パーソナライズの概要
パーソナライズは、各顧客のニーズやプリファレンスに応じて、ユーザーのジャーニーおよびエクスペリエンスを調整するプロセスとして定義します。パーソナライズを開始するとき、最初のステップとして、ビジネスにとってどのような種類の顧客データが有意義であるかを判断し、次に、Oracle Maxymiserプラットフォームにこれをどのように反映するかを決定します。これにより、これらのデータ・ポイントを予測アナリティクスとパーソナライズ・キャンペーンに使用できるようにします。大まかに見ると、このプロセスには3つの主要なステージがあります。
- 顧客プロファイル: 顧客ジャーニーをパーソナライズするために必要十分な顧客データを特定します。
- 最適化の機会: デジタル・チャネルの中で最も有益なパーソナライズの鍵となるポイントを検出して、優先順位を付けます。
- パーソナライズ・キャンペーン: 複数のチャネルを横断したパーソナライズ・キャンペーンを実装し、その効果をテストします。
ここでは、3つの領域を順に確認し、各ステップに関連する手順資料を示します。
顧客プロファイルの定義
Oracle Maxymiserでは、デジタル・チャネルのユーザーごとに有益な多くの情報を収集して格納できます。これらのデータ・ポイントには、標準属性とカスタム属性の2つのタイプがあります。
カスタム属性の選択はこのプロセスの重要なステップとなります。これは、標準属性は開始点としては役立つものの、ビジネスに特に関連する情報を含めることができない可能性があるためです。経験的に、カスタム属性の選択を戦略的意思決定として扱い、ビジネスにおけるすべての利害関係者が関与することで、最良の結果がもたらされます。つまり、"顧客エクスペリエンスを適切にパーソナライズするためにどのような顧客情報が必要か"という問いが非常に重要になります。同じ業界の企業は、ある一連の中核的なカスタム属性に依存する傾向があることが、長年の間にわかっています。
標準属性
標準属性には、プラットフォームによって自動的に収集される標準で提供されている顧客データ・ポイントがすべて含まれています。これには、ジオロケーション、新規顧客か再訪の顧客か、天候などが含まれます。詳細は、ターゲッティングの属性を参照してください。
カスタム属性
標準属性のリストになくビジネスに固有なものはすべて、カスタム属性用のWYSIWYGツールを使用して収集できます。たとえば、性別などの属性を収集し、これをファーストパーティCookieとして使用したり、データ・レイヤー変数で渡したり、Webページ上にフォーム/見積ファネルの選択肢としてWebページに表示されるようにするとします。この情報を収集して詳細な分析またはセグメンテーションの目的で使用できる有効なバケットにセグメント化するように、システムに指示できます。
これらの方法の詳細は、次の記事を参照してください。
- Webページ要素を介した顧客情報の収集
- Cookieを介した顧客情報の収集
- URLを介した顧客情報の収集
- データ・レイヤー変数を介した顧客情報の収集
- カスタム・コードを介した顧客情報の収集
- 顧客データ・インポートによる独自のCRMデータのインポート
最適化の機会の検出
パーソナライズに関する一般的な問いに、次のようなものがあります。
- "オンライン・ビジネスでのパーソナライズの機会はどのようにして特定できるだろうか。"
- "主要な顧客セグメントは何を最も必要としているだろうか。何を好むだろうか。"
次のような問いを検討することによって、可能な開始ポイントが見つかることがあります。
- Webチャネルとモバイル・チャネルで見積ファネルを最適化しました。主要な顧客セグメントの反応はどうですか。流動はありますか。
- クロスセルとアップセルのオファリングが過度に汎用的です。特定の顧客ごとに特上品、付属品および関連商品をカスタマイズするにはどうすればよいですか。
オンラインおよびオフラインのデータからわかる様々なストーリーを理解することで、これらの問いに答えます。ただし、データの問合せからわかることは限られています。問合せが特定の方法で定式化されていること自体が、すでに、想定が存在することを暗に意味しています。Oracle MaxymiserのDiscover Cloudでは別のアプローチが使用されます。機械学習を使用することで、プロセス内に想定を組み込む必要なく重要な顧客のニーズとプリファレンスが明らかになります。詳細は、Discover製品に含まれる2つの異なるタイプの予測アナリティクスの概要を参照してください。
- オーディエンス・インサイト: 実績の高い顧客セグメントと実績の低い顧客セグメントを特定し、それに応じてパーソナライズの機会に優先順位を設定します
パーソナライズ・キャンペーンの実装
カスタム属性を使用して顧客に関する情報の収集を開始し、Discover Cloudを使用してパーソナライズの機会を特定した後、取得したインサイトを処理できます。たとえば、ファネル・テストの総合的なウィナーとは異なるエクスペリエンスを好む主要な顧客セグメントを特定したが、その特定のエクスペリエンスがなんらかの意味最適でないために、結果として主要なセグメントのいずれかが流動することがあります。新規テストを実装して修正方法を確認し、最終的には、好まれる代替エクスペリエンスを特定することで、Campaign Designerでの作業が容易になります。詳細は、次の記事で確認できます。