このセクションでは、このリリースのシステム管理機能について説明します。これらの新機能により、シームレスな構成管理を使用したサービスの構成、システム全体への構成適用の自動化、およびセキュアなリモート管理アクセスの提供が可能になります。
リソース上限デーモンにより、構成の簡略化、rcapd パフォーマンスの応答性の向上、およびより効率的な上限の適用が可能になります。コマンドのオプションが簡略化されており、rcapd 管理ユーティリティー rcapadm(1M) のインタフェースが更新されています。システムのパフォーマンスを向上させるために、rcapd 操作に使用する利用可能なメモリーページを選択するためのより効率的な方法が導入されています。
2 つの rcapadm パラメータ (sample および mode) により、管理者は rcapd のすべての操作を制御できるようになりました。また、適用されていないメモリー上限に対処する機能を利用できるようになりました。あるプロセスの集合が長時間にわたってメモリー上限を超えていることが判明した場合、rcapd はその集合にメモリー上限を引き続き適用するかどうかを判断します。メモリー上限が適用されなくなる場合、rcapd は原因を報告する詳細なエラーメッセージをログに記録します。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのリソースの管理を参照してください。または、rcapd(1M) および rcapadm(1M) のマニュアルページを参照することもできます。
Oracle Solaris 11.3 には、ZFS、IPS、データリンクとフロー管理、および AI サーバーの管理をサポートする、新しい一連のリモート管理デーモン (RAD) のモジュールが含まれています。RAD では、管理者は C、Java、および Python を含む一連のインタフェースを介して、システム構成にプログラムからアクセスできます。
Oracle Solaris 11.3 では、REST (REpresentational State Transfer) ベースの API を RAD を使用して開発するための予備的なサポートが追加されました。開発者は、さまざまなシステムコンポーネントの RAD モジュールを開発するときに、C、Python、および Java などの標準インタフェースに加えて、REST インタフェースを追加できるようになりました。
詳細は、rad(1M) のマニュアルページを参照してください。
diskinfo コマンドを使用して、共通の /dev/chassis パスを持つシステムでさまざまなタイプのデバイスとそのトポロジに関する情報を表示できます。このコマンドは、NVM Express (NVMe) および Sun Flash Accelerator PCIe デバイスを含めるために拡張されています。
たとえば、次の出力は SAS 内部ストレージ、NVMe、および USB デバイスの列挙を示しています。
# diskinfo -A SYS -o Rcs R:receptacle-name c:occupant-compdev s:occupant-serial ------------------ --------------------- ---------------------------- /SYS/HDD0 c0t5000C5000EBC7FAFd0 083997JTVE--------3NM7JTVE /SYS/HDD1 c0t5000C5000EBDF45Fd0 083897MAEJ--------3NM7MAEJ /SYS/HDD2 c0t5000CCA012CFADFCd0 001143PP6R1B--------PPKP6R1B /SYS/HDD3 c0t5000C5003AFFB6E3d0 001122P147CD--------6XR147CD /SYS/HDD4 - - /SYS/HDD5 - - /SYS/HDD6 c0t5001E82002653B00d0 40188672 /SYS/HDD7 - - /SYS/MB/PCIE3/NVME c16t1d0 CVMD416600591P6DGN /SYS/MB/USB0 c2t0d0 2BF0022700021243 /SYS/MB/USB1 - -
SMF は、サービスを定期的に実行する機能に加えて、特定のスケジュールで実行するサービスを定義して構成する機能を備えています。この機能は、cron エントリに類似した機能を提供しますが、組み込みの依存関係管理や単純化されたライフサイクル管理などの SMF の利点が追加されています。スケジュールされたサービスは、IPS パッケージで配布され、スケジューリングのリストからそのサービスのすべてのコンポーネントとともに構成、有効化、削除が可能になり、非常に簡単に配備できるようになりました。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのシステムサービスの管理を参照してください。
プロジェクトのマルチ CPU バインディング (MCB) により、既存の制御ユーティリティー projmod(1M) および project(4) を使用して、Oracle Solaris プロジェクトの MCB を制御できます。プロジェクトによって制御されるその他のリソースの場合は、プロジェクトの MCB をそのプロジェクトの属性として変更できます。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのリソースの管理を参照してください。または、projadd(1M)、projdel(1M)、projmod(1M)、setproject(3PROJECT)、project(4)、および resource-controls(5) のマニュアルページを参照することもできます。
Hiera は構成データを表示するための検索ツールです。Hiera を Puppet と一緒に使用した場合、Hiera は Puppet マニフェストのサイト固有のデータを維持するため、複数システム向けのより汎用的なマニフェストを使用できます。Puppet クラスはクラスが必要とするすべてのデータを要求し、Hiera データはサイト全体の構成ファイルとして機能します。Hiera の構成データには、YAML 形式または JSON 形式を採用できます。Oracle Solaris 11.3 は Puppet 3.6.2 を含むように更新されています。
Oracle Solaris 11.3 には、USB クライアントドライバを障害管理に対応させる USB FMA 強化機能が含まれています。新しい USB FMA 障害は、ハードウェアおよびソフトウェアの障害の両方に対して定義されており、より多くのソフトウェアエラーおよびハードウェアエラーをキャプチャー、診断、および文書化できます。
詳細は、usb_fm_error_log(9F) のマニュアルページを参照してください。