8.2.1 ネット・サービス名、データベース・サービスおよび別名エントリの構成
Oracle Enterprise Manager Cloud ControlおよびOracle Net Managerを使用して、ネットワーク・サービス名、ネットワーク・サービス別名エントリおよびデータベース・サービス・エントリを構成できます。クライアントは、データベースへの接続にこれらのエントリを使用できます。
- ディレクトリの互換性の検証:
ネットワーク・サービス名を作成しようとしているコンピュータから次の検証ステップを実行します。
- コンピュータにOracle Net Serviceソフトウェアの最新リリースがインストールされていることを確認します。リリース情報は、「ヘルプ」メニューの「情報」オプションにあります。
 - Oracle Internet Directoryコンフィギュレーション・アシスタントを実行して、ディレクトリ・サーバー、Oracleコンテキスト、Oracleスキーマのリリースを確認します。
 
 - ディレクトリでのネット・サービス名の作成:
データベース・サービス・エントリではなくネットワーク・サービス名を使用するようにクライアントを構成できます。
ノート:
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OracleNetAdminsグループまたはOracleContextAdminsグループのメンバーであるユーザーのみが、ディレクトリ内にネットワーク・サービス名エントリを作成できます。OracleNetAdminsグループに対するユーザーの追加や削除については、「ディレクトリ・サーバーのエントリを追加または変更できるユーザー」を参照してください。 - 
                                 
既存のネットワーク・サービス名は、
tnsnames.oraファイルからエクスポートできます。「ローカル・ネーミング・エントリのディレクトリ・ネーミング・サーバーへのエクスポート」を参照してください。 
- Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「Net Services管理」ページにアクセスします。「「Net Services管理」ページへのアクセス」を参照してください。
 - 「管理」リストから「ディレクトリ・ネーミング」を選択し、ディレクトリ・サーバーのあるOracleホームを選択します。
 - 「実行」をクリックします。
「ディレクトリ・ネーミング」ページが表示されます。
 - 「ネット・サービス名」タブをクリックします。
 - 結果セクションの「作成」をクリックします。
「一般」タブのある「ネット・サービス名の作成」ページが表示されます。
 - 「ネット・サービス名」フィールドに名前を入力します。
 - データベース情報セクションで次のようにサービス・サポートを設定します。
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宛先サービス名を入力します。「接続記述子について」を参照してください。
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データベース接続タイプを選択します。オラクル社では、接続タイプには「データベースのデフォルト」の使用をお薦めします。初期化パラメータ・ファイルで共有サーバーが構成されている場合は、次のオプションを使用できます。
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共有サーバー構成を使用せずに、リスナーに専用サーバーを起動させるには、「専用サーバー」を選択します。
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接続時に常に共有サーバーが使用されるようにするには、「共有サーバー」を選択します。
 
「共有サーバー・アーキテクチャの構成」を参照してください。
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 - アドレス・セクションで次のようにプロトコル・サポートを設定します。
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「追加」をクリックします。
「アドレスの追加」ページが表示されます。
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「プロトコル」リストから、リスナーがリスニングするように構成されているプロトコルを選択します。このプロトコルも、クライアント上にインストールする必要があります。
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提供されたフィールドで選択したプロトコルに対して適切なパラメータ情報を入力します。
『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。
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(オプション)「拡張パラメータ」セクションを使用して、このセッションにおける送受信操作に必要なI/Oバッファ・スペース制限を「合計送信バッファ・サイズ」および「合計受信バッファ・サイズ」フィールドに指定します。「I/Oバッファ・スペースの構成」を参照してください。
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「OK」をクリックします。
プロトコル・アドレスは、アドレス・セクションに追加されます。
 
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 - 「OK」をクリックして、ネットワーク・サービス名を追加します。
そのネットワーク・サービス名が「ネット・サービス名」タブの「結果」セクションに追加されます。
複数のプロトコル・アドレスを構成する方法については、「リスナー・プロトコル・アドレスのリスト作成」を参照してください。
CONNECT_DATAオプションを追加で構成するには、「拡張接続データ・パラメータについて」を参照してください。 
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 - データベース・サービス・エントリの接続情報の作成または変更:
データベース・サービス・エントリはインストール時に作成されます。ディレクトリ・ネーミングへのデータベース登録が完了すると、ディレクトリにデータベース・サービス・エントリが作成されます。デフォルトでは、このエントリにはプロトコル・アドレスで表されたリスナーの位置を含む、ネットワーク・ルート情報が含まれています。この情報を再作成したり、既存のネットワーク・ルート情報を変更できます。
ノート:
OracleNetAdminsグループまたはOracleContextAdminsグループのメンバーであるユーザーのみが、ディレクトリ内のデータベース・サービスに関するネットワーク情報を変更できます。これらのグループに対するユーザーの追加や削除については、「ディレクトリ・サーバーのエントリを追加または変更できるユーザー」を参照してください。- Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「Net Services管理」ページにアクセスします。「「Net Services管理」ページへのアクセス」を参照してください。
 - 「管理」リストから「ディレクトリ・ネーミング」を選択し、ディレクトリ・サーバーのあるOracleホームを選択します。
 - 「実行」をクリックします。データベース・サーバーおよびディレクトリ・サーバーへのログインを求められる場合があります。
「ディレクトリ・ネーミング」ページが表示されます。
 - 「データベース・サービス」タブをクリックします。
 - 「簡易検索」セクションで「Oracleコンテキスト」と検索基準を選択し、Oracleコンテキストのネットワーク・サービス名を確認します。
データベース・サービス名が結果セクションに表示されます。
 - 結果セクションでデータベース・サービスを選択し、「編集」をクリックします。
 
 - ネット・サービス別名の作成:
ディレクトリ・サーバーのネット・サービス別名によって、クライアントはデータベース・サービスまたはネットワーク・サービス名を代替名で参照できます。たとえば、
salesというネットワーク・サービス名に対してsalesaliasというネットワーク・サービス別名を作成できます。salesaliasをCONNECT scott@salesaliasとして使用してデータベースに接続すると、salesの接続記述子情報に解決されて使用されます。ネットワーク・サービス別名の主な使用方法は、次の2つです。
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クライアントがデータベース・サービスまたはネットワーク・サービス名を別の名前で参照する手段としてネットワーク・サービス別名を使用する方法。
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データベース・サービスの1つのOracleコンテキストでネットワーク・サービス別名を使用し、別のOracleコンテキストでネットワーク・サービス名を使用する方法。この方法によって、データベース・サービスまたはネットワーク・サービス名をディレクトリ・サーバーで一度定義すると、他のOracleコンテキストを使用するクライアントで参照できます。ネットワーク・サービス別名の概要は、「ネット・サービス別名エントリの理解」を参照してください。
 
ノート:
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OracleNetAdminsグループまたはOracleContextAdminsグループのいずれかのメンバーであるユーザーのみが、ディレクトリのネットワーク・サービス別名エントリを作成または変更できます。OracleNetAdminsグループに対するユーザーの追加や削除については、「ディレクトリ・サーバーのエントリを追加または変更できるユーザー」を参照してください。 - 
                                 
Microsoft Active Directoryではネット・サービス別名はサポートされていません。
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ネットワーク・サービス別名を使用する場合は、クライアントに対して
NLS_LANG環境変数が設定されていることを確認してください。 
ネットワーク・サービス別名を作成するには、次のいずれかの方法を使用します。それぞれの方法で同様の機能が提供されます:
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Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したネットワーク・サービス別名の構成
次の手順では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してネットワーク・サービス別名を構成する方法について説明します。
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Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「Net Services管理」ページにアクセスします。「「Net Services管理」ページへのアクセス」を参照してください。
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「管理」リストから「ディレクトリ・ネーミング」を選択し、ディレクトリ・サーバーのあるOracleホームを選択します。
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「実行」をクリックします。
「ディレクトリ・ネーミング」ページが表示されます。
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「ネット・サービス別名」タブをクリックします。
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結果セクションの「作成」をクリックします。
「ネット・サービス別名の作成」ページが表示されます。
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「ネット・サービス別名」フィールドに別名として名前を入力します。
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参照サービスの詳細セクションで、フィールドに次の情報を入力します。
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Oracleコンテキスト: データベース・サービスまたはネットワーク・サービス名のOracleコンテキストを、リストから選択するかフィールドに入力します。
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参照サービス名: データベース・サービスのDNまたはネットワーク・サービス名を選択します。
 
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「OK」をクリックして、ネットワーク・サービス別名を追加します。
ネットワーク・サービス別名が「ディレクトリ・ネーミング」ページに追加されます。
 
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Oracle Net Managerを使用したネットワーク・サービス別名の構成
次の手順では、Oracle Net Managerを使用してネットワーク・サービス別名を構成する方法について説明します。
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Oracle Net Managerを起動します。「Oracle Net Managerを使用したOracle Net Servicesの構成」を参照してください。
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ナビゲータ・ペインで、「ディレクトリ」メニューから「サービス・ネーミング」を選択します。
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「別名」を選択します。
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「編集」メニューから「作成」を選択します。
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「ネット・サービス別名」フィールドにネットワーク・サービス別名を入力します。
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Oracleコンテキストと名前を選択します。
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「作成」をクリックします。
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「ファイル」メニューから「ネットワーク構成の保存」を選択します。
 
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 - クライアント検索の1番目のネーミング・メソッドとしてのLDAPの構成:
sqlnet.oraファイルのNAMES.DIRECTORY_PATHパラメータで、使用する第1番目のネーミング・メソッドとしてディレクトリ・ネーミングを構成します。このパラメータは、Oracle Netが接続識別子を接続記述子に解決する際に使用するネーミング・メソッドの順序を指定します。LDAPを第1番目のネーミング・メソッドとして構成するには、次のいずれかの方法を使用できます。
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Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したLDAPの構成
次の手順では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して第1番目のネーミング・メソッドとしてディレクトリ・ネーミングを指定する方法について説明します。
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Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「Net Services管理」ページにアクセスします。「「Net Services管理」ページへのアクセス」を参照してください。
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「管理」リストから「ネットワーク・プロファイル」を選択します。
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「実行」をクリックします。
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「ネーミング・メソッド」を選択します。
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「使用可能なメソッド」リストから「LDAP」を選択します。
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「移動」をクリックして、選択したメソッドを「選択したメソッド」リストに移動します。
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「昇格」ボタンを使用してLDAPをリストの最上位に移動します。
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「OK」をクリックします。
 
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Oracle Net Managerを使用したLDAPの構成
次の手順では、Oracle Net Managerを使用して第1番目のネーミング・メソッドとしてディレクトリ・ネーミングを指定する方法について説明します。
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Oracle Net Managerを起動します。「Oracle Net Managerを使用したOracle Net Servicesの構成」を参照してください。
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ナビゲータ・ペインで、「ローカル」メニューから「プロファイル」を選択します。
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右ペインのリストから、「ネーミング」を選択します。
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「メソッド」タブをクリックします。
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「使用可能なメソッド」リストから「LDAP」を選択し、右矢印ボタンをクリックします。
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「選択メソッド」リストで「LDAP」を選択し、「上へ」ボタンを使用して選択済項目をリストの最上位に移動します。
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「ファイル」メニューから「ネットワーク構成の保存」を選択します。
sqlnet.oraファイルは、NAMES.DIRECTORY_PATHパラメータで更新され、次のようにldapが最初に表示されます。NAMES.DIRECTORY_PATH=(ldap, tnsnames, hostname)
 
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 - リスナーの構成:
サーバー上のリスナーは、ネットワーク・サービス名用に構成したものと同じプロトコル・アドレスを使用してリスニングするように構成する必要があります。デフォルトでリスナーは、ポート1521のTCP/IPプロトコルでリスニングするように構成されています。リスナー構成の詳細は、「Oracle Net Listenerの構成と管理」を参照してください。
 - データベースへの接続:
データベース・サービスやネットワーク・サービス名のディレクトリの場所と一致するディレクトリ・エントリがデフォルトに構成されているクライアントは、次の構文を使用してデータベースに接続できます。
CONNECT
username@connect_identifierエントリのディレクトリの場所と一致しないディレクトリ・エントリがデフォルトに構成されているクライアントは、エントリの識別名または完全修飾名を使用する必要があります。完全修飾名の使用については、「ディレクトリ情報ツリーの理解」を参照してください。
 
親トピック: ディレクトリ・ネーミング・メソッドの構成