このセクションでは、コマンド行のさまざまなパフォーマンス解析ツールに対して行われた変更について説明します。詳細は、各コマンド行ツールの対応するマニュアルページを参照してください。
データ収集ツールには、collect コマンド、dbx collector コマンド、および er_kernel コマンドがあります。これらの各ツールは、プログラムをプロファイルしてデータを収集し、パフォーマンスアナライザまたは er_print によって読み取ることが可能な実験を作成するために使用されます。
collect ユーティリティーは、アプリケーションの実行中にアプリケーションをプロファイルしてデータを収集し、パフォーマンスアナライザまたは er_print によって読み取り可能な実験を作成するために使用するツールです。
すべてのデータ収集ツールに共通する変更点に加え、collect ユーティリティーはこのリリースでは次のように変更されています。
プロファイリング中に呼び出しスタックの取得を無効にできるようになりました。x86 で Java をプロファイリングするときに、呼び出しスタックの取得を無効にすると、スタックの巻き戻しに関する致命的エラーのリスクを減らすことができます。詳細は、collect(1) のマニュアルページに記載されている SP_COLLECTOR_NATIVE_MAX_STACKDEPTH の情報を参照してください。
er_kernel コマンドは Oracle Solaris カーネルをプロファイルし、パフォーマンスアナライザまたは er_print で調査できる実験を生成します。
er_kernel ユーティリティーは次のように変更されています。
OVM (xen) の下で動作している Oracle Solaris VM で、カーネルプロファイリングがサポートされるようになりました。
詳細は、er_kernel(1) のマニュアルページを参照してください。
er_print ユーティリティーは、パフォーマンスアナライザで提供されるデータビューのプレーンテキストバージョンを生成します。その出力は、標準出力ウィンドウに表示されます。
er_print ユーティリティーはこのリリースでは次のように変更されています。
コマンド行の編集および履歴が Oracle Solaris で使用できるようになりました。
大規模な jar ファイルを使用する Java および Scala アプリケーションがサポートされるようになりました。
パフォーマンスアナライザでは、インテルの –ipo フラグでコンパイルされたコードをサポートするようになりました。
Java ガベージコレクタイベントをダンプ出力するユーティリティー、dumpgc が使用できるようになりました。
欠落している Java 呼び出しスタックに関連するさまざまなエラーコードの説明が –pcs オプションで表示されるようになりました。
GNU コンパイラでコンパイルされたバイナリの場合、「PC」および「逆アセンブリ」ビューで、インライン化された命令と、もっとも深いインライン化されたコードに関連するソースが特定されるようになります。
Scala アプリケーションの分析がサポートされるようになりました。
詳細は、er_print(1) のマニュアルページを参照してください。
er_archive コマンドには、次の更新があります。
新しいコマンドオプション –d path - このオプションでは、絶対パス path で指定された共通ディレクトリにアーカイブを作成します。
新しいコマンドオプション –r path - このオプションでは、相対パス path で指定された共通ディレクトリにアーカイブを作成します。
コマンド bw、ripc、spot、spot_cmds、spot_cmds_timing、spot_diff、traps はサポートされなくなりました。