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Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド
リリース4.2 for Oracle Database 12c
B71338-03
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7.2 アプリケーション属性について

アプリケーション属性は、アプリケーション全体に適用されます。アプリケーションを作成した後、アプリケーション属性を確認し、必要に応じて更新します。

内容は次のとおりです。


関連項目:

サポートするオブジェクト・ユーティリティを使用したパッケージ・アプリケーションの作成方法の詳細は、「カスタム・パッケージ・アプリケーションの作成方法」を参照してください。

7.2.1 アプリケーション定義の編集

アプリケーション定義の編集ページの属性を使用して、アプリケーションの名前と可用性の編集、および静的置換文字列の定義を行うことができます。

内容は次のとおりです。

7.2.1.1 定義の編集ページへのアクセス

アプリケーション定義を編集するには、次のステップを実行します。

  1. 「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

  2. アプリケーションを選択します。

  3. アプリケーション名の右側にある「アプリケーション・プロパティの編集」ボタンをクリックします。

    bldr_hm_top.gifの説明が続きます
    図bldr_hm_top.gifの説明

    「アプリケーション定義の編集」ページが表示されます。

7.2.1.1.1 ナビゲーションの選択肢について

アプリケーション定義の編集ページは、「名前」、「プロパティ」、「可用性」、「エラー処理」、「グローバル通知」、「置換」、「ロゴ」および「ビルド・オプション」の各セクションから構成されます。これらのセクションにアクセスするには、ページをスクロール・ダウンするか、ページ上部のナビゲーション・ボタンをクリックします。

app_attribute_tabs.gifの説明が続きます
図app_attribute_tabs.gifの説明

ページ上部のボタンを選択すると、選択されたセクションが表示され、その他のセクションはすべて一時的に非表示になります。ページのすべてのセクションを表示するには、「すべて表示」をクリックします。

7.2.1.2 アプリケーション定義の編集ページについて

次の項では、アプリケーション定義の編集ページで使用可能な属性について説明します。必須の値には赤いアスタリスク(*)が付いていることに注意してください。

内容は次のとおりです。

7.2.1.2.1 名前

「名前」を使用して、アプリケーションの基本特性(アプリケーション名、英数字の別名(オプション)、バージョン番号など)を定義します。表7-2に、「名前」のすべての属性を示します。

表7-2「アプリケーション定義」の「名前」

属性 説明

名前

アプリケーションに説明的な短い名前を指定します。この名前によって、アプリケーションを開発環境に存在する他のアプリケーションと区別します。

アプリケーションの別名

代替の英数字アプリケーション識別子を割り当てます。アプリケーションIDに、この識別子を使用できます。

たとえば、アプリケーション105にmyappという別名を作成するとします。この場合、f?p構文を使用して、アプリケーション105を次のいずれかでコールできます。

  • f?p=105:1

  • f?p=myapp:1

関連項目: 「f?p構文を使用したページのリンク」

バージョン

アプリケーションのバージョン番号がページに表示されます。次に示す書式マスクを使用して、自動的にバージョンを最終更新日に結び付けることもできます。

  • YYYY.MM.DD

  • MM.DD.YYYY

  • DD.MM.YYYY

アプリケーションのバージョンで「YYYY.MM.DD」を使用している場合、アプリケーション・ビルダーは、この書式マスクをすべてのアプリケーション属性の最終更新日に置換します。

アプリケーション・グループ

このアプリケーションに現在関連付けられているアプリケーション・グループを表示します。別のアプリケーション・グループを選択するには、リストから選択します。既存のグループからアプリケーションを削除するには、「未割当て」を選択します。

関連項目: 「アプリケーション・グループの作成」


7.2.1.2.2 プロパティ

「プロパティ」を使用して、属性「ロギング」、「デバッグ」、「完全置換」、「アプリケーション・グループ」、「フィードバック」および「デフォルトのエラー表示位置」を有効化します。表7-3に、「名前」のすべての属性を示します。

表7-3「アプリケーション定義」の「プロパティ」

属性 説明

ロギング

ユーザー・アクティビティをOracle Application Expressアクティビティ・ログに記録するかどうかを決定します。「はい」に設定した場合、すべてのページ・ビューがログに記録されるため、管理者はアプリケーションごとにユーザー・アクティビティを監視できます。

高容量アプリケーションでは、ロギングを無効にすることをお薦めします。

この属性は、Oracle Application Express管理サービスの「アプリケーション・アクティビティのロギング」属性が「アプリケーションの設定を使用(デフォルト)」に設定されている場合のみ変更できます。

関連項目: 『Oracle Application Express管理ガイド』のロギングのアプリケーション・アクティビティの有効化に関する説明。

デバッグ

カレント・アプリケーションのデバッグ・モードを制御します。使用可能なオプションは次のとおりです。

  • はい: デバッグ・モードでのアプリケーションの実行が有効になります。

  • いいえ: エンド・ユーザーがデバッグ・モードでアプリケーションを実行できないようにします。

デバッグ・モードでのアプリケーションの実行は、アプリケーションが開発中の場合に役立ちます。ただし、本番アプリケーションの場合は、デバッグを無効にし、ユーザーがアプリケーション・ロジックを参照できないようにすることをお薦めします。

フィードバックを許可

このアプリケーションに対するエンド・ユーザーのフィードバックへのサポートを有効にします。「はい」または「いいえ」を選択します。

このオプションを有効にする場合は、フィードバック・ページと、そのページをコールするナビゲーション・バー・アイコンを作成する必要があります。フィードバックを後で無効にすると、ナビゲーション・バー・アイコンは非表示になります。

関連項目: 「フィードバックの管理」

互換性モード

この属性は、Application Expressエンジンの互換性モードを制御します。一部のランタイム動作はリリースのたびに変更されます。この属性を使用して、特定のアプリケーション動作を取得します。アプリケーションで新しい動作を認識するには、アプリケーションの互換性モードを4.2に設定します。

詳細は、「フィールドレベル・ヘルプ」を参照してください。

アプリケーションの電子メール送信元アドレス

アプリケーションで送信元アドレスとして使用する電子メール・アドレスを決定します。

電子メール・ダウンロードまたはサブスクリプションから電子メールを送信するときに送信元アドレスとしてい使用する有効な電子メール・アドレスを入力します。値には、有効な電子メールを含むリテラル文字列、または置換構文APP_EMAILを使用してアプリケーションで定義された静的置換参照を指定できます。次に例を示します。

john.doe@abc.com
&MY_APP_EMAIL_FROM.

アイテムの置換は、電子メール・ダウンロードでのみ機能し、サブスクリプションでは機能しないため、アプリケーションまたはページレベルでのアイテムの置換の使用はお薦めしません。

「対話モード・レポートの属性」ページで送信元アドレスを指定することもできます。「クラシック・レポートの属性へのアクセス」を参照してください。

プロキシ・サーバー

プロキシ・サーバーを指定する場合は、このフィールドを使用します。

たとえば、URLリージョン・ソース・タイプを使用する場合、プロキシ・サーバーが必要になる場合があります。URLリージョン・ソースは、URLの結果(URLにナビゲートすると戻されるページ)をリージョン・ソースとして埋め込みます。ファイアウォールを使用している場合に、URLがアプリケーション・ビルダーに対してファイアウォールの外側にある場合は、プロキシ・サーバーを指定する必要があります。

PL/SQLパッケージ変数APEX_APPLICATION.G_PROXY_SERVERを使用すると、PL/SQLからこのフィールドに入力した値を参照できます。


7.2.1.2.3 可用性

「可用性」を使用して、アプリケーション・ステータスおよびビルド・ステータスを定義することによって、アプリケーションを管理します。たとえば、ステータス「制限されたアクセス」を選択すると、アプリケーションにアクセスして実行できるユーザーを指定できます。詳細は、表7-4を参照してください。

表7-4「アプリケーション定義」の「可用性」

属性 説明

ステータス

アプリケーションが使用可能または使用不可であることを指定します。オプションは次のとおりです。

  • 使用可能: アプリケーションは制限なしで使用可能です。

  • 編集リンクで使用可能: アプリケーションは使用可能です。開発者に対して、各ページの下部に開発者ツールバーが表示されます。開発者は同じブラウザ・セッションでアプリケーション・ビルダーにログインする必要があります。

  • 開発者のみ使用可能: 開発者権限を持つユーザーがアプリケーションを使用できます。

  • 制限されたアクセス: カンマ区切りのユーザー・リスト限定に指定された開発者がアプリケーションを使用できます。

  • 使用不可: アプリケーションを実行または編集できません。ユーザーがアプリケーションへのアクセスを試みると、「使用できないアプリケーションに対するメッセージ」内のメッセージが表示されます。

  • 使用不可(PL/SQLで表示されるステータス): アプリケーションは実行も編集もできません。

  • 使用不可(URLにリダイレクト): アプリケーションは実行できません。ユーザーは、「使用できないアプリケーションに対するメッセージ」に入力されたURLにリンクされます。

関連項目: Oracle Application Express管理ガイドの「複数のアプリケーションのビルド・ステータスの変更」と「デプロイ時のアプリケーションのビルド・ステータス・セットの変更」、および「アプリケーション、ページおよびページ・コンポーネントへのアクセスの制御」

ビルド・ステータス

カレント・アプリケーションのビルド・ステータスを指定します。オプションは次のとおりです。

  • アプリケーションの実行および構築: 開発者とユーザーのどちらもアプリケーションを実行および開発できます。

  • アプリケーションの実行のみ: ユーザーはアプリケーションの実行のみが可能です。このオプションは、本番インスタンスのアプリケーション用です。

関連項目: Oracle Application Express管理ガイドの「デプロイ時のアプリケーションのビルド・ステータス・セットの変更」

使用できないアプリケーションに対するメッセージ

この属性は、「ステータス」とともに使用します。「ステータス」を「使用不可」「使用不可(PL/SQLで表示されるステータス)」または「使用不可(URLにリダイレクト)」に設定すると、この属性に入力したテキストが表示されます。「ステータス」を「使用可能」に設定した場合、この属性に入力したテキストは表示されません。

カンマ区切りのユーザー・リスト限定(ステータスが「制限されたアクセス」の場合のみ)

この属性はステータス「制限されたアクセス」とともに使用します。ステータスを「制限されたアクセス」に設定すると、この属性に示されているユーザーのみがアプリケーションを実行できます。この属性を使用するには、次のステップを実行します。

  1. 「ステータス」リストから、「制限されたアクセス」を選択します。

  2. 表示されたフィールドに、アプリケーションを実行できるユーザーのカンマ区切りのリストを入力します。


7.2.1.2.4 エラー処理

表7-5で説明する属性を使用して、アプリケーションがエラーのログを記録する方法を制御または変更します。ここで指定するエラー処理ファンクションは、同様のページ・レベル属性によって上書きされます。詳細は、ページ属性の概要を参照してください。

表7-5 「アプリケーション定義」の「エラー処理」

属性 説明

デフォルトのエラー表示位置

Application Expressまたはプラグインによって実行される基本検証の検証エラー・メッセージを表示する位置を指定します。検証エラー・メッセージは、通知領域(ページ・テンプレートの一部として定義)またはフィールド・ラベル内に表示できます。オプションは次のとおりです。

  • フィールドおよび通知でインライン表示: エラー・メッセージは、ページ・テンプレートの一部として定義される通知領域に表示されます。

  • フィールドでインライン表示: エラー・メッセージはフィールド・ラベル内に表示されます。

  • 通知でインライン表示: ページでエラーが発生した場合に#NOTIFICATION_MESSAGE#テンプレート置換文字列に表示するエラー・テキストを入力します。

エラー処理ファンクション

既存のエラー・メッセージを変更し、よりわかりやすいメッセージを表示するか、エラーが発生した場合にそれをログに記録するためにコールするPL/SQLエラー・ファンクションの名前を入力します。このファンクションは、データベース内のパッケージ・ファンクションまたはスタンドアロンのファンクションを参照できます。次に例を示します。

log_apex_error

データベースのPL/SQLパッケージまたはスタンドアロンのファンクションを参照する場合、#OWNER#置換文字列を使用して、カレント・アプリケーションの解析対象スキーマを参照します。次に例を示します。

#OWNER#.log_apex_error

apex_errorパッケージで説明されている構文を使用してエラー処理ファンクションを実装する必要があります。

function <name of function> (
    p_error in apex_error.t_error )
    return apex_error.t_error_result

関連項目: 『Oracle Application Express APIリファレンス』apex_errorに関する説明

注意: ここで指定するエラー処理ファンクションは、ページ・レベルで指定されるエラー処理により上書きされます。詳細は、ページ属性の概要を参照してください。


7.2.1.2.5 グローバル通知

「グローバル通知」属性は、アプリケーション・ユーザーに対するシステム・ステータスの通知に使用します。たとえば、この属性を使用して、スケジュールされた停止時間をユーザーに通知したり、アプリケーションの可用性に関するその他のメッセージを通知できます。アプリケーションで使用されるページ・テンプレートに#GLOBAL_NOTIFICATION#置換文字列が含まれている場合は、ここに入力するテキストがその文字列の場所に表示されます。

グローバル通知を作成するには、次のステップを実行します。

  1. ページ・テンプレートに#GLOBAL_NOTIFICATION#置換文字列を含めます。

  2. アプリケーション定義の編集ページにナビゲートし、「グローバル通知」属性にメッセージを入力します。

  3. 「変更の適用」をクリックします。

7.2.1.2.6 置換

これらのフィールドは、アプリケーションで使用する静的置換文字列を定義する際に使用します。アプリケーション内の多くの場所に出現する文字列やラベルに静的置換文字列を使用できます。置換文字列を作成するには、「置換文字列」列に文字列名を、「置換値」列に文字列値を入力します。

静的置換文字列を定義すると、このページで定義した「置換値」を変更するだけで、アプリケーション内の複数の場所のテキスト文字列をまとめて変更できます。

7.2.1.2.7 ビルド・オプション

既存のビルド・オプションを表示します。ほとんどのアプリケーションには、ビルド・オプション属性があります。ビルド・オプションは、INCLUDEまたはEXCLUDEという2つの値をとることができます。属性を含めるように指定すると、Application Expressエンジンは、実行時にその属性を考慮します。ただし、属性を除外するように指定すると、Application Expressエンジンは、その属性を存在しないものとして処理します。

オブジェクトを特定のインストールから除外する場合を除き、ビルド・オプションは指定しないでください。

7.2.2 セキュリティ属性の構成

アプリケーションに対するセキュリティを提供するには、セキュリティ属性の編集ページで属性を編集します。選択したセキュリティ属性は、アプリケーション内のすべてのページに適用されます。

内容は次のとおりです。

7.2.2.1 セキュリティ属性の編集ページへのアクセス

セキュリティ属性の編集ページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. 「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

  2. アプリケーションを選択します。

  3. 「共有コンポーネント」をクリックします。

    共有コンポーネント・ページが表示されます。

  4. 「セキュリティ」で、「セキュリティ属性」をクリックします。

    セキュリティ属性の編集ページが表示されます。


ヒント:

「アプリケーション定義の編集」にナビゲートして「セキュリティ」タブをクリックしても、「セキュリティ属性の編集」にアクセスできます。「定義の編集ページへのアクセス」を参照してください。

7.2.2.1.1 ナビゲーションの選択肢について

セキュリティ属性の編集ページは、「認証」、「認可」、「データベース・スキーマ」、「セッション・タイムアウト」、「セッション・ステート保護」および「データベース・セッション」の各セクションから構成されます。これらのセクションにアクセスするには、ページをスクロール・ダウンするか、ページ上部のナビゲーション・ボタンをクリックします。

sec_attribute_tabs.gifの説明が続きます
図sec_attribute_tabs.gifの説明

ページ上部のボタンを選択すると、選択されたセクションが表示され、その他のセクションはすべて一時的に非表示になります。ページのすべてのセクションを表示するには、「すべて表示」をクリックします。

7.2.2.2 セキュリティ属性ページについて

次の項では、セキュリティ属性の編集ページで使用可能な属性について説明します。

内容は次のとおりです。

7.2.2.2.1 認証

認証は、ユーザーがアプリケーションにアクセスする前に、そのユーザーの本人確認を行うプロセスです。アプリケーションに対して複数の認証スキームを定義できますが、一度にカレントに設定できるスキームは1つだけです。表7-6に、認証で使用可能な属性を示します。

表7-6 認証属性

属性 説明

パブリック・ユーザー

データベース・アクセス記述子(DAD)を介したデータベースへの接続に使用するOracleスキーマを示します。デフォルト値は、データベース・サーバーのバージョンがOracle Database Express Editionの環境ではANONYMOUS、その他すべてのバージョンのデータベース・サーバー環境ではAPEX_PUBLIC_USERです。

ユーザーの本人確認が行われると、Application Expressエンジンが組込み置換文字列APP_USERの値を設定して、各ユーザーを追跡します。

注意: 以前のバージョンのOracle Application Expressでは、組込み置換文字列HTMLDB_PUBLIC_USERが使用されていました。

APP_USERがこの値と等しいと、Application Expressエンジンはカレント・セッションをパブリック・ユーザー・セッションとみなします。Application Expressエンジンは、次の組込み表示条件をサポートしています。

  • USER_IS_PUBLIC_USER

  • USER_IS_NOT_PUBLIC_USER

カレント・アプリケーション・ユーザー(APP_USER)がこの属性の値と等しい場合、ユーザーはパブリック・ユーザーとしてログインされます。一部のアプリケーションには、パブリック・モード(ログインが不要)およびプライベート・モード(ログインが必要)があります。ユーザーがパブリック・ユーザーかどうかを判断して、条件付きで情報の表示と非表示を切り替えることができます。

たとえば、ユーザーがパブリック・ユーザーの場合はログイン・ボタンを表示し、ユーザーがパブリック・ユーザーでない場合にはログアウト・リンクを表示するように設定できます。この値を参照するには、APEX_APPLICATION.G_PUBLIC_USERを使用します。また、Application Expressエンジンには、組込み条件タイプUSER_IS_PUBLIC_USERおよびUSER_IS_NOT_PUBLICもあります。

関連項目: 「HOME_LINK」および「条件付きのレンダリングおよびプロセスの理解」

認証スキーム

アプリケーションに定義されている認証スキームから選択します。認証スキームを作成するには、「認証スキームの定義」をクリックします。

関連項目: 「認証の仕組みの理解」および「認証スキームの作成」

ディープ・リンク

この属性を使用して、アプリケーションのディープ・リンクを有効または無効にします。オプションは次のとおりです。

  • 有効: 特定のページへのURLは、最終的にそのページにリダイレクトされます(場合によってはユーザーのログイン後)。

  • 無効: URLに有効なセッションIDが含まれていない場合、Application Expressは新しいセッションを開始し、アプリケーションのホーム・ページにリダイレクトします。

たとえば、多くの場合、ブラウザは開いたタブのURLを保存し、再起動後にセッションをリストアしようとするため、ディープ・リンクが発生します。この動作は望ましくない場合があります(URLがマルチステップ・ウィザードの途中のページを指す場合など)。「無効化」を選択すると、Application Expressは新しいセッションを開始し、アプリケーションのホーム・ページにリダイレクトします。

関連項目: ページ・レベルでこの動作を上書きする場合の詳細は、「セキュリティ」を参照してください。


7.2.2.2.2 認可

認可は、ユーザー権限に基づいて、特定のコントロールまたはコンポーネントへのユーザーのアクセスを制御します。「認可スキーム」リストから選択して、アプリケーションの認可スキームを指定できます。たとえば、会社の従業員のみがアプリケーションにログインできるようにするには、ユーザーの電子メールが@somecompany.comで終わる場合にtrueになる認可スキームを定義し、このオプションでその認可スキームを選択します。アプリケーション全体に1つの認可スキームのみを割り当てることができます。ただし、認可スキームは、個々のページ、ページ・コントロール(リージョン、ボタン、アイテムなど)または共有コンポーネント(メニュー、リスト、タブなど)に割り当てることができます。

認可スキームを作成するには、「認可スキームの定義」をクリックします。

パブリック・ページ(つまり、認可を必要としないページ)で、アプリケーション・レベルの認可スキームをチェックするかどうかを制御するには、「パブリック・ページで実行」を使用します。オプションは次のとおりです。

  • はい: 「はい」を選択し、ページがパブリックの場合は、アプリケーション認可がチェックされます。

  • いいえ: 「いいえ」を選択し、ページがパブリックの場合は、アプリケーション認可が無視されます。

通常、認可はユーザー名に依存するため、アプリケーション・レベルの認可は、(「パブリック・ページで実行」にかかわらず)ログイン・ページでは評価されません。

7.2.2.2.3 データベース・スキーマ

カレント・アプリケーションのデータベース・スキームを指定するには、解析対象スキーマを使用します。定義後は、アプリケーションによって発行されるすべてのSQLおよびPL/SQLコマンドが、定義したデータベース・スキーマの権限で実行されます。

7.2.2.2.4 セッション・タイムアウト

オープンWebブラウザで、取り消されたコンピュータにアプリケーションが公開される時間を短くするには、次の属性を使用します。

  • 最大セッションの長さ: セッションが存在し、このアプリケーションにより使用される秒数を制御する正の整数を入力します。インスタンス・レベルの設定に値を戻すには、この値をNULLのままにします。セッションが無期限に存在するようにするには、0を入力します。セッション存続期間より、8時間ごとに実行され、12時間より前から存在するセッションを削除するジョブの操作が優先される場合があります。

  • セッション・タイムアウト時に、このURLにダイレクト: 最大セッション存続期間を超えた際にリダイレクトされるオプションのURLを入力します。このURLのターゲット・ページは、Application Expressで実装された場合、パブリック・ページである必要があります。このページの一般的な用途は、ユーザーにセッションの有効期間を知らせ、ログイン・リンクや他のオプションを表示することです。URLを指定しない場合、リダイレクト先はアプリケーションのホームページになります。

    このURLでは次の3つの置換アイテムのみがサポートされます:

    • &APP_SESSION.

    • &SESSION.

    • &APP_ID.

    このURLは特別な目的を持つため、リンクに&APP_SESSION.および&SESSION.のいずれも含める必要はありません。

  • 最大セッション・アイドル時間: このアプリケーションが使用するセッションの停止時間またはアイドル時間を制御する正の整数を秒数で入力します。アイドル時間は、あるページ・リクエストと次のページ・リクエストとの間の時間です。インスタンス・レベルの設定に値を戻すには、この値をNULLのままにします。0に設定すると、セッションのアイドル時間のチェックは行われません。

  • セッション・アイドル時間のタイムアウト時に、このURLにダイレクト: 最大セッション・アイドル時間を超えた場合にリダイレクト先となるオプションのURLを入力します。このURLのターゲット・ページは、Application Expressで実装された場合、パブリック・ページである必要があります。このページの一般的な用途は、ユーザーにセッションのタイムアウトを知らせ、ログイン・リンクや他のオプションを表示することです。URLを指定しない場合、リダイレクト先はアプリケーションのホームページになります。

    このURLでは次の3つの置換アイテムのみがサポートされます:

    • &APP_SESSION.

    • &SESSION.

    • &APP_ID.

    このURLは特別な目的を持つため、リンクに&APP_SESSION.および&SESSION.のいずれも含める必要はありません。


関連項目:

「セッション・タイムアウトの理解」およびOracle Application Express管理ガイドの「セッション・タイムアウトの構成」

7.2.2.2.5 セッション・ステート保護

セッション・ステート保護を有効にすると、ハッカーがアプリケーション内のURLを改ざんするのを防ぐことができます。URL改ざんにより、プログラム・ロジック、セッション・ステートの内容および情報プライバシが悪影響を受ける可能性があります。

アプリケーションのセッション・ステート保護を有効または無効にするには、「セッション・ステート保護」リストから選択します。セッション・ステート保護を有効に設定すると、ページおよびアイテム・レベルで定義されたセッション・ステート保護コントロールがオンになります。

ブックマーク済リンクにチェックサムが含まれ、セッション・ステート保護がアプリケーションに対して有効な場合、「この後に作成されるURLの許可」に、ブックマーク済リンクをこのアプリケーションのページへのアクセスに使用できるようになった日時がリストされます。

この日付および時間より前に作成されたブックマークは、ブックマーク済リンクにチェックサムが含まれ、セッション・ステート保護がアプリケーションに対して有効な場合、このアプリケーションへのアクセスに使用できません。チェックサムを含まないブックマークまたは不要なチェックサムを含むブックマークは、この属性による影響を受けません。これらの有用性は、他の基準を使用して決定されます。非表示のアプリケーション属性(チェックサム・ソルト)は、計算時と、ページのレンダリング時に生成されたf?p= URLに含まれるチェックサムのその後の検証時に使用されます。チェックサムは、「セッション・ステート保護」がアプリケーションに対して有効な場合に含まれます。このチェックサム・ソルト属性は、「ブックマークの無効化」ボタンをクリックすると、いつでもリセットできます。このボタンをクリックすると、以前に生成されたチェックサムを含むブックマーク済URLは、その後にアプリケーションへのアクセスに使用されるときに失敗します。

セッション・ステート保護を構成するには、「セッション・ステート保護の管理」をクリックします。

7.2.2.2.6 ブラウザ・セキュリティ

「キャッシュ」を使用して、アプリケーションのページ・コンテンツのブラウザによるキャッシュを有効化または無効化します。有効化すると、ブラウザはこのアプリケーションのページ・コンテンツを、メモリー内とディスク上の両方のキャッシュに保存します。キャッシュが有効になっている場合に、ブラウザの「戻る」ボタンがクリックされると、通常、ページはサーバーからではなくキャッシュからロードされます。無効にすると、ブラウザはアプリケーションのページ・コンテンツを保存しないように指示され、URLが変更されるたびにサーバーから最新のページ・コンテンツをリクエストします。

機密データが保存されないようにするために、この属性を無効にすることをお薦めします。そうしない場合、ログアウト後にブラウザ履歴で前に戻り、以前のセッションのキャッシュされたコンテンツを表示できる可能性があります。ブラウザのキャッシュを無効にすると、部分ページ・リフレッシュを使用するページ(対話モード・レポートを含むページなど)での問題も回避できます。

この属性が「無効」に設定されている場合、ページ・コンテンツをディスク上またはメモリー内にキャッシュしないようにブラウザに指示するHTTPヘッダーcache-control: no-storeがApplication Expressにより送信されます。この機能には、HTTPヘッダー・レスポンス変数cache-controlをサポートする最新のブラウザが必要であることに注意してください。

「フレームへの埋込み」を使用して、ブラウザでアプリケーションのページをフレーム内に表示できるかどうかを制御します。使用可能なオプションは次のとおりです。

  • 拒否: 実行するサイトに関係なく、ページをフレームに表示できません。

  • 同じ起点から許可: ページ自体と同じ起点のフレームにのみ、ページを表示できます。

  • 許可: ページを任意のフレームで表示できます。

フレーム内のページの表示は、クリックジャック攻撃で不正に使用される場合があります。クリックジャック攻撃では、攻撃者は複数のレイヤーを使用して、ユーザーがトップ・レベル・ページをクリックしようとしたときに、別のページ上のボタンやリンクをクリックさせます。したがって、意図したページに対するクリック(またはキーストローク)が攻撃者によりハイジャックされ、別のページに移動させられます。


ヒント:

これらのいずれの機能にも、HTTPヘッダー・レスポンス変数X-Frame-Optionsをサポートする最新のブラウザが必要です。

Oracle Application Expressが特殊文字をエスケープする方法を定義するには、「HTMLエスケープ・モード」を使用します。オプションは次のとおりです。

  • 基本: &"<および>をエスケープします。

  • 拡張: &"<>'/およびASCII以外の文字(データベース・キャラクタ・セットがAL32UTF8ではない場合)をエスケープします。

7.2.2.2.7 データベース・セッション

「データベース・セッション」で使用できる属性には、次のものがあります。

  • 初期化PL/SQLコード

    この属性を使用して、現在の「ページの表示」または「ページの受入れ」リクエストに関連付けられたデータベース・セッションに対してコンテキストを設定するPL/SQLブロックを入力します。ここに入力したブロックは、ページ・リクエスト時の非常に早い段階(APP_USER値が確立された直後)で実行されます。APP_USERの値(:APP_USERまたはv('APP_USER')を使用)をブロック内で使用できます。セッション・ステート内の他のアイテムの値も参照できますが、これらのアイテムは現在のページ・リクエストが開始する前にセッション・ステートに確立されている必要があります。次に例を示します。

    dbms_session.set_context('CTX_USER_QRY','USERPRIV',my_package.my_function(:APP_USER));
    

    この例では、CTX_USER_QRYというコンテキストのUSERPRIVの値が、パッケージmy_packageのファンクションmy_functionによって返される値に設定されます。ファンクションには、入力引数としてAPP_USERの現行の値が渡されます。指定したコンテキストがVPDポリシー(すでにアプリケーションの解析対象スキーマ内で作成されている)内で使用され、認証されたユーザーに適した条件の生成が行われます。

    ファイングレイン・アクセス制御(FGAC)とも呼ばれる仮想プライベート・データベースは、開発者がセキュリティ・ポリシーをデータベースの表およびビューに割り当てることができるApplication Programming Interface(API)を提供するOracle Databaseの機能です。開発者はPL/SQLを使用して、ストアド・プロシージャを含むセキュリティ・ポリシーを作成し、RDBMSパッケージをコールしてそのプロシージャを表またはビューにバインドできます。このようなポリシーは、データベース内に格納されているアプリケーション・データのコンテンツか、またはOracle Databaseが提供するコンテキスト変数に基づいています。これによって、VPDではアクセス・セキュリティ・メカニズムをアプリケーションから取り除き、特定のスキーマに近い状態にできます。

    このセクションで入力するコードはVPD/FGACに関連付ける必要はありません。このコードはセキュリティにまったく関連していない場合があります。ページ・リクエストの最初の時点で実行する必要があるコードは、すべてここに指定できます。たとえば、各ページ・リクエストに対してデータベース・セッションのタイムゾーンを設定するには、次のように指定します。

    BEGIN
      EXECUTE IMMEDIATE 'alter session set time_zone = ''Australia/Sydney'' ';
    END;
    
  • PL/SQLコードのクリーンアップ

    この属性を使用して、ページ・プロセスの最後に実行するPL/SQLブロックを入力します。たとえば、この属性を使用すると、VPDコンテキストやデータベース・リンクなどのリソースを解放またはクリーンアップできます。

    例1:

    dbms_session.clear_context('CTX_USER_QRY');
    

    このコールでは、データベース・セッションがセッション・プールに戻される前にCTX_USER_QRYというアプリケーション・コンテキストが再設定され、データベース・セッションが再利用される際に情報が漏洩しないようにします。

    例2:

    dbms_session.close_database_link('SALES');
    

    このコールでは、リンクを介してデータを問い合せることにより、「初期化PL/SQLコード」でまたは暗黙的に開かれているデータベース・リンクSALESが閉じられます。これにより、リソースが解放され、データベース・セッションの再利用時のリソースの漏洩が防止されます。


関連項目:

「認可を介したセキュリティの提供」およびOracle Label Security管理者ガイド

7.2.3 グローバリゼーション属性の構成

アプリケーション・ビルダーでは、異なる言語で同時に実行可能なアプリケーションを開発できます。1つのアプリケーションを、異なる言語をサポートするよう変換できます。グローバリゼーション属性の編集ページの属性を使用して、プライマリ・アプリケーション言語などのグローバリゼーション・オプションを指定します。

内容は次のとおりです。

7.2.3.1 グローバリゼーション属性のページへのアクセス

グローバリゼーション属性の編集ページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. 「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

  2. アプリケーションを選択します。

    アプリケーションのホームページが表示されます。

  3. 「共有コンポーネント」をクリックします。

    共有コンポーネント・ページが表示されます。

  4. 「グローバリゼーション」で、「グローバリゼーション属性」をクリックします。

    グローバリゼーション属性の編集ページが表示されます。


ヒント:

「アプリケーション定義の編集」にナビゲートして「グローバリゼーション」タブをクリックしても、グローバリゼーション属性の編集ページにアクセスできます。「定義の編集ページへのアクセス」を参照してください。

7.2.3.2 グローバリゼーション属性の編集ページについて

次の項では、グローバリゼーション属性の編集ページで使用可能な属性について説明します。

7.2.3.2.1 アプリケーションのプライマリ言語

アプリケーションを開発する言語を指定します。この言語が、すべての変換の元となるベース言語になります。たとえば、英語で作成されたアプリケーション100が、フランス語に変換され、アプリケーション101として公開されたとします。英語がアプリケーションのプライマリ言語になります。

アプリケーションに対するすべての変更は、ここで指定したプライマリ言語で行う必要があります。

7.2.3.2.2 アプリケーション言語の派生元

アプリケーション・ビルダーでのアプリケーション言語の特定または導出の方法を決定します。

アプリケーションのプライマリ言語は静的にする(Webブラウザの言語から派生される)か、またはユーザー・プリファレンスまたはアイテムから決定されるようにできます。また、データベース言語設定により、日付の表示方法や特定の情報のソート方法を決定することもできます。

このオプションを使用すると、派生したブラウザ言語のサポートを無効にできます。アプリケーションのプリファレンスから派生したアプリケーション言語を指定するオプションも表示されます。詳細は、「フィールドレベル・ヘルプ」を参照してください。

7.2.3.2.3 アプリケーション日付書式

アプリケーションで使用する日付書式を決定します。

この日付書式を使用すると、NLS_DATE_FORMATデータベース・セッションの設定が変更されてから、アプリケーション内のページが表示または送信されます。この値には、有効なOracle日付書式マスクを含むリテラル文字列、または置換構文を使用したアイテム参照を指定できます。値が指定されていない場合は、データベース・セッションからデフォルトの日付書式が実行時に取得されます。次に例を示します。

Month DD, YYYY
&MY_DATE_FORMAT.

7.2.3.2.4 アプリケーションの日時書式

アプリケーションで使用する日時書式を指定します。

この日時書式は、置換参照&APP_DATE_TIME_FORMAT.を使用するか、PL/SQLでv('APP_DATE_TIME_FORMAT')ファンクションを使用して、アプリケーション内で参照できます。この属性によってNLS設定が変更されることはありません。この値には、有効なOracle日付書式マスクを含むリテラル文字列、または置換構文を使用したアイテム参照を指定できます。この属性値を指定しない場合、APP_DATE_TIME_FORMATへの参照はNLSデータベース・セッションの日付書式とNLS時刻書式を返します。次に例を示します。

Month DD, RRRR HH24:MI
&MY_DATE_TIME_FORMAT.

7.2.3.2.5 アプリケーションのタイムスタンプ書式

アプリケーションで使用するタイムスタンプ書式を決定します。LOVからタイムスタンプ書式を選択します。

このタイムスタンプ書式を使用すると、NLS_TIMESTAMP_FORMATデータベース・セッションの設定が変更されてから、アプリケーション内のページが表示または送信されます。この値には、有効なOracleタイムスタンプ書式マスクを含むリテラル文字列、または置換構文を使用したアイテム参照を指定できます。値が指定されていない場合は、データベース・セッションからデフォルトのタイムスタンプ書式が実行時に取得されます。次に例を示します。

DD-MON-RR HH.MI.SSXFF AM
&MY_TIMESTAMP_FORMAT.

7.2.3.2.6 アプリケーションのタイムスタンプ・タイムゾーン書式

アプリケーションで使用するタイムゾーン付きのタイムスタンプ書式を決定します。

この日付書式を使用すると、NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMATデータベース・セッションの設定が変更されてから、アプリケーション内のページが表示または送信されます。この値には、有効なOracleタイムスタンプ書式マスクを含むリテラル文字列、または置換構文を使用したアイテム参照を指定できます。値が指定されていない場合は、データベース・セッションからデフォルトのタイムゾーン付きのタイムスタンプ書式が実行時に取得されます。次に例を示します。

DD-MON-RR HH.MI.SSXFF AM TZR
&MY_TIMESTAMP_TZ_FORMAT.

7.2.3.2.7 文字の値の比較

ORDER BYLIKEMIN/MAXなど、様々なSQL操作およびSQL句で文字の値を比較する際の照合順序を決定します。

この値を使用すると、クラシック・レポートおよび対話モード・レポート・リージョンのSQL問合せの実行に対するNLS_SORTデータベース・セッション・パラメータが変更されます。値が指定されていない場合は、データベース・セッションからデフォルト値が実行時に取得されます。次に例を示します。

BINARY
GERMAN
CANADIAN_M

7.2.3.2.8 文字の値の比較動作

LIKEMIN/MAXなど、SQL操作の照合動作を決定します。

この値を使用すると、クラシック・レポートおよび対話モード・レポート・リージョンのSQL問合せの実行に対するNLS_COMPデータベース・セッション・パラメータが変更されます。オプションは次のとおりです。

  • データベース・セッションのNLS設定(デフォルト): NLS_COMP値は、実行時にデータベース・セッションから取得されます。

  • バイナリ: WHERE句および他のSQL操作での比較はバイナリです。

  • 言語形式: WHERE句および他のSQL操作での比較は、「文字の値の比較」属性(NLS_SORT)で指定した言語ソートを使用します。

7.2.3.2.9 自動タイムゾーン

データベース・セッションのタイムゾーンの設定を制御します。「はい」に設定すると、クライアント・タイムゾーンがクライアントのWebブラウザから取得され、Application Expressセッションの継続時間用に設定されます。

その後のページ・ビューには、ページ・ビューごとに適切なデータベース・セッション・タイムゾーンが設定されます。設定後、この設定はAPEX_UTIL.SET_SESSION_TIME_ZONEを使用して上書きしたり、APEX_UTIL.RESET_SESSION_TIME_ZONEを使用して再設定することができます。


関連項目:

『Oracle Application Express APIリファレンス』

7.2.3.2.10 自動CSVエンコーディング

自動CSVエンコーディングは、アプリケーションのすべてのカンマ区切り(CSV)レポートの出力エンコーディングを制御します。自動CSVエンコーディングのデフォルト値は「いいえ」です。自動CSVエンコーディングを「はい」に設定した場合、CSVレポートの出力は、ローカライズされたデスクトップ・アプリケーションと互換性のあるキャラクタ・セットに変換されます。CSVエンコーディングのキャラクタ・セットは、「アプリケーション言語の派生元」の設定によって決まります。

アプリケーション・ビルダーのページのエンコーディングは、Oracle Application Expressへのアクセスに使用されるデータベース・アクセス記述子(DAD)のキャラクタ・セットによって決まります。たとえば、データベース・アクセス記述子のキャラクタ・セットがAL32UTF8である場合、Oracle Application Expressユーザー・インタフェースの全アプリケーションのすべてのページはUTF-8でエンコードされます。

デフォルトでは、レポート・リージョンからのCSV出力は、データベース・アクセス記述子と同じキャラクタ・セットでエンコードされます。ただし、一部のデスクトップ・スプレッドシート・アプリケーションでは、データがクライアント・デスクトップのオペレーティング・システムのキャラクタ・セットでエンコードされる必要があります。マルチバイト・データの場合、レポート・リージョンからのCSV出力をデスクトップのスプレッドシート・アプリケーションで開くと壊れて表示されることがよくあります。これは、レポート・リージョンからのCSV出力のエンコーディングが、デスクトップ・アプリケーションで必要とされるエンコーディングと異なるためです。自動CSVエンコーディングを有効にすると、この問題が解決します。

たとえば、アプリケーションに対するユーザーの言語プリファレンスがdeである場合、データベース・アクセス記述子のキャラクタ・セット設定にかかわらず、CSVデータは西ヨーロッパ語(Windows 1252)でエンコードされます。ユーザーの言語プリファレンスがzh-cnの場合、CSVデータは中国語(GBK)でエンコードされます。

7.2.4 アプリケーションのユーザー・インタフェースの管理

ユーザー・インタフェース・ページの属性を使用して、アプリケーションのユーザー・インタフェース・オプションを指定します。

内容は次のとおりです。

7.2.4.1 ユーザー・インタフェース・ページへのアクセス

ユーザー・インタフェース・ページにアクセスするには、次のステップを実行します。

  1. 「ワークスペース」ホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。

  2. アプリケーションを選択します。

    アプリケーションのホームページが表示されます。

  3. 「共有コンポーネント」をクリックします。

    共有コンポーネント・ページが表示されます。

  4. 「ユーザー・インタフェース」で「ユーザー・インタフェース属性」をクリックします。

    ユーザー・インタフェース・ページが表示されます。


ヒント:

「アプリケーション定義の編集」にナビゲートして「ユーザー・インタフェース」タブをクリックしても、ユーザー・インタフェース・ページにアクセスできます。「定義の編集ページへのアクセス」を参照してください。

7.2.4.2 ユーザー・インタフェース・ページについて

次の項では、ユーザー・インタフェース・ページで使用可能な属性について説明します。

内容は次のとおりです。

7.2.4.2.1 一般プロパティ

「一般プロパティ」を使用して、アプリケーション・ユーザー・インタフェースの基本的な特性を定義します。表7-7に、「一般プロパティ」のすべての属性を示します。

表7-7 「ユーザー・インタフェース」、「一般プロパティ」

属性 説明

イメージ接頭辞

アプリケーション・ビルダーによって分散されたイメージ・ディレクトリを指すためにWebサーバーが使用する仮想パスを決定します。インストール時、仮想パスは/i/として構成されます。

静的テキスト(ページ、リージョン・ヘッダー、リージョン・フッターなど)にイメージを埋め込む場合は、置換文字列#IMAGE_PREFIX#を使用してイメージを参照できます。たとえば、イメージgo.gifを参照するには、次の構文を使用します。

<img src="#IMAGE_PREFIX#go.gif">

関連項目: 「IMAGE_PREFIX」「イメージの管理」および「イメージの参照」

コンテンツ配信ネットワーク

サード・パーティのライブラリ、jQueryおよびjQuery Mobileをロードするために使用するコンテンツ配信ネットワークを指定します。

コンテンツ配信ネットワークを使用すると、ユーザーが、同じコンテンツ配信ネットワークを使用してjQueryファイルをロードする他のWebサイトにアクセスしたことがある場合は、アプリケーションのロード時間を短縮できます。通常、これらのファイル・コールはまだブラウザ・キャッシュ内に存在し、再度ダウンロードする必要がありません。ファイルがキャッシュからパージされることは少ないため、特にブラウザ・キャッシュに制限のあるモバイル・デバイスでは、パフォーマンスが向上します。

メディア・タイプ

インターネット・メディア・タイプを入力します。インターネット・メディア・タイプは、2つの部分で構成される、インターネット上のファイル形式を表す識別子です。メディア・タイプは、少なくともタイプとサブタイプの2つの部分で構成され、オプションで1つ以上のパラメータを指定します。メディア・タイプは、ページ描画の際にHTTPヘッダーのContent-Typeで使用されます。

ページ・レベルのメディア・タイプが、アプリケーション・レベルのメディア・タイプを上書きします。この属性のデフォルト値はNULLです。ページ・レベルとアプリケーション・レベルの両方でメディア・タイプの値がNULLの場合、メディア・タイプとしてtext/htmlが使用されます。


7.2.4.2.2 ロゴ

「ロゴ」属性は、アプリケーション・ロゴを定義する際に使用します。アプリケーション・ロゴは、テキスト・ベースにもイメージ・ベースにもできます。この機能を使用するには、ページ・テンプレートに#LOGO#置換文字列が含まれている必要があります。

アプリケーション・ロゴを定義するには、次のステップを実行します。

  1. 「ロゴ・タイプ」で次のいずれかを選択します。

    • アプリケーション・ロゴにイメージを使用する場合は、「イメージ」を選択します。

    • アプリケーション・ロゴにテキストを使用する場合は、「テキスト」を選択します。

  2. 「ロゴ」で、次のように入力します。

    • イメージの場合、イメージの完全な名前(ファイル名拡張子を含む)を入力してください。次に例を示します。

      /i/oracle.gif
      
    • テキストの場合、テキスト文字列全体を入力してください。次に例を示します。

      Sample Application
      
  3. 「ロゴ属性」で、ロゴの適切な属性を入力するか、またはリストから選択します。

    イメージの例:

    width="100" height="20" alt="Company Logo"
    

    テキストの例:

    style="font-family:Arial; color:#000000; font-size:18; white-space:nowrap; font-weight:bold;"
    

7.2.4.2.3 JavaScript

表7-8で説明する属性を使用して、アプリケーションがJavaScriptを処理する方法を制御または変更します。

表7-8 ユーザー・インタフェース、JavaScript

属性 説明

ファイルURL

すべてのページにロードするコードのJavaScriptのファイルURLを入力します。各URLを新しい行に記述する必要があります。ファイルの縮小バージョンを指定する場合、置換文字列#MIN#を使用して、通常ページ・ビューのファイルURLに.minを含めたり、ページをデバッグ・モードで表示する場合は空の文字列を含めることができます。

ここに入力したJavaScriptのファイルURLによって、ページ・テンプレート内の#APPLICATION_JAVASCRIPT#置換文字列が置き換えられます。

注意: スクリプトの開始タグや閉じタグを含める必要はありません。URLのみを記述します。

次に例を示します。

  • 標準ファイル参照:

    /myjs/main.js
    
  • 通常ページ・ビューの縮小ファイルmain.min.jsおよびデバッグ・モードのmain.jsをロードする標準ファイル参照。

    /myjs/main#MIN#.js
    
  • Internet Explorerの条件付きファイル

    [if IE]/myjs/ie.js
    

レガシーJavaScriptを含める

レガシーJavaScriptファンクションがアプリケーション内のすべてのページに含まれているかどうかを指定します。使用しているアプリケーションに、レガシー・ファンクションへの参照が含まれていないことが確実な場合は、これを「いいえ」に設定して、ロードされるJavaScriptファイルの全体のサイズを削減します。


7.2.4.2.4 ユーザー・インタフェースの検出

自動検出が失敗した際に、Oracle Application Expressが使用可能なユーザー・インタフェースを表示するためにロードする必要のあるスタイルシートのカスケード・スタイルシート(CSS)のファイルURLを入力します。各URLは新規行に書き込む必要があります。ファイルの縮小バージョンを指定する場合、置換文字列#MIN#を使用して、通常ページ・ビューのファイルURLに.minを含めたり、ページをデバッグ・モードに表示する場合は空の文字列を含めることができます。置換文字列#APP_VERSION#を使用して、アプリケーションのバージョンをそのファイルのURLに含めることもできます。URLを入力しない場合、Oracle Application Expressではデフォルトのスタイルシートが使用されます。

次に例を示します。

  • 標準ファイル参照:

    /mycss/main.css
    
  • 通常ページ・ビューの縮小ファイルmain.min.cssおよびデバッグ・モードのmain.cssをロードする標準ファイル参照:

    /mycss/main#MIN#.css
    
  • 条件付きメディア問合せ:

    [media="only screen and (max-device-width: 480px)"]/mycss/smartphone.css
    
  • Internet Explorerの条件付きファイル:

    [if IE]/mycss/ie.css
    
  • アプリケーション・バージョンを参照するURLで問合せ文字列を使用するファイル参照(アプリケーションがアップグレードされた(バージョンが増分された)ときに、ブラウザが新しいファイルをロードして、以前にキャッシュされたファイルを無視するようなファイル参照):

    /mycss/main.css?version=#APP_VERSION#
    

スクリプトの開始タグや閉じタグを含める必要はありません。URLのみを記述します。

7.2.4.2.5 ユーザー・インタフェース

現在のアプリケーションに定義されているユーザー・インタフェースを表示します。既存のユーザー・インタフェースを編集するには、ユーザー・インタフェース名をクリックします。新しいユーザー・インタフェースを追加するには、「新規ユーザー・インタフェースの追加」をクリックします。


関連項目:

「テーマの管理」

7.2.4.3 新しいユーザー・インタフェースの作成

新しいユーザー・インタフェースを追加するには、次のステップを実行します。

  1. ユーザー・インタフェース・ページにナビゲートします。「ユーザー・インタフェース・ページへのアクセス」を参照してください。

  2. 「ユーザー・インタフェース」までスクロールし、「新規ユーザー・インタフェースの追加」をクリックします。

  3. 「ユーザー・インタフェース」で、次のステップを実行します。

    1. ユーザー・インタフェース: 現在のユーザー・インタフェースを表示します。

    2. タイプ: ユーザー・インタフェース・タイプを選択します。現在アプリケーションに関連付けられていないインタフェースのみを選択できます。

    3. 表示名: ユーザー・インタフェースの表示名を指定します。

    4. 順序: ユーザー・インタフェース順序を指定します。

    5. 自動検出: ユーザー・インタフェースを自動的に検出する必要があるかどうかを選択します。

    6. ホームURL: URL、またはアプリケーションを実行するときに実行されるプロシージャを指定します。

      たとえば、「ホーム・リンク」には、アプリケーションのホームページの位置を特定するために使用される相対URLを含めることができます。たとえば、f?p=6000:600は、ホームページ番号600を持つアプリケーション6000を指定します。この例では、アプリケーション・テンプレート内の#HOME_LINK#置換文字列は、「ホーム・リンク」に入力した値で置き換えられます。「HOME_LINK」を参照してください。

      この属性を使用してプロシージャに名前を付けることもできます。たとえば、アプリケーション・ホームとして機能するHTMLページをレンダリングするpersonal_calendarなどのプロシージャを作成できます。


      注意:

      認証後に表示されるページを決定するために「ホーム・リンク」属性は使用しないでください。認証後に表示されるページは、アプリケーションの認証スキーム内の他のコンポーネントによって決定されます。

    7. ログインURL: 現在のユーザー・インタフェースのログイン・ページとして使用するページのURLを指定します。これによって、HTMLの&LOGIN_URLまたはテンプレート内の#LOGIN_URL#置換文字列が置き換えられます。「LOGIN_URL」および「認証スキームの作成」を参照してください。

    8. 「次へ」をクリックします。

  4. 「テーマの指定」で、次のステップを実行します。

    1. テーマ・タイプ: テーマ・タイプを選択します。標準テーマは、Application Expressで提供されます。カスタム・テーマは、ワークスペースまたはOracle Application Expressインスタンス用に作成されるテーマです。レガシー・テーマは、Application Expressで提供される古いテーマです。

    2. テーマ: テーマを選択します。テーマは、アプリケーションのルック・アンド・フィールを定義するテンプレートのコレクションを示します。

    3. 「次へ」をクリックします。

  5. 選択した内容を確認し、「作成」をクリックします。