N1 Service Provisioning System ソフトウェア は、データセンターを組織化し、データセンターでの操作を自動化するためのフレームワークを提供します。
この章では、データセンターで N1 Service Provisioning System ソフトウェア の使用を開始できるようにする、一連の質問について説明します。
この節の内容は次のとおりです。
第 1 章「N1 Service Provisioning System ソフトウェア の概要」で説明されているように、Master Server では CLI を使用して個別のコマンドやバッチスクリプトを実行することができます。
まず、コマンド行ツールを使用すると想定されるシステムのリストを作成し、これらのシステムの各マシンに Command-Line Interface Client をインストールします。
リストにどのシステムを含めるかを判断するには、以下の質問を考慮します。
これらのコマンドの実行元になる可能性が高いのはどのサーバーか
データセンター全体により使用されるコマンドコンソールがあるか
IT オペレーターには、コマンド実行用の専用のシステムがあるか
次の表に、Command-Line Interface Client に関連する計画手順の概要を示します。
表 2–1 CLI を使用する準備
質問 |
操作 |
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CLI を使用するプランがある場合、どのサーバーで CLI を実行するか。 |
これらの各サーバーに Command-Line Interface Client をインストールする。 『N1 Service Provisioning System 4.1 インストールガイド』を参照のこと。 |
Jython 2.0 以降が、すでにこれらのサーバーにインストールされているか。 |
Jython 2.0 以降がサーバーにインストールされている場合は、インストーラから Jython を再インストールしない選択も可能。 |
Master Server への HTTP 接続を確立できるすべてのシステムから、HTML インタフェースにアクセスできます。 Master Server へのアクセスには、ローカルマシンに N1 Service Provisioning System ソフトウェア をインストールする必要はありません。
第 1 章「N1 Service Provisioning System ソフトウェア の概要」で説明されているように、HTML ユーザーインタフェースを使用すると、コンポーネントのモデル化、プランの開発、インストールなどの直接実行手続きの実行、および複雑で複数の手順から成る手続きが含まれるプランの開発と実行が可能になります。
準備開始前には、コンポーネントのモデル化の対象であるシステムのリストを作成します。
次の表に、HTML ユーザーインタフェースの使用のプランに役立つ質問の一覧を示します。
表 2–2 HTML ユーザーインタフェースを使用する準備
質問 |
操作 |
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ユーザーが HTML ユーザーインタフェースを使用してモデル化するコンポーネントは、どのサーバーが保持しているか。 |
このようなサーバーに、それぞれ Remote Agent をインストールする。 『N1 Service Provisioning System 4.1 インストールガイド』を参照のこと。 |
ローカルシステム (Web ページへのアクセス元にするプランがあるシステム) にどの Web ブラウザがインストールされているか。 |
表 1–1 に一覧がある Web ブラウザの 1 つが用意してあることを確認する。 |
開始する前には、次の質問を考慮します。
どのユーザーが プロビジョニングソフトウェア を使用するか。
各ユーザーにアカウントを作成するプランがあるか。また、ユーザーが共有する汎用のユーザーアカウントを作成するプランがあるか。
さまざまなユーザーにさまざまな特権を付与するか。 一部のユーザーにある種の操作の実行を制限するか。
次の表は、ユーザーとグループの管理のプランに役立ちます。
表 2–3 ユーザーの管理
質問 |
操作 |
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どのユーザーがシステムを使用するか。 ユーザーには、個別のアカウントと、ユーザーが共有する汎用アカウントのどちらが必要か。 |
使用するプランがある各ユーザーアカウントを定義する。 「ユーザーアカウントとユーザーグループの管理」を参照のこと。 |
さまざまなユーザーグループが プロビジョニングソフトウェア にアクセスするか。 ユーザーごとに特権を割り当てるのではなく、さまざまなアクセス特権を持つユーザーグループを定義する方が便利か。 |
ユーザーグループを定義し、各グループに割り当てられたアクセス権を使用して、ユーザーのアクセス権を制御する。 (グループ内の全ユーザーが、そのグループに付与された特権を使用可能。) 「ユーザーアカウントとユーザーグループの管理」を参照のこと。 |
データセンターには、数十、数百、場合によっては数千というホストが存在する場合があります。 これらのホストを管理する準備を行うには、次の表に記載された質問に対する操作を行います。
次の表に、ホストの管理プランに役立つ質問の一覧を示します。
表 2–4 ホストの管理
質問 |
操作 |
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ホストをどのように分類するか。 どのような分類で、ホストの識別とホストの操作を簡単に行えるか。 |
各型のホストに対して、ホスト型を定義する。 「ホストタイプの操作」を参照のこと。 |
どのホストを操作するか。 |
ホストを定義することにより、各ホストをリポジトリに入力する。 「ホストの操作」を参照のこと。 |
どのようにホストをグループ化すれば、ホストの操作が簡単になるか。 |
各グループに対して、ホストセットを定義する。 [ホスト型に基づいてホストセットを定義するには、第 4 章「ホスト」で説明されているホスト検索を使用する。 ] 位置、目的、設定など、さまざまな型の条件に基づいてホストセットを定義できる。 1 つのホストは、複数のホストセットに属することが可能。 ホストセットは重複する場合があり、またその他のホストを含む場合もある。 「ホストセットの操作」を参照のこと。 |
どのようなクエリをリアルタイムで実行すれば、特定の操作に必要なホストのグループを識別できるか。 |
ホストの識別に使用するクエリを記録するには、ホスト検索を定義する。 「ホスト検索の操作」を参照のこと。 |
次の表に、アプリケーションを管理する方針を策定する際に必要となる質問の一覧を示します。
表 2–5 アプリケーションの管理
質問 |
操作 |
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管理する各アプリケーションに関して、そのソースを判定する。 ソースは Gold Server か。あるいはソースコード制御システムか。 その場所は。 |
Remote Agent を、Gold Server、またはソースコード制御システムを装備したサーバーにインストールする。 『N1 Service Provisioning System 4.1 インストールガイド』を参照のこと。 |
このアプリケーションを構成するコンポーネントは何か。 |
CLI cdb.c.ci および cdb.rsrc.ci を使用するか、HTML ユーザーインタフェースの「Components」ページを使用して、各アプリケーションコンポーネントをリポジトリにチェックインする。 |
情報とコントロールを追加してコンポーネントを拡張する必要があるか。 追加候補は次のとおり · 設定変数 · コンポーネント間の依存性 · 比較に追加または除外する内容に関する情報 |
XML エディタを使用して、コンポーネントスキーマタグをコンポーネントに追加する。 続いて、コンポーネントの拡張バージョンをリポジトリにチェックインして戻す。 コンポーネントスキーマタグの概要については、「コンポーネントスキーマ」を参照のこと。 コンポーネントスキーマタグの詳細については、『N1 Service Provisioning System 4.1 リファレンスガイド』を参照のこと。 |
対象ホストの 1 つのセットにコンポーネントをインストールする必要があるか。 このコンポーネントは、その他のコンポーネントやホストとの動作の同期を必要とせず、直接インストールできるか。 |
HTML ユーザーインタフェースで直接実行コントロールを使用して、コンポーネントをインストールする。 |
複数のホストのセットに対するコンポーネントのインストールを自動化する必要があるか。 このインストールを、より大規模なプロセスの一部として管理する必要があるか。 |
XML エディタを使用してコンポーネントのプランを作成する。 プランの概要については、第 6 章「プラン」を参照のこと。 プランスキーマタグの詳細については、『N1 Service Provisioning System 4.1 リファレンスガイド』を参照のこと。 |
インストールなどの操作を行う際、手続きの完了時や例外の発生時に特定のユーザーに通知する必要があるか。 |
rule.add CLI コマンドを使用して、通知規則の追加、コンポーネントの XML タグの編集、または sendCustomEvent タグを追加するプランを行う。 詳細については、第 8 章「通知の設定」を参照のこと。 |
あるアプリケーションを別のアプリケーションと比較する必要があるか。 |
モデル対モデル (M-M) の比較を実行する。 詳細については、「モデルとモデルの比較」を参照のこと。 |
アプリケーションコンポーネントと、アプリケーションのインストール済みインスタンスを比較する必要があるか。 |
モデル対インストール (M-I) の比較を実行する。 「モデルとインストールの比較」を参照のこと。 |
同一のコンポーネントの 2 つのインストール済みインスタンスを比較する必要があるか。 |
インストール対インストール (I-I) の比較を実行する。 「インストールとインストールの比較」を参照のこと。 |