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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
E50013-05
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37 ポータルへのWikiの追加

この章では、WebCenter PortalユーザーがWikiドキュメントを作成、編集および管理できるWiki機能を有効にする方法について説明します。これらのタスクおよびWikiページ・スタイルを使用した個人用ページの作成は、Oracle WebCenter Portalの使用の「Wikiの使用」で説明するナレッジ・ワーカーが利用できるタスクです。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

この章のタスクを実行するには、次の権限が必要です。
  • ポータルでドキュメント・ツールを有効にしてWiki機能を使用できるようにするためのManage Security and ConfigurationまたはManage Configuration

  • Wikiページ・スタイルを使用してポータル・ページを作成する、ページを編集する、ページ・プロパティを変更する、ページ・コンテンツを追加する、およびポータルからページを削除するためのBasic Services: Edit Page Access, Structure, and Content (標準権限)またはPages: Create, Edit, and Delete Pages (アドバンスト権限)。これには、ページのセキュリティをオーバーライドしたり、サブページの作成やページの編集などの権限を、ユーザー・ロールの権限制限をオーバーライドして他のユーザーに付与したりする委任管理も含まれます。

  • ページを追加または削除するとポータル・ナビゲーションが自動的に変更されるため、Assets: Edit Assets (標準権限)またはNavigations: Edit Navigations (アドバンスト権限)。

ロールのポータル・ページ権限が追加または取り消されると、そのロールに割り当てられているユーザーのポータル・ナビゲーションの編集権限は、WebCenter Portalによって自動的に追加または取り消されないので注意してください。ページまたはアセットの権限は、明示的に追加または取り消す必要があります。

Wikiドキュメントの作成と編集、Wikiの表示、およびWikiページ・スタイルを使用した個人用ページの作成は、Oracle WebCenter Portalの使用の「Wikiの使用」で説明する権限を持つナレッジ・ユーザーが利用できるタスクです。

権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


37.1 Wikiについて

権限を持つすべてのコミュニティ・メンバーが各自の情報をより大きなひとまとまりの知識に集約できるWikiは、コミュニティおよび共同作業の概念を典型的に示すものです。Wikiは、HTMLまたはWikiマークアップと呼ばれる単純なマークアップ言語を使用してその場で編集可能なWebページです。Wikiに対する十分な権限を持つユーザーは、コンテンツの追加、修正または削除を行うことができます。Wikipedia (http://www.wikipedia.com)は、Wikiドキュメントの有名な使用例です。世界中のユーザーが共同でWikipediaページの作成および編集を行うことで、すべてのユーザーが恩恵を受けることができる充実した動的なナレッジ・ベースを得ることができます。

WebCenter PortalのWikiとブログ機能では、Content Serverがコンテンツ・リポジトリである必要があります。ただし、重要なのは、Wikiとブログを管理するのは、Content ServerではなくWebCenter Portalであるということです。このため、Content Serverのフォルダ設定は影響を与えません。たとえば、Wikiまたはブログが格納されているContent Serverフォルダでデフォルト・プロファイルを指定しても、そのフォルダで新しいWikiまたはブログ・ドキュメントを作成する作業には影響を与えません。

37.2 Wiki機能を有効にするための前提条件

WikiをWebCenter Portalで使用できるようにするには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • Content Server 11gが、WebCenter Portalのデフォルトのコンテンツ・リポジトリとして構成されている必要があります。Wiki機能は、Content Server 10gでは使用できません。システム管理者は、Oracle WebCenter Portalの管理の「コンテンツ・リポジトリの管理」で、Content Server 11gのインストールおよび構成の情報を確認できます。

  • Content Server 11gへの接続が確立されている必要があります(Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperでのポータルの開発のコンテンツ・リポジトリ接続の構成に関する項を参照)。

  • Wikiドキュメントを作成する予定のポータルに対して、ドキュメント・ツールが有効になっている必要があります。詳細は、第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

37.3 ポータルへの既存のWikiの追加

組織においてポータルに追加するWikiを開発した場合、そのWikiを様々な方法でポータルにアクセスするようにできます。

  • Wikiを、既存のページ上の領域に追加するか、または新しい空白ページに追加してページ全体に表示します。Wikiは、リンク、イメージ、プレビュー、編集可能なビュー、編集不可のビューなどの様々な方法で公開できます。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。

  • Wikiをポータル・ナビゲーションに追加しますが、ここではユーザーがターゲットWikiを編集可能または編集不可のいずれかに設定できます。第22.3.3項「ナビゲーション・モデルへのアイテムの追加」を参照して、次のいずれかの方法でWikiをナビゲーション・アイテムとして追加します。

    • Wikiがページに追加されている場合は、ポータル・ナビゲーションにページ・リンクを追加します。Wikiを表示する際のエンド・ユーザーの編集コントロールの可用性は、Wikiをページに追加するために使用したコンテナに応じて異なります。「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローを使用して追加されたWikiは編集コントロールを公開しませんが、「ドキュメント・ビューア」タスク・フローを使用して追加されたWikiは編集コントロールを公開し、これは「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのFeatures Offプロパティを使用してカスタマイズできます(表35-7 「「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのパラメータ」を参照)。

    • または、ナビゲーションにコンテンツ・アイテムを追加して、接続されているコンテンツ・リポジトリからWikiドキュメントを選択します。この方法で追加されたWikiは表示専用で、エンド・ユーザーは編集コントロールを使用できません。

37.4 ポータルでの新規Wikiの作成

WebCenter Portalでは、次のいずれかの方法を使用してWikiを作成できます。

  • 「新規Wikiドキュメント」アクションを使用しますが、このアクションは「ドキュメント」ページ、またはページの「ドキュメント・エクスプローラ」、「ドキュメント・マネージャ」、「フォルダ・ビューア」のタスク・フローで利用できます。Oracle WebCenter Portalの使用の新規Wikiドキュメント・アクションを使用したWikiドキュメントの作成に関する項を参照してください。

  • 簡略化されたユーザー・インタフェースと専用のWikiエクスペリエンスを提供するデフォルトのWikiドキュメントが表示される専用のWikiページをサポートするには、「Wiki」ページ・スタイルを使用してページを作成します。Wikiページ・スタイルは、ドキュメント・ツールがポータルで有効な場合に利用できます。Wikiページ・スタイルを使用して、次のいずれかのページを作成できます。

2つの方法のいずれかで作成したWikiは、リッチ・テキスト・エディタ(RTE)を使用してその場で編集可能な同様の機能を備えています(Oracle WebCenter Portalの使用のリッチ・テキスト・エディタ(RTE)の使用に関する項を参照)。

どちらの場合も、最初のWikiページには、図37-1のようなデフォルトのテキストによるデフォルトのWikiドキュメントが含まれます。

図37-1 Wikiページ・スタイルを使用して作成したデフォルトのWikiドキュメント

図37-1の説明が続きます
「図37-1 Wikiページ・スタイルを使用して作成したデフォルトのWikiドキュメント」の説明

「ドキュメント」ページで、ルート・フォルダのWikiページ用の個別フォルダに格納されている新規作成されたWikiドキュメントを確認できます(図37-2)。フォルダとデフォルトのWikiドキュメントの両方が同じ名前を共有します。

図37-2 ドキュメント階層でのWikiページのデフォルトのWikiドキュメント

図37-2の説明が続きます
「図37-2 ドキュメント階層のWikiページに対するデフォルトのWikiドキュメント」の説明

37.5 Wikiの使用

Wikiの作成、編集および管理の詳細は、Oracle WebCenter Portalの使用の「Wikiの使用」を参照してください。

37.6 ユースケース例

表37-1では、ポータルにWikiを組み込む際の一般的なシナリオに対するソリューションを示し、必要な情報が記載されているドキュメントを参照します。

表37-1 一般的なWikiユースケース

行う作業 理解して実行する必要がある項目

ポータル・ナビゲーションで、ポータル内の既存のWikiページにリンクを追加する

デフォルトでは、ポータル・ページは、作成時にポータル・ナビゲーションに自動的に追加されます(第12.2.2項「既存のポータルでのページまたはサブページの作成」を参照)。ただし、個人用ページシステム・ページおよびビジネス・ロール・ページは、ポータル・ナビゲーションに自動的には追加されません。WebCenter Portalの様々なタイプのページの詳細は、第1.3.7項「ページとは」を参照してください。

ポータル・ナビゲーションにポータル・ページが表示されない場合は、非表示にされている可能性があります。ページを表示するには、ページのプロパティを編集して、可視性プロパティを選択します。第13.9項「ポータル・ナビゲーションでのページの表示と非表示の切替え」を参照してください。

個人用ページ、システム・ページまたはビジネス・ロール・ページを公開するか、またはポータル・ナビゲーションの2番目の場所にポータル・ページを追加するには:

  • ポータルを編集して、「追加」アイコンをクリックし、「ページ・リンク」を選択します。

    「ページ・リンク」オプション

  • 使用できるページのいずれかを選択して、ナビゲーションに追加します。

    ページの選択

    ページがポータル・ナビゲーションに追加されます。

    新しく追加されたページ

第13.2項「ポータル・ナビゲーションへの既存ページの追加」も参照してください。

ポータル・ナビゲーションで、別のポータル内の既存のWikiページにリンクを追加し、ページを表示する際に、他のポータルのナビゲーションを表示するかまたは非表示にするかを選択する

ポータルの外部から、接続されているコンテンツ・リポジトリに存在するページヘのリンクを作成するには:

  • ポータルを編集するかまたはポータル管理で、「追加」アイコンをクリックし、「リンク」を選択します。

    「リンク」オプション

  • パス・プロパティをターゲット・ページのURLに設定します。

ブラウザのアドレス・フィールドに示されているように、ターゲット・ページのURLを入力すると、トップ・ナビゲーションを使用したこの例のように、ポータル内にターゲット・ページが表示されます。

メニューが公開されているターゲット・ページ

ターゲットのポータル・ナビゲーションを非表示にして、ターゲット・ページのみを表示するには、ターゲット・ページを編集して、パス・プロパティ(ページ・プロパティの「詳細設定」タブにあります)の値をナビゲーション・アイテムの「パス」フィールドにコピーします。ナビゲーション・アイテムをクリックすると、次に示すように、ポータルを囲まずにページが表示されます。

メニューがないターゲット・ページ

注意: ページではなくWikiドキュメントにリンクを追加した場合、この方法を使用してWikiに対してターゲット・ポータル・ナビゲーションを非表示にすることはできません。かわりに、Wikiドキュメントを含む新規ページを追加してから、ページを編集して、(ページ・プロパティの「詳細設定」タブで)パス・プロパティの値をナビゲーション・アイテムの「パス」フィールドにコピーします。

ポータルに新しいWikiページを追加する(ページ全体をWikiにする)

次のいずれかの操作を行います。

  • 「Wiki」ページ・スタイルを使用して、新しいWikiページを作成します。第12.2.2項「既存のポータルでのページまたはサブページの作成」を参照してください。

    新しいWikiページ

  • または、Wikiドキュメントを作成してから、様々な方法でページに追加します。Oracle WebCenter Portalの使用の新規Wikiドキュメント・アクションを使用したWikiドキュメントの作成に関する項を参照してください。

ヒント: Wikiで作業するには、ドキュメント・ツールを有効にします。第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

第37章「ポータルへのWikiの追加」も参照してください。

ポータルのページに既存のWikiドキュメントを表示する

ドキュメントを追加するページを編集します。ドキュメントを、その他のコンポーネントを含む既存のページ上の領域に追加するか、または新しい空白ページに追加してドキュメントをページ全体に表示できます。リソース・カタログを使用して、ドキュメントをページに追加します。

  • すでにポータル内に存在する既存のドキュメントを表示するには、「コンテンツ管理」「ポータル・ドキュメント」を開いてドキュメントを選択し、「追加」をクリックします。

  • 接続されているコンテンツ・リポジトリで使用可能な既存のドキュメントを表示するには、「コンテンツ管理」「すべてのコンテンツ」を開きます。ドキュメントを検索して選択し、「追加」をクリックします。

既存のドキュメントの追加

ドキュメントは、リンク、イメージ、プレビュー、編集可能なビュー(ドキュメント・ビューア)、編集不可のビュー(コンテンツ・プレゼンタ)などの様々な方法で公開できます。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」およびこの表の次の2行を参照してください。

ポータルのページに既存のWikiドキュメントを追加する(編集コントロールを含む)

ユーザーがドキュメントを編集できるようにするには、「ドキュメント・ビューア」タスク・フローでドキュメントを追加します。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。

「ドキュメント・ビューア」オプション

「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのFeatures Offプロパティを使用して、公開されている編集コントロールをカスタマイズできます。表35-7 「「ドキュメント・ビューア」タスク・フローのパラメータ」を参照してください。

ポータルのページに既存のWikiドキュメントを追加する(編集コントロールを含まない)

ドキュメントの編集コントロールをユーザーからは非表示にするには、「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローでドキュメントを追加します。第34.3項「選択したフォルダまたはファイルのページへの追加」を参照してください。

「コンテンツ・プレゼンタ」オプション

注意: 「ページ・リンク」を使用して、ポータル・ナビゲーションにページを公開できます。Wikiドキュメントを表示する際に、ポータル・ナビゲーションに公開する(編集コントロールを含まない)別の方法は、ドキュメントやWikiを「コンテンツ・アイテム」としてポータル・ナビゲーションに追加することです。第22.3.3項「ナビゲーション・モデルへのアイテムの追加」を参照してください。

フォーカスを、下部(「コメント」タブ)にあるデフォルトのフォーカスからターゲットのWikiドキュメントの上部に移動して、下部にあるすべてのタブ付きペインを削除する

ページ・エディタ(コンポーザ)で、「ドキュメント・ビューア」または「コンテンツ・プレゼンタ」タスク・フローの「編集」アイコン (レンチ)アイコンをクリックして、「コンポーネント・プロパティ」ダイアログを開きます。

Features Offプロパティに追加します(sidebars)。