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Oracle® Solaris 11.4 ご使用にあたって

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更新: 2018 年 8 月
 
 

Oracle Solaris 11.4 のインストール時の問題

Oracle Solaris 11.4 のインストール中またはインストール後に、次の問題が発生する可能性があります。

VirtualBox ゲストのインストール時の Spectre 軽減警告 (28441940)

Oracle Solaris 11.4 を VirtualBox ゲストとしてインストールするとき、または既存の VirtualBox ゲストを Oracle Solaris 11.4 に更新するときに、メニュー選択画面のコンソールに次のようなメッセージが表示される場合があります。

SUNW-MSG-ID: SUNOS-8000-LG, TYPE: Alert, VER: 1, SEVERITY: Major
EVENT-TIME: time
PLATFORM: VirtualBox, CSN: 0, HOSTNAME: host
SOURCE: software-diagnosis, REV: 0.2
EVENT-ID: ID
DESC:
AUTO-RESPONSE: No automated response available
IMPACT: Oracle Solaris is not running with Spectre Vulnerability Mitigation Enabled
REC-ACTION: Update the CPU with the Spectre capable microcode. Please refer to the 
associated reference document at http://support.oracle.com/msg/SUNOS-8000-LG for the 
latest service procedures and policies regarding this diagnosis.

回避方法: Spectre 脆弱性の軽減を有効にしたあとで、VM をシャットダウンしてから再起動します。

  1. VM をシャットダウンします。

  2. Spectre 脆弱性の軽減を有効にします。

    $ /opt/VirtualBox/VBoxManage list vms
    ...
    "11.4" {2de193ee-50cd-45d8-9527-72e648438bf5}
    ...
    $ /opt/VirtualBox/VBoxManage modifyvm 11.4 --spec-ctrl on
  3. VM を再起動します。

詳細は、virtualbox.org にある VBoxManage modifyvm–-spec-ctrl オプションのドキュメントを参照してください。

テキストインストーラが、別の言語が選択されていても英語で表示される (15744356)

Web ベースのリモートキーボード、ビデオモニター、マウス、VirtualBox コンソールなどの、物理コンソールと同等のコンソール上でテキストインストーラを使用するときは、インストールメディアからのブート中に別の言語を選択した場合でも、インストーラはテキストを英語で表示します。インストーラのテキストが英語で表示されるのは、非 ASCII 文字が文字化けして表示されるのを防ぐためです。

テキストインストーラは、シリアルコンソールと同等のコンソール (たとえば、SSH または telnet に基づいたサービスコンソール) 上でのみローカライズされたテキストを表示します。

回避方法: ありません。

統合アーカイブでは共有ストレージ上のゾーンがサポートされない (19627821)

統合アーカイブでは、共有ストレージ (ZOSS) 上のゾーンを含むアーカイブがサポートされません。archiveadm create コマンドを使用して、共有ストレージ上のゾーンを含む回復用のアーカイブまたはクローンアーカイブを作成することは可能ですが、作成されるアーカイブはインストールに失敗する可能性があります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

  • 統合アーカイブでのインストールの問題を回避するには、アーカイブに含まれる共有ストレージ上のゾーンを除外する必要があります。

  • クローンアーカイブを生成する場合は、–Z excluded_zone オプションを使用して、共有ストレージ上の指定されたゾーンを除外できます。

  • 共有ストレージ上のゾーンを含むシステム上の回復用のアーカイブの場合は、すべての非共有ストレージゾーンを個別にアーカイブするようにしてください。

  • 大域ゾーンのクローンアーカイブまたは回復用のアーカイブを生成する場合は、大域ゾーンに表示される共有ストレージ zpools 上のすべてのゾーンを除外するために、–D excluded-dataset オプションを使用する必要があります。

SPARC: 1 つまたは複数のホストの電源切断または投入メッセージがほかのホストに表示される (21511552)

M5 シャーシ内では、1 つまたは複数の Oracle Solaris ホストからの ILOM メッセージが別のホストの /var/adm/messages ファイルに表示されます。次のメッセージが表示されます。

Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 552608
daemon.error] Power | major: Power to /HOST1 has been turned off by: Shell session, Username:root
Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 936275
daemon.notice] SDM | minor: Power to /Servers/PDomains/PDomain_1/System
(Hardware Domain 1) has been turned off by Shell session, Username:root.
Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 555134
daemon.notice] Audit | minor: root : Set : object =
"/Servers/PDomains/PDomain_1/HOST/power_state" : value = "off" : success

回避方法: このメッセージは無視しても安全です。

SPARC: ファイバチャネルストレージの構成の変更

このセクションで説明する更新によって、SPARC プラットフォーム上のファイバチャネル (FC) ディスクストレージの構成が簡素化され、SPARC プラットフォーム上の FC ディスクストレージの構成が x86 プラットフォーム上の FC ディスクストレージの構成と同じになります。

  • Oracle Solaris I/O マルチパス化はデフォルトで有効になっています。/kernel/drv/fp.conf のデフォルト設定が mpxio-disable="no" に変更されます。


    注 -  Oracle Solaris I/O マルチパス化を無効または有効にするには、stmsboot(8) を使用します。/kernel/drv/fp.conf ファイルを編集しないでください。これは読み取り専用です。
  • FC ドライバのバインディングが ssd(4D) から sd(4D) に変更されます。ssd.conf 内にある構成を sd.conf に移動してください。


    注 -  sd.conf の作成および編集は、/kernel/drv 内ではなく /etc/driver/drv 内で行います。詳細については、driver.conf(5) のマニュアルページを参照してください。
  • sd.conf および ssd.conf のパラメータを構成するには、ビットマスク形式ではなく JSON テキスト name:value ペア形式を使用してください。通常、ビットマスク値は異なるチューニング可能パラメータ SPARC sd.conf、SPARC ssd.conf、および x86 sd.conf を表すため、構成の誤りが生じる可能性があります。

  • ドライバのバインディングの変更に関連して、プライベート /devices パスのノード名が ssd@ から一般的な disk@ に変更されます。

    たとえば、Oracle Solaris I/O マルチパス化が有効になっている場合、パスは次のように変更されます。変更前:

    /devices/scsi_vhci/ssd@g600a0b80002a384600007415558209ae

    変更後:

    /devices/scsi_vhci/disk@g600a0b80002a384600007415558209ae

    Oracle Solaris I/O マルチパス化が無効になっている場合、パスは次のように変更されます。変更前:

    /devices/pci@380/pci@1/pci@0/pci@7/SUNW,qlc@0,13/fp@0,0/ssd@w10000090fa2fd452,0

    変更後:

    /devices/pci@380/pci@1/pci@0/pci@7/SUNW,qlc@0,13/fp@0,0/disk@w10000090fa2fd452,0
  • /dev パブリックネームスペースを使用してください。これは変更されません。

    Oracle Solaris I/O マルチパス化が有効になっている場合は、論理ユニットの識別情報がパブリック /dev 名にエンコードされ、たとえば次のようになります。

    /dev/rdsk/c0t600A0B80002A384600007415558209AEd0s0

    Oracle Solaris I/O マルチパス化が無効になっている場合は、ターゲットポートの識別情報がパブリック /dev 名にエンコードされ、たとえば次のようになります。

    /dev/rdsk/c8t10000090FA2FD452d0s0

    どちらの場合も、/dev パブリックネームスペースの識別情報を使用することで、アプリケーションが /devices シンボリックリンクの変更から保護されます。

このセクションで前述した変更は以前の Oracle Solaris バージョンと互換性がありませんが、Oracle Solaris 11.3 以前から Oracle Solaris 11.4 にアップグレードするための互換性のある方法が Image Packaging System (IPS) によって提供されます。Oracle Solaris 12 への更新を参照してください。