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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.9.0)
E50013-05
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39 ポータル・ツールとポータル・サービスの概要

この章では、WebCenter Portalで利用できるツールおよびサービスの概要と、ポータルでツールを有効または無効にする方法について説明します。これらのタスクは、ポータル・モデレータが行います。ただし、アプリケーション・レベルでツールとサービスを使用する場合はシステム管理者のタスクになります(Oracle WebCenter Portalの管理の「ツールとサービスの管理」を参照)。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

この章のタスクを実行するには、ポータルレベルの権限Manage Security and ConfigurationまたはManage Configurationが必要です。ポータル・モデレータは、デフォルトでこの権限を持っています。

権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


39.1 ツールとサービスについて

WebCenter Portalでは、ポータル・メンバーがコラボレーションおよびコミュニケーションに使用できるツールおよびサービスが提供されます。WebCenter Portalが正しくインストールおよび構成され、必要な外部バックエンド・サーバーへの有効な接続がシステム管理者によって設定されると、ツールおよびサービスがポータルで使用できるようになります。

表39-1に、デフォルトで提供されるツールおよびサービスと、追加構成が必要なツールおよびサービスを示します。

表39-1 WebCenter Portalのツールとサービスの可用性

WebCenter Portal (すべてのポータル) ツールとサービス

デフォルトで自動的に使用可能です。

ポータルのイベント、リンク、リスト、検索、ピープル・コネクション、投票、タグ

バックエンド・サーバーまたはデータベースへの有効な接続が存在する場合のみ使用可能

アクティビティ・グラフ、分析、お知らせ*、ディスカッション*、ドキュメント*、カレンダ・イベント、インスタント・メッセージおよびプレゼンス、メール、検索(Oracle SESを使用)、ワークリスト*

*デフォルトの接続はインストール時に設定されます。

バックエンド構成は、Oracle WebCenter Portalの管理の「ツールとサービスの管理」の説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してシステム管理者が行います。


必要な接続が存在してツールとサービスが使用可能になる場合、表39-2に、ポータルで常に利用できるツールおよびサービスと、ポータル・モデレータが有効にする必要があるツールおよびサービスを示します。

表39-2 ポータルでのツールとサービスの有効化

個別のポータル ツールとサービス

常に有効(使用可能な場合)

アクティビティ・グラフ、分析、リンク、ピープル・コネクション、投票、タグ

ポータル・モデレータによる有効と無効の切替えが可能(使用可能な場合)

お知らせ、ディスカッション、イベント、リスト、ドキュメント


バックエンド・サーバーを構成していない場合、ポータルは、ツールやサービスに関連する機能を使用できません。

  • 関連するタスク・フローがリソース・カタログに表示されません。

  • 既存のタスク・フローでは、ツールやサービスが使用できないことを示すメッセージが表示されます。

  • ツールやサービスは、ポータルの管理設定の「ツールとサービス」ページで使用不可としてリスト表示されます。

次のツールとサービスでは、関連情報(リレーションシップのマッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマへの接続が必要です。

  • アクティビティ・グラフ

  • 分析

  • ドキュメント(コメントおよびアクティビティ・ストリームを追加するドキュメント、Wikiおよびブログの場合)

  • リンク

  • リスト

  • ピープル・コネクション

  • 投票

  • タグ

ポータルの作成に使用されるポータル・テンプレートで、ポータルでツールを最初に有効と無効のどちらにするかを定義します。


注意:

メールはポータルの作成時に有効になります。システム管理者がメールを構成する場合、個別のポータルに対してメールを無効にすることはできません。

  • ツールがポータル・テンプレートで無効になっている場合、ポータル・モデレータは、ポータルでツールを使用できるようにポータルの管理設定からツールを手動で有効にすることができます。

  • ツールがポータル・テンプレートで有効になっている場合、ポータル・モデレータは、不要なツールをポータルの管理設定から手動で無効にすることができます。

第39.2項「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

ポータルのツールとサービスを有効にした後、モデレータは、お知らせ、ディスカッション、リストなどのツールの使用に必要な権限をポータルの参加者が所持しているかどうかも確認する必要があります。ポータル・レベルの権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

また、モデレータは、ポータルの参加者が次の方法でツールとサービスにアクセスできるかどうかも確認する必要があります。

表39-3に、ポータルで使用可能なツールとサービスを示します。

表39-3 ポータルのツールとサービス

ツールとサービス 説明 詳細情報

アクティビティ・グラフ

既存のコネクションや、ポータル内で共通して使用しているオブジェクトに基づいて、ユーザーが関心を持つ可能性のある人、ポータルおよびコンテンツを推奨します。

第40章「ポータルへのアクティビティ・グラフと推奨の追加」


アクティビティ・ストリーム

コネクションのアクティビティ、ポータル内でのアクションおよびビジネス・アクティビティを提供します。

第41章「ポータルへのアクティビティの追加」


分析

ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。

第42章「ポータルへの分析の追加」


お知らせ

重要なアクティビティおよびイベントに関するお知らせを投稿できる機能を、認証されたすべてのユーザーに提供します。

第43章「ポータルへのお知らせの追加」


ディスカッション

スレッドで構成されるディスカッションの作成、質問の投稿と返信、および回答の検索が可能な機能を提供します。

第46章「ポータルへのディスカッション・フォーラムの追加」


ドキュメント

ファイルのアップロード、ファイルおよびフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどのコンテンツ管理および保存機能が提供されます。これらの機能は、ドキュメント・ツールのコンソール、または「ドキュメント・エクスプローラ」、「ドキュメント・リスト・ビューア」、「ドキュメント・マネージャ」などのタスク・フローを使用して公開されます。個々のファイルをリンク付きのドキュメント、インライン・プレビューまたはイメージとしてページに表示するコンポーネントを提供します。ドキュメント・ツールもWiki機能とブログ機能をサポートします。

第34章「ドキュメント・タスク・フローおよびドキュメント・コンポーネントの使用」

第35章「ドキュメント・タスク・フローおよびドキュメント・コンポーネントのプロパティの設定」

第36章「ワークフロー対応コンテンツの使用」

第37章「ポータルへのWikiの追加」

第38章「ポータルへのブログの追加」


イベント

認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合、Outlookカレンダの個人用イベントにアクセスできます。

第44章「ポータルへのカレンダとイベントの追加」


インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。

Oracle WebCenter Portalの使用のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用に関する項

リンク

関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、ディスカッションからドキュメントにリンクできます。

Oracle WebCenter Portalの使用のWebCenter Portalの情報のリンク

リスト

リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。

第47章「ポータルへの情報リストの追加」


メール

IMAPおよびSMTPのメール・サーバーとの容易な統合を提供します。これにより、メッセージの表示、添付ファイルを含むメールの作成、メッセージの返信と転送、およびメッセージの削除などのメール機能を実行できます。

第48章「ポータルへのメールの追加」


メッセージとフィードバック

接続に関するメッセージ、添付ファイルおよびフィードバックをアクティビティ・ストリームに投稿する機能を提供します。

第49章「ポータルへのメッセージとフィードバックの追加」


ノート

素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。

ノートはPortal Frameworkアプリケーションでは使用できません。

第51章「ポータルへの個人用ノートの追加」


通知

サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。

第50章「ポータルへの通知の追加」


ピープル・コネクション

個人プロファイルの管理、他のユーザーのプロファイルへのアクセス、非定型のフィードバックの提供、メッセージの投稿、アクティビティの追跡、および他のユーザーとつながりを持つことができます。

第45章「ポータルへのコネクションの追加」


投票

関係者の調査(意見および経験レベルなど)、重要な情報を思い出すことができるかどうかの確認、およびフィードバックの収集ができます。

第52章「ポータルへの投票の追加」


プロファイル

ユーザーの連絡先情報(メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部署、マネージャ、写真、ポータル・アクティビティ、パブリック・ドキュメント、接続のビューを提供します。

第53章「ポータルへのプロファイルの追加」


最近のアクティビティ

ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに対する最新の変更のサマリー・ビューを提供します。

第41章「ポータルへのアクティビティの追加」


RSS

単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。

第54章「ポータルへのRSSフィードの追加」


検索

検索機能を提供します。

(これにはOracle Secure Enterprise Searchの統合が含まれます。)

第55章「ポータルへの検索の追加」


タグ

1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。

第56章「ポータルへのタグの追加」


ワークリスト

注目する必要のあるビジネス・プロセスの個人ビューを提供します。

第57章「ポータルへのワークリストの追加」



39.2 ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化

ツールとサービスをポータルで使用可能にする方法を理解するには、第39.1項「ツールとサービスについて」を参照してください。

ポータルでツールやサービスを有効または無効にするには:

  1. ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「ツールとサービス」(図39-1)をクリックします。

    あるいは、「ツールとサービス」ページに直接移動するには、ブラウザで次のURLを入力します。

    http://host:port/webcenter/portal/portalName/admin/services

    図39-1 ポータルの「ツールとサービス」ページ

    図39-1の説明が続きます
    図39-1 ポータルの「ツールとサービス」ページ

  2. ポータルで使用するツールを有効にするには、そのポータルの横にあるチェック・ボックスを選択します。


    注意:

    システム管理者がバックエンド・サーバーを構成しておらず、アプリケーションとWebCenter Portalとの間にアクティブな接続が存在しない場合、ツールやサービスはポータルで使用できません。Oracle WebCenter Portalの管理の「ツールとサービスの管理」を参照してください。

  3. 「OK」をクリックして、ツールを使用する適切な権限をユーザーに付与する際に表示される警告を閉じます。

    ツールの横の「無効」「有効」に変わり、該当のツールまたはサービスの構成フィールドが表示されます。たとえば、図39-2は、チェック・ボックスを選択した場合に「お知らせ」ツールが「有効」になっている状態を示しています。

    図39-2 「お知らせ」の「ツールとサービス」ページ

    図39-2の説明が続きます
    「図39-2 「お知らせ」の「ツールとサービス」ページ」の説明

  4. オプションで、一部のツールとサービスに追加の構成を行います。

  5. ツールを無効にするには、該当ツールの横にあるチェック・ボックスの選択を解除します。

    「有効」「無効」に戻ることに注意してください。


    注意:

    他のツールやサービスとは異なり、メールがシステム管理者によって構成されている場合、ポータル・モデレータがメール・サービスを無効にすることはできません。

  6. 「ロール」ページで各メンバー・ロールに適切な権限を付与して、ポータル・メンバーが有効なサービスにアクセスできるようにします。

    第29.3項「ポータル・ロールの権限の表示および編集」を参照してください。

  7. ポータルの参加者が次の方法でツールとサービスにアクセスできることを確認します。