Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド リリース12 E05999-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle General Ledgerでは、一般に予算引当と呼ばれる前倒しの経費支出を記録できます。予算引当を追跡する主な目的は、予算の過剰支出を防ぐことです。また、予算引当を現金支出の予測手段や一般計画ツールとして使用することもできます。
予算引当会計のすべての機能を活用するには、元帳の予算管理フラグを有効にする必要があります。予算管理フラグを有効にすると、Oracle PurchasingやOracle Payablesなどの外部システムで発生する購入依頼や発注書などの取引から、Oracle General Ledgerによって予算引当が自動的に行われます。
予算管理フラグを有効にしない場合も、仕訳を介して予算引当を手動で入力できますが、購入依頼と発注書からは予算引当は作成できません。
予算引当を使用して予算の過剰支出を監視するには2つのオプションがあります。実績および予算引当を転記した後で、過剰支出を示すためのレポートを生成できます。また、過剰支出を発生前に防止するために、残余予算チェックを使用できます。関連項目: 予算管理とオンライン残余予算チェックの使用
次の図は、予算管理フラグを有効化して実行する予算引当会計処理を表しています。
各元帳の予算引当勘定科目を定義します。関連項目: 元帳オプション
予算引当データを転記すると、この勘定科目に相殺金額がOracle General Ledgerにより自動的に転記されます。
元帳に対する「予算管理」を使用可能にします。これにより、Oracle PurchasingとOracle Payablesから予算引当入力が自動的に作成されます。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の元帳の定義に関する項を参照してください。
このとき、詳細勘定や要約勘定科目の予算管理オプションを定義する必要はありません。また、予算管理グループは定義しないでください。
将来の期間に予算引当を入力し転記するために、予算引当管理年度をオープンします。元帳の最初の期間をオープンすると、最初の予算引当年度が自動的にオープンされます。関連項目: 予算引当年度のオープン(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
直近のオープン予算引当年度の最終期間を使用して、プロジェクト累計の予算引当残高の計算対象となる期間が判断されます。
元帳の予算引当年度をオープンするには、データ・アクセス・セットで、元帳への全読取りおよび書込みアクセス権、またはすべての貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が付与されている必要があります。
「予算引当タイプの定義」を参照してください。
「会計予算引当オプションの定義」を参照してください。
予算引当を入力します。
仕訳インポートを使用して予算引当をインポートします。関連項目: 仕訳のインポート
Oracle PurchasingおよびOracle Payablesから予算引当を入力します。
Oracle Purchasingで購入依頼または発注書を承認すると、Oracle General Ledger内で未転記の予算引当入力が自動的に作成されます。
Oracle Payablesで発注差異と未照合請求書に予算を引き当てると、Oracle General Ledgerへの未転記の予算引当入力が自動的に作成されます。
関連項目: Payablesの予算引当仕訳(『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』)
Oracle PurchasingおよびOracle Payablesプログラム内で予算を取引に引き当てると、Oracle General Ledgerプログラムによって残余予算額が即座に更新されます。ただし、予算引当入力を転記して、財務諸表生成プログラムレポートで引当後残余予算額を検討する必要があります。
予算引当入力の予算を引き当て、予算引当の転記を許可します。そのために、次のいずれかを行います。
「予算引当の入力」ウィンドウで予算をのオンラインで引き当てます。関連項目: 予算引当の入力
「一括残余予算チェック/予算引当プログラム」を実行してバッチ・モードで予算を引き当てます。関連項目: 一括残余予算チェック/予算引当プログラムの実行
予算引当バッチを転記して、予算が転記プログラムによって自動引当されるようにします。関連項目: 仕訳の転記
注意: 転記プログラムに自動的に予算引当を任せることをお薦めします。予算引当入力に予算を引き当てる処理は、予算管理が有効かどうかに関係なく常に問題なく処理されるので、この方法を使用するとユーザーの介入が不要になります。
未転記予算引当仕訳をオンラインで検討します。関連項目: 予算引当の検討
仕訳バッチを転記します。
予算引当を解除します。
引当後残余予算額を表示します。
「財務諸表生成プログラム」を使用して、予算引当レポートを発行します。たとえば、「引当後残余予算額」レポートを定義し、予算を経費支出および予算引当と対照してみることができます。関連項目: 財務諸表生成プログラムの概要
また、標準レポートを使用して予算引当残高と活動を検討することもできます。次のような標準レポートが用意されています。
年度末予算引当処理を実行します。
年度末予算引当および予算残高の繰越を実行します。
関連項目
予算引当タイプを使用すると、発注承認処理に従って経費支出を分類し、継続記録できます。GL標準予算引当タイプ以外にも、予算引当タイプを定義したり、既存の予算引当タイプを使用不可にできます。
Oracle General Ledgerでは、次の予算引当タイプがあらかじめ定義されています。
変数 | 説明 |
---|---|
取引約定 | 購買依頼の完了時に記録する予算引当。 |
債務負担 | 購買依頼を発注に変えるときに記録する予算引当。 |
他の予算引当タイプを必要な数だけ定義したり、標準予算引当タイプ名を変更することにより、組織内で使用する用語を反映させることができます。予算引当タイプは、予算引当の入力時と照会の実行時に指定します。
「予算引当タイプ」ウィンドウにナビゲートします。
「名称」および「摘要」を入力します。
予算引当タイプを使用可能にします。
作業内容を保存します。
関連項目
Oracle PurchasingやOracle Payablesなどの外部システムからインポートされた予算引当入力を検討し、更新するだけでなく、Oracle General Ledgerでも予算引当入力して更新できます。
予算引当を入力する操作は、実際の仕訳を入力する場合と同じです。予算引当を入力する前に、バッチに編成します。たとえば、予算引当をそのタイプ、日付および作成者別にグループ化します。
予算引当の入力に使用できるのは、元帳通貨のみです。バッチに追加できるのは、単一の主要元帳または副元帳の仕訳のみです。
データ・アクセス・セット
データ・アクセス・セットで元帳への読取りおよび書込みアクセス権、または元帳の1つ以上の貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が付与されている場合は、予算引当仕訳に使用する元帳を選択できます。データ・アクセス・セットで元帳、貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権が付与されている場合、元帳を選択できません。
データ・アクセス・セットで元帳、貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が付与されている場合は、予算引当仕訳明細を入力できます。元帳、貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権のみが付与されている場合は、予算引当仕訳明細を入力できません。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
注意: 報告通貨(仕訳または補助元帳取引レベル)を使用している場合は、関連する予算引当入力を主要元帳で転記すると、仕訳または補助元帳取引レベルの報告通貨で換算済の予算引当入力が自動的に作成され、転記されます。報告通貨による仕訳は、同じ予算引当バッチに含まれます。
注意: 予算引当情報の問合せ能力をカスタマイズするために、「予算引当の入力」フォルダ・フォームを修正できます。フォルダ・フォームの変更と保存の詳細は、『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。
前提条件
会計設定マネージャを使用して元帳を定義します。
予算引当タイプを定義します。
予算引当年度をオープンします。
「予算引当の入力」ウィンドウにナビゲートします。
「新規バッチ」を選択します。
バッチの「名称」、適切な「会計期間」およびオプションの「管理合計」を入力します。直近のオープン予算引当年度の最終期間までの予算引当を入力できます。
予算引当仕訳を入力する「仕訳」を選択します。
名称、元帳、カテゴリ、予算引当タイプおよびオプションの摘要、参照と管理合計を入力して、予算引当仕訳を作成します。
勘定科目およびそれぞれの借方または貸方金額を指定して、予算引当明細を入力します。入力するセグメントの組合せとともに、各セグメント値が自動的に検証されます。
手入力またはインポートした予算引当入力の借方金額が貸方金額と一致しなければ、転記時に予算引当に貸借一致金額が自動的に入力されます。予算引当入力の借方と貸方は、貸借一致セグメント値によって常に一致するように調整されます。
作業内容を保存します。
関連項目
元帳の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
会計期間のオープンおよびクローズ(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
手動で作成したものや、Oracle PayablesやOracle Purchasingからインポートしたものなど、転記済と未転記の予算引当仕訳バッチを検討できます。
データ・アクセス・セットで元帳とすべての仕訳の貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権が付与されている場合は、予算引当仕訳バッチを検討できます。貸借一致セグメント値または管理セグメント値への一部読取りアクセス権が付与されている場合、表示できるのは、読取りアクセス権が付与されている仕訳明細のみです。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
「予算引当の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算引当バッチを入力するか、または問い合せます。
「バッチの検討」を選択してバッチ情報を検討するか、または「仕訳の検討」を選択して仕訳情報を検討します。
関連項目
購買依頼が発注に変わる変更されると、購買依頼の予算引当が自動的に解除されます。
経費を物品の受領時と請求書の処理時のどちらの時点で計上するかに関係なく、適切な時期に発注項目から経費配賦項目が作成され、発注書の予算引当が自動的に削減されます。
また、Oracle General Ledger内で予算引当を手動で削減することもできます。そのためには、予算引当を作成する必要があります。
データ・アクセス・セットで元帳への読取りおよび書込みアクセス権、またはすべての仕訳の貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が付与されている場合は、予算引当仕訳バッチを手動で解除できます。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
「予算引当の入力」ウィンドウにナビゲートします。
「仕訳の検索」ウィンドウが表示されます。
予算引当バッチを入力するか、または問い合せます。
「予算引当の入力」ウィンドウが表示されます。
「逆仕訳バッチ」を選択します。
「デフォルト逆仕訳期間」ウィンドウが表示されます。
逆仕訳期間を選択して、「OK」を選択します。
注意: デフォルトの期間値は、現会計期間です。
適切なコンカレント要求が発行されます。
逆仕訳バッチを転記して、予算引当を解除します。
関連項目
引当後残余予算額を確認し、予算引当および支出を予算と比較することができます。主要元帳通貨予算、実績および予算引当残高、引当後残余予算額の詳細勘定および要約勘定を確認できます。Oracle General Ledgerでは、予算から予算引当および支出を差し引いて、引当後残余予算額が算出されます。
引当後残余予算額を照会する際、指定する金額タイプによって引当後残余予算額の算出方法が決まります。
金額タイプ システムによる引当後残余予算額の計算
変数 | 説明 |
---|---|
期間累計 | 引当後残余予算額は、期間の予算金額からその期間の実績および予算引当を差し引いて算出されます。 |
四半期累計拡張 | 引当後残余予算額は、四半期ごとに、その日までの予算金額から、その日までの実績および予算引当を差し引いて算出されます。たとえば、四半期のそれぞれの月の勘定科目の予算を$100とすると、その四半期の第2月の残余予算は$200になります。 |
年累計拡張 | 引当後残余予算額は、年度ごとに、その日までの予算金額から、その日までの実績および予算引当を差し引いて算出されます。たとえば、12か月それぞれについて、ある勘定科目の予算を$100とすると、その年度の上半期の残余予算は$600になります。 |
プロジェクト累計 | 引当後残余予算額は、その日までの予算金額から、その日までの実績および予算引当を差し引いて算出されます。 |
引当後残余予算額累計を確認するには、金額タイプとして「拡張年累計」(または「プロジェクト累計」)を選択します。たとえば1月の予算が$100で、$50を出費し、$10の予算引当があるとすると、1月の引当後残余予算額は$40です。金額タイプ「期間」の2月の引当後残余予算額を表示した場合、そこには1月末の残余予算額である$40は含まれていません。金額タイプ「年累計拡張」を選択すると、累計額が表示されるため、1月末に残っていた$40が2月の残高に含まれます。
前提条件
予算金額または予算仕訳を入力する。
実績仕訳、予算仕訳、予算引当仕訳を転記する。
「引当後残余予算額照会」ウィンドウにナビゲートします。
照会する「予算名」を入力します。現在予算がある場合は、それがデフォルトとなります。
照会する「期間名」を入力します。
現行予算の最初の期間がデフォルトとなります。期間名と金額タイプを使用して引当後残余予算額が決定されます。
「金額タイプ」を選択します。
「予算引当タイプ」を入力します。予算引当タイプすべてを表示するには、「全て」を入力します。
次のいずれかを行います。
「検索」ボタンを選択して、選択基準を満たす全勘定科目を照会します。
「引当後残余予算額」リージョンにナビゲートし、一部勘定または完全勘定を照会します。
Oracle General Ledgerにより、各勘定科目の機能「予算金額」、「引当金額」および「実績額」が表示されます。表示金額は、転記残高に引当済残余予算を足したものです。借方残高はマイナスの金額として、貸方残高がプラスの金額として表示されます。
「引当後残余予算額」は自動的に次の形で表示されます。
期間間隔の予算金額
期間間隔の実績金額
期間間隔の予算引当金額
選択した予算引当タイプが「全て」で、使用可能な予算管理があり、Oracle Purchasingがインストールされている場合は、「引当金額」リージョンに、発注予算引当タイプおよび購買依頼予算引当タイプ、その他すべての予算引当タイプの予算引当額が表示されます。
関連項目
年度末処理を実行し、未処理の発注書と購買依頼の予算引当を識別し、その一部またはすべてを取り消し、予算引当残高、予算額および残余予算額残高を翌会計年度に繰り越します。
予算引当を翌会計年度に繰越しできます。予算引当を繰り越さない場合は、予算引当の裏付けとなる既存の購買依頼と発注書を取り消す必要があります。予算引当の裏付けとなる発注書と購買依頼は簡単に識別できます。
前提条件
Oracle Purchasingに受入経過勘定がインストールされている場合は実行します。
どの予算引当を取消または繰り越すか決めるために、Oracle Purchasingで未払予算引当を識別します。
次のレポートを要求することで、発注および購買依頼予算引当を検討します。
Oracle Purchasingの「引当詳細情報レポート」
ヒント: これらのレポートを未決済の予算引当の確認に使用するのみでなく、予算引当残高の監査証跡を作成するために年度末繰越以前にレポートを要求します。
重要: このレポートは、特に政府でのインストール用に設計されています。商用インストールでもこのレポートを使用できますが、この目的用の設計ではないため、精度を検証する必要があります。
Oracle Purchasingで「一括取消」基準を定義して、取り消す予算引当を選択します。
Oracle Purchasingで「一括取消」を実行して、選択した未払発注および購買依頼の予算引当を取り消します。
すべての予算引当、予算および実績仕訳を転記します。関連項目: 仕訳バッチの転記
Oracle General Ledger勘定科目の詳細な予算引当残高および活動を検討するには、年度末の繰越の前に、Oracle General Ledgerで「予算引当残高試算表レポート」を要求します。関連項目: 予算引当残高試算表レポート
現会計年度の最終期間をクローズします。関連項目: 会計期間のオープンおよびクローズ(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
翌会計年度の第1期間をオープンします。
「予算引当年度のオープン」(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)を参照してください。
「予算年度のオープン」を参照してください。
「年度末予算引当額および予算残高の繰越」を参照してください。
Oracle General Ledgerで「予算引当残高試算表レポート」を要求し、年度末繰越残高を検討します。
注意: 予算引当残高の監査証跡を作成するために、次年度繰越の前と後で「予算引当残高試算表」レポートを要求します。
関連項目
一括取消の実行(『Oracle Purchasing Reference Manual』)
一括取消の定義(『Oracle Purchasing Reference Manual』)
年度末の予算引当を翌年度に繰り越すことができます。予算引当または引当後残余予算額(あるいはその両方)と等しい予算金額を繰り越すこともできます。
年度末予算引当を繰り越すと、指定した繰越ルールに従って繰越金額が決定されます。Oracle General Ledgerでは、残高が期間活動ではなく期首残高として繰り越されるので注意してください。
注意: 繰越では仕訳が作成されないため、繰り越された残高を逆仕訳することはできません。このプロセスは慎重に計画して実行してください。
次の繰越ルールを選択できます。
予算引当のみ: 年累計予算引当残高は年度末残高として決定され、その残高が次会計年度の第1期間の期首残高として繰り越されます。
予算引当および引当予算: 年累計予算引当残高は年度末残高として決定され、その残高に同額の予算金額が追加され、次会計年度の第1期間の期首残高として繰り越されます。
引当後残余予算額: 引当後残余予算額は、年累計実績額と予算引当残高を差し引いた年累計予算残高として計算されます。次会計年度の第1期間の期首残高として、会計年度の最後に引当後残余予算額と等しい予算金額が繰り越されます。
予算引当と引当後残余予算額の合計に相当する予算額を繰り越す場合は、繰越ルール2および3を併用できます。この2つの繰越ルールを併用する場合は、特定の順序で連続して実行する必要があることに注意してください。最初に繰越ルール3の「引当後残余予算額」を実行してから、ルール2の「予算引当および引当予算」を実行します。これ以外の順序で実行すると、繰り越す予算額が過小になります。
次の表は、異なる繰越ルールを使用して残高を繰り越す方法を示しています。
予算 | 実績 | 予算引当 | 残余予算額 | |
---|---|---|---|---|
残高、年度1の終了時 | 1,000 | 700 | 200 | 100 |
残高、年度2の開始時 | ||||
ルール1を使用 | 0 | 0 | 200 | (200) |
ルール2を使用 | 200 | 0 | 200 | 0 |
ルール3を使用 | 100 | 0 | 0 | 100 |
ルール3とルール2を順番に使用 | 300 | 0 | 200 | 100 |
実際に繰越処理を開始する前に、検討レポートを生成して、年度末繰越の影響を調べることができます。会計年度末に予算引当残高を繰り越さなかった場合、次年度の開始時にすべての予算引当が自動的にゼロになります。
様々な勘定科目範囲や予算引当タイプごとに、年度末繰越処理を何度でも実行できます。
注意: 年度末繰越の実行時には、チェックリストを記録してください。一度に1資金、または一度に1つの予算引当タイプの処理を実行し、処理するたびに各資金または予算引当タイプに処理済を示すチェックマークを記入します。
前提条件
Oracle Purchasingで受入経過勘定を実行します。
すべての予算、実績および予算引当仕訳を転記します。
会計年度の最後の期間をクローズします。
翌会計年度の第1期間をオープンします。
次予算引当年度をオープンします。
次予算年度をオープンします。
「年度末繰越」ウィンドウにナビゲートします。
年度末予算引当を繰り越す元帳を選択します。
「繰越ルール」を入力します。
「予算引当のみ」ルールまたは「予算引当および引当予算」ルールを使用している場合は、繰り越す「予算引当タイプ」を入力します。「全て」を選択し、すべての予算引当タイプの金額を繰り越します。
「引当後残余予算額」ルールを使用している場合は、「予算:自」を入力して、年累計残余予算額を決定するために使用します。この予算には、「期間: 自」が含まれている必要があります。
「予算引当および引当予算」または「引当後残余予算額」ルールを使用している場合は、「繰越先予算」を繰越用に入力します。この予算には、「期間:至」で指定する期間が含まれている必要があります。
残高を繰り越す予算組織には「予算組織」を、すべての予算組織に残高を繰り越すには「全て」を入力します。
「全て」を選択すると、「繰越範囲」リージョンに入力するすべての勘定科目の残高が、予算組織に関係なく繰り越されます。
「全て」以外の予算組織を指定すると、この予算組織に含まれ、「繰越範囲」リージョンで指定する範囲に含まれる勘定科目の残高のみが繰り越されます。
期間:自/期間:至情報を入力します。
残高を繰り越そうとしている会計年度の前期間が「クローズ」または「永久クローズ」になっており(「期間:自」)、消込済期間に続く期間が「オープン」または「先日付入力可」になっている場合(「期間:至」)は、「期間:自」と「期間:至」のペアが自動的にデフォルトに設定されます。
また、クローズ済期間に続く期間は、次のいずれかである必要があります。
「予算引当のみ」または「予算引当および引当予算」ルールを使用している場合は、オープン予算引当年度。
「予算引当および引当予算」ルールまたは「引当後残余予算額」ルールの場合は、オープン予算年度。
繰越期間が上記の条件を満たしている場合は、この条件を満たす最も古いペアがデフォルトに設定されます。同じ条件をすべて満たしている場合は、それ以後の会計年度から「期間:自」と「期間:至」のペアを選択できます。年累計金額は「期間:自」に基づいて計算されますが、既存の「期間:自」の残高は更新されません。
繰越勘定科目範囲を入力します。
入力する値は、有効なセグメント値でなくてもかまいません。重複する勘定科目範囲は入力できません。
入力した範囲に含まれ、指定した予算組織に割り当てられている勘定科目の残高のみが繰り越されます。
「プレビュー」を選択して、年度末繰越の効果を示す検討レポートを印刷します。
「繰越」を選択して、繰越処理を開始し、監査レポートを印刷します。
予算引当と予算残高が、翌会計年度の第1期間の期首残高に繰り越されます。予算引当と予算残高が翌月の期間活動として繰り越されるわけではありません。
関連項目
会計期間のオープンおよびクローズ(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)