Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用

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更新: 2014 年 12 月
 
 

カーネルゾーンの一時停止と再開

カーネルゾーンに固有である zoneadm suspend コマンドを使用して、カーネルゾーンをディスクに対して一時停止できます。

zoneadm suspend コマンドは、カーネルゾーンを suspended 状態にします。一時停止イメージが作成され、圧縮され、高度な暗号化標準の AES-128-CCM を使用して暗号化されます。暗号化鍵は /dev/random によって自動的に生成されます。圧縮と暗号化後に、ゾーンの実行中の状態がカーネルゾーンのゾーンパスに書き込まれます。

圧縮および暗号化された一時停止イメージは、通常はゾーンの RAM よりサイズが小さくなります。ゾーンの実行中の状態の書き込みによって、ゾーンが使用する RAM の全体量を使用します。このため、zoneadm suspend 操作により、システムリソースが大幅に専有される可能性があります。

一時停止のゾーンは、zoneadm boot コマンドを呼び出して再開し、すべてのゾーンの操作を再度アクティブにできます。

カーネルゾーンの構成に suspend リソースプロパティーがある場合のみ、カーネルゾーンの一時停止および再開がサポートされます。カーネルゾーンのテンプレート SYSsolaris-kz では、デフォルトで suspend リソースプロパティーが提供されます。たとえば、カーネルゾーン kzone1suspend 情報は次のとおりです。

global# zonecfg -z kzone1 info suspend
suspend:
        path: /system/zones/kzone1/suspend
        storage not specified

suspend リソースには、ファイルのフルパスまたはストレージの場所のいずれかを指定する必要があります。suspend リソースプロパティーの要件の詳細は、solaris-kz(5) のマニュアルページを参照してください。

共有ストレージの複数のホストから suspend イメージおよびその他のゾーンストレージにアクセスできる場合は、suspend イメージを使用してゾーンの移行をサポートできます。一時停止および再開を使用したカーネルゾーンの移行を参照してください。