Oracle Tuxedo 12
cリリース2 (12.2.2)リリース・ノート
このドキュメントでは、Oracle Tuxedo 12
cリリース2 (12.2.2)のリリース・ノートを示します。次の内容について説明します。
Oracle Tuxedo 12
cリリース3 (12.2.2)では、次の新機能と拡張機能が提供されます。
Tuxedoの分散キャッシュ機能は、Tuxedoアプリケーションに分散キャッシュへのアクセスを提供します。この機能では、Oracle Coherenceを分散キャッシュとして活用し、キャッシュ・アクセスのための新しいAPIを提供しています。この機能を使用すると、Oracle Coherenceが分散キャッシュにもたらすすべての利点を活用できます。この機能の使用例は次のとおりです。
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Tuxedoアプリケーション用のデータ・キャッシュ
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データ・キャッシュが有効な場合、Tuxedo型付きバッファを分散キャッシュに格納できます。Tuxedoドメイン内のどこかで実行されているアプリケーションは、キャッシュからデータを取得できるようになりました。これにより、クライアントとサーバーの間でデータを共有する新しい方法や、頻繁にアクセスするデータをキャッシュして、データベースに毎回アクセスする必要をなくす方法が提供されます。ほとんどのTuxedoバッファ・タイプがサポートされます。
結果キャッシュが有効な場合、Tuxedoはまずキャッシュをチェックして、リクエスト・バッファのレスポンスがキャッシュに存在するかどうかを確認します。このことは、リクエスト・バッファ内の構成可能なフィールドで構成される基準に基づいて行われます。キャッシュ・ヒットが成功した場合、キャッシュからレスポンスが返され、サービスは起動されません。現在のキャッシュ・エントリが存在しない場合は、サービスが起動されます。サービスが起動されると、結果はキャッシュに格納されます。
この機能を使用すると、大規模アプリケーションの起動時間を大幅に改善できます。1つのアプリケーションで構成した複数のサーバーを並行して起動できます。この機能では、グループ・レベルとサーバー・レベルで、起動シーケンスの起動依存関係を指定できます。
Oracle Platform Security Services (OPSS)との監査の統合
この機能を使用すると、Oracle Platform Security Services (OPSS)監査コンポーネントに基づいて、Tuxedoサービスを監査できます。構成に基づいて特定のイベントと関連データが生成され、最終的には、BIツールを使用してより詳細に分析するために、それらをファイル・システムまたはデータベースに格納できます。単純なXMLベースの構成により、アプリケーションに影響を与えることなく監査ポリシーを簡単に追加または変更できます。
Oracle Access Manager (OAM)との統合
このリリースでは、TuxedoアプリケーションでOracle Access Managerの充実したセキュリティ機能を活用できます。Tuxedoアプリケーションでは、OAMに格納されている資格証明およびリソース認可ポリシーを使用した認証や認可が可能です。この機能により、モバイルおよびその他のアプリケーションは、シングル・サインオンでSALT Webサービスを使用してTuxedoサービスにアクセスできます。
注意:
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OAMとの統合は、IBM AIX 64/32ビット・プラットフォームでは保証されていません。
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Javaサーバー・モジュールおよび動的構成リロード
Oracle Tuxedo Javaサーバーは、Tuxedo Javaサーバー内で実行される様々なアプリケーションをより適切に分離するために、モジュール・エンティティを導入しています。Tuxedo Javaサーバーには動的構成リロード機能も備えられ、これにより、ユーザーがTuxedo Javaサーバーを再起動することなくアプリケーションを追加、削除および更新できます。
このリリースには、次のXA関連の拡張機能が含まれています。
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リソース・マネージャが失敗したときに、影響を受けるサービスを中断し、RMへの再接続の試行を継続してRMへの再接続に成功したら関連サービスを再開するようにTuxedoサーバーを構成できます。詳細は、 RM_ERR_THRESHOLD UBBCONFIG(5)SERVERSセクションおよび TA_RM_ERR_INTERVAL TM_MIB(5)T_SERVERクラス定義を参照してください。
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TMSプロセスがダウンした場合、XAトランザクションはトランザクションのタイムアウトを待機するのではなく、すぐに中断します。レスポンス時間が短縮されます。
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このリリースでは、SNMPエージェントがSNMPv3をサポートするようにアップグレードされました。このアップグレードの結果、2つの重要なセキュリティ機能が導入されました。
認証およびプライバシ(暗号化)機能を提供し、メッセージ・レベルで動作します。
所定のプリンシパルに、特定の機能を実行するために特定のMIBオブジェクトにアクセスすることを許可するかどうかを決定し、PDUレベルで動作します。
このリリースでは、Oracle Tuxedoアプリケーション間のSSL接続のためにTLSバージョン1.2と1.1をサポートしています。TLS 1.0のみをサポートする以前のリリースと相互運用するための新規パラメータが提供されます。
このリリースのTuxedoでは、Tuxedoサービスを管理するための新しいコンソールを導入しています。このリリースでは、使いやすく洗練された外観のUIにより、次の機能を提供しています。
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Tuxedoメタデータ・リポジトリ・エディタ: Jolt、SALTまたはその他のTuxedoコンポーネントで使用されるTuxedoサービス定義を追加、編集、削除できます。
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Webサービス(SOAPとREST)構成: TuxedoサービスにSOAPまたはRESTサービスとしてアクセスしたり、Tuxedoアプリケーションから外部のSOAP/REST Webサービスにアクセスできます。
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メインフレーム・トランザクション・インテグレータ: メインフレーム・トランザクションにWebサービス(SOAPまたはREST)としてアクセスしたり、メインフレーム・トランザクションから外部Webサービスにアクセスできます。
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このコンソールを使用するには、新しいTuxedoシステム・サーバー
TMADMSVRを
UBBCONFIGで構成します。
このリリースでは、RECORDバッファ・タイプに次の機能強化が加えられました。
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RECORDからVIEW/32とFML/32への変換、またはその逆の変換のサポート
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RECORDバッファでの REDEFINESのサポート
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JoltおよびSALTでのRECORDバッファ・タイプのサポート
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この機能を有効にすると、Tuxedoリクエストを特定のMSSQサーバー・インスタンスに送信できます。これは、シングルトン・サービス、つまり1つのサーバー・インスタンスでのみ通知できるサービスを通知できる新しいAPI
tpadvertisex(3c)を使用して可能になります。
この機能を有効にすると、XAアフィニティ機能はMSSQ構成で動作できます。
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コンソール・モードでのインストール: Tuxedoインストーラでコンソール・インストール/アンインストール・モードがサポートされるようになりました。
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クローン・モードでのインストール: Tuxedoインストーラでは、既存のOracle Tuxedoインストールを別の場所にコピーし、コピーしたビットを新しい環境で動作するように更新するクローン・モードもサポートされています。
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この機能は、リモートのOracle Tuxedoドメイン・サービス呼出しの統計を収集し、統計トレースを特定の間隔で監査ログ・ファイルにフラッシュします。この機能によって、ドメイン間アクティビティの追跡が容易になりました。
このリリースのTuxedoでは、
tmtraceをサービス・レベルで有効にできます。サーバーのサービスが複数ある可能性がある場合に、1つの特定のサービスをトレースできるようになりました。
このリリースのTuxedo Joltには、ワークステーション・クライアントと同等のトレース機能を提供するJoltクライアント用の
tmtraceがあります。このリリースには、JoltクライアントによるECIDの伝播も含まれています(WebLogic Serverでの実行時)。
Joltリポジトリは、このリリースで非推奨になり、削除されました。Joltリポジトリに格納されているすべてのサービス定義は、バルク・ローダー・ツールを使用してTuxedoメタデータ・リポジトリにロードできます。
元のJoltリポジトリ・サーバー
JREPSVRも非推奨になり、
JREPSVRが提供していたすべてのサービスは
TMMETADATAによって提供されるようになりました。
tmloadcfによって
UBBCONFIGに
JREPSRが検出された場合、
JREPSVRは自動的に削除され、まだ構成されていない場合は
TMETADATAが追加されます。
1つのリポジトリ(Tuxedoメタデータ・リポジトリ)と1つのサーバー(
TMMETADATA)を使用すると、動作の有効性が向上し、サービス定義が同期されないリスクが低減されます。
Oracle Tuxedo管理コンソールは、このリリースで非推奨になり、削除されました。
以前のリリースのOracle TuxedoからOracle Tuxedo 12cリリース2 (12.2.2)にアップグレードされたシステムで実行するすべてのアプリケーション・クライアントとサーバーを再ビルドする必要があります。
Oracle Tuxedoリリース12.1.3以下では、一部のOracle Tuxedo関数がオブジェクト・ファイルで提供されています。このリリースのOracle Tuxedoでは、これらのオブジェクト・ファイルはライブラリにパッケージ化されています。対応する実行可能ファイルを再ビルドする場合は、オブジェクト・ファイルではなく、関連するライブラリとリンクする必要があります。
注意:
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オラクル社では業界標準に準拠した方法でOracle Tuxedoソフトウェアを実装しようとしましたが、サード・パーティ製のすべてのデータベースやORB製品などでその使用を確認することは不可能です。
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注意:
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Oracle Tuxedoサーバー・スレッドに必要なスタック・サイズは少し増加しているため、スタック・オーバーフローの問題が発生した場合は、スレッドのスタック・サイズの調整が必要になる場合があります。
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