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Oracle Enterprise Asset Managementユーザーズ・ガイド
リリース12.1
B66926-01
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Oracle Enterprise Asset Managementの概要

この章では、Oracle Enterprise Asset Managementアプリケーションのハイレベルな概要を示します。

この章のトピックは、次のとおりです。

はじめに

Oracle Enterprise Asset Management (eAM)は、OracleのE-Business Suiteの一部として、資産集約型組織にとっての包括的で日常的な保守要件を満たしています。 eAMを用いることで、車両、クレーンやHVACシステムと同様にモータやエンジンといった循環在庫品目も効率的に維持することができます。 パフォーマンスを計測し、保守オペレーションを効率化するために、すべての保守原価や作業履歴が資産レベルでトレースされます。

この章のトピックは、次のとおりです。

Oracle Enterprise Asset Managementの概要

Oracle Enterprise Asset Management(eAM)は、OracleのE-Business Suiteの一部として、資産と再構築可能な在庫品目の両方の保守手順の作成、実行をするためのツールを提供します。 保守手順は、資産のライフサイクル管理に不可欠なものであり、資産の稼働率を最適化します。EAMは業務や生産の中断が最小限となるような保守計画とスケジュールを可能とします。 また、資源の利用効率の向上、保守品質の改善、作業履歴のトレース,全ての保守原価の記録が重要となります。

Oracle eAMは、メーター、品質計画および状態監視システムを使用して、資産(再構築可能な在庫品目を含む)のパフォーマンスをトレースします。 資産の稼働状態を効率的に監視することによって、効果的な予防保守戦略が構築できます。 予防保全スケジュールの作成に加えて、季節変動や生産能力の変更のための代替保守戦略を作成することができます。

EAMのもつ包括的なメンテナンス機能は、金属/鉱業、製造業、パルプ/紙、石油化学、設備、教育といった資産集約型産業のための資産ライフサイクル戦略をサポートしています。 EAMは、企業における、事後保守、計画保守、及び予防保守の管理、さらに企業全体におけるメンテナンスの集中管理、より積極的な保守戦略を可能とします。これにより、スプレッドシート、バラバラに管理されていた保守データといったものが不要となります。

eAMを使用すると、組織は次のことができます。

この項のトピックは、次のとおりです。

資産管理

eAMは企業全体の資産管理とその可視性を高めることで、資産の限られた情報しか提供できなかったポイントソリューションを不要とします。 下記のように、資産を複数の方法で記述することがあります。

Oracle eAMは、単一のエンティティを利用して、前述のようなビューを構築します。 資産は、ユーザーが問題をレポートできるエンティティです。 資産は、クーリングタワー、クレーン、バス、建物、コンベアまたは作業を必要とする何でも構いません。eAMには、次のような定義を用いて多くの資産の種類に対応できる柔軟性があります。

最初に資産グループを設定することによって、資産と、そのグループに属している資産が継承できる資産特性を定義できます。 銘板データ、技術仕様、プロパティ詳細、その他の検索可能特性などの詳細情報が、資産属性要素と値を使用して定義されます。 資産グループでは、資産に対するデフォルトのマスター部品構成表(BOM)も定義されます。 このBOMは、特定の資産に対して編集可能です。 資産または経路のネットワークを作成するために、仮想資産を設計できます。 これによって、複数の資産が単一の作業活動に結合されます。

Oracle eAMでは、資産ナビゲータを使用して、工場および施設をすばやく識別できます(「資産番号の定義」を参照)。 資産の原価、階層(親/子)情報、起動取引などの詳細を表示できます。 また、資産の現在の構成または履歴構成、および作業詳細を表示することもできます。 資産の修理可能な在庫品目が、資産から取り外されて再度取り付けられると、資産系統および親/子メーター・リーディングが自動的に記録されます。 原価履歴、部品構成表、文書添付などの属性を特定の資産に関連付けることができます。

GoogleマップまたはESRIのWebベースのソース・マップ・ビューワのビルトインされた統合機能を使用して、資産の場所を表示できます。 また、サード・パーティのHTMLベースのマップ・ビューワとの統合機能も用意されています。 資産をジオコード化でき、その結果、ユーザーが入力した検索基準に基づいて、資産および作業をマップ・ビューワに表示できます。 「Googleマップとの統合」および「ESRIとの統合」を参照してください。

資産階層

資産階層、つまり資産の親/子関連のセットにフォーカスできます。 資産詳細、部品構成表、作業指示、保守活動、品質計画、保守原価、契約サービス、作業指示履歴など、すべての関連資産情報を表示できます。 ある資産に関する原価情報を表示したり、その子資産の積上原価を表示することができます。

関連項目

資産番号の定義

資産番号情報の取得

資産番号情報の表示

資産および再作成可能在庫の作業指示の表示

Googleマップとの統合

ESRIとの統合

eAM作業管理

eAMでは、予防および予測保守がサポートされています。 予防保守は、資産と在庫品目の両方について、日付または実行時間隔、および特定の日付リストに基づいて実行できます。 予測保守を実施する組織は、品質計画を使用して保守作業履歴およびパフォーマンス・トレンドをモニターして精査できます。 また、モニタリング・システムによって資産の状態を調べることもできます。 これらの戦略を組み合せることによって、業務の停止時間を最小にするような保守戦略を構築できます。 Oracle Enterprise Asset Managementを使用すると、信頼性をモニターし、将来の保守の必要性を予測できます。 設計によって定義されたパフォーマンスの中断の識別と保守の即時警告、資産の状態のモニター、メーター・リーディングの収集、予防保守を実行する必要がある頻度の予測、および予測された故障に基づいた「障害まで実行」スケジュールと予測の設定が可能です。

Oracle eAMを使用すると、工程および保守のスタッフは、作業要求を作成して資産に関する問題をレポートできます。 同じ問題に対する作業指示の重複を回避するために、現在資産に割り当てられている未処理の作業要求をレビューできます。

管理者は、作業要求を承認、保留または拒否できます。 承認された作業要求は、作業指示にリンクできます。 作業指示にリンクされると、作業要求のステータスが更新されます。

関連項目

作業要求情報の取得

作業要求の作成および更新

作業指示

他のOracle Application製品との統合

Oracle Enterprise Asset Managementは、Oracle E-Business Suiteの一部であり、Oracle Manufacturing、Oracle Purchasing、Oracle Property Management、Oracle Quality、Oracle Inventory、Oracle Human Resources、Oracle Financials、Oracle Fixed AssetsおよびOracle Projectsと直接統合されます。 この結果、企業全体で生産資源および原価計画を戦略的にモニターできます。 問題を解決までトレースすることで業界標準に確実に準拠するように、改善プログラムを実施してレビューできます。

綿密に計画された保守環境は、使用可能な在庫品目、設備およびスキル担当を考慮する主担当の能力に依存します。 eAMは企業ソリューションであるため、工程で使用される資産に対する生産資源可用性を表示し、工程への影響を最小限に抑えるように保守作業を調整できます。 最も重要なことは、Oracle eAMは、作業を実行する保守ユーザーを対象に設計されていることです。 Oracleの保守ユーザーを使用すると、作業従事者および管理者は、最低限の研修でその作業を簡単に実行できます。

必要な製品

Enterprise Asset Managementを実装するには、次に示す必要な製品をインストールしている必要があります。

オプション製品

Enterprise Asset Managementを実装するには、次に示す製品は必須ではありませんが、総合的で堅牢なeAMソリューションに役立ちます。