ASMCMDディスク・グループ管理コマンド
このトピックでは、ASMCMDディスク・グループ管理コマンドの概要を示します。
表10-54に、ASMCMDディスク・グループ管理コマンドと簡単な説明を示します。
表10-54 ASMCMDディスク・グループ管理コマンドの概要
コマンド | 説明 |
---|---|
ディスク・グループを変更(追加、削除またはリバランス)します。 |
|
ディスク・グループをチェックまたは修復します。 |
|
ディスク・グループを削除します。 |
|
ディスクのI/O統計を表示します。 |
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ディスク・グループの属性をリストします。 |
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ディスク・グループおよびその情報をリストします。 |
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Oracle ASMディスクをリストします。 |
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オープン・デバイスをリストします。 |
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マウントされているディスク・グループのメタデータのバックアップを作成します。 |
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メタデータのバックアップからディスク・グループをリストアします。 |
|
ディスク・グループを作成します。 |
|
ディスク・グループをマウントします。 |
|
ディスクまたは障害グループをオフラインにします。 |
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ディスクまたは障害グループをオンラインにします。 |
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ディスク・グループをリバランスします。 |
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ディスク上の物理ブロックの範囲のデータを再配置します。 |
|
ディスク・グループに属性を設定します。 |
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ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプします。 |
|
ディスク・ヘッダーのディスク、サイトおよび障害グループのラベルを表示します。 |
|
ディスク・グループをディスマウントします。 |
chdg
目的
XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更(ディスクの追加、ディスクの削除、ディスクのサイズの変更またはディスク・グループのリバランス)します。
表10-55 chdgコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループの変更を含むXMLファイルの名前。 |
|
一重引用符で囲んだXMLスクリプト。 |
chdg
では、XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更します。変更には、ディスクの既存ディスク・グループへの追加、既存ディスク・グループとの置換または既存ディスク・グループからの削除、リバランスまたは置換の指数レベルの設定が含まれます。指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータと同じ値を設定できます。
ディスク・グループにディスクを追加する場合、ASM_DISKSTRING
初期化パラメータと同様の形式で、ディスク文字列を指定する必要があります。
障害グループはオプションのパラメータです。デフォルトでは、すべてのディスクが独自の障害グループに属します。
ディスク・グループからのディスクの削除は、この操作によって実行できます。個々のディスクは、そのOracle ASMディスク名によって参照できます。障害グループに属するディスクのセットは、障害グループ名によって指定できます。
ディスク・グループ内のディスクのサイズは、chdg
によって変更できます。サイズ変更後にデータ格納に十分な領域がない場合、サイズ変更操作は失敗します。
例10-58に、chdg
のXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。
例10-58 chdgのXML構成テンプレートのタグ
<chdg> update disk clause (add/delete disks/failure groups) name disk group to change power power to perform rebalance or replace <add> items to add are placed here </add> <replace> items to replace are placed here </replace> <drop> items to drop are placed here </drop> <fg> failure group name failure group name </fg> <dsk> disk name disk name string disk path size size of the disk to add force true specifies to use the force option </dsk> </chdg>
例
次に、chdg
のXML構成ファイルの例を示します。このXMLファイルでは、data
というディスク・グループを変更します。障害グループfg1
を削除し、ディスクdata_0001
も削除します。ディスク/dev/disk5
を障害グループfg2
に追加します。リバランス指数レベルを3
に設定します。
例10-59 chdgのサンプルXML構成ファイル
<chdg name="data" power="3"> <drop> <fg name="fg1"></fg> <dsk name="data_0001"/> </drop> <add> <fg name="fg2"> <dsk string="/dev/disk5"/> </fg> </add> </chdg>
次に、構成ファイルを指定する場合と、コマンドラインに構成情報を指定する場合のchdg
コマンドの例を示します。
例10-60 ASMCMD chdgコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > chdg data_config.xml ASMCMD [+] > chdg '<chdg name="data" power="3"> <drop><fg name="fg1"></fg><dsk name="data_0001"/></drop> <add><fg name="fg2"><dsk string="/dev/disk5"/></fg></add></chdg>'
関連項目:
-
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」 -
ASM_DISKSTRING
初期化パラメータの詳細は、「ASM_DISKSTRING」 -
障害グループの詳細は、「Oracle ASMの障害グループ」
-
ディスクの削除の詳細は、「ディスク・グループからのディスクの削除」
-
ディスクのサイズ変更の詳細は、「ディスク・グループ内のディスクのサイズ変更」
-
ASMCMD
mkdg
を使用したディスク・グループの作成の詳細は、「mkdg」 -
ディスク・グループの変更の詳細は、「ディスク・グループの変更」
chkdg
目的
ディスク・グループのメタデータをチェックまたは修復します。
構文および説明
chkdg [--repair] diskgroup
表10-56に、chkdg
コマンドの構文オプションを示します。
表10-56 chkdgコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループを修復します。 |
|
チェックまたは修復するディスク・グループの名前。 |
chkdg
では、ディスク・グループのメタデータにエラーがないかチェックし、必要に応じてエラーを修復します。
例
次に、data
ディスク・グループのチェックおよび修復に使用するchkdg
コマンドの例を示します。
例10-61 ASMCMD chkdgコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > chkdg --repair data
dropdg
目的
ディスク・グループを削除します。
構文および説明
dropdg [-r [-f]] diskgroup
表10-57に、dropdg
コマンドの構文オプションを示します。
表10-57 dropdgコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
操作を強制します。ディスク・グループがマウントできない場合にのみ適用できます。 |
|
再帰的に内容を含めます。 |
|
削除するディスク・グループの名前。 |
dropdg
では、既存のディスク・グループを削除します。ディスク・グループは、複数のノード上にマウントしないでください。
例
次に、dropdg
の使用例を示します。1つ目の例では、ディスク・グループdata
(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を強制的に削除します。2つ目の例では、ディスク・グループfra
(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を削除します。
例10-62 ASMCMD dropdgコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > dropdg -r -f data ASMCMD [+] > dropdg -r fra
iostat
目的
マウントされているディスク・グループ内のOracle ASMディスクのI/O統計を表示します。
構文および説明
iostat [--suppressheader] [-et] [--io] [--region] [-G diskgroup] [interval]
iostat
では、V$ASM_DISK_STAT
ビューを使用してディスク・グループの統計をリストします。
表10-58に、iostat
コマンドの構文オプションを示します。
表10-58 iostatコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
エラー統計(Read_Err、Write_Err)を表示します。 |
|
ディスク・グループ名の統計を表示します。 |
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
バイトではなくI/O数で情報を表示します。 |
|
時間統計(Read_Time、Write_Time)を表示します。 |
|
コールドおよびホットのディスク・リージョンに関する情報(Cold_Reads、Cold_Writes、Hot_Reads、Hot_Writes)を表示します。 |
|
間隔の値(秒単位)に基づいて統計表示をリフレッシュします。間隔表示を止めるには、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。 |
表10-59に、ディスク・グループの統計を示します。ディスク・グループのすべての統計を表示するには、V$ASM_DISK_STAT
およびV$ASM_DISK_IOSTAT
ビューを使用します。
表10-59 iostatコマンド出力の属性の説明
属性名 | 説明 |
---|---|
Group_Name |
ディスク・グループの名前。 |
Dsk_Name |
ディスクの名前。 |
Reads |
ディスクからの読取りバイト数。 |
Writes |
ディスクへの書込みバイト数。 |
Cold_Reads |
コールド・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。 |
Cold_Writes |
コールド・ディスク・リージョンからの書込みバイト数。 |
Hot_Reads |
ホット・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。 |
Hot_Writes |
ホット・ディスク・リージョンへの書込みバイト数。 |
Read_Err |
ディスクの失敗したI/O読取りリクエスト数。 |
Write_Err |
ディスクの失敗したI/O書込みリクエスト数。 |
Read_Time |
|
Write_Time |
|
リフレッシュ間隔を指定しない場合、表示される数値は合計のバイト数またはI/O数を表します。リフレッシュ間隔を指定した場合、表示される値(バイト数またはI/O数)は合計値ではなく、前の値から現在の値までの差分です。
例
次に、iostat
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのディスクI/O統計(合計バイト数)を表示します。2つ目の例では、data
ディスク・グループのディスクI/O統計(合計I/O操作数)を表示します。
例10-63 ASMCMD iostatコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > iostat -G data Group_Name Dsk_Name Reads Writes DATA DATA_0000 180488192 473707520 DATA DATA_0001 1089585152 469538816 DATA DATA_0002 191648256 489570304 DATA DATA_0003 175724032 424845824 DATA DATA_0004 183421952 781429248 DATA DATA_0005 1102540800 855269888 DATA DATA_0006 171290624 447662592 DATA DATA_0007 172281856 361337344 DATA DATA_0008 173225472 390840320 DATA DATA_0009 288497152 838680576 DATA DATA_0010 196657152 375764480 DATA DATA_0011 436420096 356003840 ASMCMD [+] > iostat --io -G data Group_Name Dsk_Name Reads Writes DATA DATA_0000 2801 34918 DATA DATA_0001 58301 35700 DATA DATA_0002 3320 36345 DATA DATA_0003 2816 10629 DATA DATA_0004 2883 34850 DATA DATA_0005 59306 38097 DATA DATA_0006 2151 10129 DATA DATA_0007 2686 10376 DATA DATA_0008 2105 8955 DATA DATA_0009 9121 36713 DATA DATA_0010 3557 8596 DATA DATA_0011 17458 9269
lsattr
目的
ディスク・グループの属性をリストします。
構文および説明
lsattr [--suppressheader][-G diskgroup ] [-lm] [pattern]
表10-60に、lsattr
コマンドの構文オプションを示します。
表10-60 lsattrコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループ名。 |
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
名前とともに値を表示します。 |
|
RO列、Sys列などの追加情報を表示します。 |
|
パターン表現を含む属性を表示します。 |
ディスク・グループ属性に関する情報は、V$ASM_ATTRIBUTE
ビューから取得されます。ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性の管理」を参照してください
RO(読取り専用)列では、ディスク・グループの作成時にのみ設定できる属性を特定します。Sys列では、システム作成の属性を特定します。
ディスク・グループ・テンプレートの属性に関する情報を表示するには、「lstmpl」を参照してください。
ディスク・グループ属性の設定方法は、「setattr」を参照してください。
例
次に、lsattr
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのすべての属性に関する情報を表示します。2つ目の例では、fra
ディスク・グループの文字列compat
を含む名前の属性のみを表示します。Linuxでの%
および*
の両方のワイルドカード文字の使用に注意してください。
例10-64 ASMCMD lsattrコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsattr -lm -G data Group_Name Name Value RO Sys DATA access_control.enabled FALSE N Y DATA access_control.umask 066 N Y DATA appliance._partnering_type GENERIC Y Y DATA ate_conversion_done true Y Y DATA au_size 1048576 Y Y DATA cell.smart_scan_capable FALSE N N DATA cell.sparse_dg allnonsparse N N DATA compatible.advm 18.0.0.0.0 N Y DATA compatible.asm 18.0.0.0.0 N Y DATA compatible.rdbms 18.0.0.0.0 N Y DATA content.check FALSE N Y DATA content.type data N Y DATA content_hardcheck.enabled FALSE N Y DATA disk_repair_time 12.0h N Y DATA failgroup_repair_time 24.0h N Y DATA idp.boundary auto N Y DATA idp.type dynamic N Y DATA logical_sector_size 512 N Y DATA phys_meta_replicated true Y Y DATA preferred_read.enabled FALSE N Y DATA scrub_async_limit 1 N Y DATA scrub_metadata.enabled TRUE N Y DATA sector_size 512 N Y DATA thin_provisioned FALSE N Y DATA vam_migration_done false Y Y ASMCMD [+] > lsattr -G fra -l %compat* Name Value compatible.advm 18.0.0.0.0 compatible.asm 18.0.0.0.0 compatible.rdbms 18.0.0.0.0
lsdg
目的
マウントされたディスク・グループおよびその情報をリストします。lsdg
では、デフォルトでV$ASM_DISKGROUP_STAT
に問い合せます。--discovery
フラグが指定されている場合、かわりにV$ASM_DISKGROUP
に問い合せます。また、出力には、ディスク・グループの現行のリバランス操作の通知も含まれます。ディスク・グループが指定されている場合、lsdg
からはそのディスク・グループに関する情報のみが戻されます。
構文および説明
lsdg [--suppressheader] [-g] [--discovery] [pattern]
表10-61に、lsdg
コマンドのオプションを示します。
表10-61 lsdgコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
(なし) |
表10-62のディスク・グループ属性を表示します。 |
|
-gフラグも指定されている場合、 |
|
|
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
指定されたディスク・グループか、指定したパターンと一致するディスク・グループに関する情報のみを戻します。詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。 |
表10-62に、各ディスク・グループの属性を示します。ディスク・グループのすべての属性を表示するには、V$ASM_DISKGROUP_STAT
またはV$ASM_DISKGROUP
ビューを使用します。
関連項目:
V$ASM_DISKGROUP
ビューに表示されるディスク・グループ情報の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
表10-62 lsdgコマンド出力の属性の説明
属性名 | 説明 |
---|---|
State |
ディスク・グループの状態。たとえば、 |
Type |
ディスク・グループの冗長性。たとえば、 |
Rebal |
|
Sector |
セクター・サイズ(バイト)。 |
Block |
ブロック・サイズ(バイト)。 |
AU |
割当て単位のサイズ(バイト)。 |
Total_MB |
ディスク・グループのサイズ(MB)。 |
Free_MB |
冗長性を考慮しない場合のディスク・グループの空き領域(MB)。 |
Req_mir_free_MB |
ディスク・グループで許容できる最悪の障害が発生した後、完全な冗長性をリストアするためにディスク・グループで使用可能にする必要のある領域の量。これは |
Usable_file_MB |
ミラー化のために調整され、新しいファイルに使用可能な空き領域の量。 |
Offline_disks |
ディスク・グループ内のオフライン・ディスクの数。オフライン・ディスクは、最後に削除されます。 |
Voting_files |
ディスク・グループに投票ファイルが含まれるかどうか( |
Name |
ディスク・グループ名。 |
例
次の例では、data
ディスク・グループの属性を表示します。
例10-65 ASMCMD lsdgコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsdg data State Type Rebal Sector Block AU Total_MB Free_MB Req_mir_free_MB Usable_file_MB MOUNTED NORMAL N 512 4096 4194304 12288 8835 1117 3859 (continued) Offline_disks Voting_files Name 0 N DATA
lsdsk
目的
Oracle ASMディスクをリストします。
構文および説明
lsdsk [--suppressheader] [-kptgMI] [-G diskgroup ] [ --member|--candidate] [--discovery][--statistics][pattern]
表10-63に、lsdsk
コマンドのオプションを示します。
表10-63 lsdskコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
(なし) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
-gフラグも指定されている場合、 |
|
列ヘッダーを非表示にします。 |
|
Oracle ASMインスタンスから情報を抽出するのではなく、ディスク・ヘッダーで情報をスキャンします。このオプションにより、非接続モードが強制されます。 |
|
|
|
全部ではなく一部のアクティブ・インスタンスで参照できるディスクを表示します。これらのディスクがディスク・グループに含まれる場合、ディスクを参照できないインスタンスでは、そのディスク・グループのマウントが失敗します。 |
|
メンバーシップのステータスが |
|
メンバーシップのステータスが |
|
指定されたパターンと一致するディスクに関する情報のみを戻します。 |
lsdsk
コマンドは、接続モードまたは非接続モードで実行できます。最初は常に接続モードが試行されます。-I
オプションにより、非接続モードが強制されます。
-
接続モードの
lsdsk
では、V$ASM_DISK_STAT
およびV$ASM_DISK
動的ビューを使用してディスク情報を取得します。V$ASM_DISK_STAT
ビューがデフォルトで使用されます。 -
非接続モードの
lsdsk
では、ディスク・ヘッダーをスキャンしてディスク情報を取得します。このモードでは、情報によって使用できないものがあり、オプションには組合せが無効なものがあります。
注意:
Windowsでは非接続モードはサポートされていません。
pattern
によって、指定したパターンと一致するディスクにのみ出力先を制限します。ワイルドカードおよびスラッシュ(/
または\
)はパターンの一部として使用できます。pattern
は、コマンドの最後のオプションとして指定する必要があります。ワイルドカードの詳細は、「ワイルドカード文字」を参照してください。
-k
、-p
、-t
および--statistics
オプションにより、ディスクごとに表示される情報量を変更します。任意の組合せのオプションを指定すると、出力には、各フラグに関連付けられた属性の組合せが表示されます。
例
次に、lsdsk
コマンドの例を示します。1つ目と2つ目の例では、data
ディスク・グループ内のディスクに関する情報を表示します。3つ目の例では、候補ディスクに関する情報を表示します。
例10-66 ASMCMD lsdskコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsdsk -t -G data Create_Date Mount_Date Repair_Timer Path 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska1 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska2 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diska3 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb1 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb2 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskb3 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskc1 13-JUL-09 13-JUL-09 0 /devices/diskc2 ... ASMCMD [+] > lsdsk -p -G data /devices/diska* Group_Num Disk_Num Incarn Mount_Stat Header_Stat Mode_Stat State Path 1 0 2105454210 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska1 1 1 2105454199 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska2 1 2 2105454205 CACHED MEMBER ONLINE NORMAL /devices/diska3 ASMCMD [+] > lsdsk --candidate -p Group_Num Disk_Num Incarn Mount_Stat Header_Stat Mode_Stat State Path 0 5 2105454171 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske1 0 25 2105454191 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske2 0 18 2105454184 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diske3 0 31 2105454197 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk1 0 21 2105454187 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk2 0 26 2105454192 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskk3 0 14 2105454180 CLOSED CANDIDATE ONLINE NORMAL /devices/diskl1 ...
lsod
目的
オープンOracle ASMディスクをリストします。
構文および説明
lsod [--suppressheader] [-G diskgroup] [--process process] [pattern]
表10-64に、lsod
コマンドの構文オプションを示します。
表10-64 lsodコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
出力で列のヘッダー情報を非表示にします。 |
|
オープン・ディスクを含むディスク・グループを指定します。 |
|
プロセスのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。 |
|
ディスクのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。 |
リバランス操作(RBAL
)はディスクをグローバルとローカルの両方でオープンするため、ディスクはRBAL
プロセスの出力に2回表示されます。
例
次に、lsod
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループおよびLGWR
プロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。2つ目の例では、diska
パターンと一致するディスクのLGWR
プロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。
例10-67 ASMCMD lsodコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > lsod -G data --process *LGWR* Instance Process OSPID Path 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska1 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska2 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska3 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb1 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb2 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb3 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskd1 ASMCMD [+] > lsod --process *LGWR* *diska* Instance Process OSPID Path 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska1 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska2 1 oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska3
lsod
コマンドの別の例は、例10-2を参照してください。
md_backup
目的
md_backup
コマンドは、1つ以上のディスク・グループのメタデータを含むバックアップ・ファイルを作成します。
構文および説明
md_backup backup_file [-G 'diskgroup [,diskgroup,...]'] --acfs_sec_encr
表10-65に、md_backup
コマンドのオプションを示します。
表10-65 md_backupコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メタデータを格納するバックアップ・ファイルを指定します。 |
|
バックアップの必要があるディスク・グループのディスク・グループ名を指定します。 |
|
Oracle ACFSからのセキュリティ、暗号化または監査メタデータの情報をバックアップすることを指定します。 |
デフォルトでは、マウントされているすべてのディスク・グループがバックアップ・ファイルに含まれます。バックアップ・ファイルは、ファイル名にパスが指定されていない場合、現在の作業ディレクトリに保存されます。
md_backup
コマンドは、含まれているOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)のボリュームに関するOracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS)のメタデータ情報(ストライプ・サイズ、冗長性などの項目)をバックアップします。また、このコマンドは、Oracle ACFSファイルシステム構成メタデータ(圧縮属性、サイズ変更属性、ブロック・サイズ、作成したスナップショットなど)もバックアップします。その他のメタデータ属性および構成属性もバックアップできますが、Oracle ACFSファイルシステム・データおよびOracle ACFS CRSリソース情報はバックアップされません。
例
1つ目の例は、ディスク・グループ・オプションを指定しないで実行する場合のバックアップ・コマンドの使用例です。この例では、マウントされているすべてのディスク・グループをバックアップし、/scratch/backup/alldgs20100422
ファイルにバックアップ・イメージを作成します。2つ目の例では、data
ディスク・グループのバックアップを作成します。この例で作成されるメタデータ・バックアップは、/scratch/backup/data20100422
ファイルに保存されます。
例10-68 ASMCMD md_backupコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/alldgs20100422 Disk group metadata to be backed up: DATA Disk group metadata to be backed up: FRA Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ASM Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_20 Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_21 Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_19 Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_22 Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_20 Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_22 Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_21 ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/data20100422 -G data Disk group metadata to be backed up: DATA Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG Current alias directory path: ASM Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE Current alias directory path: ORCL Current alias directory path: ORCL/DATAFILE Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE
md_restore
目的
md_restore
コマンドは、ディスク・グループのメタデータのバックアップをリストアします。
構文および説明
md_restore backup_file [--silent] [--full|--nodg|--newdg -o 'old_diskgroup:new_diskgroup [,...]'] [--acfs_sec_encr user:group | --acfs_sec_encr user:group --acfs_audit user:mgr_group:auditor_group ] [-S sql_script_file] [-G 'diskgroup [,diskgroup...]']
表10-66に、md_restore
コマンドのオプションを示します。
表10-66 md_restoreコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
メタデータ情報を |
|
エラーを無視します。通常、 |
|
ディスク・グループを作成し、メタデータをリストアすることを指定します。 |
|
メタデータのみをリストアすることを指定します。 |
|
メタデータのリストア時に別の名前を使用してディスク・グループを作成することを指定します。 |
|
セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)のメタデータをリストアします。コロンで区切られたユーザーおよびグループをセキュリティ・メタデータのリストアに使用します。メタデータのリストア時に、セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)を初期化する必要があります。セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)が事前に初期化されていない場合、 |
|
Oracle ACFSファイルシステムの監査メタデータ情報をリストアします。コロン区切りの値を使用して監査コマンドを初期化および実行します。メタデータのリストア時に、監査を初期化する必要があります。監査が事前に初期化されていない場合、 |
|
コマンドを実行するかわりに、指定したSQLスクリプト・ファイルにSQLを書き込みます。 |
|
リストアされるディスク・グループを選択します。ディスク・グループを定義しない場合、すべてのディスク・グループがリストアされます。 |
例
Oracle ACFS情報のリストア時には、次の点に注意してください。
-
ファイルシステムのメタデータをリストアする際、ユーザーIDは、メタデータのバックアップを作成したときにファイルシステムを所有していたユーザーIDに設定する必要があります。このユーザーIDは、リストア・クラスタに存在します。
-
md_restore
は、Oracle ACFSメタデータ情報をリストアします。Oracle ACFSファイルシステムに関するメタデータのリストアを実行するために、スクリプトが作成されます。このスクリプトは、ファイルシステムをフォーマットするためにroot
として実行する必要があります。含まれているOracle ADVMボリュームに関するメタデータ(ストライプ・サイズや冗長性など)がリストアされます。また、Oracle ACFSファイルシステム構成メタデータ(圧縮属性、サイズ変更属性、ブロック・サイズ、作成したスナップショットなど)もリストアされます。Oracle ACFSファイルシステム・データおよびACFS CRSリソース情報はリストアされません。 -
--silent
オプションを使用すると同時に、単一のディスク・グループを指定していて、別のディスク・グループのOracle ADVMメタデータまたはOracle ACFSアクセラレータのために依存性がある場合、その依存性は削除されるため、後でその依存性を手動で再作成する必要があります。 -
Oracle ACFSの暗号化またはセキュリティをリストアする際、ファイルシステム拡張属性(xattr)をユーザー・データとともにリストアする必要があります。ファイルシステム・アプリケーション・データとともにxattrを格納およびリストアする必要があることを記録に残すことは非常に重要です。xattrがなければ、セキュリティまたは暗号化はありません。xattrは、ファイルが属するセキュリティ・レルムを表します。xattrなしでは、ファイルはレルムなしの状態になります。逆にxattrがあっても、セキュリティが初期化されていないファイルは、レルムなしの状態になります。
-
メタデータのリストア時に、以前に構成したスナップショットのリストが含まれるファイルが作成されます。ポイント・イン・タイムの疎スナップショット・ビューは再作成できないため、スナップショット・データはリストアされません。
-
Oracle ACFSセキュリティが使用中で、ファイルシステムに関するメタデータ・セキュリティ情報がバックアップされていない場合、セキュリティ管理者はこの情報をメタデータ・バックアップ・ファイルの場所にコピーし、残りのディスク・グループ情報でリストアできることがあります。
-
Oracle ACFSセキュリティおよび暗号化がリストアされる場合、ユーザーおよびパスワードが事前に初期化されることがあります。されない場合は、指定されたユーザー名が表示されるデフォルトのパスワードとともに、Oracle ACFSセキュリティおよび暗号化の初期化に使用されます。
1つ目の例では、ディスク・グループdata
をバックアップ・スクリプトからリストアして、コピーを作成します。2つ目の例では、既存のディスク・グループdata
を選択し、そのメタデータをリストアします。3つ目の例では、ディスク・グループdata
を完全リストアしますが、作成される新しいディスク・グループの名前をdata2
とします。4つ目の例では、override.sql
スクリプト・ファイルに定義されているオーバーライドを適用した後、バックアップ・ファイルからリストアします。
例10-69 ASMCMD md_restoreコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > md_restore –-full –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422 ASMCMD [+] > md_restore –-nodg –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422 ASMCMD [+] > md_restore –-newdg -o 'data:data2' --silent /scratch/backup/data20100422 ASMCMD [+] > md_restore -S override.sql --silent /scratch/backup/data20100422
mkdg
目的
XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを作成します。
表10-67 mkdgコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
新規ディスク・グループの構成を含むXMLファイルの名前。 |
|
一重引用符で囲んだXMLスクリプト。 |
mkdg
は、ディスク・グループの名前、冗長性、属性、およびディスク・グループを構成するディスクのパスを指定するXML構成ファイルにより、新規ディスク・グループを作成します。冗長性はオプションのパラメータです。デフォルトは標準冗長性です。冗長性の一部のタイプでは、ディスクを障害グループにまとめる必要があります。ディスク・グループの障害グループを指定しない場合、ディスク・グループ内の各ディスクは独自の障害グループに属します。
mkdg
コマンドは、ローカル・ノードのディスク・グループのみマウントします。
ディスク・グループの作成時に、ディスク・グループ属性値のいくつかを設定できます。AU_SIZE
やSECTOR_SIZE
などの一部の属性は、ディスク・グループの作成時にのみ設定できます。
例10-70に、mkdg
のXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。
例10-70 mkdgのXML構成ファイルのタグ
<dg> disk group name disk group name redundancy normal, external, high <fg> failure group name failure group name </fg> <dsk> disk name disk name string disk path size size of the disk to add force true specifies to use the force option </dsk> <a> attribute name attribute name value attribute value </a> </dg>
例
次に、mkdg
のXML構成ファイルの例を示します。この構成ファイルでは、normal
冗長性でdata
というディスク・グループを作成します。2つの障害グループfg1
およびfg2
を作成します。各障害グループには、関連付けられたディスク文字列によって識別される2つのディスクがあります。ディスク・グループの互換性属性をすべて18.0
に設定します。
例10-71 mkdgのサンプルXML構成ファイル
<dg name="data" redundancy="normal"> <fg name="fg1"> <dsk string="/dev/disk1"/> <dsk string="/dev/disk2"/> </fg> <fg name="fg2"> <dsk string="/dev/disk3"/> <dsk string="/dev/disk4"/> </fg> <a name="compatible.asm" value="18.0"/> <a name="compatible.rdbms" value="18.0"/> <a name="compatible.advm" value="18.0"/> </dg>
次に、mkdg
コマンドの例を示します。1つ目の例では、ASMCMDが起動されたディレクトリ内のXML構成ファイルを使用してmkdg
を実行します。2つ目の例では、コマンドラインに情報を指定してmkdg
を実行します。
例10-72 ASMCMD mkdgコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > mkdg data_config.xml ASMCMD [+] > mkdg '<dg name="data"><dsk string="/dev/disk*"/></dg>'
関連項目:
-
ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性の管理」
-
ディスク・グループの互換性属性の詳細は、「ディスク・グループの互換性」
-
ASMCMD
chdg
を使用したディスク・グループの変更の詳細は、「chdg」 -
ディスク・グループの作成の詳細は、「ディスク・グループの作成」
mount
目的
ディスク・グループをマウントします。
構文および説明
mount [--restrict] { [-a] | [-f] diskgroup[ diskgroup ...] }
表10-68に、mount
コマンドの構文オプションを示します。
表10-68 mountコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループの名前。 |
|
すべてのディスク・グループをマウントします。 |
|
制限モードでマウントします。 |
|
マウント操作を強制します。 |
この操作により、1つ以上のディスク・グループがマウントされます。ディスク・グループは、強制または制限のオプションを指定してまたは指定せずにマウントできます。ディスク・グループのマウントの詳細は、「ディスク・グループのマウントおよびディスマウント」を参照してください。
例
次に、強制、制限およびすべてのオプションを使用するmount
コマンドの例を示します。
例10-73 ASMCMD mountコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > mount -f data ASMCMD [+] > mount --restrict data ASMCMD [+] > mount -a
offline
目的
ディスク・グループに属しているディスクまたは障害グループをオフラインにします。
構文および説明
offline -G diskgroup { -F failgroup |-D disk} [-t {minutes | hours}]
表10-69に、offline
コマンドの構文オプションを示します。
表10-69 offlineコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループ名。 |
|
障害グループ名。 |
|
1つのディスク名を指定します。 |
|
指定されたディスクを削除するまでの時間を |
障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオフラインになることを意味します。
例
次に、offline
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのfailgroup1
障害グループをオフラインにします。2つ目の例では、ディスクの削除までの時間を1.5
時間と指定し、data
ディスク・グループのdata_0001
ディスクをオフラインにします。
例10-74 ASMCMD offlineコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > offline -G data -F failgroup1 ASMCMD [+] > offline -G data -D data_0001 -t 1.5h
online
目的
ディスク・グループに属するすべてのディスク、単一のディスクまたは障害グループをオンラインにします。
構文および説明
online -G diskgroup { -a | -F failgroup |-D disk
}
[--power n] [-w]
表10-70に、online
コマンドの構文オプションを示します。
表10-70 onlineコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループ内のすべてのオフライン・ディスクをオンラインにします。 |
|
ディスク・グループ名。 |
|
障害グループ名。 |
|
ディスク名。 |
|
ディスクの再同期およびディスク・グループのリバランスのためのリソースのレベルを決定する指数オプション( |
|
待機オプション。ユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、ASMCMDは待機することになります。デフォルトは、待機なしです。 |
障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオンラインになることを意味します。
例
次に、online
コマンドの例を示します。1つ目の例では、wait
オプションを有効にして、data
ディスク・グループのfailgroup1
障害グループのすべてのディスクをオンラインにします。2つ目の例では、data
ディスク・グループのdata_0001
ディスクをオンラインにします。
例10-75 ASMCMD onlineコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > online -G data -F failgroup1 -w ASMCMD [+] > online -G data -D data_0001
rebal
目的
ディスク・グループをリバランスします。
構文および説明
rebal [--default | --modify power] [--with phase,... | --without phase,...] [--power power] [-w] diskgroup
表10-71に、rebal
コマンドの構文オプションを示します。
表10-71 rebalコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
リバランス指数をデフォルトに設定します。これは、 |
|
リバランス操作を再起動せずにリバランス指数を変更します。受け入れられる値は、 |
|
指定したフェーズでリバランスのみを実行します。使用可能なフェーズは |
|
指定したフェーズでリバランスを実行しません。フェーズは |
|
指数設定を指定します。受け入れられる値は、 |
|
待機オプションを指定します。ASMCMDはユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、待機します。デフォルトは、待機なしです。 |
|
障害ディスク名を指定します。 |
指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータと同じ値を設定できます。値0
の場合、リバランスは無効です。リバランス指数が指定されていない場合、値はデフォルトでASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの設定になります。
ASMCMD lsop
コマンドを使用すると、リバランス操作が発生しているかどうかを判別できます。
例
次の例では、最初のrebal
コマンドによって、指数レベルを4
に設定してFRA
ディスク・グループをリバランスし、balance
およびcompact
・フェーズのみを実行します。2番目のrebal
コマンドは、リバランス指数を1
に設定してDATA
ディスク・グループをリバランスしますが、リバランス操作を再起動しません。
例10-76 ASMCMD rebalコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > rebal --with balance,compact --power 4 FRA ASMCMD [+] > lsop Group_Name Operation State Power FRA REBAL RUN 4 ASMCMD [+] > rebal --modify 1 DATA
関連項目:
-
指数レベルの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」と「リバランス操作の調整」
-
ASMCMD
lsop
コマンドの詳細は、「lsop」 -
ディスク・グループのリバランスの詳細は、「ディスク・グループの手動リバランス」
remap
目的
ディスク上で使用できないブロックの範囲をマークし、その範囲に割り当てられたデータをすべて再配置します。
構文および説明
remap diskgroup disk block_range
表10-72に、remap
コマンドの構文オプションを示します。
表10-72 remapコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
データの再配置が必要なディスクが属するディスク・グループの名前。 |
|
データの再配置が必要なディスクの名前。名前は、 |
|
再配置する物理ブロックの範囲。書式は |
remap
コマンドでは、ブロックの再配置のみを行います。破損した内容を含むブロックの修正または修復は行いません。SECTOR_SIZE
ディスク・グループ属性に基づいて、物理ブロック・サイズを使用します。
例
1つ目の例では、ディスク・グループDATA
にあるディスクDATA_0001
の5000
から5999
のブロックを再マップします。2つ目の例では、ディスク・グループFRA
にあるディスクFRA_0002
の6230
から6339
のブロックを再マップします。
例10-77 ASMCMD remapコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > remap DATA DATA_0001 5000-5999 ASMCMD [+] > remap FRA FRA_0002 6230-6339
setattr
目的
Oracle ASMディスク・グループの属性を設定します。
構文および説明
setattr -G diskgroup attribute_name attribute_value
表10-73に、setattr
コマンドの構文オプションを示します。
表10-73 setattrコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループ名。 |
|
属性の名前。 |
|
属性の値 |
COMPATIBLE.ASM
属性は、他のディスク・グループの互換性属性を拡張する前に拡張する必要があります。また、その値は他のディスク・グループの互換性属性の値以上である必要があります。
ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性の管理」を参照してください。
例
次に、setattr
コマンドの例を示します。1つ目の例では、data
ディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASM
を設定します。2つ目の例では、data
ディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.RDBMS
を設定します。
例10-78 ASMCMD setattrコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > setattr -G data compatible.asm 18.0 ASMCMD [+] > setattr -G data compatible.rdbms 18.0
stamp
目的
ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプします。
構文および説明
stamp --dscstr disk_discovery_string [--site site_name --failgroup failgroup_name] [--disk disk_label] [-f]
次の表に、stamp
コマンドのオプションを示します。
表10-74 stampコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ラベルをスタンプするディスクを識別するディスク検出文字列を指定します。 |
|
サイト・ラベル名を指定します。 |
|
障害グループ・ラベルを指定します。サイト・ラベルを指定した場合は必須です。 |
|
ディスク・ラベルを指定します。 |
|
アクションの強制を指定します。 |
ASMCMD stamp
を使用すると、ユーザーは、ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプできます。stamp
の使用は、ディスク・グループのインストールおよび作成時に、ラベル情報を個別に指定するより効率的です。
サイト・ラベルおよび障害グループ・ラベルは、ディスク・グループの作成および変更時にサイト名および障害グループ名に使用されます。ディスク・ラベルは、Oracle ASMフィルタ・ドライバ(AFD)およびOracle ASMライブラリとともに使用するためだけのものです。
ラベルの指定は少なくとも1つ(-—site
と--failgroup
または--disk
)必要です。
例
次に、/dev/sd*
ディスク検出文字列で識別されたディスクに対するASMCMD stamp
コマンドの使用例を示します。
例10-79 ASMCMD stampの使用方法
ASMCMD [+] > stamp --dscstr "/dev/sd*" --site "SALTLAKE-CENTER" --failgroup "fg1" --disk "DISK1"
stamplist
目的
ディスク・ヘッダーのディスク、サイトおよび障害グループのラベルを表示します。
構文および説明
stamp --dscstr disk_discovery_string {[--site] [--failgroup] [--disk]}
次の表に、stamplist
コマンドのオプションを示します。
表10-75 stamplistコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ラベルを表示するディスクを識別するディスク検出文字列を指定します。 |
|
サイト・ラベル名を表示します。 |
|
障害グループ・ラベルを表示します。 |
|
ディスク・ラベルを表示します。 |
-—site
、--failgroup
、--disk
のオプションうち少なくとも1つを指定する必要があります。
例
次に、/dev/sd*
ディスク検出文字列で識別されたディスクのサイト、障害グループおよびディスクのラベルを表示するASMCMD stamplist
コマンドの使用例を示します。
例10-80 ASMCMD stamplistの使用方法
ASMCMD [+] > stamplist --dscstr "/dev/sd*" --site --failgroup --disk
umount
目的
ディスク・グループをディスマウントします。
構文および説明
umount { -a | [-f] diskgroup }
表10-76に、umount
コマンドの構文オプションを示します。
表10-76 umountコマンドのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
ディスク・グループの名前。 |
|
マウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。これらのディスク・グループは、 |
|
ディスマウント操作を強制します。 |
例
次に、umount
コマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle ASMインスタンスでマウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。2つ目の例では、data
ディスク・グループのディスマウントを強制します。
例10-81 ASMCMD umountコマンドの使用方法
ASMCMD [+] > umount -a ASMCMD [+] > umount -f data