端末ウィンドウで system-config-printer コマンドを入力してアクセスします。