ASMCMDディスク・グループ管理コマンド

このトピックでは、ASMCMDディスク・グループ管理コマンドの概要を示します。

表10-54に、ASMCMDディスク・グループ管理コマンドと簡単な説明を示します。

表10-54 ASMCMDディスク・グループ管理コマンドの概要

コマンド 説明

chdg

ディスク・グループを変更(追加、削除またはリバランス)します。

chkdg

ディスク・グループをチェックまたは修復します。

dropdg

ディスク・グループを削除します。

iostat

ディスクのI/O統計を表示します。

lsattr

ディスク・グループの属性をリストします。

lsdg

ディスク・グループおよびその情報をリストします。

lsdsk

Oracle ASMディスクをリストします。

lsod

オープン・デバイスをリストします。

md_backup

マウントされているディスク・グループのメタデータのバックアップを作成します。

md_restore

メタデータのバックアップからディスク・グループをリストアします。

mkdg

ディスク・グループを作成します。

mount

ディスク・グループをマウントします。

offline

ディスクまたは障害グループをオフラインにします。

online

ディスクまたは障害グループをオンラインにします。

rebal

ディスク・グループをリバランスします。

remap

ディスク上の物理ブロックの範囲のデータを再配置します。

setattr

ディスク・グループに属性を設定します。

stamp

ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプします。

stamplist

ディスク・ヘッダーのディスク、サイトおよび障害グループのラベルを表示します。

umount

ディスク・グループをディスマウントします。

chdg

目的

XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更(ディスクの追加、ディスクの削除、ディスクのサイズの変更またはディスク・グループのリバランス)します。

構文および説明

chdg { config_file.xml | 'contents_of_xml_file' }

表10-55に、chdgコマンドの構文オプションを示します。

表10-55 chdgコマンドのオプション

オプション 説明

config_file

ディスク・グループの変更を含むXMLファイルの名前。chdgでは、パスが指定されないかぎり、ASMCMDが起動されたディレクトリ内のXMLファイルを検索します。

有効なタグおよびXML構成ファイルの例は、例10-58および例10-59を参照してください。

contents_of_xml_file

一重引用符で囲んだXMLスクリプト。

chdgでは、XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを変更します。変更には、ディスクの既存ディスク・グループへの追加、既存ディスク・グループとの置換または既存ディスク・グループからの削除、リバランスまたは置換の指数レベルの設定が含まれます。指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータと同じ値を設定できます。

ディスク・グループにディスクを追加する場合、ASM_DISKSTRING初期化パラメータと同様の形式で、ディスク文字列を指定する必要があります。

障害グループはオプションのパラメータです。デフォルトでは、すべてのディスクが独自の障害グループに属します。

ディスク・グループからのディスクの削除は、この操作によって実行できます。個々のディスクは、そのOracle ASMディスク名によって参照できます。障害グループに属するディスクのセットは、障害グループ名によって指定できます。

ディスク・グループ内のディスクのサイズは、chdgによって変更できます。サイズ変更後にデータ格納に十分な領域がない場合、サイズ変更操作は失敗します。

例10-58に、chdgのXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。

例10-58 chdgのXML構成テンプレートのタグ

<chdg> update disk clause (add/delete disks/failure groups)
      name         disk group to change
      power        power to perform rebalance or replace
 
<add>  items to add are placed here
</add>

<replace>  items to replace are placed here
</replace>

<drop> items to drop are placed here
</drop>

<fg>  failure group
      name         failure group name
</fg>

<dsk> disk
      name         disk name
      string       disk path
      size         size of the disk to add
      force        true specifies to use the force option
</dsk>

</chdg>

次に、chdgのXML構成ファイルの例を示します。このXMLファイルでは、dataというディスク・グループを変更します。障害グループfg1を削除し、ディスクdata_0001も削除します。ディスク/dev/disk5を障害グループfg2に追加します。リバランス指数レベルを3に設定します。

例10-59 chdgのサンプルXML構成ファイル

<chdg name="data" power="3">
  <drop>
    <fg name="fg1"></fg>
    <dsk name="data_0001"/>
  </drop>
  <add>
    <fg name="fg2">
      <dsk string="/dev/disk5"/>
    </fg>
  </add>
</chdg>

次に、構成ファイルを指定する場合と、コマンドラインに構成情報を指定する場合のchdgコマンドの例を示します。

例10-60 ASMCMD chdgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > chdg data_config.xml

ASMCMD [+] > chdg '<chdg name="data" power="3">
        <drop><fg name="fg1"></fg><dsk name="data_0001"/></drop>
        <add><fg name="fg2"><dsk string="/dev/disk5"/></fg></add></chdg>'

関連項目:

chkdg

目的

ディスク・グループのメタデータをチェックまたは修復します。

構文および説明

chkdg [--repair] diskgroup

表10-56に、chkdgコマンドの構文オプションを示します。

表10-56 chkdgコマンドのオプション

オプション 説明

--repair

ディスク・グループを修復します。

diskgroup

チェックまたは修復するディスク・グループの名前。

chkdgでは、ディスク・グループのメタデータにエラーがないかチェックし、必要に応じてエラーを修復します。

次に、dataディスク・グループのチェックおよび修復に使用するchkdgコマンドの例を示します。

例10-61 ASMCMD chkdgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > chkdg --repair data

dropdg

目的

ディスク・グループを削除します。

構文および説明

dropdg [-r [-f]] diskgroup

表10-57に、dropdgコマンドの構文オプションを示します。

表10-57 dropdgコマンドのオプション

オプション 説明

-f

操作を強制します。ディスク・グループがマウントできない場合にのみ適用できます。

-r

再帰的に内容を含めます。

diskgroup

削除するディスク・グループの名前。

dropdgでは、既存のディスク・グループを削除します。ディスク・グループは、複数のノード上にマウントしないでください。

次に、dropdgの使用例を示します。1つ目の例では、ディスク・グループdata(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を強制的に削除します。2つ目の例では、ディスク・グループfra(ディスク・グループ内のすべてのデータを含む)を削除します。

例10-62 ASMCMD dropdgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > dropdg -r -f data

ASMCMD [+] > dropdg -r fra

iostat

目的

マウントされているディスク・グループ内のOracle ASMディスクのI/O統計を表示します。

構文および説明

iostat [--suppressheader] [-et] [--io] [--region] 
        [-G diskgroup] [interval]

iostatでは、V$ASM_DISK_STATビューを使用してディスク・グループの統計をリストします。

表10-58に、iostatコマンドの構文オプションを示します。

表10-58 iostatコマンドのオプション

オプション 説明

-e

エラー統計(Read_Err、Write_Err)を表示します。

-G diskgroup

ディスク・グループ名の統計を表示します。

--suppressheader

列ヘッダーを非表示にします。

--io

バイトではなくI/O数で情報を表示します。

-t

時間統計(Read_Time、Write_Time)を表示します。

--region

コールドおよびホットのディスク・リージョンに関する情報(Cold_Reads、Cold_Writes、Hot_Reads、Hot_Writes)を表示します。

interval

間隔の値(秒単位)に基づいて統計表示をリフレッシュします。間隔表示を止めるには、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。

表10-59に、ディスク・グループの統計を示します。ディスク・グループのすべての統計を表示するには、V$ASM_DISK_STATおよびV$ASM_DISK_IOSTATビューを使用します。

表10-59 iostatコマンド出力の属性の説明

属性名 説明

Group_Name

ディスク・グループの名前。

Dsk_Name

ディスクの名前。

Reads

ディスクからの読取りバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Writes

ディスクへの書込みバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Cold_Reads

コールド・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Cold_Writes

コールド・ディスク・リージョンからの書込みバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Hot_Reads

ホット・ディスク・リージョンからの読取りバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Hot_Writes

ホット・ディスク・リージョンへの書込みバイト数。--ioオプションを入力すると、値はI/O数として表示されます。

Read_Err

ディスクの失敗したI/O読取りリクエスト数。

Write_Err

ディスクの失敗したI/O書込みリクエスト数。

Read_Time

TIMED_STATISTICS初期化パラメータがTRUEに設定されている場合の、ディスクに対する読取り要求のI/O時間(秒)。FALSEに設定されている場合は0。

Write_Time

TIMED_STATISTICS初期化パラメータがTRUEに設定されている場合の、ディスクに対する書込み要求のI/O時間(秒)。FALSEに設定されている場合は0。

リフレッシュ間隔を指定しない場合、表示される数値は合計のバイト数またはI/O数を表します。リフレッシュ間隔を指定した場合、表示される値(バイト数またはI/O数)は合計値ではなく、前の値から現在の値までの差分です。

次に、iostatコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのディスクI/O統計(合計バイト数)を表示します。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスクI/O統計(合計I/O操作数)を表示します。

例10-63 ASMCMD iostatコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > iostat -G data
Group_Name  Dsk_Name   Reads       Writes     
DATA        DATA_0000  180488192   473707520  
DATA        DATA_0001  1089585152  469538816  
DATA        DATA_0002  191648256   489570304  
DATA        DATA_0003  175724032   424845824  
DATA        DATA_0004  183421952   781429248  
DATA        DATA_0005  1102540800  855269888  
DATA        DATA_0006  171290624   447662592  
DATA        DATA_0007  172281856   361337344  
DATA        DATA_0008  173225472   390840320  
DATA        DATA_0009  288497152   838680576  
DATA        DATA_0010  196657152   375764480  
DATA        DATA_0011  436420096   356003840  

ASMCMD [+] > iostat --io -G data
Group_Name  Dsk_Name   Reads  Writes  
DATA        DATA_0000  2801   34918   
DATA        DATA_0001  58301  35700   
DATA        DATA_0002  3320   36345   
DATA        DATA_0003  2816   10629   
DATA        DATA_0004  2883   34850   
DATA        DATA_0005  59306  38097   
DATA        DATA_0006  2151   10129   
DATA        DATA_0007  2686   10376   
DATA        DATA_0008  2105   8955    
DATA        DATA_0009  9121   36713   
DATA        DATA_0010  3557   8596    
DATA        DATA_0011  17458  9269    

lsattr

目的

ディスク・グループの属性をリストします。

構文および説明

lsattr [--suppressheader][-G diskgroup ] [-lm] [pattern]

表10-60に、lsattrコマンドの構文オプションを示します。

表10-60 lsattrコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ディスク・グループ名。

--suppressheader

列ヘッダーを非表示にします。

-l

名前とともに値を表示します。

-m

RO列、Sys列などの追加情報を表示します。

pattern

パターン表現を含む属性を表示します。

ディスク・グループ属性に関する情報は、V$ASM_ATTRIBUTEビューから取得されます。ディスク・グループ属性の詳細は、「ディスク・グループ属性の管理」を参照してください

RO(読取り専用)列では、ディスク・グループの作成時にのみ設定できる属性を特定します。Sys列では、システム作成の属性を特定します。

ディスク・グループ・テンプレートの属性に関する情報を表示するには、「lstmpl」を参照してください。

ディスク・グループ属性の設定方法は、「setattr」を参照してください。

次に、lsattrコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのすべての属性に関する情報を表示します。2つ目の例では、fraディスク・グループの文字列compatを含む名前の属性のみを表示します。Linuxでの%および*の両方のワイルドカード文字の使用に注意してください。

例10-64 ASMCMD lsattrコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsattr -lm -G data
Group_Name  Name                        Value         RO  Sys  
DATA        access_control.enabled      FALSE         N   Y    
DATA        access_control.umask        066           N   Y    
DATA        appliance._partnering_type  GENERIC       Y   Y    
DATA        ate_conversion_done         true          Y   Y    
DATA        au_size                     1048576       Y   Y    
DATA        cell.smart_scan_capable     FALSE         N   N    
DATA        cell.sparse_dg              allnonsparse  N   N    
DATA        compatible.advm             18.0.0.0.0    N   Y    
DATA        compatible.asm              18.0.0.0.0    N   Y    
DATA        compatible.rdbms            18.0.0.0.0    N   Y    
DATA        content.check               FALSE         N   Y    
DATA        content.type                data          N   Y    
DATA        content_hardcheck.enabled   FALSE         N   Y    
DATA        disk_repair_time            12.0h         N   Y    
DATA        failgroup_repair_time       24.0h         N   Y    
DATA        idp.boundary                auto          N   Y
DATA        idp.type                    dynamic       N   Y    
DATA        logical_sector_size         512           N   Y    
DATA        phys_meta_replicated        true          Y   Y    
DATA        preferred_read.enabled      FALSE         N   Y    
DATA        scrub_async_limit           1             N   Y    
DATA        scrub_metadata.enabled      TRUE          N   Y    
DATA        sector_size                 512           N   Y    
DATA        thin_provisioned            FALSE         N   Y    
DATA        vam_migration_done          false         Y   Y

ASMCMD [+] > lsattr -G fra -l %compat*
Name              Value
compatible.advm   18.0.0.0.0  
compatible.asm    18.0.0.0.0  
compatible.rdbms  18.0.0.0.0 

lsdg

目的

マウントされたディスク・グループおよびその情報をリストします。lsdgでは、デフォルトでV$ASM_DISKGROUP_STATに問い合せます。--discoveryフラグが指定されている場合、かわりにV$ASM_DISKGROUPに問い合せます。また、出力には、ディスク・グループの現行のリバランス操作の通知も含まれます。ディスク・グループが指定されている場合、lsdgからはそのディスク・グループに関する情報のみが戻されます。

構文および説明

lsdg [--suppressheader] [-g] [--discovery] [pattern]

表10-61に、lsdgコマンドのオプションを示します。

表10-61 lsdgコマンドのオプション

オプション 説明

(なし)

表10-62のディスク・グループ属性を表示します。

--discovery

-gフラグも指定されている場合、V$ASM_DISKGROUPまたはGV$ASM_DISKGROUPから選択します。Oracle ASMインスタンスがリリース10.1以下の場合、このオプションは常に有効です。lsdgを非接続モードで実行する場合、このフラグは無視されます。

-g

--discoveryフラグも指定されている場合、GV$ASM_DISKGROUP_STATまたはGV$ASM_DISKGROUPから選択します。出力には、GV$ASM_DISKGROUP.INST_IDが含まれます。GV$ASM_OPERATIONビューのREBAL列も出力されます。

--suppressheader

列ヘッダーを非表示にします。

pattern

指定されたディスク・グループか、指定したパターンと一致するディスク・グループに関する情報のみを戻します。詳細は、ワイルドカード文字を参照してください。

表10-62に、各ディスク・グループの属性を示します。ディスク・グループのすべての属性を表示するには、V$ASM_DISKGROUP_STATまたはV$ASM_DISKGROUPビューを使用します。

関連項目:

V$ASM_DISKGROUPビューに表示されるディスク・グループ情報の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

表10-62 lsdgコマンド出力の属性の説明

属性名 説明

State

ディスク・グループの状態。たとえば、BROKENCONNECTEDDISMOUNTED MOUNTEDQUIESCING、またはUNKNOWN

Type

ディスク・グループの冗長性。たとえば、NORMALHIGHFLEX、またはEXTERNAL

Rebal

Y: リバランス操作が進行中の場合。

Sector

セクター・サイズ(バイト)。

Block

ブロック・サイズ(バイト)。

AU

割当て単位のサイズ(バイト)。

Total_MB

ディスク・グループのサイズ(MB)。

Free_MB

冗長性を考慮しない場合のディスク・グループの空き領域(MB)。V$ASM_DISKGROUPビューの値です。

Req_mir_free_MB

ディスク・グループで許容できる最悪の障害が発生した後、完全な冗長性をリストアするためにディスク・グループで使用可能にする必要のある領域の量。これはV$ASM_DISKGROUPビューのREQUIRED_MIRROR_FREE_MB列の値です。

Usable_file_MB

ミラー化のために調整され、新しいファイルに使用可能な空き領域の量。V$ASM_DISKGROUPビューの値です。

Offline_disks

ディスク・グループ内のオフライン・ディスクの数。オフライン・ディスクは、最後に削除されます。

Voting_files

ディスク・グループに投票ファイルが含まれるかどうか(YまたはN)を指定します。

Name

ディスク・グループ名。

次の例では、dataディスク・グループの属性を表示します。

例10-65 ASMCMD lsdgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsdg data
State    Type    Rebal  Sector  Block       AU  Total_MB  Free_MB  Req_mir_free_MB  Usable_file_MB
MOUNTED  NORMAL  N         512   4096  4194304     12288     8835             1117            3859

(continued)
Offline_disks  Voting_files  Name
            0             N  DATA

lsdsk

目的

Oracle ASMディスクをリストします。

構文および説明

lsdsk [--suppressheader] [-kptgMI] [-G diskgroup ]
         [ --member|--candidate]
         [--discovery][--statistics][pattern]

表10-63に、lsdskコマンドのオプションを示します。

表10-63 lsdskコマンドのオプション

オプション 説明

(なし)

V$ASM_DISK_STATビューのPATH列を表示します。

-k

V$ASM_DISKビューのTOTAL_MBFREE_MBOS_MBNAMEFAILGROUPLIBRARYLABELUDIDPRODUCTREDUNDANCYおよびPATH列を表示します。

--statistics

V$ASM_DISKビューのREADSWRITESREAD_ERRSWRITE_ERRSREAD_TIMEWRITE_TIMEBYTES_READBYTES_WRITTENおよびPATH列を表示します。

-p

V$ASM_DISKビューのGROUP_NUMBERDISK_NUMBERINCARNATIONMOUNT_STATUSHEADER_STATUSMODE_STATUSSTATEおよびPATH列を表示します。

-t

V$ASM_DISKビューのCREATE_DATEMOUNT_DATEREPAIR_TIMERおよびPATH列を表示します。

-g

--discoveryフラグも指定されている場合、GV$ASM_DISK_STATまたはGV$ASM_DISKから選択します。出力には、GV$ASM_DISK.INST_IDが含まれます。

--discovery

-gフラグも指定されている場合、V$ASM_DISKまたはGV$ASM_DISKから選択します。Oracle ASMインスタンスがリリース10.1以下の場合、このオプションは常に有効です。lsdskを非接続モードで実行する場合、このフラグは無視されます。

--suppressheader

列ヘッダーを非表示にします。

-I

Oracle ASMインスタンスから情報を抽出するのではなく、ディスク・ヘッダーで情報をスキャンします。このオプションにより、非接続モードが強制されます。

-G

diskgroupによって指定されたグループに属しているディスクにのみ結果を制限します。

-M

全部ではなく一部のアクティブ・インスタンスで参照できるディスクを表示します。これらのディスクがディスク・グループに含まれる場合、ディスクを参照できないインスタンスでは、そのディスク・グループのマウントが失敗します。

--candidate

メンバーシップのステータスがCANDIDATEのディスクにのみ結果を制限します。

--member

メンバーシップのステータスがMEMBERのディスクにのみ結果を制限します。

pattern

指定されたパターンと一致するディスクに関する情報のみを戻します。

lsdskコマンドは、接続モードまたは非接続モードで実行できます。最初は常に接続モードが試行されます。-Iオプションにより、非接続モードが強制されます。

  • 接続モードのlsdskでは、V$ASM_DISK_STATおよびV$ASM_DISK動的ビューを使用してディスク情報を取得します。V$ASM_DISK_STATビューがデフォルトで使用されます。

  • 非接続モードのlsdskでは、ディスク・ヘッダーをスキャンしてディスク情報を取得します。このモードでは、情報によって使用できないものがあり、オプションには組合せが無効なものがあります。

注意:

Windowsでは非接続モードはサポートされていません。

patternによって、指定したパターンと一致するディスクにのみ出力先を制限します。ワイルドカードおよびスラッシュ(/または\)はパターンの一部として使用できます。patternは、コマンドの最後のオプションとして指定する必要があります。ワイルドカードの詳細は、ワイルドカード文字を参照してください。

-k-p-tおよび--statisticsオプションにより、ディスクごとに表示される情報量を変更します。任意の組合せのオプションを指定すると、出力には、各フラグに関連付けられた属性の組合せが表示されます。

次に、lsdskコマンドの例を示します。1つ目と2つ目の例では、dataディスク・グループ内のディスクに関する情報を表示します。3つ目の例では、候補ディスクに関する情報を表示します。

例10-66 ASMCMD lsdskコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsdsk -t -G data
Create_Date  Mount_Date  Repair_Timer  Path
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diska1
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diska2
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diska3
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diskb1
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diskb2
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diskb3
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diskc1
13-JUL-09    13-JUL-09   0             /devices/diskc2
...

ASMCMD [+] > lsdsk -p -G data /devices/diska*
Group_Num  Disk_Num      Incarn  Mount_Stat  Header_Stat  Mode_Stat  State   Path
        1         0  2105454210  CACHED      MEMBER       ONLINE     NORMAL  /devices/diska1
        1         1  2105454199  CACHED      MEMBER       ONLINE     NORMAL  /devices/diska2
        1         2  2105454205  CACHED      MEMBER       ONLINE     NORMAL  /devices/diska3

ASMCMD [+] > lsdsk --candidate -p
Group_Num  Disk_Num      Incarn  Mount_Stat  Header_Stat  Mode_Stat  State   Path
        0         5  2105454171  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diske1
        0        25  2105454191  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diske2
        0        18  2105454184  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diske3
        0        31  2105454197  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diskk1
        0        21  2105454187  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diskk2
        0        26  2105454192  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diskk3
        0        14  2105454180  CLOSED      CANDIDATE    ONLINE     NORMAL  /devices/diskl1
...

lsod

目的

オープンOracle ASMディスクをリストします。

構文および説明

lsod [--suppressheader] [-G diskgroup] [--process process] [pattern]

表10-64に、lsodコマンドの構文オプションを示します。

表10-64 lsodコマンドのオプション

オプション 説明

--suppressheader

出力で列のヘッダー情報を非表示にします。

-G diskgroup

オープン・ディスクを含むディスク・グループを指定します。

--process process

プロセスのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。

pattern

ディスクのリストをフィルタ処理するパターンを指定します。

リバランス操作(RBAL)はディスクをグローバルとローカルの両方でオープンするため、ディスクはRBALプロセスの出力に2回表示されます。

次に、lsodコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループおよびLGWRプロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。2つ目の例では、diskaパターンと一致するディスクのLGWRプロセスに関連するオープン・デバイスをリストします。

例10-67 ASMCMD lsodコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lsod -G data --process *LGWR*
Instance Process                  OSPID Path
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska1 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska2 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska3 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb1 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb2 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskb3 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diskd1 

ASMCMD [+] > lsod --process *LGWR* *diska*
Instance Process                  OSPID Path
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska1 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska2 
1        oracle@myserver02 (LGWR) 26593 /devices/diska3 

lsodコマンドの別の例は、例10-2を参照してください。

md_backup

目的

md_backupコマンドは、1つ以上のディスク・グループのメタデータを含むバックアップ・ファイルを作成します。

構文および説明

md_backup backup_file 
         [-G 'diskgroup [,diskgroup,...]'] --acfs_sec_encr

表10-65に、md_backupコマンドのオプションを示します。

表10-65 md_backupコマンドのオプション

オプション 説明

backup_file

メタデータを格納するバックアップ・ファイルを指定します。

-G diskgroup

バックアップの必要があるディスク・グループのディスク・グループ名を指定します。

--acfs_sec_encr

Oracle ACFSからのセキュリティ、暗号化または監査メタデータの情報をバックアップすることを指定します。

デフォルトでは、マウントされているすべてのディスク・グループがバックアップ・ファイルに含まれます。バックアップ・ファイルは、ファイル名にパスが指定されていない場合、現在の作業ディレクトリに保存されます。

md_backupコマンドは、含まれているOracle ASM動的ボリューム・マネージャ(Oracle ADVM)のボリュームに関するOracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS)のメタデータ情報(ストライプ・サイズ、冗長性などの項目)をバックアップします。また、このコマンドは、Oracle ACFSファイルシステム構成メタデータ(圧縮属性、サイズ変更属性、ブロック・サイズ、作成したスナップショットなど)もバックアップします。その他のメタデータ属性および構成属性もバックアップできますが、Oracle ACFSファイルシステム・データおよびOracle ACFS CRSリソース情報はバックアップされません。

1つ目の例は、ディスク・グループ・オプションを指定しないで実行する場合のバックアップ・コマンドの使用例です。この例では、マウントされているすべてのディスク・グループをバックアップし、/scratch/backup/alldgs20100422ファイルにバックアップ・イメージを作成します。2つ目の例では、dataディスク・グループのバックアップを作成します。この例で作成されるメタデータ・バックアップは、/scratch/backup/data20100422ファイルに保存されます。

例10-68 ASMCMD md_backupコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/alldgs20100422
Disk group metadata to be backed up: DATA
Disk group metadata to be backed up: FRA
Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG
Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE
Current alias directory path: ORCL
Current alias directory path: ASM
Current alias directory path: ORCL/DATAFILE
Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE
Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE
Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE
Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_20
Current alias directory path: ORCL
Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_21
Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_19
Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_22
Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG
Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET/2010_04_20
Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG
Current alias directory path: ORCL/BACKUPSET
Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_22
Current alias directory path: ORCL/DATAFILE
Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE
Current alias directory path: ORCL/ARCHIVELOG/2010_04_21

ASMCMD [+] > md_backup /scratch/backup/data20100422 -G data
Disk group metadata to be backed up: DATA
Current alias directory path: ORCL/ONLINELOG
Current alias directory path: ASM
Current alias directory path: ORCL/CONTROLFILE
Current alias directory path: ASM/ASMPARAMETERFILE
Current alias directory path: ORCL/PARAMETERFILE
Current alias directory path: ORCL
Current alias directory path: ORCL/DATAFILE
Current alias directory path: ORCL/TEMPFILE

md_restore

目的

md_restoreコマンドは、ディスク・グループのメタデータのバックアップをリストアします。

構文および説明

md_restore  backup_file [--silent]
     [--full|--nodg|--newdg -o 'old_diskgroup:new_diskgroup [,...]']
   [--acfs_sec_encr user:group | 
    --acfs_sec_encr user:group --acfs_audit user:mgr_group:auditor_group ]
     [-S sql_script_file] [-G 'diskgroup [,diskgroup...]']

表10-66に、md_restoreコマンドのオプションを示します。

表10-66 md_restoreコマンドのオプション

オプション 説明

backup_file

メタデータ情報をbackup_fileから読み取ります。

--silent

エラーを無視します。通常、md_restoreでエラーが発生した場合は停止します。このフラグを指定すると、エラーを無視します。

--full

ディスク・グループを作成し、メタデータをリストアすることを指定します。

--nodg

メタデータのみをリストアすることを指定します。

--newdg -o old_diskgroup:new_diskgroup]

メタデータのリストア時に別の名前を使用してディスク・グループを作成することを指定します。-oオプションは、--newdgとともに使用する必要があります。

--acfs_sec_encr user:group

セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)のメタデータをリストアします。コロンで区切られたユーザーおよびグループをセキュリティ・メタデータのリストアに使用します。メタデータのリストア時に、セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)を初期化する必要があります。セキュリティまたは暗号化(あるいはその両方)が事前に初期化されていない場合、--acfs_sec_encrオプションに渡されたコロン区切りの値を使用してセキュリティを初期化します。暗号化は、SSOウォレットを使用して初期化します。

--acfs_audit user:mgr_group:auditor_group

Oracle ACFSファイルシステムの監査メタデータ情報をリストアします。コロン区切りの値を使用して監査コマンドを初期化および実行します。メタデータのリストア時に、監査を初期化する必要があります。監査が事前に初期化されていない場合、--acfs_auditオプションに指定されたコロン区切りの値を使用して監査レイヤーを初期化します。--acfs_auditオプションには、--acfs_sec_encrオプションが必要です。

-S sql_script_file

コマンドを実行するかわりに、指定したSQLスクリプト・ファイルにSQLを書き込みます。

-G diskgroup

リストアされるディスク・グループを選択します。ディスク・グループを定義しない場合、すべてのディスク・グループがリストアされます。

Oracle ACFS情報のリストア時には、次の点に注意してください。

  • ファイルシステムのメタデータをリストアする際、ユーザーIDは、メタデータのバックアップを作成したときにファイルシステムを所有していたユーザーIDに設定する必要があります。このユーザーIDは、リストア・クラスタに存在します。

  • md_restoreは、Oracle ACFSメタデータ情報をリストアします。Oracle ACFSファイルシステムに関するメタデータのリストアを実行するために、スクリプトが作成されます。このスクリプトは、ファイルシステムをフォーマットするためにrootとして実行する必要があります。含まれているOracle ADVMボリュームに関するメタデータ(ストライプ・サイズや冗長性など)がリストアされます。また、Oracle ACFSファイルシステム構成メタデータ(圧縮属性、サイズ変更属性、ブロック・サイズ、作成したスナップショットなど)もリストアされます。Oracle ACFSファイルシステム・データおよびACFS CRSリソース情報はリストアされません。

  • --silentオプションを使用すると同時に、単一のディスク・グループを指定していて、別のディスク・グループのOracle ADVMメタデータまたはOracle ACFSアクセラレータのために依存性がある場合、その依存性は削除されるため、後でその依存性を手動で再作成する必要があります。

  • Oracle ACFSの暗号化またはセキュリティをリストアする際、ファイルシステム拡張属性(xattr)をユーザー・データとともにリストアする必要があります。ファイルシステム・アプリケーション・データとともにxattrを格納およびリストアする必要があることを記録に残すことは非常に重要です。xattrがなければ、セキュリティまたは暗号化はありません。xattrは、ファイルが属するセキュリティ・レルムを表します。xattrなしでは、ファイルはレルムなしの状態になります。逆にxattrがあっても、セキュリティが初期化されていないファイルは、レルムなしの状態になります。

  • メタデータのリストア時に、以前に構成したスナップショットのリストが含まれるファイルが作成されます。ポイント・イン・タイムの疎スナップショット・ビューは再作成できないため、スナップショット・データはリストアされません。

  • Oracle ACFSセキュリティが使用中で、ファイルシステムに関するメタデータ・セキュリティ情報がバックアップされていない場合、セキュリティ管理者はこの情報をメタデータ・バックアップ・ファイルの場所にコピーし、残りのディスク・グループ情報でリストアできることがあります。

  • Oracle ACFSセキュリティおよび暗号化がリストアされる場合、ユーザーおよびパスワードが事前に初期化されることがあります。されない場合は、指定されたユーザー名が表示されるデフォルトのパスワードとともに、Oracle ACFSセキュリティおよび暗号化の初期化に使用されます。

1つ目の例では、ディスク・グループdataをバックアップ・スクリプトからリストアして、コピーを作成します。2つ目の例では、既存のディスク・グループdataを選択し、そのメタデータをリストアします。3つ目の例では、ディスク・グループdataを完全リストアしますが、作成される新しいディスク・グループの名前をdata2とします。4つ目の例では、override.sqlスクリプト・ファイルに定義されているオーバーライドを適用した後、バックアップ・ファイルからリストアします。

例10-69 ASMCMD md_restoreコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > md_restore –-full –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422

ASMCMD [+] > md_restore –-nodg –G data –-silent /scratch/backup/alldgs20100422

ASMCMD [+] > md_restore –-newdg -o 'data:data2' --silent /scratch/backup/data20100422

ASMCMD [+] > md_restore -S override.sql --silent /scratch/backup/data20100422

mkdg

目的

XML構成ファイルに基づいてディスク・グループを作成します。

構文および説明

mkdg { config_file.xml | 'contents_of_xml_file' }

表10-67に、mkdgコマンドの構文オプションを示します。

表10-67 mkdgコマンドのオプション

オプション 説明

config_file

新規ディスク・グループの構成を含むXMLファイルの名前。mkdgでは、パスが指定されないかぎり、ASMCMDが起動されたディレクトリ内のXMLファイルを検索します。有効なタグおよびXML構成ファイルの例は、例10-70および例10-71を参照してください。

contents_of_xml_file

一重引用符で囲んだXMLスクリプト。

mkdgは、ディスク・グループの名前、冗長性、属性、およびディスク・グループを構成するディスクのパスを指定するXML構成ファイルにより、新規ディスク・グループを作成します。冗長性はオプションのパラメータです。デフォルトは標準冗長性です。冗長性の一部のタイプでは、ディスクを障害グループにまとめる必要があります。ディスク・グループの障害グループを指定しない場合、ディスク・グループ内の各ディスクは独自の障害グループに属します。

mkdgコマンドは、ローカル・ノードのディスク・グループのみマウントします。

ディスク・グループの作成時に、ディスク・グループ属性値のいくつかを設定できます。AU_SIZESECTOR_SIZEなどの一部の属性は、ディスク・グループの作成時にのみ設定できます。

例10-70に、mkdgのXML構成ファイルについて基本構造および有効なタグとその属性を示します。

例10-70 mkdgのXML構成ファイルのタグ

<dg>  disk group
      name         disk group name
      redundancy   normal, external, high
 
<fg>  failure group
      name         failure group name
</fg>

<dsk> disk
      name         disk name
      string       disk path
      size         size of the disk to add
      force        true specifies to use the force option
</dsk>

<a>   attribute
      name         attribute name
      value        attribute value
</a>

</dg>

次に、mkdgのXML構成ファイルの例を示します。この構成ファイルでは、normal冗長性でdataというディスク・グループを作成します。2つの障害グループfg1およびfg2を作成します。各障害グループには、関連付けられたディスク文字列によって識別される2つのディスクがあります。ディスク・グループの互換性属性をすべて18.0に設定します。

例10-71 mkdgのサンプルXML構成ファイル

<dg name="data" redundancy="normal">
  <fg name="fg1">
    <dsk string="/dev/disk1"/>
    <dsk string="/dev/disk2"/>
  </fg>
  <fg name="fg2">
    <dsk string="/dev/disk3"/>
    <dsk string="/dev/disk4"/>
  </fg>
  <a name="compatible.asm" value="18.0"/>
  <a name="compatible.rdbms" value="18.0"/>
  <a name="compatible.advm" value="18.0"/>
</dg>

次に、mkdgコマンドの例を示します。1つ目の例では、ASMCMDが起動されたディレクトリ内のXML構成ファイルを使用してmkdgを実行します。2つ目の例では、コマンドラインに情報を指定してmkdgを実行します。

例10-72 ASMCMD mkdgコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mkdg data_config.xml

ASMCMD [+] > mkdg '<dg name="data"><dsk string="/dev/disk*"/></dg>'

関連項目:

mount

目的

ディスク・グループをマウントします。

構文および説明

mount [--restrict] { [-a] | [-f] diskgroup[ diskgroup ...] }

表10-68に、mountコマンドの構文オプションを示します。

表10-68 mountコマンドのオプション

オプション 説明

diskgroup

ディスク・グループの名前。

-a

すべてのディスク・グループをマウントします。

--restrict

制限モードでマウントします。

-f

マウント操作を強制します。

この操作により、1つ以上のディスク・グループがマウントされます。ディスク・グループは、強制または制限のオプションを指定してまたは指定せずにマウントできます。ディスク・グループのマウントの詳細は、ディスク・グループのマウントおよびディスマウントを参照してください。

次に、強制、制限およびすべてのオプションを使用するmountコマンドの例を示します。

例10-73 ASMCMD mountコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mount -f data

ASMCMD [+] > mount --restrict data

ASMCMD [+] > mount -a

offline

目的

ディスク・グループに属しているディスクまたは障害グループをオフラインにします。

構文および説明

offline -G diskgroup 
        { -F failgroup |-D disk}
        [-t {minutes | hours}]

表10-69に、offlineコマンドの構文オプションを示します。

表10-69 offlineコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ディスク・グループ名。

-F failgroup

障害グループ名。

-D disk

1つのディスク名を指定します。

-t minutes | hours

指定されたディスクを削除するまでの時間をnmまたはnhとして指定します。mは分を、hは時間をそれぞれ指定します。たとえば、120mまたは2hです。デフォルトでは時間単位になります。

障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオフラインになることを意味します。

次に、offlineコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのfailgroup1障害グループをオフラインにします。2つ目の例では、ディスクの削除までの時間を1.5時間と指定し、dataディスク・グループのdata_0001ディスクをオフラインにします。

例10-74 ASMCMD offlineコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > offline -G data -F failgroup1

ASMCMD [+] > offline -G data -D data_0001 -t 1.5h

online

目的

ディスク・グループに属するすべてのディスク、単一のディスクまたは障害グループをオンラインにします。

構文および説明

online -G diskgroup { -a | -F failgroup |-D disk} 
       [--power n] [-w]

表10-70に、onlineコマンドの構文オプションを示します。

表10-70 onlineコマンドのオプション

オプション 説明

-a

ディスク・グループ内のすべてのオフライン・ディスクをオンラインにします。

-G diskgroup

ディスク・グループ名。

-F failgroup

障害グループ名。

-D disk

ディスク名。

--power n

ディスクの再同期およびディスク・グループのリバランスのためのリソースのレベルを決定する指数オプション(1から1024まで)を指定します。値を大きくすると、ディスクの再同期およびディスク・グループのリバランスが高速になります。デフォルトは1です。

-w

待機オプション。ユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、ASMCMDは待機することになります。デフォルトは、待機なしです。

障害グループが指定されている場合、そのグループに属するディスクはすべてオンラインになることを意味します。

次に、onlineコマンドの例を示します。1つ目の例では、waitオプションを有効にして、dataディスク・グループのfailgroup1障害グループのすべてのディスクをオンラインにします。2つ目の例では、dataディスク・グループのdata_0001ディスクをオンラインにします。

例10-75 ASMCMD onlineコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > online -G data -F failgroup1 -w 

ASMCMD [+] > online -G data -D data_0001

rebal

目的

ディスク・グループをリバランスします。

構文および説明

rebal [--default | --modify power] [--with phase,... | --without phase,...] 
                                        [--power power] [-w] diskgroup

表10-71に、rebalコマンドの構文オプションを示します。

表10-71 rebalコマンドのオプション

オプション 説明

–default

リバランス指数をデフォルトに設定します。これは、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの値です。このオプションでは、リバランス操作は再起動されません。

--modify power

リバランス操作を再起動せずにリバランス指数を変更します。受け入れられる値は、ASM_POWER_LIMITと同じです(0から1024)。値0の場合、リバランスは無効です。

--with phase

指定したフェーズでリバランスのみを実行します。使用可能なフェーズはpreparebalanceおよびcompactです。フェーズはカンマ1つで区切る必要があります。このオプションを指定する場合は、少なくとも1つのフェーズを指定する必要があります。

--without phase

指定したフェーズでリバランスを実行しません。フェーズはpreparebalanceおよびcompactです。フェーズはカンマ1つで区切る必要があります。このオプションを指定する場合は、少なくとも1つのフェーズを指定する必要があります。

--power power

指数設定を指定します。受け入れられる値は、ASM_POWER_LIMITと同じです(0から1024)。値0の場合、リバランスは無効です。

-w

待機オプションを指定します。ASMCMDはユーザーに制御を戻す前にディスク・グループをリバランスする間、待機します。デフォルトは、待機なしです。

diskgroup

障害ディスク名を指定します。

指数レベルには、ASM_POWER_LIMIT初期化パラメータと同じ値を設定できます。値0の場合、リバランスは無効です。リバランス指数が指定されていない場合、値はデフォルトでASM_POWER_LIMIT初期化パラメータの設定になります。

ASMCMD lsopコマンドを使用すると、リバランス操作が発生しているかどうかを判別できます。

次の例では、最初のrebalコマンドによって、指数レベルを4に設定してFRAディスク・グループをリバランスし、balanceおよびcompact・フェーズのみを実行します。2番目のrebalコマンドは、リバランス指数を1に設定してDATAディスク・グループをリバランスしますが、リバランス操作を再起動しません。

例10-76 ASMCMD rebalコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > rebal --with balance,compact --power 4 FRA

ASMCMD [+] > lsop
Group_Name  Operation  State  Power
FRA         REBAL      RUN    4   
     
ASMCMD [+] > rebal --modify 1 DATA

関連項目:

remap

目的

ディスク上で使用できないブロックの範囲をマークし、その範囲に割り当てられたデータをすべて再配置します。

構文および説明

remap diskgroup disk block_range

表10-72に、remapコマンドの構文オプションを示します。

表10-72 remapコマンドのオプション

オプション 説明

diskgroup

データの再配置が必要なディスクが属するディスク・グループの名前。

ディスク

データの再配置が必要なディスクの名前。名前は、V$ASM_DISKビューのNAME列と一致する必要があります。

block_range

再配置する物理ブロックの範囲。書式はstart_range_number-end_range_numberです。

remapコマンドでは、ブロックの再配置のみを行います。破損した内容を含むブロックの修正または修復は行いません。SECTOR_SIZEディスク・グループ属性に基づいて、物理ブロック・サイズを使用します。

1つ目の例では、ディスク・グループDATAにあるディスクDATA_00015000から5999のブロックを再マップします。2つ目の例では、ディスク・グループFRAにあるディスクFRA_00026230から6339のブロックを再マップします。

例10-77 ASMCMD remapコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > remap DATA DATA_0001 5000-5999

ASMCMD [+] > remap FRA FRA_0002 6230-6339

setattr

目的

Oracle ASMディスク・グループの属性を設定します。

構文および説明

setattr -G diskgroup attribute_name attribute_value

表10-73に、setattrコマンドの構文オプションを示します。

表10-73 setattrコマンドのオプション

オプション 説明

-G diskgroup

ディスク・グループ名。

attribute_name

属性の名前。

attribute_value

属性の値

COMPATIBLE.ASM属性は、他のディスク・グループの互換性属性を拡張する前に拡張する必要があります。また、その値は他のディスク・グループの互換性属性の値以上である必要があります。

ディスク・グループ属性の詳細は、ディスク・グループ属性の管理を参照してください。

次に、setattrコマンドの例を示します。1つ目の例では、dataディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASMを設定します。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスク・グループ属性COMPATIBLE.RDBMSを設定します。

例10-78 ASMCMD setattrコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > setattr -G data compatible.asm 18.0

ASMCMD [+] > setattr -G data compatible.rdbms 18.0

stamp

目的

ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプします。

構文および説明

stamp --dscstr disk_discovery_string 
      [--site site_name --failgroup failgroup_name]
      [--disk disk_label] [-f]

次の表に、stampコマンドのオプションを示します。

表10-74 stampコマンドのオプション

オプション 説明

--dscstrdisk_discovery_string

ラベルをスタンプするディスクを識別するディスク検出文字列を指定します。

--site site_name

サイト・ラベル名を指定します。

--failgroup failgroup_name

障害グループ・ラベルを指定します。サイト・ラベルを指定した場合は必須です。

--disk disk_label

ディスク・ラベルを指定します。

-f

アクションの強制を指定します。

ASMCMD stampを使用すると、ユーザーは、ディスク、サイトおよび障害グループのラベルをディスク・ヘッダーにスタンプできます。stampの使用は、ディスク・グループのインストールおよび作成時に、ラベル情報を個別に指定するより効率的です。

サイト・ラベルおよび障害グループ・ラベルは、ディスク・グループの作成および変更時にサイト名および障害グループ名に使用されます。ディスク・ラベルは、Oracle ASMフィルタ・ドライバ(AFD)およびOracle ASMライブラリとともに使用するためだけのものです。

ラベルの指定は少なくとも1つ(-—site--failgroupまたは--disk)必要です。

次に、/dev/sd*ディスク検出文字列で識別されたディスクに対するASMCMD stampコマンドの使用例を示します。

例10-79 ASMCMD stampの使用方法

ASMCMD [+] > stamp --dscstr "/dev/sd*" --site "SALTLAKE-CENTER" --failgroup "fg1" --disk "DISK1"

stamplist

目的

ディスク・ヘッダーのディスク、サイトおよび障害グループのラベルを表示します。

構文および説明

stamp --dscstr disk_discovery_string  {[--site] [--failgroup] [--disk]}

次の表に、stamplistコマンドのオプションを示します。

表10-75 stamplistコマンドのオプション

オプション 説明

--dscstrdisk_discovery_string

ラベルを表示するディスクを識別するディスク検出文字列を指定します。

--site

サイト・ラベル名を表示します。

--failgroup

障害グループ・ラベルを表示します。

--disk

ディスク・ラベルを表示します。

-—site--failgroup--diskのオプションうち少なくとも1つを指定する必要があります。

次に、/dev/sd*ディスク検出文字列で識別されたディスクのサイト、障害グループおよびディスクのラベルを表示するASMCMD stamplistコマンドの使用例を示します。

例10-80 ASMCMD stamplistの使用方法

 ASMCMD [+] > stamplist --dscstr "/dev/sd*" --site --failgroup --disk

umount

目的

ディスク・グループをディスマウントします。

構文および説明

umount { -a | [-f] diskgroup }

表10-76に、umountコマンドの構文オプションを示します。

表10-76 umountコマンドのオプション

オプション 説明

diskgroup

ディスク・グループの名前。

-a

マウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。これらのディスク・グループは、V$ASM_DISKGROUPビューの出力に表示されます。

-f

ディスマウント操作を強制します。

次に、umountコマンドの例を示します。1つ目の例では、Oracle ASMインスタンスでマウントされているすべてのディスク・グループをディスマウントします。2つ目の例では、dataディスク・グループのディスマウントを強制します。

例10-81 ASMCMD umountコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > umount -a

ASMCMD [+] > umount -f data