Oracle Solaris 11.4 のインストール中またはインストール後に、次の問題が発生する可能性があります。
Oracle Solaris 11.4 を VirtualBox ゲストとしてインストールするとき、または既存の VirtualBox ゲストを Oracle Solaris 11.4 に更新するときに、メニュー選択画面のコンソールに次のようなメッセージが表示される場合があります。
SUNW-MSG-ID: SUNOS-8000-LG, TYPE: Alert, VER: 1, SEVERITY: Major EVENT-TIME: time PLATFORM: VirtualBox, CSN: 0, HOSTNAME: host SOURCE: software-diagnosis, REV: 0.2 EVENT-ID: ID DESC: AUTO-RESPONSE: No automated response available IMPACT: Oracle Solaris is not running with Spectre Vulnerability Mitigation Enabled REC-ACTION: Update the CPU with the Spectre capable microcode. Please refer to the associated reference document at http://support.oracle.com/msg/SUNOS-8000-LG for the latest service procedures and policies regarding this diagnosis.
回避方法: Spectre 脆弱性の軽減を有効にしたあとで、VM をシャットダウンしてから再起動します。
VM をシャットダウンします。
Spectre 脆弱性の軽減を有効にします。
$ /opt/VirtualBox/VBoxManage list vms ... "11.4" {2de193ee-50cd-45d8-9527-72e648438bf5} ... $ /opt/VirtualBox/VBoxManage modifyvm 11.4 --spec-ctrl on
VM を再起動します。
詳細は、virtualbox.org にある VBoxManage modifyvm の –-spec-ctrl オプションのドキュメントを参照してください。
Web ベースのリモートキーボード、ビデオモニター、マウス、VirtualBox コンソールなどの、物理コンソールと同等のコンソール上でテキストインストーラを使用するときは、インストールメディアからのブート中に別の言語を選択した場合でも、インストーラはテキストを英語で表示します。インストーラのテキストが英語で表示されるのは、非 ASCII 文字が文字化けして表示されるのを防ぐためです。
テキストインストーラは、シリアルコンソールと同等のコンソール (たとえば、SSH または telnet に基づいたサービスコンソール) 上でのみローカライズされたテキストを表示します。
回避方法: ありません。
統合アーカイブでは、共有ストレージ (ZOSS) 上のゾーンを含むアーカイブがサポートされません。archiveadm create コマンドを使用して、共有ストレージ上のゾーンを含む回復用のアーカイブまたはクローンアーカイブを作成することは可能ですが、作成されるアーカイブはインストールに失敗する可能性があります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
統合アーカイブでのインストールの問題を回避するには、アーカイブに含まれる共有ストレージ上のゾーンを除外する必要があります。
クローンアーカイブを生成する場合は、–Z excluded_zone オプションを使用して、共有ストレージ上の指定されたゾーンを除外できます。
共有ストレージ上のゾーンを含むシステム上の回復用のアーカイブの場合は、すべての非共有ストレージゾーンを個別にアーカイブするようにしてください。
大域ゾーンのクローンアーカイブまたは回復用のアーカイブを生成する場合は、大域ゾーンに表示される共有ストレージ zpools 上のすべてのゾーンを除外するために、–D excluded-dataset オプションを使用する必要があります。
M5 シャーシ内では、1 つまたは複数の Oracle Solaris ホストからの ILOM メッセージが別のホストの /var/adm/messages ファイルに表示されます。次のメッセージが表示されます。
Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 552608 daemon.error] Power | major: Power to /HOST1 has been turned off by: Shell session, Username:root Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 936275 daemon.notice] SDM | minor: Power to /Servers/PDomains/PDomain_1/System (Hardware Domain 1) has been turned off by Shell session, Username:root. Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 555134 daemon.notice] Audit | minor: root : Set : object = "/Servers/PDomains/PDomain_1/HOST/power_state" : value = "off" : success
回避方法: このメッセージは無視しても安全です。
このセクションで説明する更新によって、SPARC プラットフォーム上のファイバチャネル (FC) ディスクストレージの構成が簡素化され、SPARC プラットフォーム上の FC ディスクストレージの構成が x86 プラットフォーム上の FC ディスクストレージの構成と同じになります。
Oracle Solaris I/O マルチパス化はデフォルトで有効になっています。/kernel/drv/fp.conf のデフォルト設定が mpxio-disable="no" に変更されます。
FC ドライバのバインディングが ssd(4D) から sd(4D) に変更されます。ssd.conf 内にある構成を sd.conf に移動してください。
sd.conf および ssd.conf のパラメータを構成するには、ビットマスク形式ではなく JSON テキスト name:value ペア形式を使用してください。通常、ビットマスク値は異なるチューニング可能パラメータ SPARC sd.conf、SPARC ssd.conf、および x86 sd.conf を表すため、構成の誤りが生じる可能性があります。
ドライバのバインディングの変更に関連して、プライベート /devices パスのノード名が ssd@ から一般的な disk@ に変更されます。
たとえば、Oracle Solaris I/O マルチパス化が有効になっている場合、パスは次のように変更されます。変更前:
/devices/scsi_vhci/ssd@g600a0b80002a384600007415558209ae
変更後:
/devices/scsi_vhci/disk@g600a0b80002a384600007415558209ae
Oracle Solaris I/O マルチパス化が無効になっている場合、パスは次のように変更されます。変更前:
/devices/pci@380/pci@1/pci@0/pci@7/SUNW,qlc@0,13/fp@0,0/ssd@w10000090fa2fd452,0
変更後:
/devices/pci@380/pci@1/pci@0/pci@7/SUNW,qlc@0,13/fp@0,0/disk@w10000090fa2fd452,0
/dev パブリックネームスペースを使用してください。これは変更されません。
Oracle Solaris I/O マルチパス化が有効になっている場合は、論理ユニットの識別情報がパブリック /dev 名にエンコードされ、たとえば次のようになります。
/dev/rdsk/c0t600A0B80002A384600007415558209AEd0s0
Oracle Solaris I/O マルチパス化が無効になっている場合は、ターゲットポートの識別情報がパブリック /dev 名にエンコードされ、たとえば次のようになります。
/dev/rdsk/c8t10000090FA2FD452d0s0
どちらの場合も、/dev パブリックネームスペースの識別情報を使用することで、アプリケーションが /devices シンボリックリンクの変更から保護されます。
このセクションで前述した変更は以前の Oracle Solaris バージョンと互換性がありませんが、Oracle Solaris 11.3 以前から Oracle Solaris 11.4 にアップグレードするための互換性のある方法が Image Packaging System (IPS) によって提供されます。Oracle Solaris 12 への更新を参照してください。