リリース ノート

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Oracle CEP 10.3 の新機能と変更点

以下の節では、Oracle CEP 10.3 の新機能と変更点について説明します。

 


Oracle CEP 10.3 の新機能

Oracle CEP バージョン 10.3 には、次の新機能があります。

マルチサーバとクラスタ化

1 つの Oracle CEP ドメインに複数のサーバをコンフィグレーションし、サーバをクラスタ化して高可用性を実現できるようになりました。

Oracle Complex Event Processing クラスタのコンフィグレーションと使用に関するページを参照してください。

キャッシング

Oracle CEP アプリケーションでは、必要に応じてイベントをキャッシュにパブリッシュしたり、キャッシュにあるイベントを使用したりすることで、イベントの可用性を高め、イベント処理アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。キャッシュは、アプリケーション全体のパフォーマンス向上という目的専用に作成された、イベント用の一時的なストレージ領域です。アプリケーションが正常に機能するためにキャッシュは必ずしも必要ではありません。

Oracle CEP キャッシングの使用」を参照してください。

イベントの記録と再生

Oracle CEP のイベント リポジトリ機能を使用すると、イベント処理ネットワーク (EPN) を通じて流れるイベントを記録、格納できるため、後からイベントを再生できます。イベント リポジトリは、プロセッサやストリームなどのステージごとにコンフィグレーションされます。

Visualizer オンライン ヘルプの「EPN を通じて流れるイベントの記録と再生」を参照してください。

Visualizer 管理コンソール

Oracle CEP Visualizer (以降は簡単に Visualizer と呼びます) は、Oracle CEP からのデータを使用し、そのデータを便利で直感的な方法でシステム管理者やオペレータに表示し、さらに特定のタスクにおいてコンフィグレーションの変更を行うために受け入れたデータを再び Oracle CEP に返す Web 2.0 アプリケーションです。

Visualizer の概要」を参照してください。

HTTP パブリッシュ/サブスクライブ アダプタ

HTTP パブリッシュ/サブスクライブ サーバは、ブラウザ ベースのクライアントなどの Web クライアントが、すべて HTTP 上での非同期メッセージを使用して、チャネルにサブスクライブし、利用可能なメッセージを受信し、これらのチャネルにメッセージをパブリッシュするためのメカニズムです。Oracle CEP の各インスタンスには、アプリケーションに HTTP パブリッシュ/サブスクライブ機能を実装するためにプログラマが使用できる pub-sub サーバが含まれています。

HTTP パブリッシュ/サブスクライブ アダプタの使用と作成」を参照してください。

JMS アダプタ

Oracle CEP には、Java コードを作成せずに JMS キューとの間でメッセージを送受信するためにイベント アプリケーションで使用できる、着信および発信 JMS アダプタの両方が個別に用意されています。

JMS アダプタの使用を参照してください。

ドメイン作成用 Configuration Wizard

Configuration Wizard は、Oracle CEP ドメインを作成するための新しいツールです。

Configuration Wizard を使用したドメインの作成に関するページを参照してください。

イベント処理言語 (EPL) の新機能

イベント処理言語 (EPL) の新機能は次のとおりです。

セキュリティの新機能

Oracle CEP には、データ ストリームとイベント ストリーム、コンフィグレーション、ユーザ名とパスワードのデータ、セキュリティ ポリシー情報、リモート資格、ネットワーク トラフィックなどのサーバ リソースを保護するさまざまなメカニズムが用意されています。

Oracle CEP では、認証、承認、ロール マッピング、および資格マッピング用のさまざまなセキュリティ プロバイダがサポートされています。初期インストールの時点では、Oracle CEP は認証および承認の両方にファイルベース プロバイダを使用するようにコンフィグレーションされています。LDAP または DBMS プロバイダを使用するようにシステムをコンフィグレーションすることもできます。

詳細については、「Oracle CEP のセキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。

 


Oracle CEP 10.3 の変更点と非推奨になった機能

Oracle CEP バージョン 10.3 の変更点および非推奨になった機能は次のとおりです。

簡略化された Helloworld のサンプル

HelloWorld のサンプルは次のように簡略化されました。

HelloWorld のサンプル」を参照してください。

プログラミング モデル

Oracle CEP プログラミング モデルは次のように変更されました。

Oracle CEP プログラミング モデルの概要を参照してください。

ドメイン ディレクトリ構造の変更点

クラスタ化およびマルチサーバ環境をサポートするために用意されているサンプル ドメインのディレクトリ構造が変更されました。

これまでは、すべてのドメイン ファイルが ORACLE_CEP_HOME/ocep_10.3/samples/domains/helloworld_domain などのドメイン ディレクトリの直下に格納されていました。ORACLE_CEP_HOME は Oracle CEP の最上位インストール ディレクトリを指します。

10.3 リリースでは、ドメイン ディレクトリには単一のサーバに対応する 1 つまたは複数のサブディレクトリがあります。このディレクトリに、該当のサーバのすべてのコンフィグレーション ファイルが含まれます。たとえば、HelloWorld ドメインには単一のサーバが含まれており、このサーバのコンフィグレーション ファイルは ORACLE_CEP_HOME/ocep_10.3/samples/domains/helloworld_domain/defaultserver ディレクトリにあります。

ドメイン作成用の新しい Configuration Wizard は、更新されたこのディレクトリ構造に対応しています。

Oracle Complex Event Processing ドメインの作成に関するページを参照してください。

Deployer ツールの新規および非推奨のオプション

Deployer ツールの -start および -stop コマンドは非推奨になりました。

-install コマンドを使用してアプリケーションをインストールすると、すべての内部初期化タスクの完了後に Oracle CEP がアプリケーションを自動的に起動します。その後 Oracle CEP サーバ インスタンスを停止して起動する場合、アプリケーションは自動的に停止し、起動します。

Deployer ツールには、-suspend および -resume という 2 つの新しいオプションがあります。-suspend は現在実行中のアプリケーションを中断するとき、-resume は中断したアプリケーションを再開するときに使用します。

Deployer コマンドライン リファレンス」を参照してください。

管理、モニタ、および JMX の変更点

このバージョンでは、Oracle CEP の管理フレームワークが大幅に見直されました。

詳細については、「MBean を使用したアプリケーション、サーバ、およびドメインの管理」を参照してください。以前のバージョンの Oracle CEP (WebLogic Event Server 2.0) との下位互換性がない変更点については、「下位互換性について」を参照してください。

ロギングの変更点

サーバ自体のロギングの重大度だけでなく、サーバのモジュールについてもロギングの重大度を指定できるようになりました。サーバの重大度はモジュールの重大度でオーバーライドされます。

詳細については、「ロギングとデバッグのコンフィグレーション」を参照してください。

 


Oracle CEP 10.3 へのアップグレード

Oracle CEP 10.3 へのアップグレードは 2 つのステップで実行します。まずアプリケーションをアップグレードし、次アプリケーションのデプロイ先となるドメインをアップグレードします。次の節で各ステップについて説明します。

Oracle CEP 10.3 で実行するための WebLogic Event Server 2.0 アプリケーションのアップグレード

この節では、WebLogic Event Server バージョン 2.0 で開発したアプリケーションを Oracle CEP 10.3 で実行できるようにアップグレードするために必要な手順を説明します。

  1. MANIFEST.MF ファイルを更新して、Spring フレームワークおよび Oracle CEP パッケージの新しいバージョンと新しい必須のパッケージがインポートされるようにします。具体的には次のとおりです。
    • インポートされたすべての Spring フレームワーク パッケージのバージョンを 2.5.5 に更新します。例を示します。
    • Import-Package:
      org.springframework.aop.framework;version="2.5.5",
      org.springframework.aop;version="2.5.5",
      ...
    • インポートされた Oracle CEP パッケージのバージョンを 3.0.0.0 に更新します。例を示します。
    • Import-Package:
      com.bea.wlevs.ede;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.ede.api;version="3.0.0.0",
      ...
    • 次のパッケージが Import-Package ヘッダに含まれていない場合は、追加します。
    • Import-Package:
      com.bea.wlevs.management.configuration.spi;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.management.spi;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.monitor;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.spi;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.spring.support;version="3.0.0.0",
      commonj.work;version="1.4.0.0",
      org.springframework.osgi.extensions.annotation;version="1.1.0",
      com.bea.wlevs.ede.spi;version="3.0.0.0",
      com.bea.wlevs.configuration.internal;version="3.0.0.0",
      ...
  2. Spring または Spring Dyanmic Modules for OSGI (Spring DM) の機能をアプリケーションで使用する場合、Spring アプリケーションのコンテキスト ファイルでの機能の宣言が変更されている可能性があります。これに該当する場合は、Oracle CEP アプリケーションの EPN アセンブリ ファイル内の宣言を更新する必要があります。
  3. 注意 : この変更は WebLogic Event Server 2.0 と Oracle CEP 10.3 の間で行われる Spring フレームワークのアップグレード (2.0 から 2.5 へ) に起因するものであり、Oracle CEP のアップグレードに直接起因するものではありません。

    変更については、該当する 2.5 XSD スキーマを参照してください。

    Spring : http://www.springframework.org/schema/beans/spring-beans.xsd

    Spring DM : http://www.springframework.org/schema/osgi/spring-osgi.xsd

    以下に、必要になる可能性がある一般的な変更の一部を示します。変更はこれらに限定されません。

    • <osgi:service-property> タグにプロパティを指定する場合は、古い <prop> タグではなく、<entry> タグと key および value 属性を使用します。更新する 2.0 のタグの例を次に示します。
    •  <osgi:service-properties>
      <prop key="type">SocketAdapterType</prop>
      </osgi:service-properties>

      これを次のように更新します。

       <osgi:service-properties>
      <entry key="type" value="SocketAdapterType"/>
      </osgi:service-properties>
    • instance-property の value または ref 属性は常に明示的な値に設定する必要があります。デフォルト値の暗黙的な使用を示す空の文字列は設定できなくなりました。更新する 2.0 のタグの例を次に示します。
    •  <wlevs:adapter id="fileAdapter" provider="FileAdapterType">
      <!-- file: empty value uses default
      <wlevs:instance-property name="file" value="" />
      <wlevs:listener ref="algoTradingProcessor"/>
      </wlevs:adapter>

      これを次のように更新します。

       <wlevs:adapter id="fileAdapter" provider="FileAdapterType">
      <wlevs:instance-property name="file" value="test.file" />
      <wlevs:listener ref="algoTradingProcessor"/>
      </wlevs:adapter>
  4. IDE を使用して 2.0 アダプタの Java コードとビジネス POJO の実装を再コンパイルします。コンパイル時エラーが発生した場合は、新しい Oracle CEP API について説明した最新の 10.3 Javadoc を確認し、ソース コードに適切な変更を加えてください。

上記の変更を行った後、アプリケーションを再アセンブルして Oracle CEP 10.3 にデプロイします。「Oracle Complex Event Processing アプリケーションのアセンブルとデプロイ」を参照してください。

デプロイメント中にパッケージを検出できないことを示す例外が発生した場合は、該当のパッケージを MANIFEST.MF ファイルの Import-Package ヘッダに追加してから、アプリケーションを再アセンブルし、再デプロイします。アプリケーションが正常にデプロイされるまで、この方法でパッケージの追加を続けてください。

WebLogic Event Server 2.0 ドメインの Oracle CEP 10.3 へのアップグレード

この節では、WebLogic Event Server 2.0 ドメインを Oracle CEP 10.3 で正常に実行できるようにアップグレードするために必要な手順を説明します。

わかりやすくするために、既存の WebLogic Event Server 2.0 ドメインは /bea/user_projects/domains/mydomain20 ディレクトリにあると想定します。

  1. Configuration Wizard を使用して一時的な Oracle CEP 10.3 ドメインを作成します。この手順の後半のステップで、新しい Oracle CEP 10.3 ドメイン内のファイルを使用または参照する必要があります。新しいドメインを使用するのが最適な方法です。このドメインは後で必要に応じて削除できます。
  2. この手順では、新しい Oracle CEP 10.3 ドメインを mydomain30 とし、そのドメインに defaultserver という単一のサーバがあるとします。サーバ ファイルは /oracle_cep/user_projects/domains/mydomain30/defaultserver ディレクトリにあるとします。

    Oracle CEP スタンドアロン サーバ ドメインの作成と更新」を参照してください。

  3. WebLogic Event Server 2.0 サーバが現在実行中の場合は、停止します。
  4. 必要に応じてドメインを復元できるように、WebLogic Event Server 2.0 ドメインのバックアップ コピーを作成します。
  5. WebLogic Event Server 2.0 ドメインにある次の 2 つのファイルを Oracle CEP 10.3 ドメインの同等のファイルで置き換えます。
    • lib/XACMLAuthorizerInit.ldift
    • lib/XACMLRoleMapperInit.ldift
    • WebLogic Event Server 2.0 のファイルはドメイン ディレクトリ (この例では /bea/user_projects/domains/mydomain20) を基準にして相対的な場所にあり、Oracle CEP 10.3 のファイルはドメイン ディレクトリの下のサーバ ディレクトリ (この例では /oracle_cep/user_projects/domains/mydomain30/defaultserver) を基準にして相対的な場所にあります。

  6. 任意のテキスト エディタを使用して、WebLogic Event Server 2.0 ドメインの atnstore.txt ファイルを開きます。このファイルは、メイン ドメイン ディレクトリの config サブディレクトリにあります。このファイルに新しい Oracle 10.3 グループを追加します。
  7. group: wlevsDeployers
    description:
    group: wlevsApplicationAdmins
    description:
    group: wlevsBusinessUsers
    description:
    group: wlevsOperators
    description:
  8. WebLogic Event Server 2.0 ドメインにある次のファイルとディレクトリ (存在する場合) を削除します。
    • FileBasedDefaultCredentialMappermy-realmInit.initialized
    • FileBasedXACMLAuthorizermy-realmInit.initialized
    • FileBasedXACMLRoleMappermy-realmInit.initialized
    • rm
    • cm
    • atz
  9. WebLogic Event Server 2.0 ドメインの startwlevs.cmd (Windows) または startwlevs.sh (Unix) コマンド スクリプトを更新し、新しい Oracle 10.3 バイナリを指すようにします。
  10. WebLogic Event Server 2.0 ドメインの stopwlevs.cmd (Windows) または stopwlevs.sh (Unix) コマンド スクリプトを更新し、新しい Oracle 10.3 バイナリを指すようにします。
  11. Oracle 10.3 バイナリを使用して 2.0 ドメインのサーバを起動します。サーバの起動に関するページを参照してください。
  12. 上記のアップグレード手順で 2.0 ドメインのセキュリティ コンフィグレーションが変更された可能性があります (特に、新しいユーザを作成してグループに割り当てた場合)。この場合は、Visualizer を使用してセキュリティを再コンフィグレーションします。「Visualizer の概要」を参照してください。

下位互換性について

管理フレームワークにおける以下の変更点には下位互換性がありません。


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