1 プロセス・ワークスペースのスタート・ガイド
Oracle Business Process Management Workspace (プロセス・ワークスペース)はカスタマイズ可能なWebベース・インタフェースであり、タスクおよびプロセス・インスタンスに対するユーザーのロールや職責に応じたアクセスと管理を可能にします。
プロセス・ワークスペースの起動とログイン、プロセス・ワークスペースのインタフェースのナビゲーション、およびプリファレンスの構成の方法を学習します。
1.1 プロセス・ワークスペースの理解
プロセス・ワークスペースを使用すると、プロセス参加者はOracle BPMを使用して作成したアプリケーションと相互作用できます。
プロセス・ワークスペースのユーザー・インタフェースには、次のタブがあります。
-
タスク: このページを使用して、プロセス参加者は自身に割り当てられたタスクを参照し、使用できます。
-
ケース管理: 適応型ケース管理では、非常に柔軟性の高いデータ処理集中型のビジネス・プロセスのモデリングおよび実行をサポートしています。
-
プロセス・トラッキング: このページを使用して、プロセス参加者は実行中のプロセス・インスタンスを参照できます。
-
標準ダッシュボード: このページでは、プロセス・パフォーマンス、タスク・パフォーマンスおよび負荷を監視するための、すぐに使用できるダッシュボードが提供されます。
-
カスタム・ダッシュボード: このページを使用して、プロセス参加者は、プロセス・インスタンスによって生成された測定データに基づき、カスタム・ダッシュボードを定義し、使用できます。
通常、ビジネス管理者は組織およびロールの構成と管理を行います。詳細は、『Oracle Business Process Management Studioを使用したビジネス・プロセスの作成』のの組織のモデリングに関する項を参照してください。
プロセス・アナリストは通常、Oracle Business Process Analysis SuiteまたはBusiness Process Composerを使用してプロセス・モデルを作成します。また、Oracle BPM Studio内部のプロセス・アナリスト・ロールを使用することもできます。
プロセス開発者は、通常はOracle BPM Studioを使用してビジネス・アプリケーションのコンポーネントのモデリングと実装を行います。また、基本的なプロセスをモデリングするためにBusiness Process Composerを使用することもあります。
表1-1は、プロセス・ワークスペースの対象となるユーザーを示しています。
表1-1 Oracle Business Process Management Workspaceのユーザー
ユーザー・プロファイル | 説明 |
---|---|
プロセス参加者 |
これは最も基本的なプロファイルであり、すべてのユーザーに共通です。これにより、次を行うことができます:
これらのユーザーは組織全体に分散し、社外で作業する場合もあります。 プロセス参加者は、プロセスを開始するのみでなく、進行状況を追跡し、必要に応じて取り消すこともできます。 |
プロセス所有者 |
1つ以上のビジネス・プロセスを管理するユーザーです。自身のエンド・ユーザーとしてのアクセス以外に、このビジネス・プロセスに属しているが他のユーザーに割り当てられているタスクに対して行動します。これらのユーザーは、これらのプロセスでのプロセス・インスタンスの動きを認識する必要があります。そのためには、通常はダッシュボードを使用します。 これらのユーザーは、通常は運営組織の一部として社内のビジネス側に属しています。スーパーバイザである場合もあります。 |
管理者 |
管理ユーザーには2種類あります。
|
スーパーバイザ |
他のプロセス参加者からの報告を受けるユーザーです。プロセス・インスタンスが予期したとおりに実行されたことを確認するため、次を行います。
|
1.1.1 プロセス・ワークスペースの起動とログイン
プロセス・ワークスペースを起動するには、Oracle SOA Suiteをインストールする必要があり、サービス統合サーバーが実行中である必要があります。詳細は、インストールのドキュメントを参照してください。
プロセス・ワークスペースを起動してログインするには:
ノート:
-
プロセス・ワークスペースを同時に使用するユーザーが多数いると予想される場合は、セッション・タイムアウト値を5分以下に設定してください。これを行うには、プロセス・ワークスペースの
.ear
ファイルを展開し、web.xml
ファイルを開いて、タイムアウト・パラメータを更新します。weblogic.xml
に設定したタイムアウト値が、この値で上書きされます。 -
または、WebLogicコンソールで、「デプロイメント」→「OracleBPMWorkspace」(oracle.bpm.workspaceではありません)→「構成」タブをクリックします。「セッション・タイムアウト」の値を設定します。これで
weblogic.xml
が更新されます。 -
ユーザーIDがMicrosoft Active Directoryに格納されている場合、プロセス・ワークスペースが実行されているOracle WebLogic ServerがActive Directoryと通信できないために認証に失敗することがあります。これは、Oracle WebLogic ServerとActive Directoryが別々のドメインに存在する場合に発生する可能性があります。
この問題を解決するには、プロセス・ワークスペースが実行されているマシンの
/etc/hosts
ファイルにActive Directoryホストのアドレスを表すエントリを追加します。
1.1.2 プロセス・ワークスペースでのアクセシビリティ・プリファレンスの設定
プロセス・ワークスペースにログインすると、任意のページからアクセシビリティ・オプションを構成できます。これにより、ユーザー・プリファレンスが変更されます。これらは再度変更されるまで、すべてのセッションで保持されます。
アクセシビリティ・オプションを設定するには:
1.1.3 プロセス・ワークスペースでのデジタル証明書の指定
参加者の資格証明は、デジタル証明書によって証明されます。これは認証局(CA)が発行します。ユーザー名、シリアル番号、有効期限、証明書所有者の公開キーのコピー(メッセージとデジタル署名の暗号化に使用)、および証明書発行者のデジタル署名が記載されているため、受信者は証明書が本物であることを確認できます。詳細は、「エビデンス・ストア・サービスとデジタル署名の使用」を参照してください。
デジタル証明書を指定するには:
-
プロセス・ワークスペースの右上隅で、「プリファレンス」をクリックします。
-
「プリファレンス」ペインで、「証明書」をクリックします。
-
図1-2に示すように、決定の署名に使用する証明書をアップロードします。
証明書を使用してタスクの結果に署名する場合は、証明書の発行者によって発行された1つの証明書のみでなく、証明書のチェーン全体をプロセス・ワークスペースから
.P7B
(PKCS7形式)ファイルとしてアップロードする必要があります。チェーン全体はInternet Explorerからエクスポートできます。Mozilla Firefoxでは、チェーンを.P7B
ファイルとしてエクスポートできません。この場合は、次のステップを実行できます。-
Mozilla Firefoxからチェーンを
.P12
ファイル(秘密キーも含むPKCS12形式)としてエクスポートします。 -
Internet Explorerに
.P12
ファイルをインポートします。 -
このファイルをInternet Explorerから
.P7B
ファイルとして再度エクスポートします。 -
そのファイルをプロセス・ワークスペースからアップロードします。
証明書をシステムに指定する際は、次の重要な点に注意してください。そうしないと、証明書を使用してタスクに対する決定に署名することができません。
-
PKCS7ファイル形式は、バイナリの証明書形式です。スタンドアロンの証明書ファイルをディスクに格納する場合は、このオプションを選択します。
-
PKCS12ファイル形式は、キーストア形式です。証明書をキーストア内に格納する場合は、このオプションを選択します。
ノート:
証明書がキーストア内部に格納されている場合には、重要な点に注意する必要があります。プロセス・ワークスペースで署名検証に必要なのは公開キーのみです。秘密キーは必要ありません。通常、PKCS12形式にはユーザーの秘密キーが含まれることがあります(ブラウザからエクスポートした場合)。次に示すオプションのいずれかを実行すると、秘密キーへのアクセスを禁止できます。-
公開キーと証明書チェーンを含み、秘密キーを含まないPKCS12キーストアを作成します。このキーストアをプロセス・ワークスペースにアップロードします。
-
プロセス・ワークスペースのプリファレンスに入力していない別個のパスワードで秘密キーを保護します。秘密キーは通常、PKCS12の中の、個別に暗号化されたPKCS8構造に含まれています。多くの場合、PKCS8の暗号化はそれを包含するPKCS12と同じパスワードを使用して行われますが、それが必須ではありません。PKCS8秘密キーが別のパスワードを使用して暗号化されている場合は、アップロード時にPKCS12パスワードを指定してください。
-
-
証明書の内容をコピーして貼り付ける場合は、「証明書内容のタイプまたは貼付け」を選択し、BASE64エンコード・テキストをフィールドに貼り付けます。このフィールドには、それ以外の形式の証明書を貼り付けないでください。同様に、証明書をアップロードする場合は、BASE64でエンコードされた証明書はアップロードしないでください。アップロードできるのは、PKCS12およびPKCS7形式のファイルのみです。
-
-
プロセス・ワークスペースの右上にある「ホーム」リンクをクリックして、タスク・リストに戻ります。
-
承認または却下するタスクをクリックします。
タスクの詳細が表示されます。
-
「承認」または「却下」をクリックします。
デジタル署名の詳細が表示されます。
-
署名ポリシーがあるタスクの場合は、「署名」をクリックします。
テキスト署名レポート・ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
決定の署名に使用する証明書をリストから選択します。
-
使用しているWebブラウザのマスター・パスワードを入力します。
-
「OK」をクリックします。
Webブラウザで、選択した証明書を使用して、テキスト署名リクエストの上半分に表示された文字列が署名され、選択したアクション(承認または却下)が実行されます。ヒューマン・ワークフロー・サービスでは、タスク・ステータスが適切に更新されます。
証明書のアップロード方法および使用方法に関する開発者のための情報詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』を参照してください。
1.1.4 管理機能へのアクセス
右上のツールバーには「管理」リンクがあり、「管理領域」に移動できます。
表1-2に、「管理領域」のカテゴリをリストして説明し、各カテゴリに関する詳細情報の参照先を示します。
表1-2 「管理領域」のカテゴリ
カテゴリ | 説明 | 情報 |
---|---|---|
組織 |
組織単位、ビジネス・カレンダ、営業休日、ロールおよびその他のユーザー・プロパティを定義して組織をモデリングします。 ノート: プロセス・ワークスペースにログインしていて、組織のメンバーシップに変更を加えた場合、ログアウトして再度ログインするまで、これらの変更はインタフェースに反映されません。これは、パフォーマンス向上のため、プロセス・ワークスペースにログインするときに組織単位情報がキャッシュされるためです。 |
|
フレックス・フィールド(マップ済属性) |
マップ済属性にデータを移入するために必要なマッピングを作成します。 |
|
タスク管理 |
承認グループ、タスク構成、エビデンス検索および例外を管理します。 |
|
アプリケーション・プリファレンス |
ワークリストの外観をカスタマイズします。 優先言語およびタイムゾーンを指定します。 |
1.1.5 プロセス・ワークスペースでのプリファレンスの設定
右上のツールバーに「プリファレンス」リンクがあります。
表1-3に、設定可能なプリファレンスをリストして説明し、各プリファレンスの設定に関する情報の参照先を示します。
表1-3 プリファレンス
プリファレンス | 説明 | 情報 |
---|---|---|
デジタル証明書の指定 |
資格証明を検証するための認証機関からのデジタル証明書を指定します。 |
|
ルールの設定 |
ユーザーまたはグループに割り当てられているタスクのルールを設定します。 |
|
通知プリファレンスの設定 |
通知設定を構成して、複数の通信チャネル(配信タイプ)にアクセスする場合のメッセージの受信方法、受信タイミングおよび受信場所を制御します。 |
|
アクセシビリティ・プリファレンスの設定 |
スクリーン・リーダーの使用、高コントラスト色、大きいフォントの使用など、アクセシビリティ・プリファレンスを選択します。 |
この項で説明したプリファレンス以外にも、プロセス・ワークスペースでの「作業アイテム」パネルの表示について様々なプリファレンスを設定できます。これらのアプリケーション・プリファレンスの設定の詳細は、プロセス・ワークスペースでの「作業アイテム」パネルの表示の設定を参照してください。
1.2 プロセス・ワークスペースのナビゲーション
プロセス・ワークスペースは、簡単にナビゲートできます。この章では、様々なツールバー、ボタンおよびパネルについて説明します。
図1-3は、プロセス・ワークスペースにログインしたときにデフォルトで表示されるホーム・ページの例を示しています。
上部のリンクを使用して、タスク、プロセス・インスタンス、ダッシュボード、アクティビティ・ガイド、レポートの作業を実行し、カスタム・ページを追加します。プロセス・ワークスペースのこれらの部分へのリンクを表1-4に示し、説明します。
表1-4 タスク、アクティビティ・ガイド、プロセス・インスタンス、ダッシュボードおよびその他のツールバー
ツールバーのリンク | 説明 |
---|---|
タスク |
「タスク」ページには、ユーザーの権限と割り当てられたグループおよびロールに基づいてユーザーのタスクが表示されます。 |
ケース |
「ケース」ページには、あまり構造化されていない非定型のプロセスである、適応型ケース管理のケースが表示されます。「プロセス・ワークスペースでの適応型ケース管理の使用」を参照してください。 |
プロセス・トラッキング |
「プロセス・トラッキング」ページを使用して、割り当てられたロールに基づいてビジネス・プロセスと相互作用します。 |
ダッシュボード |
ダッシュボードは、プロセス実行およびユーザー・ワークロードを監視するための分析情報を提供します。ダッシュボードには、サマリー情報が表示され、インスタンス固有の情報に移動できます。 |
その他: アクティビティ・ガイド、レポートおよびカスタム・ページの追加 |
|
上部右側のグローバル・ナビゲーション・バーは、プロセス・ワークスペース自体の構成および作業(ログアウトやユーザー・プリファレンスの設定など)に使用します。管理者の場合は、「管理」リンクも表示されます。管理タスクには、デフォルト・タブの表示または非表示の選択、ユーザーのログイン時にデフォルトで表示されるタブ・ページの指定などがあります。
表1-5では、「ホーム」、「管理」および「プリファレンス」リンクからアクセスできるページについて説明します。
表1-5 Oracle Business Process Management Workspaceのツールバー
ページ | 説明 |
---|---|
ホーム |
表1-4に示すように、ログイン・ユーザーのタスク・リスト、選択したタスクの詳細、およびタスク操作の開始に必要なすべての機能が表示されます。 |
管理 |
使用可能な管理機能は、次のとおりです。
|
プリファレンス |
次のプリファレンス設定が含まれます。
|
カスタム・ページの作成の詳細は、プロセス・ワークスペースでのカスタム・ページの作成と編集を参照してください。
デフォルト・タブの指定、表示および非表示の詳細は、「プロセス・ワークスペースでのデフォルトのタブ・ページの表示または非表示の指定方法」を参照してください。
1.2.1 タスクの状態について
各タスクには、タスクの状態を示す状態値が常に割り当てられます。タスクの作成時、処理時および終了時に、その状態値がタスクの処理内容に応じて適切に変更されます。
表1-6 タスクの状態の説明
タスクの状態 | 説明 | その状態からの一般的なアクション |
---|---|---|
ALERTED |
タスク割当てでリカバリ可能なフォルトが発生した場合、そのタスクはALERTED状態に移行し、エラー割当て先に割り当てられます。 |
再割当て ルート エラー 取消 |
割当て済 |
割当て先の状態は、タスクがユーザー、ロールまたはグループに割り当てられ、ユーザーがアクションを実行できる状態になったことを示します。 |
申告(グループ、ロールまたは一連のユーザーに割り当てられた場合)。 再割当て 承認、却下などのカスタム・アクション エスカレート ルート 委任 情報のリクエスト |
COMPLETED |
タスクが完了しました。これは終了状態です。 |
[-] |
DELETED |
タスクが論理的に削除されました。削除できるのはTo-Doタスクのみです。DELETEDは終了状態です。 |
パージによるデータベースからのタスクの削除 |
ERRORED |
タスクでリカバリ不能なエラーが発生しました。これは終了状態です。 |
[-] |
EXPIRED |
タスクの有効期限が過ぎ、期限切れになりました。これは終了状態です。 |
[-] |
INFO_REQUESTED |
タスクで情報がリクエストされました。 |
情報の発行。これにより、タスクはASSIGNED状態に戻ります。 |
OUTCOME_UPDATED |
ユーザーがタスクを操作したことを示す、存続期間の短い状態です。この状態は主に、アクションの履歴レコードを保持するために使用します。 |
[-] |
STATE |
所有するSOAコンポジットまたはBPMプロジェクトがアンデプロイされると、そのバージョンのコンポジットまたはプロジェクトのインスタンスはすべて、STATE状態に移行します。 |
[-] |
SUSPENDED |
タスクでの処理が停止しました。この状態のタスクに対して実行できるアクションはなく、タイマーは停止します。 |
再開。これにより、タスクはASSIGNED状態に戻ります。 |
WITHDRAWN |
タスクが不要になりました。これは終了状態です。 |
[-] |
1.3 プロセス・ワークスペースの「タスク」ページについて
「タスク」ページには、ユーザーの権限と割り当てられたグループおよびロールに基づいてユーザーのタスクが表示されます。
ユーザーがログインすると、「ホーム」ページにデフォルトで「ユーザー・タスク」ページが表示されます。
ユーザーのログイン時に、別のページを表示したり、ナビゲーション・バーに表示されるリンクの順序を変更したりするよう、プロセス・ワークスペースを構成できます。これについては、「プロセス・ワークスペースでのデフォルトのタブ・ページの表示または非表示の指定方法」で説明されています。各ユーザーが独自のデフォルト・カスタム・ビューを構成することもできます。
「タスク」ページでは、次のことを実行できます。
-
ワークリスト内のタスクに対して認可されているアクションの実行、共有タスクの獲得およびチェックアウト、個人のTo Doタスクの定義、およびサブタスクの定義を実行できます。
-
様々な基準に基づいてワークリスト・ビューでタスクをフィルタできます。
-
タスクをExcelにエクスポートできます
-
標準作業キュー(高優先度タスク、期日の近いタスクなど)を使用できます。
作業キューを使用すると、カスタム・ビューを作成してワークリスト内のタスクのサブセット(高優先度タスク、期日が24時間以内のタスク、経費承認タスクなど)をグループ化できます。
-
カスタム作業キューを定義できます。
-
別のユーザーのワークリストの一部に対するプロキシ・アクセスを取得できます。
-
カスタムの休暇ルールおよび委任ルールを定義できます。
-
グループ所有者による、共有タスクのタスク・ディスパッチ・ルールの定義を可能にします。
-
完全なワークフロー履歴と監査証跡を収集できます。
-
タスクのためのデジタル署名を使用できます。
-
このタスクに関連のあるプロセス・インスタンスの詳細を示すポップアップを表示できます。
-
タスクをMicrosoft Excelにエクスポートできます。
-
管理者は、すべてのタスク・タイプ(承認、却下、完了、解決など)のタスクの結果を、Enterprise Managerのワークフローのグローバル構成を介して使用可能なイメージにマップすることができます。
タスクの結果をイメージにマップすると、ワークリスト・タスク・リスト・ツールバーから、使用可能なイメージをクリックして、タスクの結果アクションを実行できます。
ノート:
プロセス・ワークスペースにログイン中のユーザーの権限をFusion Middleware Control Consoleで変更した場合、その変更はそのユーザーがそれ以降にログインした後でのみ適用されます。このことは、アクティブなワークリスト・セッションが2つあり、1つは権限の変更前にユーザーがすでにログインしており、もう1つは権限の変更後に同じユーザーがログインするような状況でも同様です。最初のケースでは、ユーザーのログイン中はユーザーの権限変更が有効になりません。2つ目の状況では、ユーザーがプロセス・ワークスペースの2つ目のインスタンスにログインしたときに、権限の変更が適用されます。
1.3.1 プロセス・ワークスペースの「タスク」ページのナビゲーション
図1-3は、ユーザーが最初にログインしたときにデフォルトで表示されるプロセス・ワークスペースの「タスク」ページの例を示しています。
このページは、ユーザーのロールに応じて、ユーザーに割り当てられたすべてのタスクと作業アイテムの一覧を表示します。
一番左にはリストが表示され、「ユーザー・タスク」が選択されています。このリストを展開して、次を選択します:
-
特定のビューに、各ビューで開かれているタスクの数が表示されます。
特定のビューを選択すると、タスク・カウントが最新の数値にリフレッシュされます。
-
プロセス・ワークスペースにデプロイされているアプリケーションのリスト。
-
指定したリンクまたはアプリケーション。
タスクでの作業中にこのリストを表示するには、「固定」をクリックします。非表示にするには「固定解除」をクリックします。
表1-7で、「ビュー」、「アプリケーション」および「リンク」リストに含まれるアイテムをリスト表示し、説明します。
表1-7 「ビュー」、「アプリケーション」および「リンク」
コンポーネント | 説明 |
---|---|
ビュー |
受信ボックスに表示されるアイテムは、ログイン・ユーザーに付与されているロールに応じて異なります。
|
アプリケーション |
ユーザーが開始権限を持つプロセス。このコンポーネントでは、権限を付与されているアプリケーションを検索できます。 |
リンク |
指定した外部Webサイトまたはアプリケーションへのリンク。詳細は、「プロセス・ワークスペースでカスタマイズしたアプリケーションおよびリンクの有効化方法」を参照してください。 |
「ユーザー・タスク」ページには、「ビュー」、「アプリケーション」および「リンク」リスト以外に、表1-8で示し、説明するコンポーネントも含まれます。
表1-8 「タスク」ページのコンポーネント
コンポーネント | 説明 |
---|---|
表示フィルタ |
「検索」、「割当て先」または「ステータス」フィールドから検索条件を指定します。使用可能なカテゴリ・フィルタは、選択したビューに応じて異なります。
いくつか他の条件を使用して拡張検索も実行できます。検索の詳細は、プロセス・ワークスペースでのタスクの検索を参照してください。 |
アクション・リスト |
ヒューマン・タスクに対して定義されたグループ・アクション(「申告」)またはカスタム・アクション(「承認」または「拒否」など)を選択します。「申告」は、グループまたは複数のユーザーに割り当てられたタスクに対して表示されます。タスクの処理の前には申告が必要になります。タスクに対して可能な他のアクション(システム・アクションなど)は、特定のタスクの「タスクの詳細」ページに表示されます。ここでは、To-Doタスクやサブタスクも作成できます。「アクション」からアクションを選択すると、「コメント」ウィンドウが表示されます。コメントを入力して「OK」をクリックし、タスクを更新してタスク・リスト表をリフレッシュする必要があります。「取消」をクリックすると、アクションを取り消すことができます。 |
Excelにエクスポート |
選択したビューのタスクをエクスポートできます。 |
タスク・ステータス |
棒グラフは、現在のビューのタスク・ステータスを示します。 |
デフォルト列 |
タイトル: ヒューマン・タスクの作成時に指定したタイトル。パージまたはアーカイブされたプロセス・インスタンスに関連付けられていたタスクは表示されません。 番号: タスクに割り当てられた一意のID番号。 作成者: タスクを作成したユーザー。ビジネス・ユーザー・タスクの場合、作成者フィールドにはnullが表示されます。 優先度: ヒューマン・タスクの作成時に指定した優先度。最も高い優先度は1、最低は5です。 割当て済: 対象のタスクが割り当てられた日付。 プロセス: このタスクが実行中のプロセス・インスタンスに関連付けられている場合、そのインスタンスの名前。このリンクをクリックするとプロセスの詳細を表示したポップアップが開きます。 |
タスクの詳細 |
タスクの詳細を表示するには、受信ボックス内のタスクを選択します。タスクの詳細はワークリストの下半分に表示されます。同じウィンドウまたは新しいウィンドウにタスクを表示するには、「受信ボックス設定の編集」でタスクの詳細ペインを非表示にします。 「タスクの詳細」ページのボタンは使用可能なアクションを示します。 タスクを完了すると、次のようになります。
|
1.3.2 プロセス・ワークスペースの「タスクの詳細」ページの使用
図1-4は、「タスクの詳細」ページの例を示しています。このページは、プロセス・ワークスペースの「タスク」ページの受信ボックスからタスクを選択することによって呼び出されます。また、タスクをダブルクリックするとポップアップ・ブラウザ・ウィンドウで表示できます。
「タスクの詳細」ページの表示は、設計時にこのページに表示するタスク・フォームの開発に使用したツールによって異なる場合があります。
「タスクの詳細」ページには、次のコンポーネントがあります。
-
タスクのタイトル(たとえば、タスク1)、タスク番号、作成者、割当て先、状態、作成日、タスクの取得者、優先度、有効期限、その他のフレックス・フィールドを含む基本情報が表示されます。
-
「前のタスク」/「次のタスク」アイコン: タスク・リストにある1つのタスクから前または次のタスクに移動します。
-
アクション・ボタン: このヒューマン・タスクの設計時に定義されたカスタム・アクション用のボタン(たとえば、ヘルプ・デスク・リクエスト用の「解決済」および未解決またはローン・リクエスト用の「承認」および「拒否」)が表示されます。タスクのロールを完了すると(承認した場合など)、それに合せてタスク・リストがリフレッシュされ、タスク・リストの次のタスクに移動します。
管理者、タスク・イニシエータまたはマネージャの場合は、「取消」も表示されることがあります。
使用可能なタスク・アクションは、ユーザー・ロールおよびタスクによって異なります。選択したビューによって、タスク・アクションが変わることはありません。
-
その他のアクション: タスクに定義されるカスタム・アクションの範囲を超えるシステム・タスクのアクションが表示されます(詳細はプロセス・ワークスペースでのシステム・アクションの実行)。
-
コンテンツ: ペイロードが表示されます。表示されるフィールドは、設計時にヒューマン・タスクが作成された方法によって異なります。
-
履歴の詳細: タスク履歴で説明されています。
-
コメントと添付:
-
ワークフローに参加した様々なユーザーが入力したコメント。新規に追加されたコメントやコメンタのユーザー名は、既存のコメントに追加されます。コメントの追跡情報は、タスクのライフ・サイクル全体を通じて保持されます。コメントを追加するには、タスクの更新権限が必要です。
コメントの追加方法は、プロセス・ワークスペースでのタスクへのコメントと添付の追加を参照してください
-
添付はタスクに関連付けられたドキュメントまたは参照URLです。これらは通常、ヒューマン・タスクの設計時に定義されてワークフローに関連付けられるか、タスク・リストを使用する参加者によって添付および変更されます。添付を追加または削除するには、タスクの更新権限が必要です。添付を追加する場合は、ファイルの絶対パス名を使用したり、ファイルを参照することができます。
-
1.3.2.1 タスク履歴
タスク履歴には、ワークフローの参加者が実行したアクションの監査証跡、およびワークフローの様々な時点におけるタスク・ペイロードと添付のスナップショットが保持されます。タスクの短い履歴には、次のタスクによって作成されたすべてのバージョンが表示されます。
-
タスクの開始
-
タスクの再開始
-
タスクの結果の更新
-
タスクの完了
-
タスクのエラー処理
-
タスクの期限切れ処理
-
タスクの取下げ
-
エラー割当て先に対するタスクのアラート
shortHistoryActions
要素を変更すると、「短い履歴」リストに次のアクションを追加できます。
-
獲得
-
非定型ルート
-
タスクのオート・リリース
-
委任
-
エスカレート
-
タスク情報のリクエスト
-
タスク情報の発行
-
ルーティング・スリップのオーバーライド
-
結果の更新およびルート
-
プッシュバック
-
再割当て
-
リリース
-
期限更新
-
再開
-
現在の割当てのスキップ
-
一時停止
-
更新
履歴では、図1-5に示すように、タスク・フローがグラフィカルに表示されます。
表1-9は、「履歴」セクションで使用されるアイコンを示しています。
表1-9 タスク履歴のアイコン
アイコン | 説明 |
---|---|
非定型ルーティング・シナリオの承認者を表します。 |
|
タスクが承認されたことを示します。 |
|
参加者は通知タスクを受信するのみで、ビジネス・プロセスは参加者のレスポンスを待機しないことを示します。参加者がタスクの結果に直接影響を与えることはできませんが、コメントを提供したり添付を追加できる場合があります。 |
|
複数の人が並行して作業することを示します。このパターンは通常、投票で使用されます。 |
|
この参加者が管理チェーンに属していることを示します。 |
|
参加者が1人のユーザー、1つのグループまたはロールにマッピングされる単純なケースであることを示します。 |
|
タスクが未着手であることを示します。 |
|
タスク・フローの終了を示します。 |
ノート:
親タスクの履歴には、そのタスクに含まれるサブタスクの履歴も表示されます。
1.3.2.2 プロセス・ワークスペースでのシステム・アクションの実行
タスク・リストからタスクを選択すると、「タスクの詳細」ページの「アクション」リストに、ユーザーの権限に基づき、すべてのタスクで実行可能なシステム・アクションが表示されます。表1-10に、システム・アクションを示します。
表1-10 システム・タスク・アクション
アクション | 説明 |
---|---|
申告 |
このアクションを使用して、グループまたは複数のユーザーに割り当てられているタスクを申告します。「申告」は、グループまたは複数ユーザー割当ての「タスク・アクション」リストで選択可能な唯一のアクションです。タスクが申告されると、すべての適用可能なアクションがリストされます。 |
再割当て |
このアクションを使用して、タスクを別のユーザーに割り当てます。マネージャは、タスクを報告先に委任できます。BPMWorkflowReassign権限を持つユーザーは任意のユーザーにタスクを委任できます。 |
エスカレート |
このアクションを使用して、グループまたは複数のユーザーに割り当てられているタスクをエスカレートします。オプションで「コメント」領域にコメントを入力できます。タスクは管理者が任意に指定したユーザーに再割当てされます。エスカレーション・パスが指定されていない場合、タスクは自分のマネージャ(階層の1つ上のレベル)にエスカレートされます。 |
リリース |
このアクションを使用して、申告されたタスクをリリースします。グループまたは複数のユーザーに割り当てられているタスクを、そのタスクを申告したユーザーが完了できない場合、そのタスクはリリースできます。このタスクは、他の割当て先ユーザーが申告して完了できます。 |
「一時停止」および「再開」 |
これらのアクションは、タスクを一時停止または再開する場合に使用します。これらのオプションを使用できるのは、BPMWorkflowSuspendロールを付与されているユーザーのみです。他のユーザーは、タスク・フィルタで「前へ」を選択するか、「一時停止」ステータスのタスクを検索することにより、このタスクにアクセスできます。一時停止の期間は無期限です。これは、「再開」を使用してタスクの処理を再開するまで継続されます。 |
取消 |
このアクションを使用して、タスクを取り消します。タスクの作成者が作業を続行しない場合、たとえば休暇リクエストを取り消す場合は、そのタスクを取り消して、 「コメント」 領域にオプションのコメントを追加できます。この場合は、ビジネス・プロセスによって、次の処理内容が決定されます。ホームページの「取消」アクションは、「作成者」タスク・フィルタを使用して使用できます。 |
プッシュバック |
このアクションは、タスクをワークフロー内で1レベル下の前の割当て先に送信する際に使用します。 |
期限更新 |
このタスクを使用して、タスクの有効期限を延長します。「コメント」領域にオプションのコメントを追加できます。タスクの有効期限は1週間延長されます。期限更新は、タスク履歴に表示されます。タスクの更新期間は、オプションのパラメータによって管理できます。デフォルト値は |
「情報の発行」 および 「情報のリクエスト」 |
この2つのアクションは、他のユーザーから詳細情報の提供をリクエストされた場合、またはタスク作成者や前の割当て先に詳細情報をリクエストする場合に使用します。再承認が不要な場合、タスクは次の承認者か、ビジネス・プロセスの次のステップに割り当てられます。 |
タスクの詳細ページの詳細は、プロセス・ワークスペースのタスクの詳細ページの使用を参照してください。
1.3.3 プロセス・ワークスペースでのタスク・リストのカスタマイズ
タスク・リストは、ワークリスト・ビューの追加、表示する列の選択、ソート順序の設定、およびフィルタ基準に基づいたタスクのサブセットの表示など、様々な方法でカスタマイズできます。受信ボックスのビューや、自分で作成したビューを含めた他のすべてのビューをカスタマイズできます。
取得されるタスクの数を増やすには、タスク・リスト表示領域のサイズを変更します。
1.3.3.1 タスクのフィルタ処理方法
図1-6に、フィルタの各フィールドを示します。
フィルタは、タスクのサブセットを表示するために使用し、「受信ボックス」ビューやその他のビューに適用できます。フィルタは、次の基準に基づきます。
-
検索: 「検索」フィールドにキーワードを入力して、指定したフィルタ基準を満たすタスクのタイトル、コメント、識別キーおよびフレックス文字列フィールドを検索します。「検索」ドロップダウン・リストを使用して、通常の検索または高度な検索を実行します。
-
割当て先
次のいずれかを選択します。
-
自分: ログイン・ユーザーに直接割り当てられているタスクを取得します。
-
グループ: 次のタスクを取得します。
-
ログイン・ユーザーが属するグループに割り当てられたタスク
-
ログイン・ユーザーに割り当てられたアプリケーション・ロールに割り当てられているタスク
-
複数のユーザー(その中の1人はログイン・ユーザー)に割り当てられているタスク
-
-
自分および自分のグループ: ユーザーに直接、またはグループ、アプリケーション・ロール、ユーザー・リストのいずれかによって割り当てられた全タスクを取得します。
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自分および自分のグループのすべて: 他のグループ・メンバーによって申告されているタスクを含めて、ログイン・ユーザーの所属グループに割り当てられているすべてのタスクを取得します。
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自分(過去): ログイン・ユーザーによって更新されたタスクを取得します。完了したタスクを表示するには、ステータス・フィルタを「完了」に設定して「自分(過去)」を使用します。
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自分(確認のみ): ログイン・ユーザーがレビューアであるタスクを取得します。
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状態: 「任意」、「割当て済」、「完了」、「一時停止中」(後で再開可能)、「取消し済」、「期限切れ」、「エラー発生」(処理中に発生)、「アラート済」または「情報リクエスト済」のいずれかを選択します。
ノート:
タスクが複数の報告先に個別に割り当てられている場合、マネージャが「スタッフのタスク」リストを参照すると、このタスクが割り当てられている報告先と同じ数のタスクのコピーが表示されます。
1.3.3.1.1 完了したタスクの表示
タスクを「完了」としてマークすると、そのタスクはタスク・リストに表示されなくなります。完了したすべてのタスクを表示するには、「割当て先」フィルタから「自分(過去)」を選択し、「ステータス」フィルタから「完了」を選択します。タスク・リストが自動的に更新され、完了したタスクが表示されます。
1.3.3.1.2 割当て先または状態に基づいてタスクをフィルタ処理するには
「割当て先」および「状態」リストからオプションを選択します。タスク・リストは、フィルタの選択内容に基づいて自動的に更新されます。
1.3.3.1.3 キーワード検索に基づいてタスクをフィルタ処理する手順は、次のとおりです。
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「検索」フィールドにキーワードを入力して、指定したフィルタ基準を満たすタスクのタイトル、コメント、識別キーおよびフレックス文字列フィールドを検索します。
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[Enter]を押すか、「検索」をクリックします。
1.3.3.1.4 拡張検索に基づいてタスクをフィルタ処理する手順は、次のとおりです。
マップ済属性が定義済のタスク・タイプを選択すると、マップ済属性のラベルを拡張検索で使用できます。
詳細は、マップ済属性の指定方法を参照してください。
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「検索」ドロップダウン・リストから、「拡張」をクリックします。
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(オプション)図1-7および図1-8に示すように、「ビューとして保存」を選択してビュー名を入力し、「表示」ページを使用してその他の情報を入力します。「ビューとして保存」を選択しない場合は、「表示」ページは使用できず、「定義」ページは図1-9のように表示されます。
ノート:
「ビューとして保存」を選択すると、カスタマイズしたビューが作成されます。保存したビューは、「ユーザー・ビュー」の下に表示されます。
表1-11に、「表示」ページで使用可能な拡張検索のビューの列を示します。
ノート:
ユーザー条件、拡張条件、時間条件、標準条件およびカスタム条件の各タイトルは、条件追加のメニュー・カテゴリに対応しています(図1-12を参照)。
保存済のビューは、図1-10に示すように、「ユーザー・ビュー」の下の「ビュー」パネルに表示されます。
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図1-11に示すように、割当て先を選択します。
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複数のフィルタを照合する場合は、「任意」または「すべて」を選択します。
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図1-12に示すように、条件(フィルタ)を追加します。
表1-11では、使用可能な条件について説明します。
表1-11 拡張検索: ユーザー条件
条件 説明 取得者
タスクを申告したユーザーの名前(タスクがグループ、アプリケーション・ロールまたは複数のユーザーに割り当てられ、ユーザーによって申告された場合)。
承認者
タスクの承認者。
割当て先
タスク割当て先。
作成者
タスクの作成者の名前。
リクエスト元ユーザー
タスクのリクエスト元ユーザー。
元の割当て先ユーザー
タスクを委任するユーザーの名前(ユーザーが別のユーザーにタスクを委任する場合)。
所有者グループ
タスク・インスタンスを所有しているグループ(ある場合)。タスク所有者は、アプリケーション・ロール、ユーザーまたはグループのいずれかです。タスクの所有者がグループの場合は、このフィールドが設定されます。
所有者ロール
タスク・インスタンスを所有しているアプリケーション・ロール(ある場合)。タスク所有者は、アプリケーション・ロール、ユーザーまたはグループのいずれかです。タスクの所有者がアプリケーション・ロールの場合は、このフィールドが設定されます。
所有者ユーザー
タスク・インスタンスを所有しているユーザー(ある場合)。タスク所有者は、アプリケーション・ロール、ユーザーまたはグループのいずれかです。タスクの所有者がユーザーの場合は、このフィールドが設定されます。
更新者
タスクを最後に更新したユーザー。
表1-12 拡張検索: 拡張条件
条件 説明 アプリケーション・コンテキスト
タスクに関連付けられたアプリケーション・ロール(割当て先、所有者など)が属するアプリケーション。
コンポーネント
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントの名前。
コンポジット
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントを含むコンポジットの名前。
コンポジット識別名
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントを含むコンポジットの特定のデプロイメントの一意名。
コンポジット・バージョン
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントを含むコンポジットのバージョン。
パーティション
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントを含むコンポジットが属するドメイン。
タスク表示URL
タスクの詳細を表示するためのURL。
ワークフロー・パターン
[-]
表1-13 拡張検索: 基本条件
条件 説明 カテゴリ
タスクのカテゴリ。
識別子
(オプション)タスクのカスタムの一意識別子。これは、標準タスク番号に対する追加の一意識別子です。
詳しい概要
[-]
番号
タスク・インスタンスを一意に識別する整数。このタスク番号は、Enterprise Managerで表示されているインスタンスIDとは異なります。
結果
タスクの結果。例: 承認済、却下済。このフィールドは、完了したタスク・インスタンスにのみ設定されます。
完了したパーセンテージ
タスクが完了したパーセンテージ(To-Doタスクで使用されます)。
優先度
タスクの優先度を定義する整数。低い数値ほど優先度が高くなります。通常、1から5の数値が使用されます。
概要
[-]
状態
タスク・インスタンスの状態。
タスク定義名
タスク・インスタンスを定義するタスク・コンポーネントの名前。
タイトル
タスクのタイトル。
表1-14 拡張検索: 時間条件
条件 説明 割当て済
このタスクが割り当てられた日付。
作成日
タスク・インスタンスが作成された日付。
締切り日
タスクの期日(To-Doタスクで使用されます)。
終了日
タスクの終了日(To-Doタスクで使用されます)。
期限切れ
タスク・インスタンスの有効期限の日付。
開始日
タスクの開始日(To-Doタスクで使用されます)。
更新日
タスク・インスタンスが最後に更新された日付。
表1-15 拡張検索: カスタム条件
条件 説明 カスタム日付1
日付データ型のカスタム・フレックス・フィールド1
カスタム日付2
日付データ型のカスタム・フレックス・フィールド2
カスタム番号1
数値データ型のカスタム・フレックス・フィールド1
カスタム番号2
数値データ型のカスタム・フレックス・フィールド2
カスタム文字列1
文字列データ型のカスタム・フレックス・フィールド1
カスタム文字列2
文字列データ型のカスタム・フレックス・フィールド2
-
図1-13に例を示すように、パラメータ値を追加します。
-
タスク・タイプを参照します。このフィールドを空白にすると、すべてのタイプが表示されます。選択したタスク・タイプにマップ済属性マッピングが定義済の場合は、問合せおよび表示列のダイアログ・ボックスでマップ済属性ラベルを選択できます。検索オプションを使用すると、タスク・タイプ、プロセス名またはカテゴリで検索できます(図1-14を参照)。
-
このビューの定義またはそのデータを共有するかどうかと、共有するユーザーまたはグループを指定します。
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「検索」をクリックします。
基準に従ってタスクがフィルタ処理されたタスク・リストが表示されます。
1.3.3.2 ワークリスト・ビューの作成およびカスタマイズ方法
図1-15に示されている「ビュー」メニューには、受信ボックス、標準ビュー、およびカスタム・ビューを作成した場合はそれらのビューが表示されます。これを使用してビューの作成、共有およびカスタマイズを行います。
ワークリスト・ビューを作成するには:
1.3.3.2.1 「受信ボックス」ビューのカスタマイズ
ノート:
「タスク表示URL」列を表示するように選択する場合は、表示されるタスクに関連付けられたタスクフローが存在する必要があります。タスクフローの登録はデプロイメント時に実行されます。そのときに、「タスク表示URL」列の値が設定されます。デプロイメント時にタスクフローが関連付けられない場合、「タスク表示URL」列に、タスクの一般的なURL詳細は表示されません。
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「ビュー」、「アプリケーション」および「リンク」ペインで「ビュー」を選択し、カスタマイズするビューを選択します。
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「ビューの編集」をクリックします。
図1-18に示すように、「ユーザー・ビューの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
「ユーザー・ビューの編集」ダイアログ・ボックスを使用して、ビューをカスタマイズします。
「使用可能な列」リストからアイテムを選択して「選択された列」リストに移動した場合(またはその逆の場合)、アイテムは選択されたままの状態になります。したがって、別の列を選択して元のリストに戻すと、以前に選択した列も戻ります。リスト間でアイテムを移動した後にさらに別の列を移動する場合は、アイテムの選択を必ず解除してください。
必要な設定を行った後で、「OK」をクリックします。
1.3.5 プロセス・ワークスペースでの画面フローの定義およびテスト
画面フローを使用すると、進行中のすべてのタスクを順番に処理できます。たとえば、ユーザーが進行中のタスクを終了し、次のタスクが同一のユーザーに割り当てられている場合、タスク・リストに戻らずに次のタスが自動的に同一のフローに表示されます。
BPMプロセスおよびヒューマン・タスクをデプロイした後、画面フローが正常に動作するかどうかテストできます。プロセス・インスタンスを開始し、ワークプレース内のヒューマン・タスクを開きます。画面フローに含まれるタスクを終了すると、タスク・リストに戻ることなく、即時に画面フローの次のテキストにジャンプします。
画面フローの定義の詳細は、BPM Studioガイドの画面フローの使用に関する説明を参照してください。
画面フローにタイムアウト・パラメータを設定できます。詳細は、「画面フローにタイムアウト・パラメータを設定する方法」を参照してください。
1.4 プロセス・ワークスペース・アクティビティ・ガイド・ページについて
アクティビティ・ガイドを使用してタスクをマイルストンに整理できます。マイルストンは、ユーザーが自分1人でまたは他のユーザーとのコラボレーションによって完了させるタスクのセットです。
各マイルストンについて、どのタスクをどの順序で完了させるかがアクティビティ・ガイドによって示されます。マイルストンに含まれる自分のタスクをすべて完了すると、マイルストンの完了となります。タスクの性質によっては、未完了のタスクを保存して、後で再開することも可能です。
図1-19は、アクティビティ・ガイドの例を示しています。
アクティビティ・ガイドを使用すると、次のことが可能になります。
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マイルストンを展開し、マイルストンに含まれているタスクを確認および処理します。
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自分が参加しているビジネス・プロセス全体のステータスと完了率を表示します。
アクティビティ・ガイド・ページのナビゲートの詳細は、アクティビティ・ガイドのナビゲーションを参照してください。
1.5 プロセス・ワークスペースの「プロセス・トラッキング」ページについて
割り当てられたロールに基づいてビジネス・プロセスと相互作用するには、「プロセス・トラッキング」ページを使用します。
「プロセス・トラッキング」タブでは、次のことを実行できます。
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受信ボックスにある保留中のプロセス・インスタンスのリストを表示します。
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タスクを実行します。つまり、ヒューマン・タスクを特定のインスタンスに対して実行します。
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異なる基準によってインスタンスを検索します。
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検索結果をビューとして保存します。
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監査証跡を含むインスタンスの詳細を表示します。
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新規インスタンスを作成します(権限がある場合)。
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インスタンスにファイルを添付します。
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インスタンスにノートを追加します。
1.5.1 プロセス・ワークスペース・「プロセス・トラッキング」ページのナビゲーション
「プロセス・トラッキング」ページには、次のセクションがあります。
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「アプリケーション」パネル。ユーザーが使用できるアプリケーションのリストが表示されます。ここでは、新規インスタンスの作成、特定のアクティビティの実行、アプリケーションのソートなどの基本的なプロセス・ワークスペース・アクションを実行できます。
「アプリケーション」パネルでアプリケーション名の上にマウス・ポインタを重ねると、アプリケーションの完全名とリビジョン番号を含むツール・チップが表示されます。
プロセス・ワークスペースで使用できるアプリケーションは、プロセス設計およびログイン中のユーザーに割り当てられているロールによって異なります。また、使用可能なアプリケーションのリストは、デプロイ済で実行中のBPMプロセスによって異なります。実行中のプロセスがない場合、または実行中のいずれかのプロセスでアプリケーションを実行する権限がユーザーにない場合、「アプリケーション」パネルには何も表示されません。
「アプリケーション」パネルで、次のいずれかのアプリケーションをソートできます。
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デフォルト・バージョンのアプリケーションのみ
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アクティブ・バージョンのすべてのアプリケーション
名前またはプロセス・バージョンでのソートも可能です。「検索」フィールドに完全名または名前の一部、あるいは完全なバージョンまたはバージョンの一部を入力して、同じアプリケーションをフィルタ抽出できます。
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左側下部の「ビュー」パネル。ユーザーが使用できるビューが展開可能なツリー形式で表示されます。
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「保留中コンポーネント」パネルには、一時停止中のすべてのプロセスが表示されます。プロセスの新しいバージョンがデプロイされ、以前デプロイしたプロセスに新しいバージョンに移行していないインスタンスがある場合、以前デプロイしたプロセスは一時停止されます。プロセスを再開するには、移行していないインスタンスを移行するか、一時停止します。一時停止したプロセスの再開の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Studioでのビジネス・プロセスの開発』の一時停止したプロセス・フローの再開方法に関する項を参照してください。
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右側上部の「作業アイテム」パネル。「ビュー」パネルで選択したビューに対応する作業アイテムが表示されます。このパネルでは、特定のビューで表示する列を選択できます。特定の列の配置はプレゼンテーションと呼ばれます。「列の追加/削除」をクリックすると「プレゼンテーション」ダイアログ・ボックスが表示され、ここで列を定義できます。
次の列を使用できます。
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アクション
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アクティビティ
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アクティビティ期日
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コピー
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作成時間
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期限
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説明
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添付あり
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ノートあり
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開始済
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イニシエータ
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イニシエータ名
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インスタンス番号
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親コピー
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参加者
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poID
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優先度
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プロセス名
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プロセス期日
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受信済
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ステータス
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タスク参加者(つまり、現在インスタンスを実行している参加者)
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タイトル
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右側下部の作業アイテムの「詳細」パネル。「作業アイテム」パネルで選択した作業アイテムに関する詳細情報が表示されます。次のセクションがあります。
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詳細: 優先度、プロセス名、インスタンスの完了期日、ステータス、作成日時および割当て先(存在する場合)が表示されます。
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オープン・アクティビティ: 実行中のスレッドがあるゲートウェイのステータスが表示されます。
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監査証跡: リスト・ビュー、ツリー・ビューまたはグラフィカル・ビューに監査証跡が表示されます。監査するアクティビティまたはサブプロセスのタイプ(ヒューマン・アクティビティ、サービス・アクティビティ、ビジネス・ルール・アクティビティ、サブプロセス、イベント、ゲートウェイ、スクリプト・アクティビティ、その他のアクティビティまたはそのすべて)を選択できます。
プロセスに入力または出力ペイロードが含まれる場合、そのメッセージの監査証跡をポップアップに表示できます。特定のアクティビティをクリックすると、タスク履歴が表示されます。
監査証跡の表示の詳細は、「履歴の表示」を参照してください。
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コメント: プロセス・インスタンスにコメントを追加できます。
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添付: プロセス・インスタンスに添付を追加できます。
プロセス・インスタンスへのコメントおよび添付の追加の詳細は、「プロセス・インスタンスへのコメントと添付の関連付け」を参照してください。
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1.6 プロセス・ワークスペースのダッシュボードについて
ダッシュボードは、プロセス実行およびユーザー・ワークロードを監視するための分析情報を提供します。
Oracle Business Process Management Workspace (プロセス・ワークスペース)では、次に示す2つのタイプのダッシュボードを使用できます。
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「プロセス・モニター」ダッシュボード
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標準ダッシュボード
「プロセス・モニター」ダッシュボードを使用すると、ボトルネックやその他のパフォーマンス上の問題を特定することにより、プロセスの実行を監視および最適化することができます。
標準ダッシュボードでは、プロセスの実行時に収集された標準メトリックがグラフとして提供されます。ダッシュボードには、サマリー情報が表示され、インスタンス固有の情報に移動できます。
図1-21は、「標準ダッシュボード」ページを示しています。
ダッシュボードの詳細は、プロセス・ワークスペースでのダッシュボードの使用を参照してください。