3.6.1 「データセット」ページからのデータセットの作成について

Spatial Studioを使用すると、「データセット」ページから様々なタイプのデータセットを作成できます。

次の図に、データセットの作成でサポートされているオプションを示します:

図3-11 データセットの作成

図3-11の説明が続きます
「図3-11 データセットの作成」の説明

前述の図に示すように、次のソースからデータセットを作成できます:

  • データベース接続を使用するOracle Databaseの表またはビュー
  • GeoJSON URLを指定して
  • OGC Web Mapサービスを構成して
  • Spatial Studioでサポートされている様々な形式のデータセット・ファイルをアップロードして
  • 外部ファイルURLから直接地理空間データをインポートする方法
  • 3D Tilesのタイルセットをインポートして
  • Spatial Studioサーバーにイメージ・ファイルをアップロードして

次の各項では、サポートされているオプションを使用してデータセットを作成するステップについて詳しく説明します:

3.6.1.1 データベースの表またはビューからのデータセットの作成

データベース接続を使用して、Oracle Database内の表およびビューからデータセットを作成できます。

次のステップを実行して、データベース接続を使用してデータセットを作成します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「データベース表/ビュー」オプションを選択します。
  4. 「接続の選択」ドロップダウンから接続を選択します。
  5. 「作成」をクリックします。

    データセットを作成するアイテムの選択ウィンドウが開き、データベース内にあるすべての表、ビューおよびGeoRasterデータがリストされます。

    図3-12 データ・ソースの選択

    図3-12の説明が続きます
    「図3-12 データ・ソースの選択」の説明
  6. リストからデータベース・アイテムを選択し、「OK」をクリックします。

    ヒント:

    「検索」ボックスを使用して、表を迅速に検索することもできます。ドロップダウン・リストに表示されるのは最大500の表またはビューのみであるため、これは特にデータベース接続に多数の表がある場合に有用または必要になります。

    新しいデータセットが追加され、「データセット」ページにリストされます。

3.6.1.2 Oracle Spatial GeoRasterへのラスター・イメージのロード

Spatial Studioを使用して、リモート・センシング・イメージや数値標高モデルなどのラスター・データ・ファイルをOracle Spatial GeoRasterデータベースにアップロードできます。オプションで、このアップロードしたデータを使用してGeoRasterデータセットを作成できます。

Oracle GeoRaster機能の詳細は、『Spatial GeoRaster開発者ガイド』を参照してください。

ノート:

Oracle Spatial GeoRasterへのラスター・イメージのロードは、macOSにデプロイされたSpatial Studioではサポートされていません。

Spatial Studioでは、地理空間イメージからOracle GeoRasterオブジェクトを作成するための、抽出、変換およびロード(ETL)プロセスに基づくウィザードが用意されています。

3.6.1.2.1 Spatial Studioを使用したラスター・ファイルのアップロードのための前提条件

Oracle Databaseへのラスター・データのアップロードに必要な前提条件タスクについて学習します。

  1. LinuxまたはWindows OSにデプロイされたSpatial StudioでOracle Instant ClientとGDAL SDKが正しく構成されていることを確認します。
    GDAL SDKはOracleデータベースへの接続時にOracle Instant Clientに依存することに注意してください。

    GDAL SDKとOracle Instant Clientのインストールを確認および検証するには、「GDALインストール情報の表示」を参照してください

    ノート:

    オラクル社でテスト済のGDALライブラリは、LinuxまたはWindows OSにデプロイされたSpatial Studioに、ファイル・パス<USER_HOME>/.sgtech/tools/gdalで自動的にインストールされます(ここでの<USER_HOME>は、オペレーティング・システム・ユーザーのホーム・ディレクトリです)。

    Oracle Instant Clientをインストールする必要がある場合:

    1. Oracle Instant Clientのダウンロード・ページに移動します。
    2. 64ビットのInstant Client ZIPファイル(Basicパッケージ(ZIP)またはBasic Lightパッケージ(ZIP))をダウンロードします。
    3. ダウンロードしたファイルを<USER_HOME>/.sgtech/toolsに解凍します(ここでの<USER_HOME>はオペレーティング・システム・ユーザーのホーム・ディレクトリです)。
      パッケージは、instantclient_<version>フォルダにダウンロードされます(ここでのversionはInstant Clientのバージョンです)。
    4. フォルダ名をinstantclient_<version>からinstantclientに変更します。
  2. Spatial Studioで次の接続要件を確認します。
    1. Oracle DatabaseまたはOracle Autonomous Databaseへの接続を作成します(「Spatial Studioの「接続」ページ」を参照)。
      これは非メタデータ・リポジトリ接続である必要があることに注意してください。ラスター・イメージは、非メタデータ・リポジトリ・スキーマにのみアップロードできます。
    2. データベース・スキーマに対してGeoRasterを有効にします(スキーマ・レベルでのGeoRasterの有効化を参照)。
  3. アップロードするラスター・データの地理参照情報を取得します。

    ラスター・データ・ファイルの地理参照情報は、次のいずれかのシナリオに分類できます:

    • 地理参照情報はそのラスター・データ・ファイル自体で自己完結しており、その空間参照システム(SRID)はOracleデータベースで認識されサポートされています。
    • ラスター・データ・ファイルに、必要なパラメータを含むコンパニオン・ワールドファイルがあり、SRIDが認識されています。この場合は、このSRIDおよびワールドファイルの内容を指定できます。
    • ラスター・イメージは地理的に修正され、SRIDおよびバウンディング・ボックスの値が認識されています。この場合は、SRIDと、データファイルの右上隅と左下隅の座標を指定できます。
  4. ラスター・ファイルをSpatial Studioサーバーにコピーし、必要なファイル読取り権限があることを確認します。
  5. Spatial Studio管理者からファイルセット・トークンを入手します。
    管理者以外のユーザーである場合は、Spatial Studio管理者に、必要なファイルセット・トークンを提供するようリクエストできます。詳細は、「ファイルセット・トークンの生成」を参照してください。

3.6.1.2.2 GeoRasterデータセット作成ウィザードの使用

GeoRasterデータセット作成ウィザードを使用して、ラスター・イメージをOracle Spatial GeoRasterデータベースにアップロードできます。

ラスター・ファイルをアップロードする前に、「Spatial Studioを使用したラスター・ファイルのアップロードのための前提条件」で示されている前提条件を満たしていることを確認してください。

次のステップに従って、GeoRasterデータセット作成ウィザードにアクセスして使用します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. サーバー上のイメージ・ファイルオプションを選択します。

    図3-13 イメージ・データのアップロードの構成



  4. ファイルセット・トークンに入力します。
  5. サーバー上のイメージ・ファイルについて相対ファイル・パスを入力します。
  6. 「作成」をクリックします。
    GeoRasterデータセット作成ワークフローが開き、次のようなラスター・ファイル情報ステップが表示されます。


    geo_raster_workflow_1.pngの説明が続きます
    図geo_raster_workflow_1.pngの説明

    Spatial Studioによってバックエンドでgdalinfoコマンドが実行され(GDALパッケージから)、そのコマンド出力がgdalinfoコマンドラインからの出力に表示されます。このコマンドでは、ラスター・データ・ファイルに関する基本メタデータが取得されます。このステップでイメージ情報を確認および表示できます。これには、イメージのディメンション、バンド数、イメージ・ピクセル格納構造、地理参照情報(該当する場合)などの詳細が含まれます。

    gdalinfoコマンドラインからの出力でエラーが報告された場合は、現在のアップロード・プロセスを終了し、まず、報告された問題を解決する必要があります。通常、問題は、想定されているファイル・システム・フォルダ内でSpatial Studioによってそれらが見つからないことが原因でGDAL SDKパッケージとOracle Instant Clientパッケージの構成が正しくないことに関連しています。

  7. gdalinfoコマンド出力でエラーが報告されない場合のみ、「次」をクリックします。
    次のようなデータセット作成パラメータステップが表示されます:

    図3-14 データセット作成パラメータ



  8. オプションで、GeoRasterデータセットの作成トグルをオンにします。
    このオプションをオフにすると、ラスター・ファイルのみがデータベースにアップロードされるようになり、GeoRasterデータセットはSpatial Studioで作成されなくなります。データベース・ベースのGeoRasterデータセットにはより多くのオプションが用意されているため、後でデータベースからGeoRasterデータセットを作成できます。詳細は、「GeoRasterデータセットの作成」を参照してください。
  9. ラスター・データセット名「データセットの説明」に入力します。
  10. 「次」をクリックします。
    次のようなGeoRasterパラメータステップが表示されます:

    図3-15 GeoRasterパラメータ



  11. 接続へのGeoRasterのアップロードドロップダウンを使用して、ラスター・データを格納する接続オブジェクトを選択します。
  12. 新規GeoRaster表名に入力します。
    GeoRaster表には、次のようなハードコードされた列があります:
    1. IMAGE_KEY: NUMBER型のキー列名。
    2. DESCRIPTION: VARCHAR2型の説明列名。
    3. GEOR_OBJ: SDO_GEORASTER型のGeoRaster列名。
  13. 新規ラスター・データ表名に入力します。

    ラスター・データ表には、NUMBER型のラスターID列があります。

  14. そのGeoRaster表について「キー値」「説明」に入力します。
  15. そのラスター・データ表についてラスターIDに入力します。
  16. 「次」をクリックします。
    地理参照パラメータステップが表示されます。

    アップロードしたラスターには、Oracleデータベースに格納してからSpatial Studioで表示するために、既知の地理参照情報が必要です。

  17. 地理参照オプションの選択ドロップダウンから値を選択します。

    このドロップダウンのオプションは、Spatial Studioでラスター・ファイルのメタデータから検出された空間参照システム(SRS)によって異なります。サポートされるシナリオは次のとおりです:

    • シナリオ1: ラスター・イメージ・ファイル内の自己完結型の地理参照情報

      ラスター・イメージに自己完結型の地理参照情報(地理参照の詳細を含むgeo-tiffイメージなど)が含まれている場合は、ラスター・ファイルの内容を使用オプションが自動的に適用されます。

      この自己完結型の地理参照情報を直接受け入れて利用でき、次に示すように、その他のユーザー入力は不要です。

      図3-16 ラスター・ファイルの地理参照情報を使用



      ラスター・イメージ内の有効な自己完結型の地理参照情報がユーザー定義の座標参照系であるためOracle Spatialではサポートされていないという場合もあります。このような場合、GDALパッケージでは、そのイメージをOracleデータベースにインポートできますが、それが、サポートされていないSRID (たとえば、値999999または0)に割り当てられます。gdal_translateではそれをOracleデータベースにアップロードできますが、必要な地理参照情報がないため、Spatial Studioで、必要なメタデータを生成できません。その結果、このようなデータファイルの場合はこのアップロード・プロセスが最終的に失敗します。

      アップロード中にこのようなエラーが検出された場合は(サーバー・ログ内)、次のステップを実行する必要があります:

      1. イメージ・データ内で見つかった空間参照システムに対応する、有効な空間参照識別子(SRID)を取得します。

        このためには、My Oracle Supportでサービス・リクエストを発行します。または、カスタムSRIDを作成するステップについて、『Oracle Spatial開発者ガイド』を参照してください。

      2. 前述のステップ(ステップ1からステップ16)をすべて繰り返して、そのラスター・イメージをアップロードします。
      3. 地理参照パラメータステップで、図3-16空間参照システムのオーバーライドスイッチを有効にします。

        そのラスター・データ・ファイルは、その後、地理参照情報を含まないものとして扱われるため、その詳細を指定する必要があります。

      4. 状況に応じて、シナリオ2またはシナリオ3のステップに従ってください。
    • シナリオ2: ワールドファイル内で指定されている地理参照情報

      ラスター・イメージにコンパニオン・ワールドファイルがあり(たとえば、ラスター・ファイルsf1.jpsにコンパニオンsf1.wldファイルがある)、両方が同じフォルダに格納されている場合は、次に示すようにワールドファイルの内容を入力地理参照オプションを選択します。

      図3-17 ワールドファイルにある地理参照情報の使用



      1. 地理参照用のラスター・イメージSRIDを入力: 空間参照システムのSRIDを入力します。
      2. ここにワールドファイルの内容を入力: ワールド・ファイルの内容を入力します。なお、各パラメータに1行が必要になり、6つのパラメータには、連続した6行が必要になります。
    • シナリオ3: バウンディング・ボックス値がわかっている、地理的に修正されたラスター・イメージ

      ラスター・イメージがすでに地理的に修正されており、そのSRIDおよびバウンディング・ボックスの値がわかっている場合は、次に示すように、有効なSRIDについてイメージのバウンディング・ボックス座標を入力するという地理参照オプションを選択します。

      図3-18 バウンディング・ボックス座標を指定した地理的に修正されたラスター・イメージの使用



      1. 地理参照用のラスター・イメージSRIDを入力: 空間参照システムのSRIDを入力します。
      2. 右上隅のX右上隅のY: 右上隅の座標を入力します。
      3. 左下隅のX左下隅のY: 左下隅の座標を入力します。
  18. 「次」をクリックして、その他のGeoRasterパラメータを指定します。
    次のようなその他のパラメータステップが表示されます:

    図3-19 地理参照パラメータ: その他のパラメータ



  19. オプションで、デフォルト・パラメータを変更して(必要な場合)、GeoRaster格納関連パラメータを微調整します。
    NODATAを示すラスター・セルに特別な値があることがわかっている場合は、NODATAに値を指定スイッチをオンにし、その値を指定します。
  20. 「次」をクリックしてその入力内容を確認します。
    テキスト領域を下にスクロールし、前のステップで入力または選択したすべてのパラメータを表示できます。以前のステップに移動して入力内容を変更することもできます。
  21. 「OK」をクリックします。
    サーバーによってバックエンド・プロセスが開始され、ラスター・データ・ファイルがデータベースにアップロードされてから、オプションで、Spatial Studioでデータセットを作成します。アプリケーションでタスク完了通知が表示されます。「ジョブ」ページでそれと同じ内容を検証することもできます。

3.6.1.3 GeoRasterデータセットの作成

Spatial Studioを使用すると、GeoRaster データセットを作成できます。

次のステップを使用して、GeoRasterデータセットを作成できます。
この手順では、GeoRasterデータがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動し、「データセットの作成」をクリックします。
  2. 「データベース表/ビュー」をクリックし、「接続」を選択して、「作成」をクリックします。
  3. 「GeoRasters」をクリックし、必要なGeoRaster表を選択して、次のように「OK」をクリックします。

    図3-20 GeoRasterデータセットの作成

    図3-20の説明が続きます
    「図3-20 GeoRasterデータセットの作成」の説明
    地理ラスター構成ダイアログが開きます。
  4. 「選択モード」を選択します。
    選択モードの値は次のとおりです。
    • 単一ラスター
    • 仮想モザイク
  5. 単一ラスター・モードを選択した場合、ビジュアライゼーション用のGeoRaster列を選択します。そのようなリポジトリがない場合は、このステップをスキップできます。

    ノート:

    仮想モザイク・モードを選択した場合、すべてのGeoraster列がビジュアライゼーションに含まれます。
  6. オプションで、ラスター・イメージが速度(赤(x軸)チャネルと緑(y軸)チャネルで表されている)でエンコードされており、風向きアニメーションをビジュアル化する場合は、風向きアニメーションを有効にします。
    詳細は、「風向きアニメーションについて」を参照してください。
  7. 前のステップで風向きアニメーションを有効にした場合のみ、データ範囲の値であるx軸の最小速度x軸の最大速度y軸の最小速度およびy軸の最大速度に入力します。
  8. 「OK」をクリックします。
    GeoRasterデータセットが構成され、新しく作成されたGeoRasterデータセットが「データセット」ページに行として表示されます。

3.6.1.4 GeoJSON URLデータセットの作成

GeoJSON URLを指定することで、データセットを作成できます。

GeoJSON URLデータセットを作成する前に、次の点に注意することが重要です。

  • GeoJSON URLベースのデータセットは、ソースURLから直接そのデータにアクセスします。このデータセットにSpatial Studioで管理されるデータベース表はありません。
  • GeoJSON URLベースのデータセットは、空間分析をサポートしていません。
  • GeoJSON URLベースのデータセットは、同じアップロード・サイズ制限または100MBのいずれか小さい方が適用されます。
  • GeoJSON URLがCORS (Cross-Origin Resource Sharing)をサポートしていない場合、Spatial Studioは、GeoJSON URLデータをリクエストしているブラウザに対してプロキシとして機能します。
次のステップを実行して、GeoJSON URLデータセットを作成します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「GeoJSON URL」オプションを選択します。
  4. マップ・ビジュアライゼーションのために外部ドメインからGeoJSONデータにアクセスするために、GeoJSON URLを指定します。

    ノート:

    GeoJSONデータへのアクセスに使用する外部ドメインを、「安全ドメイン」リストのエントリのリストに必ず追加します。
  5. 「作成」をクリックします。

    次のように、「GeoJSONからデータセットを作成」ウィンドウが開きます。

    図3-21 GeoJSONからのデータセットの作成

    図3-21の説明が続きます
    「図3-21 GeoJSONからのデータセットの作成」の説明
  6. 必要に応じて、「データセット名」を入力します。
  7. 「送信」をクリックします。

    「キー列が見つかりません」という警告とともに、GeoJSON URLデータセットが作成されます。データセットをビジュアライゼーション用のマップ・レイヤーとして使用するには、警告を解決する必要があります。警告の解決の詳細は、「問題のあるデータセット」を参照してください。

3.6.1.5 OGC WMSデータセットの作成

Spatial Studioリリース22.3以降、外部OGC (Open Geospatial Consortium) WMS (Web Map Service)サービスからのGetMapレスポンスに基づいているデータセットを定義できます。

WMSデータセットを作成する前に、必要なOGC WMS接続がSpatial Studioで作成されていることを確認してください。
次のステップを実行して、OGC WMSデータセットを作成します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「OGC Webマップ・サービス」を選択します。
  4. ドロップダウン・リストから使用するWMS接続を選択します。
  5. 外部WMSサーバーから使用可能なWMSマップ・レイヤーをすべて調べ、必要なレイヤーを選択します。

    [Shift]+クリックで、複数のレイヤーを選択できます。外部WMSサーバーは、新しいWMSデータセットを求めるSpatial Studioのリクエストに対するレスポンスとして、複数のレイヤーを1つのイメージに組み合せます。

    図3-22 WMSデータセットを作成するためのWMSレイヤーの選択

    図3-22の説明が続きます
    「図3-22 WMSデータセットを作成するためのWMSレイヤーの選択」の説明
  6. 「データセット名」を入力します。
  7. 「OK」をクリックします。
    OGC WMSデータセットが作成され、「データセット」ページに表示されます。

    このWMSデータセットがマップ・ビジュアライゼーションに表示されると、Spatial Studioでは、選択した両方のレイヤーのイメージが取得されて表示されます。

3.6.1.6 ファイルのアップロードによるデータセットの作成

Spatial Studioでサポートされている形式でファイルをアップロードすることで、データセットを作成できます。

サポートされているファイル形式は、次のとおりです:
  • Excelファイル
  • シェイプファイル
  • GeoJSONファイル
  • CSVファイル
  • KMLファイル

また、次の点にも注意してください。

  • ExcelまたはCSVファイルのWKTまたはGeoJSONジオメトリ・テキスト値がサポートされています。

    WKTテキスト値を含むファイルをアップロードする場合は、測地座標(経度および緯度)を表すWKT文字列のみがサポートされます。

  • GeoJSONファイルでは、3次元座標がサポートされています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「ローカル・ファイル」オプションを選択します。
  4. サポートされているファイル・タイプのいずれかをアップロードします。
  5. 「作成」をクリックします。

    新しいデータセットが追加され、「データセット」ページにリストされます。

3.6.1.6.1 シェイプファイルのアップロード

シェイプファイルをアップロードすると、データセットを作成できます。

シェイプファイルには、特定のファイル拡張子を持つ複数のファイルで参照可能な地理空間データが含まれます。シェイプファイル形式に寄与する選択済ファイルをいくつか次に示します。
  • .shp: ジオメトリ・データを格納します
  • .shx: ジオメトリの索引を格納します
  • .dbf: ジオメトリ・フィーチャの属性情報を格納します
  • .prj: 座標系情報を格納します
  • .cpg: 使用する文字セットを指定します
  1. 「データセット」ページに移動し、「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます(図3-11を参照)。
  2. 「ローカル・ファイル」を選択します。
  3. upload_iconをクリックして、シェイプファイルをアップロードします。
    ファイルのアップロード・ウィンドウが開きます。
  4. システムから必要なファイルをすべて選択します。

    ノート:

    .shp.shxおよび.dbfファイルのアップロードは必須です。

    次のように、「シェープファイルからデータセットを作成」ダイアログが開きます。

    図3-23 シェイプファイルからのデータセットの作成

    図3-23の説明が続きます
    「図3-23 シェイプファイルからのデータセットの作成」の説明
  5. 「接続にアップロード」ドロップダウン・リストから、シェイプファイルをアップロードする接続を選択します。
  6. 必要に応じて、「表名」を変更します。
  7. 必要に応じて、宛先の「データセット名」を変更します。
  8. 必要に応じて、使用する座標系を選択します。
    • シェイプファイルにカスタムの地理座標系(GEOGCS)を参照する.prjファイルが含まれている場合、Spatial Studioでは、前述の図に示すように、ターゲット空間データベースから最適な測地SRIDが割り当てられます。
    • シェイプファイルに.prjファイルが含まれていない場合は、デフォルトのEPSG:4326 GEOGCSが使用されます。
  9. 必要に応じて、必要な文字セットを選択します。
    Spatial Studioでは、次の優先順位で使用される文字セットが自動的に検出されます。
    • .cpgファイルが存在する場合は、そのファイルからcharset-nameを抽出します。
    • .dbfファイル・ヘッダーで指定された文字セットを使用します。
    • それ以外の場合は、デフォルトのISO-8859-1を使用します。

    検出された文字セットを使用してファイルの属性をプレビューできます。ただし、別の文字セットに切り替えてリフレッシュされた内容をプレビューすることも引き続きできます。

  10. 「送信」をクリックします。
    データセットがシェイプファイルから作成されます。

3.6.1.7 ファイルURLを使用したデータセットの作成

データセットは、地理空間ファイルをホストする外部サーバーのURLを指定することで作成できます。

次のステップを実行して、外部ファイルURLを使用してデータセットを作成します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「ファイルURL」オプションを選択します。
  4. 「ファイルURL」を指定して、外部ドメインから地理空間データにアクセスします。
    サポートされているファイル・タイプは次のとおりです:
    • Excelスプレッドシート
    • CSVファイル
    • KMLファイル
    • 1つのzipファイルに含まれるシェープ・ファイル
  5. 「作成」をクリックします。

    たとえば、ファイルURLを使用してCSVファイルにアクセスしている場合は、次に示すように、「csvファイルからデータセットを作成」ダイアログが開きます:

    図3-24 ファイルURLからのデータセットの作成

    図3-24の説明が続きます
    「図3-24 ファイルURLからのデータセットの作成」の説明
    1. 「接続にアップロード」ドロップダウン・リストから、シェイプファイルをアップロードする接続を選択します。
    2. 必要に応じて、「表名」を変更します。
    3. 必要に応じて、宛先の「データセット名」を変更します。
    4. 「送信」をクリックしてデータセットを作成します。

3.6.1.8 Cesiumデータセットからのデータセットの作成

Spatial Studioでは、3DデータセットまたはCZMLファイルからデータセットを作成できることで、Cesiumマップ・ビジュアライゼーションがサポートされています。

次のステップを実行して、Cesiumデータセットからデータセットを作成します:
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「Cesium形式」オプションを選択します。

    図3-25 Cesiumデータセットを作成するためのオプション

    図3-25の説明が続きます
    「図3-25 Cesiumデータセットを作成するためのオプション」の説明
  4. 「3Dデータセットの場所」オプションを選択します。
    • CZMLファイルのアップロード: .czmlファイルをアップロードします。
    • タイルセットのアップロード: タイルセットのzipファイルをアップロードします。サポートされているフォーマットは次のとおりです。
      • .b3dm: バッチ
      • .pnts: 点群

      ヒント:

      50 MB超のzipファイルに対するデフォルトのサイズ制限を増やすには、<user_home_folder>/.sgtech/sgtech_config.jsonファイルで定義されたuploadプロパティのdataset_max_size属性を更新します。
    • サーバー上にあるCZMLファイル: .czmlファイルの名前およびディレクトリ・パスを入力して、サーバーからアップロードするczmlファイルを指定します。
    • サーバー上にあるタイルセット: tileset.jsonファイルの名前およびディレクトリ・パスを入力して、サーバーからアップロードするタイルセット・ファイルを指定します。

    ノート:

    サーバーからCZMLファイルまたはタイルセット・ファイルをアップロードする場合:

    • ファイルが<SGTECH_HOME>/cesiumdataまたは<SGTECH_HOME>/3d-tilesetsの下にない場合は、該当する可能性があるため、Spatial Studioの移行時にデータセットを手動で移行する必要があります。
    • 「コンソール」ページ内の「一般」タブで、解凍後のファイルに関する制限を更新できます。次の2つの拡張設定パラメータを変更する必要があります。
      • アイテムの最大解凍サイズ
      • 解凍後の最大合計サイズ
  5. 「作成」をクリックします。

    新しいデータセットが追加され、「データセット」ページにリストされます。

3.6.1.9 風向きアニメーション・データセットの作成

マップで風速や動的流れをビジュアル化するために使用できる、風向きアニメーション・データセットを作成できます。

風向きアニメーション・データセットを作成するための前提条件として、次のことを確認してください:

次のステップを実行して、風向きアニメーション・データセットを作成します:

  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます。
  3. 「データベース表/ビュー」をクリックし、「接続」を選択して、「作成」をクリックします。
  4. 「GeoRasters」をクリックし、そのベース・イメージを含むGeoRaster表を選択し、「OK」をクリックします。
    次のような地理ラスター構成ダイアログが開きます:

    図3-26 風向きアニメーション・データセットを作成するためのGeoRaster構成



  5. 「選択モード」「単一ラスター」に設定します。
  6. 風向きアニメーショントグルをオンにします。
  7. データ範囲の値であるx軸の最小速度x軸の最大速度y軸の最小速度およびy軸の最大速度に入力します。
    次の点に注意してください:
    • これらの値は、ベース風向きイメージの生成時に取得されます。例については、「NOAAデータセットからのベース風向きイメージの生成」を参照してください。
    • これらの値は、このGeoRaster表から風向きアニメーション・データセットを初めて作成するときのみ設定する必要があります。保存すると、これらのパラメータがそのGeoRaster表に格納されます。したがって、将来のデータセットについては、それらを更新することにした場合を除き、そのデータ範囲値の手動入力は必要ありません。
  8. 「OK」をクリックします。
    風向きアニメーション・データセットが作成され、「データセット」ページに表示されます。

3.6.1.10 既存のGeoRasterデータセットに対する風向きアニメーションの有効化

既存のGeoRasterデータセットに対して風向きアニメーションを有効にできるのは、そのラスター・イメージが赤(R)チャネルと緑(G)チャネル(それぞれxとyの速度を表す)でエンコードされている場合のみです。

  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要なGeoRasterデータセットを右クリックし、「プロパティ」をクリックします。
    次のような「データセットのプロパティ -」ダイアログが開きます。

    図3-27 風向きアニメーションの有効化



  3. GeoRasterタブをクリックします。
  4. 風向きアニメーショントグルをONにします。
  5. オプションで、データ範囲の値であるx軸の最小速度x軸の最大速度y軸の最小速度およびy軸の最大速度を変更します。
  6. 「適用」をクリックします。