Oracle Developer Studio 12.6 は、高度に最適化されたコンパイラ、高度な分析ツール、および多言語に対応した IDE を提供することにより、オンプレミスまたはクラウドで Oracle Solaris および Linux オペレーティングシステム用の高速で信頼性の高い、セキュアなアプリケーションを簡単に開発できるようにします。Oracle Developer Studio ツールは、完全なハードウェアおよびソフトウェアスタックに合わせて最適化されるため、開発チームはより優れたコードを迅速に記述できるようになります。
このリリースでの主な特長のサマリーは次のとおりです。
Oracle システムおよび Oracle Cloud での最速のコード生成 - 最新の Oracle SPARC M8、Fujitsu M12、および Intel x86 Skylake ベースのサーバーを活用するようにコンパイラ、コードジェネレータ、および実行時ライブラリが調整されます。これらの新しいシステムまたはプロセッサでは、そこで実行されるアプリケーションのパフォーマンスが最適になるようにコンパイラで考慮された新しい命令、新しいキャッシュサイズ、および新しいパイプラインが導入されています。詳細は、コンパイラのユーザーガイドを参照してください。
SPARC M8/T8 キャッシュおよび命令のスケジューリングの最適化
SPARC での境界整列していないデータアクセスをサポートする新しいプラグマ
パフォーマンスアナライザからアクセスできる SPARC M8 および Intel Skylake ハードウェアカウンタ情報
SPARC M8 チップ機能を活用するように調整されたパフォーマンスライブラリの主要ルーチン
Fujitsu SPARC M12 の最適化
Intel Skylake AVX512 のサポート
オープンソースの互換性と相互運用性による開発の簡略化 - コンパイラごとの正式な言語標準のサポートは、開発者が近年のほとんどのエンタープライズデータセンター内の各種システム間でコードを移動できるようにするためにきわめて重要です。また、オープンソースの移動により大量のアプリケーションが作成され、エンタープライズシステムに組み込まれています。こうしたオープンソースコードの大部分は GNU ツールセットを使用して記述されているため、この標準との互換性も重要です。Oracle Developer Studio 12.6 では次をサポートしています。
C++ 2011 および C++ 2014 の完全な言語標準のコンプライアンス。詳細は、C++ コンパイラを参照してください。
40 を超える gcc 互換性機能。以前のリリースで提供された gcc 互換性機能を拡張したもの。詳細は、全コンパイラに共通の新機能および変更点を参照してください
IDE およびパフォーマンスアナライザでの Java 9 のサポート
Oracle Developer Studio Cloud Service プラグインによるクラウドコンピューティングの高速化 -企業がオンプレミスのデータセンターから集中管理されたクラウドプロバイダに移行するにつれて、Cloud へのアプリケーションの配備がより一般的なものになっています。さらに開発者は、開発環境も集中管理されたクラウド提供のデータセンターに移行しています。このリリースでは、開発者がこうした移行を活用しやすくするための機能を提供します。
Oracle Developer Studio IDE では、IDE をローカルデスクトップ上で実行したり、Oracle Developer Studio Cloud Service にアクセスしたりできるようにする新しいプラグインを提供します。これにより、問題の追跡、ソースコード管理、構築サーバー、およびアプリケーションを Oracle Cloud 内に簡単に配備する方法が提供されます。詳細は、Oracle Developer Studio IDEを参照してください。
Oracle Cloud Service では、ssh を使用してその Infrastructure as a Service Compute VM にアクセスします。Oracle Developer Studio のリモートパフォーマンスアナライザは、ssh トンネリングをサポートしているため、開発者は Oracle Cloud Compute VM で実行されていたパフォーマンス実験を開始したり、実験結果を分析したりできます。パフォーマンスアナライザのリモートでの使用方法の詳細は、Oracle Developer Studio 12.6: Performance Analyzer の Using Performance Analyzer Remotelyを参照してください
マイクロサービスモデルを採用する開発者が増えるにつれ、こうしたマイクロサービスをホストするためにコンテナテクノロジも使用されるようになりました。Oracle Developer Studio IDE では、Docker コンテナを作成して、あとでそのようなコンテナをサポートしている Oracle Cloud やその他のシステムに配備できます。詳細は、Dockerを参照してください。
アプリケーションのセキュリティーの向上 - アプリケーションのセキュリティーは近年のアプリケーションにとって重要な要件です。Oracle Developer Studio では、次の機能を提供することで、開発者がセキュアなアプリケーションを簡単に作成できるようにしています。
IDE でのセキュアなコーディングの支援。Oracle Solaris のセキュアなコーディングの推薦事項に準拠しないコードを強調表示し、よりセキュアと思われる代替案も提案します。詳細は、IDE の新機能および変更された機能を参照してください。
discover ツールでは、SPARC Silicon Secured Memory (SSM) を活用して、誤ったアプリケーションメモリーへのアクセスやメモリーの破損 (一般的なセキュリティー違反の弱点) に関するリアルタイム情報を提供できます。詳細は、Oracle Developer Studio 12.6: Discover and Uncover User’s Guide の Hardware-Assisted Checking Using Silicon Secured Memory (SSM)を参照してください。
コンパイラでは、コンパイルのたびに自動コード検査を実行できます。この機能の副作用は、Oracle Developer Studio 12.6 コンパイラを使用したコードの構築時に追加の警告が表示される可能性があることです。こうした検査を無効にするコンパイラオプションがあります。