Web サービスの開発サイクル
このトピックでは、WebLogic Workshop での Web サービスの開発プロセスについて説明します。Web サービスの開発には、他のソフトウェアと同じように、設計、実装、テスト、デバッグ、およびデプロイの手順があります。
新しい Web サービスを設計する場合、サービスで公開するすべての操作およびコールバックの名前とパラメータを指定します。WebLogic Workshop では、このタスクをデザイン ビューで行います。WebLogic Workshop のデザイン ビューの詳細については、デザイン ビューを参照してください。
新しい Web サービスを作成および定義するための特定の手順は以下のとおりです。
プロジェクト内の適当なフォルダに新しい JWS ファイルを作成します。WebLogic Workshop プロジェクトの詳細については、WebLogic Workshop プロジェクトを参照してください。
Web サービスで公開するメソッドを追加し、メソッドのパラメータをコンフィグレーションします。
Web サービスで公開するコールバックを追加し、コールバックのパラメータをコンフィグレーションします。コールバックの詳細については、コールバックを使用してイベントのクライアントに通知するを参照してください。
各メソッドおよびコールバックの会話フェーズを決定し、コンフィグレーションします。会話の詳細については、会話を使用してステートを保持するを参照してください。
Web サービス用に定義するメソッドとコールバックの集合は、パブリック インタフェースまたはパブリック コントラクトと呼ばれます。Web サービスのパブリック インタフェースを定義したら、Web サービスの内部ロジックを実装できます。実装については次の節で説明します。
Web サービスの内部ロジックは、WebLogic Workshop のソース ビューで実装します。ソース ビューでは、Web サービスを定義する JWS ファイルの内容を編集できます。デザイン ビューでメソッドとコールバックを追加した場合、そのメソッドとコールバックの定義がソース ビューに表示されます。Web サービスのロジックを実装するには、さまざまなメソッドの本体にコードを追加し、適切な箇所でコールバックを呼び出します。
Web サービスでは、データベースや別の Web サービスのような他のリソースを利用する必要がある可能性があります。WebLogic Workshop では、コントロール を使ってそれを実現します。コントロールでは、Web サービス内からリソースと対話するための単純で一般的なモデルを提供します。コントロールの詳細については、コントロール : Web サービスからリソースを使用するを参照してください。
WebLogic Workshop の Web サービスは Java プログラミング言語で記述されますが、WebLogic Workshop を使用すると、Java の専門知識がなくても Java Web サービスを実装できるようになります。何らかのプログラミング言語に詳しく、変数宣言、メソッド宣言、制御構造（if-then-else 文、for ループなど）のような一般的なプログラミングの概念に慣れていれば、WebLogic Workshop で Web サービスを実装できます。
Java プログラミング言語がまったく初めての方は、Java の概要を参照してください。
Web サービスのロジックを実装したら、それをテストします。WebLogic Workshop では、開発する Web サービスのテスト環境を提供します。この環境はテスト ビューと呼ばれます。
テスト ビューはブラウザで実行されます。通常、Web サービスのメソッドは HTTP Web プロトコルを介して呼び出されます（Web サービスという名前の由来です）。実際のクライアントは HTTP リクエストを送信して HTTP 応答を受信することにより、Web サービスを呼び出します（Web ブラウザの通常の動作と同じです）。ただし、Web サービスのメソッド呼び出しからの応答は、通常 HTML ページではなく XML メッセージです。
テスト ビューは、Web サービスのメソッドをブラウザから呼び出して、交換される XML メッセージを表示する手段を提供します。テスト ビューでは、クライアントと Web サービス間の対話の詳細をいつでも調べられるように、Web サービスのテスト中にアクティビティのログを記録します。
WebLogic Workshop のインタフェースで [開始] または [開始してデバッグ] アクションを使用すると、テスト ビューに直接アクセスできます。ただし、ブラウザのアドレス バーに Web サービスの URL を入力して、テスト ビューに直接入ることもできます（Web サービスをホストする WebLogic Server が実行中であることが前提）。
テスト ビューでの Web サービスのテストの詳細については、テスト ビューを参照してください。
Web サービスはコードを含むアプリケーション コンポーネントであり、最初に記述したコードに誤りがないことはほとんどないため、Web サービスのコードをデバッグする手段が必要です。WebLogic Workshop は、Web サービスを実装するすべてのコードを対象とした完全なデバッグ機能を備えています。この機能では、Web サービス メソッドの Java コードだけでなく、XML と Java 型のマッピングに使用する ECMAScript コードも対象としています。
WebLogic Workshop では、正しい Web サービス コードにすばやく簡単に到達できるように、編集、コンパイル、デバッグの効率的なサイクルを備えています。デバッグするには、最初に Web サービスのソース コードで適当な位置にブレークポイントを設定します。次にサービスを実行します。ブレーク ポイントの 1 つまで実行されると、実行が停止され、サービスの変数と環境の状態を調べることができます。問題なければ実行を継続でき、別のブレークポイントに来ると再び停止されます。プログラミング エラーを見つけたら、プログラム ソースでエラーを訂正し、新しいコードをテストするために Web サービスを再び実行できます。
WebLogic Workshop Web サービスのデバッグ方法の詳細については、Web サービスをデバッグするを参照してください。
Web サービスを設計、実装、およびデバッグしたら、クライアントに Web サービスを公開する準備が整います。クライアントとは、顧客、ビジネス上のパートナー、または組織内の他のソフトウェア コンポーネントなどです。プロダクション サーバ上で Web サービスを使用可能な状態にし、その場所を公開するプロセスは、デプロイメントと呼ばれます。
基本的に、WebLogic Workshop Web サービスのデプロイメントは非常に簡単です。Web サービスを EAR ファイルとしてパッケージ化し、WebLogic Workshop の実行時環境がインストールされているプロダクション サーバに、その EAR ファイルをコピーするだけです。Web サービスは直ちに利用可能になります。
一般にエンタープライズ環境では、デプロイメントはもう少し複雑になります。デプロイされるコードが、最終的なプロダクション サーバ上の他のアプリケーションに悪影響を与えないことを確認するために、さまざまなレベルのステージングとテストが行われます。
WebLogic Workshop Web サービスのデプロイメントの詳細については、Web サービスをデプロイするを参照してください。