ユーザーアクティビティーのための Sun Business Process Manager ワークリストマネージャーの使用

ユーザーアクティビティーの実装

ここでは、ユーザーアクティビティーおよびユーザーアクティビティーを実装するのに必要なその他のコンポーネントの設定方法の概要を示します。次の各手順の詳細については、以降の各節で説明します。ユーザーアクティビティーを含む BP を作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「ワークリストマネージャーデータベースの作成」

  2. 「セキュリティーの設定」

  3. 「Web サービス定義の作成」

  4. 「BP の作成」

  5. 「タスク割り当て条件の定義」

  6. 「ワークリストマネージャーの設定」

ワークリストマネージャーデータベースの作成

ワークリストマネージャーデータベースには、タスク割り当てデータが格納されます。タスク割り当てデータには、タスクのタイプ、優先度、状態のほか、タスクが現在割り当てられているユーザーなどが含まれます。この作業を開始する前に、ワークリストマネージャーのテーブルをインストールできるデータベースインスタンスが作成されていることを確認してください。

Procedureワークリストマネージャーデータベースを作成する

  1. プロジェクトエクスプローラで、BPM を展開し、次にワークリストビューアを展開します。

  2. ワークリストビューアを右クリックし、「チェックアウト」をクリックします。

  3. ダイアログボックス上の「チェックアウト」をクリックします。

  4. 「データベーススクリプト」を右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

    「データベーススクリプトのプロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

    図 1 ワークリストマネージャーデータベースのプロパティー

    図は、「ワークリストマネージャーデータベーススクリプトのプロパティー」ダイアログボックスを示しています。

  5. データベースに接続するためのデータベースプロパティーを設定し、「了解」をクリックします。

    各プロパティーの値の詳細は、図 1 を参照してください。


    注 –

    ログイン情報が入力されたユーザーには、新しいワークリストマネージャーユーザーを作成するための DBA 特権が必要です。


  6. Oracle データベースの場合のみ、次の手順に従います。

    1. プロジェクトエクスプローラで、使用するデータベースに対応するインストールスクリプトファイルを右クリックし、「開く」をクリックします。

    2. 表スペースデータファイルの場所を、ファイルを実際に格納する場所に変更します。

    3. ファイルの内部を右クリックし、「保存」をクリックします。

  7. プロジェクトエクスプローラで、使用するデータベースに対応するインストールスクリプトファイルを右クリックし、「実行」をクリックします。

    プロパティー

    説明 

    データベースタイプ

    使用するデータベースのベンダーとバージョン。 

    JDBC URL

    データベースに接続するための URL。次のいずれかを入力します。 

    • Oracle の場合: jdbc:SeeBeyond:oracle://<host>:<port>;SID=<SID>

    • Sybase の場合: jdbc:SeeBeyond:sybase://<host>:<port>

    • SQL Server の場合: jdbc:SeeBeyond:sqlserver://<host>:<port>;DatabaseName=<dbname>

    • DB2 の場合: jdbc:SeeBeyond:db2://<host>:<port>;DatabaseName=<SID>;collectionId=JDBCPKG;packageName=JDBCPKG;embedded=true;createDefaultPackage=FALSE

      <host> はデータベースがあるマシンです。<port> はデータベースが待機するポート番号です。<SID> および <dbname> はデータベースの名前です。

    ユーザー

    データベース管理者のログイン ID。このユーザーは、ユーザーの作成、権限の割り当て、およびテーブルの作成とドロップを実行できる必要があります。 

    パスワード

    管理者ユーザーのパスワード。 

セキュリティーの設定

「ワークリストマネージャー」ウィンドウと「タスク割り当て」ウィンドウのどちらを使用する場合も、ユーザー情報と認証を取得するために LDAP ディレクトリに接続する必要があります。必要に応じて、LDAP サーバー上の SSL を設定することにより、情報を暗号化できます。

LDAP サーバーの設定

LDAP サーバーをすでに使用している場合は、既存のディレクトリ構造を使用できます。ワークリストマネージャーのもっとも重要な要件は、マネージャーや上司が部下のタスクを表示したり、ユーザーが上司にタスクをエスカレーションしたりできるようにするための、ユーザー階層を明確に定義するメカニズムです。

OpenLDAP

ワークリストマネージャーは、既存の OpenLDAP ディレクトリ構造に適応できます。ユーザーの報告構造を定義する属性を各ユーザーにまだ割り当てていない場合は、その作業が必要になることがあります。デフォルトの属性である Manager を使用することもできますが、新しいマネージャー属性を作成することもできます。各ユーザーは、図 2 のディレクトリ構造の例に示す Manager: cn=GSmythe のようなエントリを持つべきです。

図 2 OpenLDAP のディレクトリ構造の例

図は、OpenLDAP のユーザーエントリの例を示しています。

ワークリストマネージャーの各ユーザーのログイン資格は、各ユーザーの識別名に使用されているネーミング属性 (通常は cn 属性) の値と、userpassword 属性の値によって定義されます。OpenLDAP の場合、Sun BPM は匿名バインドを使用してディレクトリサーバーにアクセスします。

ワークリストマネージャーユーザーが属するカスタムグループおよびカスタムロールを作成できますが、これは必須ではありません。ワークリストマネージャーを OpenLDAP 用に設定する方法については、「OpenLDAP の接続設定」を参照してください。

Sun Java System Directory Server

ワークリストマネージャーは、既存の Sun Java System Directory Server の構造に適応できます。報告構造をまだ定義していない場合は、定義する必要があります。報告構造を定義するには、さまざまな方法があります。Sun は、デフォルトの属性である manager を提供しています。この属性を使用して上方向の報告構造を定義できますが、その場合は部下を定義する属性も使用する必要があります。ユーザーのマネージャーや部下を示すカスタム属性を作成することも、ユーザーの entrydn 属性で階層を定義することもできます。たとえば、ユーザー "gsmythe" が "grose" に報告し、"grose" が "cpina" に報告する場合、"gsmythe" の entrydn 属性は次のようになります。

uid=gsmythe,uid=grose,uid=cpina,ou=people,dc=sun,dc=com

前述の entrydn を使用したディレクトリ構造は、図 3 のようになります。

図 3 Sun Java System Directory Server の構造の例

図は、Sun Java System Directory Server の構造の例を示しています。

ワークリストマネージャーユーザーが属するカスタムグループおよびカスタムロールを作成できますが、これは必須ではありません。


注 –

ワークリストマネージャーでタスクのエスカレーションと再割り当てを有効にするには、前述のように manager 属性を使用してユーザーの上司を定義し、各ユーザーの entrydn 属性で報告構造を定義する必要があります。manager 属性には、必ず上司の完全な entrydn 値を入力してください。


LDAP ディレクトリ構造を定義するときは、各ユーザーの識別名に使用されているネーミング属性に注意してください。これは、通常 uid 属性または cn 属性です。この値は、「Environment」のワークリストマネージャー外部システムのプロパティーで指定されます。ワークリストマネージャーの各ユーザーのログイン資格は、ネーミング属性の値と userpassword 属性の値によって定義されます。ワークリストマネージャーがセキュリティープリンシパルとして使用する管理者ユーザーを作成する必要があります。

ワークリストマネージャーを Sun Java System Directory Server 用に設定する方法については、「Sun Java System Directory Server の接続設定」を参照してください。

Microsoft Active Directory

ワークリストマネージャーは、既存の Active Directory 構造に適応できます。報告構造をまだ定義していない場合は、定義する必要があります。Active Directory は、報告階層を定義する 2 つのデフォルト属性として manager および directReports を提供します。ユーザーの上司や部下を示すカスタム属性を作成することもできます。ワークリストマネージャーユーザーが属するグループおよびロールを作成できますが、これは必須ではありません。

Active Directory では、ユーザーのログイン ID が sAMAccountName 属性によって定義されます。この属性は、「Environment」のワークリストマネージャー外部システムのプロパティーで指定されます。ワークリストマネージャーの各ユーザーのログイン資格は、sAMAccountName 属性の値と userPassword 属性の値によって定義されます。ワークリストマネージャーがセキュリティープリンシパルとして使用する管理者ユーザーを作成する必要があります。

ワークリストマネージャーを Microsoft Active Directory 用に設定する方法については、「Microsoft Active Directory の接続設定」を参照してください。

Secure Sockets Layer の設定

デフォルトでは、リポジトリと LDAP サーバー間の通信は暗号化されません。Secure Sockets Layer (SSL) を使用するように LDAP サーバーとワークリストマネージャーを設定できます。

Procedureリポジトリと LDAP サーバー間の通信を暗号化する

  1. LDAP サーバー上の SSL を設定します。

    LDAP サーバーが SSL (Secure Sockets Layer) を使用するように設定されていることを確認します。詳細な手順については、LDAP サーバーに付属のマニュアルを参照してください。

  2. LDAP サーバー証明書をファイルにエクスポートします。

  3. LDAP サーバー証明書をリポジトリの信頼できる証明書のリストにインポートします。以降の手順では、keytool プログラムを使用します。このプログラムは、リポジトリ (および Java SDK) に含まれています。

  4. コマンドプロンプトで、<JavaCAPS_home>\repository\1.5.0_10\jre\bin に移動します。

  5. 次のコマンドを実行します。

    keytool -import -trustcacerts -alias alias -file certificate_filename -keystore cacerts_filename

    -alias オプションには、任意の値を割り当てます。

    -file オプションには、LDAP サーバー証明書の完全修飾名を指定します。次に例を示します。

    C:\ldap\mycertificate.cer

    -keystore オプションには、<Java CAPS_home>\repository\1.5.0_10\jre\lib\security にある cacerts ファイルの完全修飾名を指定します。次に例を示します。

    C:\JavaCAPS51\repository\1.5.0_10\jre\lib\security\cacerts

  6. プロンプトが表示されたら、キーストアのパスワードを入力します。デフォルトのパスワードは changeit です。

  7. この証明書を信頼するかどうかを選択するプロンプトが表示されたら、「はい」を入力します。

    次のメッセージが表示されます。

    証明書がキーストアに追加されました

  8. server.xml ファイルのレルム要素で、LDAP サーバーの URL を次のように変更します。

    1. プロトコルを ldaps に設定します。

    2. ポート番号を、LDAP サーバーが SSL 要求を待機するポート番号に設定します。通常、この番号は 636 です。

      次に例を示します。

      <Realm className="org.apache.catalina.realm.JNDIRealm" connectionURL="ldaps://myldapserver:636">

LDAP および UNIX の Java CAPS 環境

Java CAPS 環境の論理ホストが UNIX システム上で実行されている場合は、LDAP サーバーに接続するように LDAP プロバイダ URL を設定する必要があります。Java CAPS 環境では、次のものが一般的です。

この環境では、ワークリストマネージャープロパティーの「LDAP プロバイダ URL」を正確な URL に設定する必要があります。

ProcedureLDAP プロバイダ URL を設定する

  1. 「環境エクスプローラ」タブで、ワークリストマネージャー外部システムを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

  2. 「設定リスト」で、「WLMConnector 外部システムの設定」を展開し、使用する LDAP サーバーに応じて、「OpenLDAP パラメータ」または「Sun Java System Directory Server/ADS」をクリックします。

  3. 「LDAP プロバイダ URL」プロパティーに、LDAP サーバーの正確な URL を入力します。

    LDAP サーバー用の URL は、ldap://host:port です。

    host は LDAP サーバーがあるマシンの名前です。port は LDAP ディレクトリが待機するポート番号です。このポート番号には、LDAP ディレクトリブラウザまたは使用している管理ツールを使用してアクセスできます。

  4. 「了解」をクリックして変更を保存します。

Web サービス定義の作成

Web サービス定義は、WSDL (Web Service Definition Language) ファイルとして具体化され、インターネット上の Web サービスを呼び出して操作する場合や、リモートアプリケーションやリモートデータベースにアクセスして呼び出しを行う場合に使用できます。WSDL ファイルは、Web サービスを構築するときに使用され、BP を Web サービスとして公開します。

BP の作成

ワークリストマネージャーデータベースの作成と LDAP ディレクトリ構造の配備が完了したら、ユーザーアクティビティーを含むメイン BP と、ユーザーアクティビティーのロジックを定義するサブプロセスを作成できます。

サブプロセスの作成

サブプロセスは、ユーザーアクティビティーを通過するデータの流れを定義し、ユーザーが必要な情報を入力するためのアクセスポイントを定義します。

Procedureサブプロセスを作成する

  1. ユーザーアクティビティーを定義する Sun VPD ページフローを作成します。

  2. BP を作成し、Sun VPD ページフローを含むモデリング要素を追加します。

  3. モデリング要素どうしをリンクします。

  4. リンクのビジネスルールを作成して、データのマッピングを定義します。

  5. モデリング要素の設定が完了したら、Enterprise Designer のツールバー上の「保存」をクリックします。

パートナーの作成

サブプロセスとして使用する BP を作成するときは、受信および返信アクティビティーに関連付けるパートナーを作成する必要があります。

Procedure新しいパートナーを作成する

  1. プロジェクトエクスプローラで、サブプロセスを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

  2. BP の「プロパティー」ウィンドウで、「パートナー」タブをクリックします。

  3. 「新規」をクリックし、パートナーの名前を入力します。

  4. 「了解」をクリックします。

パートナーのアクティビティーへの関連付け

サブプロセスのパートナーを作成したあとは、サブプロセスの実装または受信アクティビティーと返信アクティビティーにパートナーを関連付ける必要があります。これによって、接続マップのコンポーネントに接続できるようになります。

Procedureパートナーをアクティビティーに関連付ける

  1. BP で、受信または実装アクティビティーを選択します。

  2. ビジネスプロセスデザイナのツールバーで、プロパティーシートをクリックします。

  3. 「パートナー」プロパティーで、前の手順で作成したパートナーを選択します。

  4. 返信プロパティーについても同じ手順を繰り返します。

メイン BP の作成

メイン BP は、ユーザーアクティビティーを含み、前の手順で作成したサブプロセスを呼び出します。

Procedureメイン BP を作成する

  1. BP を作成し、ユーザーアクティビティーを含むモデリング要素を追加します。

  2. モデリング要素どうしをリンクします。

  3. プロジェクトエクスプローラで、サブプロセスを展開し、サブプロセスの処理を BP 内のユーザーアクティビティーにドラッグします。このノードにはデフォルトで「処理」という名前が付けられていますが、WSD オブジェクトで名前をカスタマイズできます。

  4. リンクのビジネスルールを作成して、データのマッピングを定義します。

  5. 「タスク割り当ての定義」の説明に従って、ユーザーアクティビティーのタスク割り当てを定義します。

  6. モデリング要素の設定が完了したら、Enterprise Designer のツールバー上の「保存」をクリックします。

while ループ内のユーザーアクティビティーの設定

while ループ内にユーザーアクティビティーが含まれる BP を作成するときは、いくつかの追加手順を実行する必要があります。while ループ内のユーザーアクティビティーを設定するための手順を次に示します。

Procedurewhile ループ内のユーザーアクティビティーを設定する

  1. ユーザーアクティビティーを通常どおりに作成および設定します。

  2. ユーザーアクティビティーから出ているリンクにビジネスルールを追加します。

  3. ビジネスルールデザイナを開き、WLVTask.Input ノードを展開します。

  4. 図 4 に示すように、「出力」パネルから「すべて」パネルに BP 属性をコピーします。

    これにより、出力コンテナが作成されます。

    図 4 BP 属性のコピー

    図は、ビジネスルールデザイナでの BP 属性のコピーを示しています。

  5. 図 5 に示すように、「ビジネスルール」パネルを開き、「単一のマッピングの表示」をクリックします。

    図 5 ビジネスルールエディタ

    図は、ビジネスルールエディタを表示した状態のビジネスルールデザイナを示しています。

  6. 図 6 に示すように、「コピー」ルールを右クリックし、「受け側のリセット」をクリックします。

    図 6 受け側のリセット

    図は、ビジネスルールエディタの「受け側のリセット」コンテキストメニューを示しています。

  7. Enterprise Designer のツールバーで、「保存」をクリックします。

タスク割り当ての定義

BP を作成して設定したあとは、LDAP サーバーに接続し、ユーザーアクティビティーを設定する必要があります。ユーザーアクティビティーを設定するには、特定の条件下でタスクに割り当てられるユーザーを定義する式を作成します。必要に応じて、自動タスクエスカレーションやユーザーアクティビティーの電子メール通知を定義できます。タスク割り当てパネルには、Sun VPD ページマッパーも含まれています。これにより、ユーザーアクティビティーで生成された値を Sun VPD ページフローに公開できます。


注 –

式リストにはデフォルトの式が 1 つ定義されており、これは削除できません。この式は、ほかの式に対して定義されている条件が true に評価されない場合に使用されます。少なくとも、デフォルトの式にユーザーを割り当てることによってデフォルトの式を設定する必要があります。そうしないと、BP 検証で致命的エラーが検出され、配備ができなくなります。


タスク割り当て式の作成

特定のタスクのフローは、式によって定義されます。各ユーザーアクティビティーに対して複数の式を定義できます。それぞれの式は、タスク割り当ての条件、タスクの割り当て先ユーザー、およびタスク割り当て時の処理を定義します。

Procedureタスク割り当て式を作成する

  1. メイン BP で、LDAP ユーザーを割り当てるユーザーアクティビティーを右クリックし、「タスク割り当ての編集パネル」をクリックします。

    図 7 に示すように、「ワークリストマネージャー」ウィンドウが表示されます。

    図 7 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 式リスト

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウの式リストを示しています。

  2. ウィンドウの上側のセクションで、「追加」をクリックします。

    式リストに新しい式が表示されます。

  3. 必要な場合は、「上に移動」ボタンと「下に移動」ボタンを使用して、式を正しい順序に配置します。

  4. 次の各節の説明に従って、式を設定します。

タスク割り当て条件の定義

条件は、ユーザーの完了に関するアクティビティーの評価方法を定義します。「ワークリストマネージャー」ウィンドウの「条件」タブには、ビジネスルールデザイナと同様のメソッドパレットが含まれています。この手順は、デフォルトの式以外のすべての式に必要です。

Procedureタスク割り当て条件を定義する

  1. 「ワークリストマネージャー」ウィンドウで、「条件」タブをクリックします。

    図 8 に示すように、「条件」ページが表示されます。

  2. タスクを割り当てる条件を定義します。

    図 8 は、「条件」ページでのメソッドの使用例を示しています。

    図 8 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 「条件」タブ

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウ上の条件の例を示しています。

  3. 条件を定義したら、「アクティビティーへのユーザーの割り当て」に進みます。

アクティビティーへのユーザーの割り当て

この手順では、ユーザーアクティビティーの静的割り当てと動的割り当てのいずれかを作成できます。静的割り当てでは、「条件」ページで定義した条件が満たされたときにタスクが割り当てられるユーザーを指定します。このためには、実行中の LDAP サーバーに接続する必要があります。動的割り当てでは、タスクが割り当てられるユーザーの名前を含む着信データ内のフィールドを指定します。この割り当てを作成するために LDAP サーバーに接続する必要はありません。この手順は、すべての式に必要です。ユーザーが割り当てられていない式がユーザーアクティビティーに含まれる場合は、BP の検証が失敗します。

Procedureアクティビティーにユーザーを割り当てる

  1. 「ワークリストマネージャー」ウィンドウで、「割り当て」タブをクリックします。

    図 9 に示すように、「割り当て」ページが表示されます。

    図 9 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 静的割り当て

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウの「割り当て」タブを示しています。

  2. 静的割り当てを作成するには、次の手順に従います。

  3. 「割り当て」ページで、「割り当てタイプ」が「静的」であることを確認し、「接続」をクリックします。

    「LDAP 接続のプロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

    図 10 「LDAP 接続のプロパティー」ダイアログボックス

    図は、(「ワークリストマネージャー」ウィンドウからアクセスする) 「LDAP 接続のプロパティー」ダイアログボックスを示しています。

  4. 図 10 の値を入力し、「了解」をクリックします。

    「割り当て」ページの左側のパネルに、LDAP ディレクトリで定義されているロール、グループ、およびユーザーが読み込まれます。

  5. 左側のパネルのリストから、このタスク割り当てに含めるロール、グループ、およびユーザーを選択し、「割り当て」をクリックします。

  6. 動的割り当てを作成するには、次の手順に従います。

    1. 「割り当てタイプ」フィールドで、「動的」を選択します。

      図 11 に示すように、「割り当て」ページが属性の表示に変わります。

      図 11 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 動的割り当て

      図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウ上の動的タスク割り当てを示しています。

    2. 属性リストで、リストを展開し、タスクが割り当てられるユーザーの名前を含むフィールドを選択します。

  7. 「タスクエスカレーションの定義」に進みます。式の定義が完了している場合は「了解」をクリックます。


    注 –

    使用中の LDAP 実装に合わせてプロパティーを変更してください。


    フィールド

    説明 

    ホスト

    LDAP サーバーがあるコンピュータの名前。 

    ポート

    LDAP サーバーが要求を待機するポート番号。 

    ベース DN

    ユーザーディレクトリのルート識別名 (たとえば、dc=sun,dc=com)。

    ロール

    ワークリストマネージャーユーザーを割り当てるロールの名前 (存在する場合)。このフィールドは必須ではありません。 

    グループ

    ワークリストマネージャーユーザーを割り当てるグループの名前 (存在する場合)。このフィールドは必須ではありません。 

    タイプ

    使用する LDAP サーバーのタイプ。 

    SSL

    LDAP サーバーとリポジトリ間で共有されるデータを暗号化するかどうかのインジケータ。SSL が設定されている場合は、このオプションを選択します。 

    匿名

    LDAP サーバーへの匿名バインドを作成するか、特定のログイン資格を使用するかの指定。このチェックボックスの選択を解除すると、下側のフィールドが有効になります。 

    ユーザー DN

    ディレクトリサーバーへの接続に使用するユーザーの識別名。 

    ベース DN の付加

    認証のためにベース DNユーザー DN に付加するかどうかの指定。

    パスワード

    前述のユーザー DN に関連付けられたパスワード。

タスクエスカレーションの定義

ワークリストマネージャーは、期間または最終期限に基づいて自動的にタスクをエスカレーションする機能を備えています。期間に基づくエスカレーションの場合は、タスクを繰り返しエスカレーションできます。最終期限に基づくエスカレーションの場合は、タスクを 1 回だけエスカレーションできます。

期間ベースのエスカレーションでは、タスクが追加されたとき、およびユーザーがタスクのチェックイン、再割り当て、またはエスカレーションを行ったときにタイマーが起動します。タイマーが停止せずに、指定された期間が経過した場合は、担当者の一意のマネージャー全員にタスクがエスカレーションされます。タスクがチェックアウトされるか、完了したとき、およびタスクが最上位までエスカレーションされたときに、タイマーは停止します。

最終期限ベースのエスカレーションでは、タスクが挿入されたときにタイマーが起動します。最終期限より前にタイマーが停止しなかった場合にのみ、タスクがエスカレーションされます。タスクがチェックアウトされるか、完了するか、または手動でエスカレーションされたときに、タイマーは停止します。最終期限に達して、タスクがエスカレーションされたときも、タイマーは停止します。

タスクエスカレーションの定義は省略可能です。

Procedureタスクエスカレーションを定義する

  1. 「ワークリストマネージャー」ウィンドウで、「タイムアウト」タブをクリックします。

    図 12 に示すように、「タイムアウト」ページが表示されます。

    図 12 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 「タイムアウト」タブ

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウの「タイムアウト」タブを示しています。

  2. 「有効」チェックボックスをクリックします。

  3. エスカレーションの期間を設定するには、次の手順に従います。

    1. 「アラームタイプ」フィールドで、「静的期間」を選択します。

    2. 表示されたフィールドに期間を入力します。

      図 13 は、1 週間以内にタスクを完了しないとタスクがエスカレーションされることを示しています。

      図 13 静的期間のフィールド

      図は、ワークリストマネージャー上の静的期間によるタイムアウトを定義するためのフィールドを示しています。

  4. エスカレーションの最終期限を設定するには、次の手順に従います。

    1. 「アラームタイプ」フィールドで、「静的最終期限」を選択します。

    2. 表示されたフィールドに最終期限を入力します。

      図 14 は、2007 年 2 月末日の午前 0 時までにタスクを完了する必要があることを示しています。

      図 14 静的最終期限のフィールド

      図は、静的最終期限によるタイムアウトの設定例を示しています。

  5. 「Sun VPD ページへのユーザーアクティビティー値の公開」に進みます。式の定義が完了している場合は「了解」をクリックします。

Sun VPD ページへのユーザーアクティビティー値の公開

ページフローマッパーを使用して、ユーザーアクティビティーによって生成された値を関連する Sun VPD ページに公開できます。たとえば、assignedTo フィールドをマップする場合は、タスク担当者の名前を表示するページを作成できます。

マッパーにはメソッドパレットがあり、これを使用してマッピング内のデータを操作するメソッドを選択できます。

Sun VPD ページへのユーザーアクティビティーの公開は省略可能です。

ProcedureSun VPD ページにユーザーアクティビティー値を公開する

  1. 「ワークリストマネージャー」ウィンドウで、「ページフローマッパー」タブをクリックします。

    図 15 に示すように、「ページフローマッパー」ページが表示されます。

    図 15 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: ページフローマッパー

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウの「ページフローマッパー」タブを示しています。

  2. マッパーで、左側のパネルのユーザーアクティビティーフィールドを右側のパネルのノードにマップします。

  3. 「タスクの電子メール通知の定義」に進みます。式の定義が完了している場合は「了解」をクリックます。

タスクの電子メール通知の定義

タスク実行のさまざまな段階で特定のユーザーが電子メール通知を受け取るように指定できます。たとえば、担当者にタスクが割り当てられたときに、担当者とそのマネージャーの両方に通知することができます。すべてのタイプのタスクアクティビティーに対して電子メール通知を定義できます。これには、割り当て、再割り当て、エスカレーション、チェックイン、チェックアウト、および完了が含まれます。このタスクは省略可能です。

電子メール通知を定義するには、次の作業を実行します。

Procedureタスクの電子メール通知を定義する

  1. 「ワークリストマネージャー」ウィンドウで、「電子メール通知」タブをクリックします。

    図 15 に示すように、「電子メール通知」ページが表示されます。

    図 16 「ワークリストマネージャー」ウィンドウ: 「電子メール通知」タブ

    図は、「ワークリストマネージャー」ウィンドウの「電子メール通知」タブを示しています。

  2. 電子メール通知を生成するアクションごとに、次の手順に従います。

    1. 「条件」リストで、各アクションの隣のチェックボックスを選択します。

    2. 「電子メール通知の送信先」リストで、通知の送信先となるユーザーを選択します。

  3. 「了解」をクリックします。

  4. 環境エクスプローラで、次の手順に従ってワークリストマネージャー外部システムのプロパティーを設定します。

  5. 「電子メール通知プロパティーの定義」の説明に従って、電子メールサーバーの接続プロパティーを指定します。

  6. LDAP サーバーのプロパティーで、電子メールアドレスを含む LDAP ユーザー属性の名前 (たとえば、"mail") を入力します。

    このプロパティーの詳細は、使用する LDAP ディレクトリのタイプに応じて図 21 または 図 23 を参照してください。

ワークリストマネージャーの設定

ユーザーアクティビティー BP の環境を作成するときは、ワークリストマネージャー外部システムを作成および設定する必要があります。外部システム用に設定するプロパティーは、ワークリストマネージャーのデータベース接続、LDAP サーバーおよびディレクトリの情報、およびフレックス属性のカスタムラベルを定義します。ワークリストマネージャーを設定するには、次の手順を実行します。

さらに、次のいずれかの作業を実行する必要があります。

ワークリストマネージャー外部システムの作成

ワークリストマネージャー外部システムは、環境エクスプローラで作成します。

Procedureワークリストマネージャー外部システムを作成する

  1. 環境エクスプローラで、ユーザーアクティビティープロジェクトの「Environment」を右クリックします。

  2. 「新規」をポイントし、「ワークリストマネージャー」を右クリックします。

  3. ワークリストマネージャー外部システムの名前を入力し、「了解」をクリックします。

    「プロパティー」ウィンドウが表示されます。

  4. 次の各節の説明に従って、ワークリストマネージャーを設定します。

設定プロパティーの定義

ワークリストマネージャーの設定プロパティーは、ワークリストマネージャーのデータベースおよびアプリケーションに関する情報を定義します。

Procedure設定プロパティーを定義する

  1. ワークリストマネージャーの「プロパティー」ウィンドウで、(図 17 に示す) 「WLMConnector 外部システムの設定」をクリックします。

    図 17 ワークリストマネージャー外部システムの設定

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウを示しています。

  2. 図 17 に示されたプロパティーの値を入力します。

  3. 「了解」をクリックします。

    プロパティー 

    説明 

    データベースタイプ

    使用するデータベースのタイプ。oraclesybasesqlserver、または db2 を選択します。

    データベースホスト

    データベースサーバーの名前。 

    データベースポート

    データベースが待機するポート番号。 

    データベース SID

    データベースの SID 名。 

    データベースユーザー ID

    データベース用のWLM ユーザーのログイン ID。これは、WLM データベースのインストールスクリプトによって作成されたユーザーと同じにしてください。 

    データベースパスワード

    WLM ユーザーのパスワード。 

    データベース接続再試行回数

    ドライバがデータベースへの接続に失敗したあとで接続を試行する回数。 

    データベース接続再試行遅延

    ドライバがデータベースサーバーへの接続を再試行する前に待機する時間 (秒単位)。 

    データベース初期プールサイズ

    データベースの初期化に使用される物理接続の数。 

    データベースプールの最小プールサイズ

    データベースプール内の物理接続の最小数。 

    データベースプールの最大プールサイズ

    データベースプール内の物理接続の最大数。 

    データベースプールのプロパティーサイクル

    データベースプールマネージャーがプールをチェックする頻度 (秒単位)。 

    データベースプールのアイドル時間

    物理接続が非アクティブでいられる時間の長さ。 

    自動コミット

    データベースの自動コミット機能を有効にするかどうかの指定。 

    接続パラメータ

    使用する LDAP ディレクトリのタイプ。Sun Java System Directory ServerActiveDirectoryConnection、または OpenLdapConnection を選択します。

    WLM アプリケーション名

    プロジェクトを配備したときに生成されるワークリストマネージャーアプリケーションの名前。この名前は、ワークリストマネージャーにログインするときに使用される URL の一部であり、ユーザーアクティビティー BP ごとに一意であるべきです。同じ環境にユーザーアクティビティーを含む複数の BP を配備できますが、各 WLM アプリケーションには一意の名前が必要です。その場合は、環境に複数のワークリストマネージャー外部システムを含める必要があります。 

    WLM セッションタイムアウト (分)

    ワークリストマネージャーがタイムアウトする前にアイドル状態でいられる時間 (分数)。 

    WLM 初期順序

    ワークリストマネージャー上のフィールドの順序。このプロパティーの隣にある省略記号をクリックすると、「シーケンスを並べ替えています」ダイアログボックスが表示され、ワークリストマネージャー上に表示されるフィールドとその表示順序を選択できます。 

フレックス属性ラベルのカスタマイズ

フレックス属性は、タスク割り当てを支援するカスタマイズ可能な属性です。フレックス属性は、(図 18 に示すように) ビジネスルールデザイナに表示されるとともに、ワークリストマネージャーの列にも表示されます。

ビジネスルールデザイナでは、フレックス属性に値をマップできます。マップされた値はワークリストマネージャーに表示されます。また、ワークリストマネージャーで簡単に識別できるように、属性にラベルを付けることもできます。

図 18 ビジネスルールデザイナでのフレックス属性

図は、ビジネスルールデザイナに表示されたフレックス属性のリストを示しています。

Procedureフレックス属性のラベルをカスタマイズする

  1. 環境エクスプローラで、ワークリストマネージャー外部システムを右クリックします。

  2. 「プロパティー」をクリックします。

    「プロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

  3. 図 19 に示す「カスタム属性ラベル」をクリックします。

    図 19 フレックス属性

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウの「カスタム属性ラベル」ページを示しています。

  4. 必要な数の属性のラベルを定義します。

  5. 「了解」をクリックします。

電子メール通知プロパティーの定義

「ワークリストマネージャー」ウィンドウでユーザーアクティビティーに関する電子メール通知を定義した場合 (「タスクの電子メール通知の定義」を参照) は、ワークリストマネージャー外部システムのプロパティーで、電子メールサーバーの接続プロパティーを定義する必要があります。また、使用するディレクトリサーバーの LDAP プロパティーを変更して、ユーザーの電子メールアドレスを含む属性の名前を指定する必要があります。

Procedure電子メール通知プロパティーを定義する

  1. ワークリストマネージャーの「プロパティー」ウィンドウで、(図 17 に示す) 「電子メールサーバー接続パラメータ」をクリックします。

    図 20 電子メールサーバー接続パラメータ

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウの「電子メールサーバー接続パラメータ」ページを示しています。

  2. 図 20 に示されたプロパティーの値を入力します。

  3. 「了解」をクリックします。

    プロパティー 

    説明 

    電子メール送信サーバー

    ワークリストマネージャーの電子メール通知を送信する電子メールサーバーの名前。 

    電子メールユーザー名

    ワークリストマネージャーが使用する電子メールアカウントのログイン ID。 

    電子メールパスワード

    電子メールアカウントのパスワード。 

    電子メールの差出人

    電子メールに差出人として表示される名前。このプロパティーは、URL を作成するために使用されるため、空白を含めることはできません。 

    電子メールの最初のフッター

    電子メール通知のフッター。 

    電子メールの 2 番目のフッター/免責事項

    電子メール通知の 2 番目のフッターまたは免責事項。 

OpenLDAP の接続設定

ワークリストマネージャーで OpenLDAP を使用するには、ワークリストマネージャーがディレクトリ内に定義されたユーザー情報の場所を識別できるように、LDAP ディレクトリ構造に関する特定の情報を指定する必要があります。ユーザー報告階層を定義するためのメカニズムが存在するかぎり、既存のディレクトリ構造を使用できます。

ワークリストマネージャーは、OpenLDAP で匿名バインドを使用するため、セキュリティープリンシパルの資格を指定する必要はありません。

ProcedureOpenLDAP の接続を設定する

  1. 「環境エクスプローラ」タブで、ワークリストマネージャー外部システムを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

  2. 表示された「プロパティー」ページで、「接続パラメータ」プロパティーが OpenLdapConnection に設定されていることを確認します。

  3. 「WLMConnector 外部システムの設定」を展開し、「OpenLDAP パラメータ」をクリックします。

    図 21 に示すように、「プロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

    図 21 OpenLDAP 設定プロパティー

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウの「OpenLDAP パラメータ」ページを示しています。

  4. 図 21 に示されたプロパティーの値を入力します。


    注 –

    既存のディレクトリ構造と属性に合わせてこれらの値を変更してください。


  5. 「了解」をクリックします。

    プロパティー 

    説明 

    LDAP 初期コンテキストファクトリ

    初期コンテキストを作成するファクトリクラスの完全修飾名。初期コンテキストは、JNDI ネーミング操作の開始点となります。 

    LDAP プロバイダ URL

    LDAP サーバーの URL。URL の形式は ldap://<host>:<port> です。<host> は LDAP サーバーをホストしているコンピュータの名前です。<port> は LDAP サーバーが要求を待機するポート番号です。

    OpenLDAP ルート名

    LDAP ディレクトリのルートノードの名前。たとえば、ルートノードが dc=Sun,dc=com である場合、このプロパティーの値は Sun になります。

    OpenLDAP バージョン

    実行している OpenLDAP のバージョン。 

    OpenLDAP 検索フィルタ

    ワークリストマネージャーがユーザーを検索するために使用する検索フィルタ。ワークリストマネージャーは、このフィルタで記述されたユーザーのみを検索します。 

    たとえば、組織名を検索フィルタとして使用し、すべてのワークリストマネージャーが Sun の組織に割り当てられるようにするには、このプロパティーの値を (o=Sun) にします。

    OpenLDAP 検索 DN

    LDAP ディレクトリのうち、ワークリストマネージャーがユーザーの検索を開始する部分のルートエントリの DN。 

    たとえば、すべてのユーザーが People という名前の組織単位内で定義されている場合、このプロパティーの値は ou=People,dc=sun,dc=com のようになります。

    OpenLDAP 属性ロール

    ワークリストマネージャーユーザーが属する LDAP ディレクトリのロール属性の名前。このプロパティーの値を入力するのは、すべてのワークリストマネージャーユーザーが割り当てられるロールを定義した場合だけです。 

    OpenLDAP 属性マネージャー

    LDAP ディレクトリの報告階層を指定する属性の名前。これは、ユーザーに割り当てられた、報告先の人物を指定する属性です。OpenLDAP 用の定義済み属性である Manager を使用することもできますが、カスタム属性を作成することもできます。ワークリストマネージャーは、このエントリを使用して、上司がタスクを再割り当てできるユーザーのリストを作成し、タスクがエスカレーションされる上司を指定します。

    OpenLDAP グループ

    ワークリストマネージャーユーザーが属する LDAP ディレクトリ内のグループ属性の名前。このプロパティーの値を入力するのは、すべてのワークリストマネージャーユーザーが割り当てられるグループを定義した場合だけです。 

    OpenLDAP 電子メール

    ユーザーの電子メールアドレスを含む属性の名前。これは、電子メール通知に使用されます。 

    OpenLDAP ファーストネーム

    ユーザーのファーストネームを含む属性の名前。これは、電子メール通知に使用されます。 

Sun Java System Directory Server の接続設定

ワークリストマネージャーで Sun Java System Directory Server を使用するには、ワークリストマネージャーがディレクトリ内に定義されたユーザー情報の場所を識別できるように、LDAP ディレクトリ構造に関する特定の情報を指定する必要があります。ユーザー報告階層を定義するためのメカニズムが存在するかぎり、既存のディレクトリ構造を使用できます。

ProcedureSun Java System Directory Server の接続を設定する

  1. 「環境エクスプローラ」タブで、ワークリストマネージャー外部システムを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

  2. 表示された「プロパティー」ページで、「接続パラメータ」プロパティーが Sun Java System Directory Server に設定されていることを確認します。

  3. 「WLMConnector 外部システムの設定」を展開し、「Sun Java System Directory Server/ADS」をクリックします。

    図 21 に示すように、「プロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

    図 22 Sun Java System Directory Server 設定プロパティー

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウの Sun Java System Directory Server 設定プロパティーを示しています。

  4. に示されたプロパティーのプロパティー値を入力します。 .


    注 –

    LDAP ディレクトリの設定方法によっては、必ずしもすべてのフィールドを設定する必要はありません。デフォルト設定は、必ずしも実際の実装を反映するものではありません。


  5. 了解」をクリックして「プロパティー」ダイアログボックスを閉じます。

    プロパティー 

    説明 

    Java ネーミングプロバイダの URL

    LDAP サーバーの URL。URL の形式は ldap://<host>:<port> です。<host> は LDAP サーバーをホストしているコンピュータの名前です。<port> は LDAP サーバーが要求を待機するポート番号です。

    Java ネーミングファクトリ初期

    初期コンテキストを作成するファクトリクラスの完全修飾名。初期コンテキストは、JNDI ネーミング操作の開始点となります。 

    Java ネーミングセキュリティー認証

    JNDI ネーミング操作で使用するセキュリティーレベル。次のいずれかの値を入力します。 

    • なし」: 認証を要求しません。これは、匿名アクセスの場合に使用します。

    • 単純」: 認証時にユーザー名とパスワードが要求されます。次のセキュリティープリンシパルと資格を入力する必要があります。

    Java ネーミングセキュリティープリンシパル

    LDAP サーバーへの接続に使用するセキュリティープリンシパルの DN。 

    Java ネーミングセキュリティー資格

    ネーミングセキュリティープリンシパルのパスワード。 

    ユーザーの親 DN

    ユーザーエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのユーザー部分のルートエントリを指定します (たとえば、ou=People,dc=sun,dc=com)。

    ユーザー内のユーザー DN 属性名

    ユーザーの DN が定義されているユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server の属性のデフォルト名である entrydn です。

    ユーザー内のユーザー ID 属性名

    各ユーザーエントリ内のネーミング属性の名前。Sun Java System Directory Server のこの属性のデフォルト名は uid ですが、cn も使用できます。

    ロールの親 DN

    ロールエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのロール部分のルートエントリを指定します (たとえば、dc=sun,dc=com)。

    ロール DN のロール名フィールド

    ロールの名前を指定するロールエントリ内の属性の名前。Sun Java System Directory Server のこの属性のデフォルト名は cn です。

    ユーザー内のロール名の属性名

    ユーザーが割り当てられるロールの DN を指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server でのデフォルト属性名である nsroledn です。

    グループの親 DN

    グループエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのグループ部分のルートエントリを指定します (たとえば、ou=Groups,dc=sun,dc=com)。

    グループ内のグループ DN 属性名

    グループの名前を指定するグループエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server の属性のデフォルト名である entrydn です。

    グループ DN のグループ名フィールド

    グループの名前を指定するグループエントリ内の属性の名前。Sun Java System Directory Server のこの属性のデフォルト名は cn です。

    グループの親 DN 下のユーザーフィルタのグループ

    ユーザーのすべてのグループを取得するために使用する LDAP 検索フィルタ。このプロパティーは java.text.MessageFormat クラスでサポートされている構文に従っており、{1} はユーザーの DN が挿入される場所を示します。たとえば、uniquemember={1} などです。

    ユーザー ID 属性マネージャー

    ユーザーの報告先となる人物を指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server がこのために提供する属性である manager です。entrydn をこのために使用することもできます。また、カスタム属性を作成して上方向の報告構造を定義することもできます。

    注: タスクのエスカレーションと再割り当てを有効にするには、この値を manager にするとともに、LDAP ディレクトリ内の各ユーザーエントリに、entrydn によって上司を指定するマネージャー属性を含める必要があります。

    ユーザー ID 属性部下

    ユーザーを報告先とする人物を指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は directReports ですが、Sun Java System Directory Server では使用されません。secretaryentrydn などの Sun 用のデフォルト属性を使用できます。また、カスタム属性を作成して下方向の報告構造を定義することもできます。

    注: タスクのエスカレーションと再割り当てを有効にするには、この値を entrydn にするとともに、各ユーザーの報告構造を LDAP ディレクトリ内の entrydn 属性で定義する必要があります。

    ユーザー ID 属性電子メール

    電子メールアドレスを指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server がこのために提供する属性である mail です。これは、(BP 内のユーザーアクティビティーの「ワークリストマネージャー」ウィンドウで定義される) 電子メール通知に使用されます。

    ユーザー ID 属性ファーストネーム

    ユーザーのファーストネームを指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Sun Java System Directory Server がこのために提供する属性である givenName です。これは、電子メール通知時に使用されます。

Microsoft Active Directory の接続設定

ワークリストマネージャーで Microsoft Active Directory を使用するには、ワークリストマネージャーがディレクトリ内に定義されたユーザー情報の場所を識別できるように、LDAP ディレクトリ構造に関する特定の情報を指定する必要があります。ユーザー報告階層を定義するためのメカニズムが存在するかぎり、既存のディレクトリ構造を使用できます。

ProcedureMicrosoft Active Directory の接続を設定する

  1. 「環境エクスプローラ」タブで、ワークリストマネージャー外部システムを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。

  2. 表示された「プロパティー」ページで、「接続パラメータ」プロパティーが ActiveDirectoryConnection に設定されていることを確認します。

  3. 「WLMConnector 外部システムの設定」を展開し、「Sun Java System Directory Server/ADS」をクリックします。

    図 21 に示すように、「プロパティー」ダイアログボックスが表示されます。

    図 23 Microsoft Active Directory 設定プロパティー

    図は、ワークリストマネージャー外部システムの「プロパティー」ウィンドウの Microsoft Active Directory 設定プロパティーを示しています。

  4. 図 23 に示されたプロパティーのプロパティー値を入力します。


    注 –

    LDAP ディレクトリの設定方法によっては、必ずしもすべてのフィールドを設定する必要はありません。デフォルト設定は、必ずしも実際の実装を反映するものではありません。


  5. 「了解」をクリックして「プロパティー」ダイアログボックスを閉じます。

    プロパティー 

    説明 

    Java ネーミングプロバイダの URL

    LDAP サーバーの URL。URL の形式は ldap://<host>:<port> です。<host> は LDAP サーバーをホストしているコンピュータの名前です。<port> は LDAP サーバーが要求を待機するポート番号です。

    Java ネーミングファクトリ初期

    初期コンテキストを作成するファクトリクラスの完全修飾名。初期コンテキストは、JNDI ネーミング操作の開始点となります。 

    Java ネーミングセキュリティー認証

    JNDI ネーミング操作で使用するセキュリティーレベル。次のいずれかの値を入力します。 

    • なし」: 認証を要求しません。これは、匿名アクセスの場合に使用します。

    • 単純」: 認証時にユーザー名とパスワードが要求されます。次のセキュリティープリンシパルと資格を入力する必要があります。

    Java ネーミングセキュリティープリンシパル

    LDAP サーバーへの接続に使用されるセキュリティープリンシパルの DN。

    Java ネーミングセキュリティー資格

    ネーミングセキュリティープリンシパルのパスワード。 

    ユーザーの親 DN

    ユーザーエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのユーザー部分のルートエントリを指定します (たとえば、cn=Users,dc=sun,dc=com)。

    ユーザー内のユーザー DN 属性名

    ユーザーの DN が定義されているユーザーエントリ内の属性の名前。Active Directory のデフォルトスキーマを使用する場合は、このプロパティーに distinguishedName を入力します。

    ユーザー内のユーザー ID 属性名

    ユーザーのログイン ID を定義するユーザーエントリ内の属性の名前。Active Directory におけるこの属性のデフォルト名は sAMAccountName です。

    ロールの親 DN

    ロールエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのロール部分のルートエントリを指定します (たとえば、ou=SunRoles,dc=sun,dc=com)。

    ロール DN のロール名フィールド

    ロールの名前を指定するロールエントリ内の属性の名前。Active Directory におけるこの属性のデフォルト名は cn です。

    ユーザー内のロール名の属性名

    ユーザーが割り当てられるロールを指定するユーザーエントリ内の属性の名前。 

    デフォルト値は nsroledn ですが、Active Directory には適用されません。Active Directory で使用されるデフォルト属性は、memberOf です。

    グループの親 DN

    グループエントリの親 DN。このプロパティーは、LDAP ディレクトリのグループ部分のルートエントリを指定します (たとえば、cn=users,dc=sun,dc=com)。

    グループ内のグループ DN 属性名

    グループの DN を指定するグループエントリ内の属性の名前。Active Directory のデフォルトスキーマを使用する場合は、このプロパティーに distinguishedName を入力します。

    グループ DN のグループ名フィールド

    グループの名前を指定するグループエントリ内の属性の名前。Active Directory におけるこの属性のデフォルト名は cn です。

    グループの親 DN 下のユーザーフィルタのグループ

    ユーザーのすべてのグループを取得するために使用する LDAP 検索フィルタ。このプロパティーは java.text.MessageFormat クラスでサポートされている構文に従っており、{1} はユーザーの DN が挿入される場所を示します。たとえば (Active Directory の場合のみ)、(&(member={1})(objectclass=group)) などです。

    ユーザー ID 属性マネージャー

    ユーザーの報告先となる人物を指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Active Directory がこのために提供する属性である manager です。カスタム属性を作成して報告構造を定義することもできます。

    ユーザー ID 属性部下

    ユーザーを報告先とする人物を指定するユーザーエントリ内の属性の名前。デフォルト値は、Active Directory がこのために提供する属性である directReports です。Active Directory では、directReports は前述の manager に参照によってリンクされています。

    ユーザー ID 属性電子メール

    電子メールアドレスを指定するユーザー属性の名前。デフォルト値は、Active Directory がこのために提供する属性である mail です。これは、(BP 内のユーザーアクティビティーの「ワークリストマネージャー」ウィンドウで定義される) 電子メール通知に使用されます。

    ユーザー ID 属性ファーストネーム

    ユーザーのファーストネームを指定するユーザー属性の名前。デフォルト値は、Active Directory がこのために提供する属性である givenName です。これは、電子メール通知時に使用されます。