Oracle General Ledgerユーザーズ・ガイド リリース12 E05999-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
予算編成を使用して、指定した期間範囲に推定勘定残高を入力します。この推定金額を使用して、実績残高と予測結果の比較または実績支出と予測支出の管理を行います。
Oracle General Ledgerでは、予算を作成、保守、そして追跡する様々なツールを提供しています。この中には、スプレッドシート・ソフトウェアから予算金額をアップロードする機能も含まれています。
会計期間範囲に対する特定の見積原価と収益金額を表す予算を定義します。元帳には、必要な数の予算バージョンを作成できます。関連項目: 予算の定義
下位レベル予算にマスター予算を割り当てて、予算階層を作成できます。これにより、管理予算に対して予算金額を追跡できます。関連項目: マスター/詳細予算の作成
部門、コスト・センター、部署、または予算データを入力して保守するその他のグループを表す予算組織を定義します。すべての勘定科目を含む総予算組織を定義することもできます。予算管理を使用している場合は、予算組織内に勘定科目に対する予算管理要件を設定します。各予算組織にパスワードを割り当て、予算勘定科目残高へのアクセスを制限します。関連項目: 予算組織の定義
予算金額を入力します。入力するには、次のいくつかの方法があります。
既存予算から予算金額をコピーします。 関連項目: 既存の予算からの予算金額のコピー
予算に予算金額を直接入力して、既存の予算金額と置き換えます。 予算ルールを使って、複数の期間にまたがって自動的に金額を計算また配分することもできます。関連項目: 予算金額の入力
予算仕訳を作成または転記し、予算入力の監査証跡を保守します。予算ルールを使って、予算仕訳金額を自動的に計算できます。予算仕訳を生成した後は、「仕訳データの入力」ウィンドウを使用してそれを検討、変更または削除できます。関連項目: 予算仕訳の入力
予算算式を定義して、他の予算金額または実績勘定科目残高に基づいて予算を計算します。算式には統計数値を使用できます。関連項目: 予算算式バッチの作成
一括予算式を定義して、コスト・センターのグループ、部門または事業部をまたがった収益と費用を配賦します。関連項目: 一括予算配賦の定義
1つの勘定科目から別の勘定科目へ予算金額を振り替えます。関連項目: 予算金額の振替
Applications Desktop Integratorの予算ウィザードを使用してMicrosoft Excelの予算スプレッドシートを作成し、予算情報をOracle General Ledgerにアップロードします。
関連項目: 『Oracle Applications Desktop Integrationユーザーズ・ガイド』
予算インタフェース表から予算金額をアップロードします。 関連項目: 予算アップロード
予算金額を計算して、予算算式および一括予算式による予算残高を更新します。既存の算式を改訂した後、または予算算式で使用する勘定科目の残高に変更があった場合は、予算を計算する必要があります。関連項目: 予算金額の計算、および一括予算配賦仕訳の作成
オンライン照会を実行して、予算情報を検討します。「勘定科目照会」ウィンドウを使用して、完全な予算残高および実績残高または予算引当残高を表示します。「予算照会」ウィンドウを使用して、マスターおよび詳細予算間の要約残高を比較し、予算実績差額の有無をチェックします。関連項目: 予算照会の実行
財務諸表生成プログラムを使用して、予算情報を含む各種レポートを作成します。これらのレポートには、予算金額、実績金額、差異金額および差異率を含めることができます。関連項目: 財務諸表生成プログラムの概要
連結を定義および実行して、元帳間の予算残高を連結します。関連項目: 連結定義の定義
予算を確定して、偶発的変更や未承認の変更に備えます。予算の全部または一部を確定できます。関連項目: 予算の確定
財務諸表生成プログラムを使用し、報告通貨で予算対実績レポートを作成するために予算残高を換算します。予算の様々なバージョンを報告通貨で比較するレポートも生成できます。関連項目: 残高の換算
報告通貨(仕訳または補助元帳取引レベル)を使用している場合は、予算と予算組織を報告通貨で定義し、予算金額または仕訳を報告通貨予算に直接入力できます。ソース元帳(主要元帳、副元帳など)に入力した予算金額と予算仕訳は、報告通貨(仕訳または補助元帳取引レベル)に自動的に換算されません。
関連項目
Oracle General Ledgerでは、予算入力とレポートの際に役立つ様々な予算の編成方法がサポートされています。ユーザーの予算編成条件に最適な方法で予算設定を計画できます。
予算算式と統計数値を使用して、予算金額を自動的に配賦できます。これは、営業成績から実績額を配賦するために定型仕訳算式を使用する場合に役立ちます。この場合は、同じような定型算式を予算と実績額の配賦に定義して、予算と実績の差異を追跡できるようにします。
配賦元となる予算勘定の金額を入力します。
定型仕訳算式を定義した方法で予算算式を定義します。
金額を配賦するために定義した予算算式バッチを使用して、予算金額の計算をします。
関連項目
現行の営業成績または統計を反映させるために簡単に更新できる、柔軟な予算を作成できます。これは、他の予測金額ではなく、実績額に基づいて改訂された予算金額を検討する場合に役立ちます。
たとえば、特定の会計期間の生産単位数に基づいて予算に柔軟性を付与するとします。生産計画ではなく実績生産単位を反映する予算を定義して、数量の差異を消去できます。この場合、次のような算式を定義します。
予算 = 原価 * (実績単位 / 計画単位)
実績生産単位の数は、各会計期間に調整する統計勘定科目で保守できます。実績生産単位を記録した時点で、その月の柔軟予算が計算でき適切なレポートを生成できます。
仕訳を入力および転記して、ソース勘定科目の実績残高を更新します。
柔軟な予算の基本となる勘定科目を指定して、予算算式を定義します。
柔軟な予算に定義した予算算式バッチを使用して、予算金額を計算します。
関連項目
トップダウン、ボトムアップおよびミドルアウトの予算編成は、予算金額を入力する詳細レベルに応じて予算金額を配賦およびレポートする方法です。
これらの方法の中から1つをユーザーの事業全体に使用すること、または組織の各部分に最適な方法をそれぞれ選択して組み合せて使用することもできます。
トップダウン予算編成では、最上位レベルの重要な勘定科目に予算金額を入力し、次にその金額を下位レベルの勘定科目に配分します。たとえば、上級管理職が設定した目標に基づいて会社全体の予算を入力し、次に各部門またはコスト・センターに予算金額を割り当てることができます。
トップダウン予算編成を実行するには、次の2通りの方法があります。
下位レベルの勘定科目の予算金額を計算するために、予算算式と一括予算配賦を使用します。
マスター予算を作成して、関連する部門レベルの予算をすべてこれにリンクします。マスター予算に計上した金額に基づいて、下位レベル予算に計上できる金額を制限します。
ボトムアップ予算では、まず最下位レベルに詳細な予算情報を入力し、その後に財務諸表生成プログラムを使用して上位レベルの要約された予算情報を検討します。
たとえば、コスト・センターなどの会社内の最下位レベルに予算組織を定義できます。次に各管理職がそれぞれのコスト・センター予算を入力し、その後財務諸表生成プログラムを使用して部門レベルと会社レベルでそれらの予算を集計できます。
ミドルアウト予算編成は、トップダウンとボトムアップ方法の組合せです。
中堅管理職が設定した目標に基づいて、各部門に予算金額を入力します。次に、予算算式と一括予算配賦を使用して、各部門内のコスト・センターの予算を計算します。また、財務諸表生成プログラムを使用して全部門の予算を集計することもできます。
関連項目
一括予算配賦には、簡単な算式を使用して組織全体の勘定科目範囲に予算金額を配賦する柔軟性があります。
子セグメント値を持つ勘定科目に予算金額を配賦するために、親セグメント値を使用して一括予算配賦を定義します。これによって、算式に各勘定科目を別々に指定せずに、複数の勘定科目に予算金額を配賦できます。
すべての一括予算式は、次の等式を使用します。
配賦金額 = 原価プール * (使用比率 / 使用額合計)
配賦金額 =
原価プール *(使用比率 / 使用額合計)
一括予算式を生成すると、Oracle General Ledgerにより予算仕訳が作成されます。未転記の一括予算配賦仕訳バッチを検討および変更するために、「仕訳データの入力」ウィンドウを使用できます。バッチを転記して、予算残高を更新します。
簡単な一括予算式を使用して、前年度の実績予算またはその他の予算に基づいた新規予算金額を計算できます。
一括予算配賦の例として、1994年度の合計収益への各部門の貢献度に基づいて、1995年度の合計予算を配分することを想定します。この場合の予算算式は次のようになります。
1995年度部門予算 =
1995年度合計予算 * (部門収益/1994年度合計収益)
この一括予算式を生成すると、Oracle General Ledgerは部門が貢献した収益のパーセントを計算し、1995年度の合計予算のそのパーセントを部門に配賦します。
関連項目
マスターおよび詳細予算を使用して、事業に予算階層を作成します。予算階層を利用すると、予算権限を管理することができ、管理制限を超える予算を簡単に発見できます。
注意: マスター予算は、予算管理とともに使用された場合には、情報目的のみに使用されます。マスター予算は、残余予算チェック、予算管理オプションまたは予算管理で使用される詳細勘定と要約勘定科目の関係に影響しません。
下図は2レベル予算階層を作成する3つのレベルの予算を示したものです。第1階層レベルは、社内レベル予算と部門レベル予算の間にあります。この階層では社内レベル予算がマスター予算で、部門レベル予算が詳細予算です。第2階層レベルは部門レベル予算とリージョンまたは部門レベル予算の間です。この階層では、部門レベル予算が今度はマスター予算で、リージョンまたは部門レベル予算が詳細予算です。
このダイアグラムの説明は、『Oracle General Ledger Reference Guide』の予算階層ダイアグラムに関する項を参照してください。
「予算の定義」ウィンドウを使用して、マスター予算を定義します。名称、元帳および期間範囲を入力し、予算年度をオープンします。
「予算の定義」ウィンドウを使用して、詳細予算を定義します。マスター予算の名称を「マスター予算」フィールドに入力して、各詳細予算に適切なマスター予算を割り当てます。同じマスター予算を1つ以上の詳細予算に割り当てることができます。
注意: マスター予算と詳細予算は、元帳と期間範囲が同じである必要があります。
各マスター予算に予算組織を定義します。マスター予算組織には、上位レベル予算の勘定科目のみが含まれる必要があります。
異なる階層レベルにマスター予算がある場合は、各レベルのマスター予算に別々の予算組織を定義します。これによって、各マスター予算に対してパスワード保護も使用できます。
各詳細予算に予算組織を定義します。詳細予算組織には、下位レベル予算の勘定科目のみが含まれる必要があります。同じ予算組織をマスター予算と詳細予算に関連付けないでください。
注意: 各予算に対して別々の予算組織を作成する必要があります。複数の予算で予算組織を共有すると、詳細予算に予算を計上した際に、マスター予算と詳細予算の両方を増加させてしまう恐れがあります。この場合、詳細予算はそれを管理するマスター予算を超えることはありません。
予算階層に対応する要約勘定科目を定義します。Oracle General Ledgerでは、階層レベル間のマスター予算と詳細予算関係を保守するために、要約勘定科目が使用されます。下位レベルの詳細予算の勘定科目が、管理マスター予算の詳細予算として同じ要約勘定科目に積み上げられるように要約テンプレートを定義します。
任意のOracle General Ledger予算入力方法を使用して、マスター予算および詳細予算に予算金額を入力します。
レポートを作成するか、予算照会を実行して、マスター予算および詳細予算情報を検討します。
関連項目
要約勘定の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
財務担当役員として、会社全体の「出張接待費」予算を作成する必要があるとします。
社長は、販売部門に$600,000ドル、マーケティング部門に$300,000ドルの「出張接待費」の予算を許可しました。販売部長は各地域ごと、つまり西部、中部および東部に各$200,000の予算を承認しました。
勘定科目構造は会社、コスト・センターおよび勘定科目の3つセグメントを含むものと仮定します。勘定科目5000は「出張接待の費用」勘定科目で、会社値は01であるとします。コスト・センター値は次の表に示すように定義されます。
値 | 名称 | 子 | 積上グループ |
---|---|---|---|
600 | 社内 | ||
500 | 販売部門 | ||
510 | マーケティング部門 | ||
599 | 部門合計 | 500-598、600 | 部門 |
100 | 西部リージョン | ||
110 | 中部リージョン | ||
120 | 東部リージョン | ||
199 | 販売リージョン合計 | 100-198、500 | リージョン |
200 | 出版物 | ||
210 | 広報 | ||
220 | 見本市 | ||
299 | マーケティング合計 | 200-298、510 | マーケティング |
社内予算を定義します。
社内予算組織を作成して、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-600-5000
社内予算組織を使用して、$900,000を社内予算に計上します。
要約テンプレートD - 部門 - Dを定義します。General Ledgerは社内予算の残高を要約して(マスター予算)、次の要約勘定残高を計算します。
01-599-5000 $900,000
この要約勘定残高は、下位レベルの部門予算の管理金額として機能します。
販売部門とマーケティング部門の予算を定義します。両方の部門レベル予算のマスター予算として社内予算を割り当てます。
販売予算組織を作成して、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-500-5000
マーケティング予算組織を作成して、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-510-5000
販売予算組織を使用して、販売予算に$600,000を計上する。マーケティング予算組織を使用して、マーケティング予算に$300,000を計上します。
General Ledgerは、要約テンプレートD - 「部門」 - Dを使用して、販売予算およびマーケティング予算(詳細予算)を要約し、次の要約勘定残高を計算します。
01-599-5000 $900,000
部門(詳細)と社内(マスター)コスト・センターは、同じ連結先コスト・センターと積上グループ(「部門」)に含まれていることに注意します。これにより、適切なマスター予算および詳細予算の要約残高が確実にOracle General Ledgerで計算されるようになります。
Oracle General Ledgerでは、マスターおよび詳細予算の要約勘定残高が比較され、予算差異と超過の有無がチェックされます。
「予算照会」ウィンドウを使用して、マスターおよび詳細予算をオンライン照会するか、または「マスター/詳細予算レポート」などの標準レポートを要求します。
この例では、詳細予算の要約残高がマスター予算残高に等しいので、予算の差異または超過はありません。
西部、中部および東部地域の予算を定義します。各地域予算に販売予算をマスター予算として割り当てます。
要約テンプレートD - 「リージョン」 - Dを定義します。General Ledgerでは販売予算(マスター予算)の残高が要約され、次の要約勘定残高が計算されます。
01-199-5000 $600,000
この要約勘定残高は、地域予算の管理金額として機能します。
西部リージョン予算組織を作成し、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-100-5000
中部リージョン予算組織を作成し、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-110-5000
東部リージョン予算組織を作成し、これに次の詳細勘定科目を割り当てます。
01-120-5000
西部地域予算組織を使用して、西部地域予算に$200,000を計上します。中部地域予算組織を使用して、中部地域予算に$200,000を計上します。
他の地域よりも販売員数が多いことを理由に、東部地域の販売管理職は$300,000の「出張接待費」予算を要求しています。東部地域予算組織を使用して、東部地域予算に$300,000を計上します。
Oracle General Ledgerでは、要約テンプレートD - 「リージョン」 - Dを使用して、西部、中部および東部地域予算(詳細予算)の残高を要約し、要約勘定残高01-199-5000 $700,000を計算します。
地域(詳細)と販売部門(マスター)のコスト・センターは、同じ連結先のコスト・センターおよび積上グループ(「地域」)に含まれていることに注意します。これにより、適切なマスター予算および詳細予算の要約残高が確実にOracle General Ledgerで計算されます。
Oracle General Ledgerでは、マスターおよび詳細予算の要約勘定残高が比較され、予算差異と超過の有無がチェックされます。
「予算照会」ウィンドウを使用して、マスターおよび詳細予算をオンラインで照会するか、または「マスター/詳細予算レポート」などの標準レポートを要求できます。
この例では、詳細予算の要約残高がマスター予算の要約残高を$100,000($700,000 - $600,000)だけ超えているので、予算の差異または超過が存在します。
マスターおよび詳細予算関係と予算組織詳細を検討するために、「要求の発行」ウィンドウを使用して次の標準レポートとリストを要求します。
予算階層リスト
マスター予算と詳細予算の関係がリストされます。
マスター/詳細予算レポート
マスター予算と詳細予算の間で予算金額が比較され、詳細予算がマスター予算を超えている場合には例外がハイライトされます。
要約/詳細予算レポート
特定の予算と通貨の要約勘定科目に集計される詳細勘定科目がリストされます。
非予算マスター/詳細勘定レポート
マスター予算内に対応する予算金額がない詳細予算の取引がリストされます。
予算組織範囲リスト
予算組織の予算管理オプションを含む詳細が勘定科目範囲別にリストされます。
スプレッドシート・ソフトウェアで予算の編成および分析を行う場合には、「予算のアップロード」を使用して、Oracle General Ledgerへ予算データを転送できます。
注意: アップロードできる元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値は、データ・アクセス・セットによって制御されます。アップロードできるのは、読取りおよび書込みアクセス権がある元帳および貸借一致セグメント値の予算金額です。読取りおよび書込みアクセス権がない元帳およびセグメント値はアップロードされません。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
Microsoft Excelがある場合には、Applications Desktop Integratorを使用してExcelに予算スプレッドシートを作成し、予算情報を参照および変更し、改訂した予算情報をそのスプレッドシートから自動的にOracle General Ledgerにアップロードできます。
Excel以外のスプレッドシート・ソフトウェアを使用する場合は、各予算組織に異なったスプレッドシートを使用して予算スプレッドシートを作成します。スプレッドシートには、Oracle General Ledgerが必要とするすべての情報(予算名および予算組織名、勘定科目セグメント値、会計期間および予算金額)が含まれている必要があります。
Excel以外のスプレッドシートから予算情報を転送するには、予算のスプレッドシートをASCII形式で保存します。PCからホスト(Oracleが実行されている場所)にファイルを転送するには、ファイル転送プログラムを使用し、SQL*Loaderを使用して、ファイルからの情報をGL_BUDGET_INTERFACE表に転送します。
オプションとして、スプレッドシート・アプリケーションを使用して予算を作成できます。その際にはOracle GlueまたはDynamic Data Exchange(DDE)を使用してGL_BUDGET_INTERFACEに移入します。
Oracle General Ledgerでは、ユーザーの要求によって、スプレッドシート・データがアップロードされ、この予算情報を含めるために勘定残高が自動的に更新されます。アップロードされたデータは検証され、「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」でエラーがレポートされます。
関連項目
予算アップロードを使用したOracle General Ledgerの統合
特定の会計期間範囲の見積金額の集計を表す予算を作成します。自動コピーを使用すると、既存の予算から新規予算を作成できます。
下位レベルの予算をマスター予算に割り当てて、予算階層を作成できます。これにより、管理予算に対して予算計上金額を追跡できます。
データ・アクセス・セット
予算を作成またはコピーできるのは、データ・アクセス・セットにより、元帳、およびその貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が提供される場合のみです。元帳への読取り専用アクセス権、あるいは一部の貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権のみの場合は、予算を作成できません。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
前提条件
元帳を定義します。
「予算の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算の「名称」と「摘要」を入力します。
注意: 予算名はシステム内で一意である必要があります。
この予算の元帳を選択します。報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、報告通貨を選択できます。
予算の「ステータス」を入力します。
オープン: 予算は更新と予算入力用に使用可能です。
現行: 予算はオープン状態で、この予算が、ほとんどの予算関連フォームと照会フォームを使用する場合のデフォルト予算です。各元帳には、一度に1つの「現行」予算を設定できます。
確定: 予算は更新または予算入力に使用不可です。
元帳の作成日と確定日(ある場合)が表示されます。
予算に予算仕訳が必要かどうかを選択します。「予算仕訳必須」フラグが元帳に対して有効な場合、このオプションはすでに選択されていて、その内容は変更できません。
予算仕訳が必要な場合、仕訳を作成する予算入力方法、つまり予算仕訳、予算移動、一括予算、予算残高の連結、Applications Desktop Integratorの仕訳ウィザードのみ使用できます。
重要: 予算仕訳を使用して予算残高の監査証跡を保守します。他の予算入力方法では、予算残高が直接更新されます。
注意: 予算管理を使用する場合、対象予算(つまり、予算管理の実行に使用する予算)に金額を入力するには、予算仕訳を使用する必要があります。
予算の第1期間と最終期間を入力します。
管理予算と照合して予算金額を追跡する場合は、マスター予算を割り当てます。元帳と期間範囲が同じ任意の元帳をマスター予算として選択できます。
予算の第1会計年度をオープンするには、「次年度オープン」を選択します。Oracle General Ledgerによって、次年度をオープンするためのコンカレント要求が実行されます。
関連項目
「予算の定義」ウィンドウに、予算の「第1期間」を入力します。予算を保存した後は、この第1期間を変更できません。
既存の予算から予算金額をコピーする場合、第1期間と最終間はコピー元の予算の第1期間と最終期間と同じである必要がありますが、年度は異なっても構いません。
予算の「最終期間」を入力します。予算は年度内に最大60までの期間数を含めることができ、会計年度数は無制限です。
作業内容を保存します。予算の直近オープン年度が表示されます。これは、「次年度オープン」を選択して予算の第1年度をオープンするまで空白です。
最終期間をさらに後の期間に変更できるのは、変更する期間が、会計カレンダの定義に従って会計年度の最終期間に対応している場合のみです。
たとえば、会計カレンダに定義した最終期間が12月5日(オープンしていない先日付期間)で、予算期間が1月3日から12月5日の場合は、予算の最終期間を後の期間(たとえば12月6日)に変更できます。このためには、最初に会計カレンダに 2006年会計年度全体を定義し、次に 2005年予算年度をオープンする必要があります。 2006年の会計期間を追加する前に 2005年予算年度をオープンすると、最終予算期間を更新できません。
関連項目
予算金額は、オープンした予算年度に対してのみ入力および更新できます。予算の新規会計年度は、一度オープンするとそのままの状態で残ります。能率を高めるために、使用する準備ができるまでは予算年度をオープンしないでください。
注意: 新規予算の作成に自動コピーを使う場合、予算情報をコピーする前に予算年度をオープンしないでください。コピー先予算にオープン年度があると、自動コピーは使用できません。
「予算の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算を入力するか、問い合せます。
「次年度オープン」を選択します。
関連項目
注意: 予算金額をコピーできるのは、データ・アクセス・セットの定義に従って、元帳およびすべての貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権がある場合のみです。
「予算の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算金額のコピー先の予算の名称を入力するか、問い合せます。
予算期間をチェックします。第1期間は、コピー元の予算の第1期間と同じである必要がありますが、年度は異なっても構いません。たとえば、コピー元の予算が1993年5月に開始する場合、第1期間として「MAY-95」と入力できますが、「JUN-95」とは入力できません。さらに、両方の予算は、同じ期間数にわたり、同じ元帳に属している必要があります。
予算にオープン予算年度がないことをチェックします(「直近オープン年度」は空白である必要があります)。予算にオープン年度がある場合、自動コピーは使用できません。
「自動コピー」を選択します。
新規予算にコピーする金額のソース予算の名称を入力します。
「OK」を選択します。自動コピーの実行中、予算ステータスは「コピー実行中」です。自動コピーが完了し、予算ステータスが「オープン」に変わるまで、予算は修正できません。
このウィンドウを使用して、予算組織を定義するか、既存の予算組織を更新します。「会計フレックスフィールド」の範囲を検討、割当、削除することや、予算組織にコピーすることができます。予算金額を入力する前に、少なくとも1つの予算組織を定義する必要があります。すでに1つ以上の予算組織が定義されている場合、定義したすべての予算組織からの「会計フレックスフィールド」すべてを含む「全て」の予算組織を定義できます。このすべてを含む予算組織は、すべての勘定科目への予算配分に1つの予算組織を使用する場合や、現在特別な予算組織は不要だけれども後で追加する場合に便利です。
前提条件
会計設定マネージャを使用して元帳を定義します。
会計設定マネージャを使用して、ステータスが「確認済」の会計設定に元帳を割り当てる必要があります。
(オプション)予算組織への使用、表示または変更アクセス権を保護するには、定義アクセス・セットを定義して職責に割り当てます。
「予算組織の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算組織の「名称」と「摘要」を入力します。
特定の範囲の勘定科目のみを含めた新規の予算組織を定義するには、一意の名称を入力します。予算組織名は1つの元帳で一意である必要があります。異なる元帳間では名称が重複しても構いません。
以前に1つ以上の予算組織を定義している場合は、「全て」という名称の予算組織を作成して、あらゆる予算組織に割り当てられた勘定科目を自動的に含めることができます。これを行うには、予算組織の「名称」として「全て」を入力します。
予算組織の元帳を選択します。現行のデータ・アクセス・セットと同じ勘定体系を共有する元帳を選択できます。
報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、報告通貨を選択できます。
ソートと表示オプションを入力します。
ソート基準セグメントは、ユーザーが予算組織割当を検討する場合、および「予算金額の入力」と「予算仕訳の入力」ウィンドウを使用する場合に、Oracle General Ledgerで勘定科目をソートするために使用される勘定科目セグメントです。
勘定科目セグメントに「表示連番」を指定します。この連番を使用して、「予算金額の入力」と「予算仕訳の入力」ウィンドウの勘定科目セグメントの順番を変更できます。各セグメントに1からnの一意の連番を入力します。この場合、nは勘定科目のセグメント番号です。
この予算組織を使用する特定範囲の期間を設定する場合は、「有効開始日」および「有効終了日」を入力します。
予算組織に勘定科目を割り当てます。
予算組織に勘定科目の範囲を割り当てるには、「範囲」を選択します。関連項目 勘定科目範囲の予算組織への割当
同じ元帳の既存の予算組織から勘定科目範囲をコピーするには、「自動コピー」を選択します。関連項目 既存の予算組織からの勘定科目範囲のコピー
「全て」予算組織を作成する場合は、勘定科目を割り当てる必要はありません。
(オプション)定義アクセス・セットのセキュリティを予算組織に適用するには、「セキュリティ使用可能」を選択します。
定義アクセス・セットはオプションのセキュリティ機能で、Oracle General Ledgerの定義へのアクセスを制御できます。たとえば、特定のユーザーが予算入力用の予算組織を表示、変更または使用できないようにします。
セキュリティが無効な場合は、すべてのユーザーが予算組織を使用、表示、変更および削除できます。
職責にアクセス権の割当機能がある場合は、「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択すると「アクセスの割当」ボタンが有効になります。この「アクセスの割当」ボタンを選択し、必要な権限を使用して定義を1つ以上の定義アクセス・セットに割り当てます。
詳細は、『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
職責にアクセス権の割当機能がない場合は、「予算組織の定義」ウィンドウに「アクセスの割当」ボタンが表示されません。「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択することで、予算組織は保護できますが、この予算組織に自動的に割り当てられるのは、自動割当の定義アクセス・セットのみです。機能セキュリティの詳細は、システム管理者に確認してください。
作業内容を保存します。コンカレント・プロセスが実行され、勘定科目が割り当てられます。
コンカレント・プロセスが終了した後は、「予算組織リスト」レポートを作成して、作業内容をチェックします。
関連項目
この項では、「勘定科目範囲」ウィンドウを通じて使用可能な機能について説明します。
「予算組織の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算組織を問い合せます。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、勘定科目を割り当てるには変更アクセス権が必要です。
「範囲」を選択します。
予算組織に割り当てる各範囲に「明細番号」および「勘定科目 自」と「勘定科目 至」を入力します。この範囲は、すべての予算組織元帳について、同じ通貨建ての他の勘定科目範囲と重複しないでください。
勘定科目範囲の予算入力タイプを選択します。
入力済: 予算金額の入力、予算仕訳の入力、予算アップロード、一括予算配賦仕訳の作成、または予算金額の振替を行います。予算管理を使用する場合は、この入力タイプを使用します。
計算済: 予算算式または一括予算配賦仕訳を使用して、予算金額を入力します。予算管理を使用している場合は、この入力タイプは使用できません。
各勘定科目範囲に「通貨」を入力します。予算入力タイプが「計算済」の勘定科目には、元帳の通貨またはSTATを入力する必要があります。
勘定科目範囲に統計予算金額のみを入力するには、STATを入力します。
変数 | 説明 |
---|---|
なし | 範囲内の会計フレックスフィールドについて予算管理を実行しません。 |
勧告 | 範囲内の会計フレックスフィールドについて残余予算をチェックまたは引き当てます。Oracle General Ledgerでは、使用可能な残余予算の有無に関係なく残余予算を引き当てます。十分な残余予算がない場合は、警告メッセージが表示されます。 |
絶対 | 範囲内の会計フレックスフィールドについて残余予算をチェックまたは引き当てます。Oracle General Ledgerでは、十分な残余予算がある場合のみ残余予算を引き当てます。 Oracle General Ledgerには次の金額タイプがあります。 |
期間累計 | Oracle General Ledgerでは、期間累計の使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
四半期累計 | Oracle General Ledgerでは、四半期累計の使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
年累計 | Oracle General Ledgerでは、年累計の使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
プロジェクト累計 | Oracle General Ledgerでは、プロジェクト累計の使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 Oracle General Ledgerには次の期間指定値があります。 |
期間 | Oracle General Ledgerでは、現行取引の期間終了時点での使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
四半期 | Oracle General Ledgerでは、現行取引の四半期終了時点での使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
年度 | Oracle General Ledgerでは、現行取引の年終了時点での使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。 |
プロジェクト | Oracle General Ledgerでは、現行取引のプロジェクト終了時点での使用可能な残余予算残高に基づいて残余予算をチェックします。Oracle General Ledgerでは、最終オープン予算年度の最終期間がプロジェクトの終了とみなされます。 |
「範囲割当」を選択すると、予算組織に割り当てられている個々の勘定科目を検討、追加または一時的に削除できます。
作業内容を保存します。コンカレント・プログラムが実行され、指定した範囲内にある既存の全勘定科目が予算組織に割り当てられます。各範囲のステータスを検討できます。
追加中: 範囲から勘定科目を追加するコンカレント要求は保留中です。
処理中: 範囲から勘定科目を追加するコンカレント要求は実行中です。
レポート作成: 範囲から勘定科目を追加するコンカレント要求は、作成した全勘定科目の実行レポートを生成中です。
現行: 範囲から勘定科目を追加するコンカレント要求は完了しました。
前述の説明に従って勘定科目範囲を割り当てます。
残余予算チェック・レベルが「なし」に設定されている場合は、勘定科目範囲に任意の通貨および予算入力タイプ「入力済」を割り当てることができます。
残余予算チェック・レベルが「絶対」または「勧告」に設定されている場合は、勘定科目範囲に元帳の主要通貨および予算入力タイプ「入力済」を割り当てる必要があります。
削除する範囲を選択してレコードを削除します。「割当」を選択して、範囲内の個々の勘定科目を削除することもできます。
「予算組織の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算組織を問い合せます。
削除する勘定科目が判明している場合は、「割当」ボタンを選択して、予算組織に割り当てられているすべての勘定科目を表示します。
表示する勘定科目の範囲を制限するために勘定科目範囲を指定する場合は、「範囲」ボタンで範囲を選択し、「範囲割当」を選択します。
削除する勘定科目を選択してレコードを削除します。勘定科目割当は、「予算組織の保守」プログラムを実行するまで、予算組織から削除されません。
その勘定科目が含まれている範囲を削除します。
その勘定科目を除外した新規範囲または範囲の組合せを作成します。
関連項目
予算組織がパスワードで保護されている場合は、必ずパスワードを入力してから、その予算組織内の勘定科目の予算情報を検討、入力または変更します。
企業内の異なった予算組織にパスワードを割り当てて、予算編成職責を様々な組織の管理職に配分できます。
「予算組織の定義」ウィンドウをオープンします。
予算組織名を問い合せます。
重要: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、パスワードを設定するには変更アクセス権が必要です。
「パスワードのセット」ボタンを選択します。このボタンが表示されるのは、予算組織でパスワードが使用されていない場合のみです。
新規パスワードを入力します。これは5文字以上である必要があります。パスワードの入力中、そのパスワードは表示されません。
「OK」を選択し、確認のために新規パスワードを再入力します。
再び「OK」を選択し、「パスワード」ウィンドウをクローズします。
作業内容を保存します。
「予算組織の定義」ウィンドウをオープンします。
予算組織名を問い合せます。
「パスワードの変更」ボタンを選択します。このボタンが表示されるのは、予算組織にパスワードが割り当てられている場合のみです。
現行パスワードを入力します。
新規パスワードを入力します。
「OK」を選択します。
作業内容を保存します。
「予算組織の定義」ウィンドウをオープンします。
予算組織名を問い合せます。
「パスワードの変更」ボタンを選択します。このボタンが表示されるのは、予算組織にパスワードが割り当てられている場合のみです。
「パスワード使用禁止」タブを選択します。
現行パスワードを入力します。
「OK」を選択します。
作業内容を保存します。
元帳に予算管理を使用している場合は、割り当てた勘定科目範囲に予算管理オプションを設定できます。元帳通貨があり、予算入力タイプが「入力済」の勘定科目範囲にのみ予算管理オプションを割り当てることができます。
「自動予算引当」会計を選択して、Oracle Purchasing、Oracle Payablesなどのフィーダ・システムから発生する取引に予算引当バッチを自動的に作成します。「自動予算引当」を選択しない場合は、「なし」の残余予算チェック・レベルを入力する必要があります。
関連項目: 残余予算チェック・レベル
残余予算チェック・レベル「勧告」または「絶対」を選択した場合は、「金額タイプ」または「期間指定」を入力して、この残余予算をチェックする時間間隔を決定します。関連項目: 金額タイプと期間指定
残余予算チェック・レベル「勧告」または「絶対」を選択した場合は、「対象予算」の名称を入力して、Oracle General Ledgerで残余予算がチェックまたは引き当てられるようにします。予算仕訳が必須の予算を入力する必要があります。
関連項目
予算組織に勘定科目範囲を割り当てていない場合は、自動コピーを使用して他の予算組織から範囲割当をコピーできます。元帳に割り当てた勘定体系に動的挿入を使用する場合、Oracle General Ledgerでは必要に応じて新規勘定科目が予算組織に作成されます。ただし、その勘定科目は、使用可能なすべての相互検証ルールに違反していない必要があります。
自動コピーの使用後は、予算組織に他の勘定科目範囲を追加するか、またはコピーした範囲を予算組織から削除できます。
コピー元の予算組織の名称を入力します。コピーできるのは、同じ元帳の予算組織のみです。
「セグメント上書き」を入力して、新規予算組織で変更する勘定科目セグメント値をOracle General Ledgerに指定します。少なくとも1つのセグメント上書きを指定する必要があります。これは、同じ勘定科目を同じ元帳の複数の予算組織に割り当てることはできないためです。
上書きするセグメントの横に「セグメント上書き」値を入力します。たとえば、部門100(ソース予算組織)の勘定科目を部門200にコピーする場合は、部門セグメント上書きとして値200を入力します。すると、Oracle General Ledgerでは部門100の勘定科目のすべてがコピーされ、すべての部門値が200に変更されます。
依存セグメントにセグメント上書きを指定する場合は、それが依存しているセグメント(もしあれば)にセグメント上書きを入力する必要があります。
「OK」を選択します。
関連項目
勘定科目範囲の予算組織への割当(予算組織により多くの勘定科目範囲を追加する場合)
個別の勘定科目の追加または変更(範囲内の特定の勘定科目割当を検討、追加または変更する場合)
予算組織に割り当てた特定の範囲内の各勘定科目を表示できます。Oracle General Ledgerでは、勘定科目がセグメント値順に昇順にソートされます。指定の範囲内で新規勘定科目を予算組織に追加したり、予算組織から勘定科目を一時的に削除することができます。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、変更を行うには変更アクセス権が必要です。
「予算組織」ウィンドウにナビゲートします。
予算組織を問い合せます。
「範囲」ボタンを選択します。
勘定科目の範囲を選択します。
「範囲割当」ボタンを選択します。
次に利用できる明細を検索して、新規勘定科目を入力します。勘定科目はウィンドウの上部に表示された範囲内である必要があります。元帳に割り当てられた勘定体系に動的挿入を使用している場合は、未定義の勘定科目を入力できます。
「予算組織の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算組織を問い合せます。
削除する勘定科目が判明している場合は、「割当」ボタンを選択して、予算組織に割り当てられているすべての勘定科目を表示します。
表示する勘定科目の範囲を制限するために勘定科目範囲を指定する場合は、「範囲」ボタンで範囲を選択し、「範囲割当」を選択します。
削除する勘定科目を選択してレコードを削除します。勘定科目割当は、「予算組織の保守」プログラムを実行するまで、予算組織から削除されません。
その勘定科目が含まれている範囲を削除します。
その勘定科目を除外した新規範囲または範囲の組合せを作成します。
新規作成の勘定科目を自動的に追加する場合、または無効勘定科目への参照を取り除く場合は、「予算組織の定義」ウィンドウから「保守」を選択します。Oracle General Ledgerでコンカレント・プロセスが実行され、勘定科目範囲内にある予算組織に新規勘定科目が追加されます。またその範囲内にある無効勘定科目の削除も行われます。
また、「要求の発行」ウィンドウからも「予算組織の保守」プログラムを実行できます。これにより、自動的なプログラムの計画が可能となります。
予算管理を使用していて、範囲に「勧告」または「絶対」の残余予算チェック・レベルを割り当てている場合は、予算組織に新規勘定科目を自動的に追加する必要はありません。ただし、予算組織から無効勘定科目を削除するオプションを使用する必要があります。
ヒント: 予算管理を使用可能にしてあり、また範囲に「勧告」または「絶対」の残余予算チェック・レベルを割り当てている場合でも、保守プログラムを定期的に実行して予算組織範囲を更新することをお薦めします。
予算組織は定義後にも変更できます。この変更には次のものが含まれます。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、変更を行うには予算組織への変更アクセス権が必要です。
「予算組織の定義」ウィンドウをオープンします。
削除する予算組織の名称を問い合せます。
「削除」を選択して、予算組織へのすべての参照を削除するコンカレント・プロセスを実行します。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、予算組織を削除するには予算組織への変更アクセス権が必要です。
予算組織を削除した後は、削除した予算組織の勘定科目を他の予算組織に再割当できます。
予算金額の計算のために、予算算式を定義します。予算算式は、単純なものでも複雑なものでもかまいません。当期間、前期間または前年同期からの実際金額、予算金額、統計、期間累計残高および年累計残高など、固定金額と勘定残高の任意の組合せを使用できます。
予算算式を定義するとき、予算算式バッチを作成します。このバッチには1つまたは複数の入力が含まれ、各入力には1つまたは複数の算式が含まれます。予算バッチと入力を使用して、予算算式情報をグループ化します。たとえば、単一部門または区分の算式を1つのバッチに組み合せるか、または特定の計算タイプの算式を別々の入力にグループ化できます。
予算算式を使って予算を計算する場合、Oracle General Ledgerでは直接既存の予算金額が置き換えられ、予算仕訳は作成されません。
データ・アクセス・セット
予算金額を更新するには、予算算式で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が必要です。元帳およびセグメント値への十分なアクセス権がない場合(読取り専用アクセス権のみの場合など)、予算算式はエラー・ステータスで完了し、予算金額は更新されません。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
前提条件
予算組織を定義し、予算化したい勘定科目に「算式入力」予算入力タイプを割り当てます。
予算を定義します。
「予算算式の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算算式バッチの「名称」と「摘要」を入力します。
このバッチの元帳を選択します。
報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、報告通貨を選択できます。
既存のバッチから新規バッチに予算算式入力をコピーする場合は、「自動コピー」を選択します。
バッチ用の予算算式入力を作成します。
関連項目
「予算算式の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算算式バッチ情報を入力します。
算式入力の「名称」を入力します。
バッチに対して指定した元帳が算式入力にデフォルト設定されます。
算式入力の「カテゴリ」を入力します。
算式入力の「通貨」を入力します。予算算式には外貨を使用できないため、選択できるのは元帳通貨またはSTATのみです。
注意: 報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用し、「元帳」フィールドでバッチに対して報告通貨を指定した場合、選択できるのは報告通貨またはSTATの通貨のみです。
「有効日」の範囲を入力して、予算算式を特定の時間間隔で使用するように制限します。
注意: 有効日はシステム日付に基づいています。システム日付が有効日の範囲外の場合、ユーザーは予算算式を生成できません。
算式を入力する「明細」を選択します。
ヒント: 自動仕訳計画を使用すると、ユーザーが定義した特定の計画に従って予算算式を生成できます。関連項目: 自動仕訳計画
(オプション)定義アクセス・セット・セキュリティを予算算式に適用するには、「セキュリティ使用可能」を選択します。
定義アクセス・セットはオプションのセキュリティ機能で、Oracle General Ledgerの定義へのアクセスを制御できます。たとえば、特定のユーザーが予算算式を表示、変更または計算できないようにします。
セキュリティが無効な場合は、すべてのユーザーが予算算式を使用(計算)、表示および変更できます。
職責にアクセス権の割当機能がある場合は、「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択すると「アクセスの割当」ボタンが有効になります。この「アクセスの割当」ボタンを選択し、必要な権限を使用して定義を1つ以上の定義アクセス・セットに割り当てます。詳細は、『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
職責にアクセス権の割当機能がない場合は、「予算算式の定義」ウィンドウに「アクセスの割当」ボタンが表示されません。「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択することで、予算算式は保護できますが、この予算算式に自動的に割り当てられるのは、自動割当の定義アクセス・セットのみです。機能セキュリティの詳細は、システム管理者に確認してください。
関連項目
次では、予算算式に関連する使用、表示および変更アクセス権について説明しています。
使用アクセス: 特定のユーザーが「予算額の計算」ウィンドウから予算金額を計算することを許可します。「予算算式の定義」ウィンドウからは予算算式の表示、変更または計算を実行できません。
注意: 「予算算式の定義」ウィンドウから予算金額を計算したり、「自動仕訳計画」を使用するには、ユーザーが予算算式に対して「表示」および「使用」権限を持っている必要があります。
表示アクセス: 特定のユーザーが「予算算式の定義」ウィンドウから予算算式を表示することのみを許可します。また、「自動コピー」を使用することで表示できる予算算式のコピーを作成できます。
変更アクセス: 特定のユーザーが「予算算式の定義」ウィンドウから予算算式を表示および変更することを許可します。「アクセスの割当」ボタンが使用できる場合は、定義アクセス・セットのセキュリティにも変更を加えることができます。「予算算式の定義」ウィンドウまたは「予算額の計算」ウィンドウからは予算算式を計算できません。
使用、表示および変更アクセス: 特定のユーザーに「予算算式の定義」および「予算額の計算」フォームから定義への無制限のアクセス権限を許可します。
「仕訳明細」ウィンドウ
「予算算式の定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算算式バッチの名称および予算算式入力をバッチに入力するか、問い合せます。
「明細」を選択します。
「明細」番号を入力して、予算算式入力明細の順序を設定します。
予算金額を算式で計算する「勘定科目」を入力します。
明細用の算式を入力します。関連項目: 定型仕訳、予算の入力、および入力算式の消去
作業内容を保存します。
関連項目
既存の予算算式バッチをコピーして修正することにより、新規予算算式バッチを素早く作成できます。
「予算算式の定義」ウィンドウにナビゲートします。
新規予算算式バッチ用の「名称」、「摘要」および「元帳」を入力します。
注意: 報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、元帳のかわりに報告通貨を入力できます。
「自動コピー」を選択します。
注意: コピーできるのは、元帳または報告通貨が同じ予算算式バッチのみです。
算式のコピー元となる「ソース・バッチ」を入力します。
必要に応じて、コピーした予算算式入力を修正します。
作業内容を保存します。
注意: 定義アクセス・セットのセキュリティが予算算式に適用されている場合は、コピー元の予算算式への表示アクセス権が必要です。
関連項目
「予算算式の定義」ウィンドウにナビゲートします。
変更する予算算式バッチの名称を問い合せます。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、変更を行うには予算算式への変更アクセス権が必要です。
バッチを使用して予算をすでに計算している場合は、バッチの最終実行日の「期間」と「日付」が自動的に表示されます。
変更する予算算式入力の名称を問い合せます。
「明細」を選択して、算式入力明細を検討または変更します。
作業内容を保存します。
関連項目
予算算式を定義または改訂した場合、あるいは予算算式に使用する勘定科目を変更した場合は、予算額の計算をする必要があります。
予算算式から予算金額を計算しても、仕訳の作成はせず、予算残高を直接更新します。Oracle General Ledgerでは、勘定科目残高を増加させるのではなく、計算済金額に置き換えます。
データ・アクセス・セット
予算金額を更新するには、予算算式で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が必要です。元帳およびセグメント値への十分なアクセス権がない場合、予算算式はエラー・ステータスで完了し、予算金額は更新されません。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
前提条件
予算年度をオープンします。
予算算式バッチを定義します。
「予算額の計算」ウィンドウにナビゲートします。
予算額を計算する予算の名称を入力します。確定予算またはオープン年度のない予算は選択できません。Oracle General Ledgerでは、予算の直近オープン年度が表示されます。
確定バッチも含めて、予算に定義された各定型仕訳バッチの名称が表示されます。予算額の計算に使用する非確定算式バッチを選択します。
注意: 予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合、予算額を計算するには予算算式の使用アクセス権が必要です。
予算額を計算する会計の「期間: 自」および「期間: 至」を入力します。選択した各算式バッチの最終実行日が表示されます。
「計算」を選択します。
コンカレント・プロセスが実行されて、予算算式の検証、予算額の計算、および勘定科目残高の更新が実行されます。また、予算算式実行レポートが自動的に作成され、予算算式のステータスが表示されるため、エラーを確認できます。このレポートの出力を表示する場合は、コンカレント・プロセスの要求IDを参照します。
予算算式実行レポートのエラー
次の表に、予算算式実行レポートで検出される共通エラーを示します。
エラー・ コード | 説明 | 考えられる原因 |
---|---|---|
EA01 | この算式のすべての明細に対して書込みアクセス権がありません。 | 予算算式入力明細で使用する、元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が、データ・アクセス・セットで提供されていません。 データ・アクセス・セットのセキュリティをチェックして、書込み可能な元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値を確認します。 報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、報告通貨のデータ・アクセス・レベルをチェックします。 |
EA02 | 指定した貸借一致セグメント値または管理セグメント値は、この元帳に割り当てられていません。 | 予算算式入力明細に、元帳に割り当てられていない貸借一致セグメント値または管理セグメント値が含まれています。 会計設定フロー・マネージャで貸借一致セグメント値割当または管理セグメント値割当をチェックして、セグメント値が法的エンティティおよび元帳に割り当てられていることを確認します。 |
WA01 | この算式のすべての計算明細に対して読取りアクセス権がありません。 | 算式にステップとしてリストされた1つ以上の勘定科目への読取りアクセス権がデータ・アクセス・セットで提供されていません。 算式のステップで使用されている勘定科目から残高を読み取るには、少なくとも、データ・アクセス・セットで定義された読取りアクセス権が必要です。 |
EB01 | 予算組織が確定済です。 | この算式で、確定済の予算が使用されています。確定済の予算は更新または書込みできません。 |
EB02 | この予算組織について、勘定科目が確定済です。 | この算式で、確定済の勘定科目が使用されています。予算残高を確定済の予算勘定科目に更新することはできません。 |
EB03 | 予算がこの元帳に対して無効です。 | 計算時に入力された予算が、予算を書き込む元帳に対して定義された予算ではありません。 |
関連項目
レポートとプログラムの実行(『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』)
Oracle Applicationsの計画、Oracle Applicationsで定義した計画またはGeneral Ledgerで定義した計画に従って、予算算式バッチを生成できます。
予算組織が定義アクセス・セットを使用して保護されている場合は、計画する予算算式に対する使用および表示アクセス権が必要です。
「予算算式パラメータ」ウィンドウにナビゲートします。
各フィールドを次のように入力します。
名称: 計画する予算算式バッチの名称を入力するか、値リストから選択します。
期間: 会計期間を入力するか、値リストから選択します。
予算: 予算を入力するか、値リストから選択します。
「計画」ボタンを選択します。
Oracle Applicationsの「要求の発行」ウィンドウがオープンされます。
「計画」ボタンを選択します。
「計画」ウィンドウがオープンされます。
このウィンドウのリージョンを完成すると、独自の計画を作成できます。詳細は、『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。
または、「保存済計画の適用」ボタンを選択して、Oracle ApplicationsまたはGeneral Ledgerの事前定義計画のセットから選択します。
「要求の発行」ウィンドウに戻り、要求を発行します。
注意: 予算に予算仕訳が必要な場合は、この機能を使用することはできません。
関連項目
財務計画の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
一括予算配賦は、コスト・センター、部門、部署などのグループ間に収益および費用を配賦する予算仕訳を作成する場合に使用します。配賦算式に親値を含めることで、各子を個別に列挙しなくても、親によって参照された子値に配賦できます。このように、単一の算式で複数の配賦を実行できます。
一括予算配賦算式を定義するには、1つ以上の一括予算配賦算式を含む一括予算配賦バッチを作成します。既存の一括予算配賦バッチをコピーしてから、必要に応じて変更することも可能です。
元帳の通貨または統計通貨で一括予算配賦バッチを作成できます。
データ・アクセス・セットは、様々な職責でアクセス可能な元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値を制御します。これには、特定の元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値へのデータ書込みアクセス(予算仕訳の作成など)が含まれます。
定義アクセス・セットは、定義(一括予算配賦の定義など)を使用、表示および変更できるユーザーを制御します。
一括予算配賦仕訳を正常に生成するには、次のセキュリティ要件を満たす必要があります。
定義アクセス・セットによって、定義への使用アクセス権が提供される必要があります。
明細A、BおよびCからデータを読み取るには、データ・アクセス・セットによって、これらの明細で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権が提供される必要があります。
ターゲット明細と相殺明細の残高を更新するには、データ・アクセス・セットによって、これらの明細として使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が提供される必要があります。
アクセス権が不十分な場合、一括予算配賦バッチはエラー・ステータスで完了し、予算仕訳は作成されません。
『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
一括予算配賦を新規作成、または既存の一括予算配賦をコピーできます。
前提条件
予算組織を定義します。
予算を定義します。
予算を入力または計算して、配賦勘定科目の既存予算金額が正確であることを確認します。
(オプション)一括予算配賦バッチへの使用、表示または変更アクセス権を保護するには、定義アクセス・セットを定義して職責に割り当てます。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
「一括予算配賦の定義」ウィンドウにナビゲートします。
一括予算配賦バッチの「名称」と「摘要」を入力します。
「算式」を選択して、一括予算式を入力します。
算式を入力した後、作業内容を保存します。
(オプション)定義アクセス・セットのセキュリティを一括予算配賦に適用するには、「セキュリティ使用可能」を選択します。
定義アクセス・セットはオプションのセキュリティ機能で、Oracle General Ledgerの定義へのアクセスを制御できます。たとえば、特定のユーザーが一括予算配賦を表示、変更または生成できないようにします。
セキュリティが無効な場合は、すべてのユーザーが一括予算配賦を使用(生成)、表示および変更できます。
職責にアクセス権の割当機能がある場合は、「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択すると「アクセスの割当」ボタンが有効になります。この「アクセスの割当」ボタンを選択し、必要な権限を使用して定義を1つ以上の定義アクセス・セットに割り当てます。詳細は、『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
職責にアクセス権の割当機能がない場合は、「一括予算配賦の定義」ウィンドウに「アクセスの割当」ボタンが表示されません。「セキュリティ使用可能」チェック・ボックスを選択することで、一括予算配賦は保護できますが、この一括予算配賦に自動的に割り当てられるのは、自動割当の定義アクセス・セットのみです。機能セキュリティの詳細は、システム管理者に確認してください。
次に、一括予算配賦に関連する使用、表示および変更の各アクセス権について説明します。
「使用」アクセス権: 特定のユーザーが「一括予算配賦仕訳の生成」ウィンドウから一括予算配賦を生成できます。「一括予算配賦の定義」ウィンドウから一括予算配賦を表示、変更または生成することはできません。
注意: ユーザーが「一括予算配賦の定義」ウィンドウから一括予算配賦を生成したり、自動仕訳計画を使用するには、一括予算配賦に対する表示権限と使用権限の両方が必要です。
表示アクセス権: 特定のユーザーが「一括予算配賦の定義」ウィンドウから一括予算配賦のみ表示できます。また、自動コピーを使用して、一括予算配賦のコピーを作成できます。
変更アクセス権: 特定のユーザーが「一括予算配賦の定義」ウィンドウから一括予算配賦を表示および変更できます。「アクセスの割当」ボタンが有効な場合は、割り当てられた定義アクセス・セットのセキュリティも変更できます。変更アクセス権では一括予算配賦の生成はできません。
使用、表示および変更アクセス権: 特定のユーザーが「一括予算配賦の定義」フォームおよび「一括予算配賦仕訳の生成」フォームから定義に制限なくアクセスできます。
「一括予算配賦の定義」ウィンドウにナビゲートします。
新規の一括予算配賦の「名称」を入力します。
「自動コピー」ボタンを選択して、コピーする一括予算配賦を選択します。
注意: 定義アクセス・セットのセキュリティを一括予算配賦に割り当てた場合は、コピーする一括予算配賦への表示アクセス権が必要です。
新規の一括予算配賦の「摘要」を入力します。
「算式」を選択して、コピーした一括予算式を変更します。
算式を変更した後、作業内容を保存します。
関連項目
「一括予算配賦の定義」ウィンドウにナビゲートします。
算式を追加する一括予算配賦バッチの名称を入力するか、問い合せます。
算式を選択します。
一括予算式の「名称」と「摘要」を入力します。
一括予算式の「カテゴリ」と「通貨」を入力します。
注意: 外貨の一括予算式は入力できません。「通貨」フィールドでは元帳通貨またはSTATを選択してください。
「外貨配賦」リージョンには「換算済金額」がデフォルト設定されていて、その内容は変更できません。
一括予算配賦計算から生じた端数処理差異を、最大の相対残高を持つ原価プールに追加する場合は、「全原価プール配賦」を選択します。このオプションを選択しないと、端数処理差異はオリジナルの勘定科目に残ります。
注意: 「全原価プール配賦」を使用する場合は、明細A、BおよびCが検証ビジネス・ルールに準拠している必要があります。関連項目 検証ビジネス・ルール
算式明細を入力します。
作業内容を保存します。
ヒント: 自動仕訳計画を使用すると、ユーザーが定義した特定の計画に従って一括予算配賦を生成できます。定義アクセス・セットを使用している場合、一括予算配賦の計画には、一括予算配賦への使用および表示アクセス権が必要です。関連項目: 自動仕訳計画
関連項目
すべての一括予算式で、配賦金額は次の等式で決定されます。
原価プール *(使用比率 / 使用額合計)
この等式は、次の書式で表されます。
A*B/C
この等式内のそれぞれのファクタは別々の算式明細に関連しています。配賦算式のルールに従って、算式明細A、BおよびCに固定金額と勘定科目の組合せを入力します。
注意: 一括予算配賦の生成時に明細A、BおよびCのデータを読み取るには、少なくとも、これらの明細で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権が必要です。
算式の明細A、BまたはCの元帳および勘定科目を入力します。元帳は「元帳」フィールドに指定できます。
注意: 予算は元帳固有であるため、一括予算配賦に元帳セットは使用できません。
換算済の予算金額を配賦するには、予算換算時にターゲット元帳として使用された残高レベル報告通貨を指定します。
報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、これらの明細の報告通貨を入力できます。
親セグメント値を持つ勘定科目を入力して、対応する子セグメント値を持つ勘定科目を参照する算式を作成します。勘定科目を入力すると、セグメント値が有効で使用可能であることが検証されます。
元帳セグメントに対して、定数を示すセグメント・タイプ「C」を割り当てます。次に、各勘定科目セグメントにセグメント・タイプを割り当てます。親/子セグメント値の組合せとタイプによって、算式の一部に使用される関連の勘定科目がOracle General Ledgerに指示されます。
「元帳通貨」に元帳の通貨が表示されます。
注意: 報告通貨が指定されている場合は、その通貨が表示されます。
配賦する通貨タイプを選択します。一括予算配賦に対して選択できるのは「合計」または「統計」のみです。
統計: 元帳に入力された統計予算金額を配賦します。この通貨タイプを選択した場合、「入力通貨」フィールドにはSTAT通貨がデフォルト設定され、その内容は変更できません。
合計: 元帳通貨の合計金額を配賦します。
報告通貨(仕訳または補助元帳レベル)を使用する場合は、「合計」を選択すると、報告通貨の通貨の合計金額が配賦されます。
使用する「金額タイプ」を入力します。次のいずれかの金額タイプを選択できます。
期間累計
プロジェクト累計
四半期累計
年度累計
元帳で平均残高処理が有効な場合は、「日次期間平均」、「日次四半期平均」、「日次年度平均」および「日末」も選択できます。
使用する勘定残高の「基準期間」を入力します。次のいずれかの基準期間を選択できます。
当期間
前期
前年度同期
算式明細で使用する勘定科目の「残高タイプ」を入力します。「予算」残高タイプを入力した場合は、「予算名」も入力する必要があります。 「予算引当」残高タイプを入力した場合は、「予算引当タイプ」も入力する必要があります。
算式明細A、BおよびCを入力した後は、ターゲット勘定科目を入力します。
決算済一括予算配賦仕訳を生成する場合は、相殺勘定科目を入力します。予算の貸借は一致しなくても構わないため、一括予算配賦の相殺算式明細はオプションです。
関連項目
セグメント値の定義(『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』)
算式明細に勘定科目を入力した場合は、各セグメントに次のいずれかのセグメント・タイプを割り当てる必要があります。
ループ(L): このタイプを親セグメント値に割り当てると、算式で親値に割り当てられた子値がそれぞれ含められます。配賦プログラムによって、対応するそれぞれの子セグメント値に各算式が実行されます。ループは親値でのみ実行できます。
合計(S): 親に割り当てられたすべての子セグメント値の勘定残高を合計するには、親セグメント値にこのタイプを割り当てます。たとえば、5つの子値を持つ親値を入力すると、配賦プログラムにより5つの子勘定科目の勘定残高が加算され、その合計が各一括予算式に使用されます。親値に対してのみ合計できます。
定数(C): 子に関連する詳細勘定残高を使用するには、このタイプを元帳セグメントと子セグメントの値に割り当てます。親に関連する要約勘定がある場合は、その親セグメント値にもこのタイプを使用できます。
注意: 元帳セグメントに対しては、常に「定数」セグメント・タイプを使用する必要があります。
関連項目
配賦先勘定科目を指定するには、ターゲット明細に元帳と勘定科目を入力します。
ターゲット勘定科目を入力するときは、そのターゲット勘定科目が配賦算式のルールに準拠していることを確認します。勘定科目セグメントの相互検証ルールに従っていることも確認します。このフォームでは、勘定科目の相互検証ルールに対する違反はチェックされません。相互検証ルールに違反するターゲット勘定科目を入力すると、算式の生成時に無効な仕訳明細が作成されます。その場合は、作成された仕訳を転記する前に、「仕訳データの入力」ウィンドウで修正する必要があります。
注意: 一括予算配賦を正常に生成するには、ターゲット明細と相殺明細で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が必要です。
関連項目
配賦から借方または貸方を相殺するために使用する勘定科目を指定するには、相殺明細に勘定科目を入力します。相殺勘定科目を入力するときは、その相殺勘定科目が配賦算式のルールに準拠していることを確認します。勘定科目セグメントの相互検証ルールに従っていることも確認します。このフォームでは、勘定科目の相互検証ルールに対する違反はチェックされません。相互検証ルールに違反する相殺勘定科目を入力すると、算式の生成時に、無効な仕訳明細が作成されます。その場合は、作成された仕訳を転記する前に、「仕訳データの入力」ウィンドウで修正する必要があります。
注意: 一括予算配賦を正常に生成するには、ターゲット明細と相殺明細で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が必要です。
関連項目
一括予算式に基づいて未転記予算仕訳バッチを作成するには、一括予算配賦仕訳を生成します。生成された仕訳バッチには、バッチの配賦算式ごとに1つの入力が含まれます。
既存の予算残高を逆仕訳して、そして新しい予算配賦額を転記する一括予算配賦仕訳を生成するか、あるいは現在の予算配賦額に合わせるために既存の予算残高を増加させる仕訳を生成することができます。
範囲がオープン予算年度内に収まる場合、すべての範囲期間用に一括予算配賦仕訳バッチを生成することができます。Oracle General Ledgerにより、範囲内でそれぞれの期間用に未転記予算仕訳バッチが作成されます。
セキュリティ
データ・アクセス・セットと定義アクセス・セットを組み合せて、一括予算配賦仕訳の生成を制御します。
データ・アクセス・セットは、様々な職責でアクセス可能な元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値を制御します。これには、特定の元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値へのデータ書込みアクセス(予算仕訳の作成など)が含まれます。
定義アクセス・セットは、定義(一括予算配賦の定義など)を使用、表示および変更できるユーザーを制御します。
一括予算配賦仕訳を正常に生成するには、次のセキュリティ要件を満たす必要があります。
定義アクセス・セットによって、定義への使用アクセス権が提供される必要があります。
明細A、BおよびCからデータを読み取るには、データ・アクセス・セットによって、これらの明細で使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権が提供される必要があります。
ターゲット明細と相殺明細の残高を更新するには、データ・アクセス・セットによって、これらの明細として使用する元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセス権が提供される必要があります。
アクセス権が不十分な場合、一括予算配賦バッチはエラー・ステータスで完了し、予算仕訳は作成されません。
『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の定義アクセス・セットに関する項を参照してください。
『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
前提条件
予算組織を定義し、予算化したい勘定科目に「算式入力」予算入力タイプを割り当てます。
予算を定義します。
予算年度をオープンします。
一括予算配賦算式を定義します。
「一括予算配賦仕訳の生成」ウィンドウにナビゲートします。
生成する一括予算配賦バッチを入力します。
注意: 定義アクセス・セットのセキュリティを一括予算配賦に割り当てた場合、「一括予算配賦仕訳の生成」ウィンドウから一括予算配賦を生成するには使用アクセス権が必要です。
一括予算配賦仕訳を生成する「期間:自」と「期間:至」を入力します。以前にバッチを生成している場合は、最終実行期間が自動的に表示されます。
生成する一括予算配賦バッチの配賦方法を指定します。既存の予算残高を逆仕訳して新しい予算配賦額を転記する仕訳を生成したり、現在の予算配賦額で既存の予算残高を増加させる仕訳を生成できます。
「生成」を選択します。一括予算配賦を検証して指定の範囲内の期間ごとに未転記仕訳バッチを作成するコンカレント・プロセスが実行されます。また、一括予算実行レポートが自動的に作成され、一括予算配賦のステータスが表示されてエラーを確認できます。このレポートの出力を表示する場合は、コンカレント・プロセスの要求IDを参照します。
「仕訳データの入力」ウィンドウを使用して、生成された一括予算配賦仕訳バッチを検討します。一括予算配賦仕訳バッチには、次のような名称が設定されます。
MB: <要求ID> <一括予算バッチ名> <期間><元帳>
例: MB: 47566 Rent Budget Allocation JAN-05 <Corporate>
注意: 仕訳が作成されるのは、データ・アクセス・セットによって、ターゲット明細と相殺明細に指定された元帳、および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りおよび書込みアクセスが許可されている場合のみです。
一括予算配賦仕訳バッチを転記します。
関連項目
完全配賦、あるいは増分配賦方法を使用している配賦算式から、仕訳を生成することができます。選択した方法は生成された仕訳が既存の残高勘定科目に取って代わるか、あるいは増加させるかどうかを決定します。
以前の配賦を逆仕訳し、新しい配賦金額を転記する仕訳を生成するには、完全配賦方法を選択します。生成した配賦仕訳を転記すると、既存の配賦先残高を、算式による新しい配賦金額に置換した場合と同様の結果になります。
1回のみ、または初めて額を配賦する場合に限り、この方法を使用します。
以前の配賦金額を逆仕訳せずに配賦済残高を更新する場合は、増分配賦方法を選択します。処理と処理の間でターゲット勘定科目に対する活動がない場合は、この方法を使用すると、必要な回数だけ配賦仕訳を作成できます。
重要: 一括配賦式または一括予算配賦の算式を初めて生成するときは、増分方法を使用しないでください。
増分の配賦仕訳を生成する前に、同じ算式バッチで、それまでに生成したすべてのバッチを転記します。A*B/C算式での最初の金額タイプは、増分配賦金額(A*B/C)を計算する際にターゲット勘定科目で使用される金額タイプです。
関連項目
Oracle Applicationsの計画、Oracle Applicationsで定義した計画またはGeneral Ledgerで定義した計画に従って、一括予算配賦仕訳バッチを生成できます。
注意: 一括予算配賦仕訳バッチが定義アクセス・セットを使用して保護されている場合は、計画する一括予算配賦に対する使用および表示アクセス権が必要です。
「一括予算配賦パラメータ」ウィンドウにナビゲートします。
各フィールドを次のように入力します。
名称: 計画する配賦または一括配賦バッチの名称を入力するか、値リストから選択します。
期間: 会計期間を入力するか、値リストから選択します。
配賦方法: 配賦方法を入力するか、値リストから選択します。
「計画」ボタンを選択します。
Oracle Applicationsの「要求の発行」ウィンドウがオープンされます。
「計画」ボタンを選択します。
「計画」ウィンドウがオープンされます。
このウィンドウのリージョンを完成すると、独自の計画を作成できます。詳細は、『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。
または、「保存済計画の適用」ボタンを選択して、Oracle ApplicationsまたはGeneral Ledgerの事前定義計画のセットから選択します。
「要求の発行」ウィンドウに戻り、要求を発行します。
注意: 一括予算配賦仕訳バッチは、生成された後に転記する必要があります。
関連項目
財務計画の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
勘定科目の予算金額を入力して、既存の予算残高に置き換えます。予算組織内の各勘定科目の予算金額を1つずつ入力するか、ワークシート・モードを使用して一度に複数の勘定科目の予算を入力できます。予算ルールを使用すると、すべての期間の予算金額を配分できます。
Oracle General Ledgerでは、「予算金額の入力」ウィンドウの使用時には仕訳は作成されません。仕訳を作成して予算金額の監査証跡を保守する場合は、「予算仕訳の入力」ウィンドウを使用します。
注意: 予算金額を入力できるのは、データ・アクセス・セットで定義されている読取りアクセス権および書込みアクセス権がある元帳および貸借一致セグメント値または管理セグメント値に対してのみです。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
前提条件
予算を定義します。
1つまたは複数の予算年度をオープンします。
予算組織を定義します。
入力済予算入力タイプを、予算金額を入力する勘定科目へ割り当てます。
予算編成に使用する通貨を該当する勘定科目に割り当てます。
「予算金額の入力」ウィンドウにナビゲートします。
入力中の金額の「予算」を入力します。
注意: 確定済の予算には金額を入力できません。仕訳が必要な予算の場合は、「予算仕訳の入力」ウィンドウを使用する必要があります。
予算編成する勘定項目に「予算組織」を指定します。予算組織がパスワードで保護されている場合は、パスワードを入力してから予算金額を入力してください。
注意: 定義アクセス・セットを使用して保護されている予算組織を予算入力で使用する場合は、その予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
予算を引き当てる「会計期間」の範囲を入力します。
入力する予算金額の「通貨」を入力します。この通貨の予算組織には、勘定科目が割り当てられている必要があります。
「単一行モード」タブを選択して、一度に1つの勘定科目の予算情報を検討して入力します。「単一行モード」を使用すると、すべての予算期間の合計も表示されます。
1つ以上のセグメント値(またはワイルドカード)を指定して、予算編成する勘定科目を問い合せます。
注意: 予算組織を定義したとき勘定科目セグメントの表示順序を再編成した場合でも、勘定科目問合せ基準はセグメントの数字順に入力します。
指定範囲内の期間に対して予算金額を入力するか、予算ルールを使用して、全期間に対する予算金額を計算して配分します。
「転記」を選択して、勘定科目の予算残高を更新するコンカレント要求を発行します。
関連項目
「予算金額の入力」ウィンドウにナビゲートします。
入力中の金額の「予算」を入力します。
注意: 確定済の予算には金額を入力できません。仕訳が必要な予算の場合は、「予算仕訳の入力」ウィンドウを使用する必要があります。
予算編成する勘定項目に「予算組織」を指定します。予算組織がパスワードで保護されている場合は、パスワードを入力してから予算金額を入力してください。
注意: 定義アクセス・セットを使用して保護されている予算組織を予算入力で使用する場合は、その予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
予算を引き当てる「会計期間」の範囲を入力します。
入力する予算金額の「通貨」を入力します。この通貨の予算組織には、勘定科目が割り当てられている必要があります。
「ワークシート・モード」タブを選択して、一度に複数の勘定科目の予算金額を検討して入力します。
予算を入力するために選択した予算組織内で勘定科目を問い合せます。1つ以上のセグメント値(またはワイルドカード)を指定して、問合せを限定できます。General Ledgerによって、基準に一致した、予算入力タイプが「入力済」の各勘定科目が取得されます。問合せを限定しない場合は、予算組織内で予算入力タイプが「入力済」の勘定科目すべてが取得されます。
注意: 予算組織を定義したとき勘定科目セグメントの表示順序を再編成した場合でも、勘定科目照会基準はオリジナル勘定科目セグメントの順序で入力します。
注意: 取得する貸借一致セグメント値および管理セグメント値は、データ・アクセス・セットによって制御されます。予算金額の更新には、元帳および貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
勘定科目セグメント値は、予算組織内で指定した表示順に従って表示されます。また、その勘定科目に以前に入力した金額も表示されます。
重要: 予算管理を使用している場合は、Oracle General Ledgerによって転記済残高に加えて引当済残余予算の合計が表示されます。
指定した範囲の勘定科目と期間に予算金額を入力します。予算ルールを使用して、すべての期間の予算金額を計算して配分することもできます。
「合計の表示」を選択して、表示されている勘定科目の現在の予算金額すべての合計を表示します。
「転記」を選択して、勘定科目の予算残高を更新するコンカレント要求を発行します。
関連項目
予算ルールは、勘定科目のすべての期間の予算金額を計算して配分する事前定義済の方法です。予算ルールを使用すると、予算を手早く簡単に入力できます。
注意: 使用不可、旧式、および確定済勘定科目、または予算を組むことが許可されない勘定科目の予算ルールは使用できません。
「予算金額の入力」または「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算、予算組織、会計期間、通貨および予算入力モードを指定します。
予算を入力する勘定科目を問い合せます。
「予算ルール」を選択します。関連項目 予算ルール
勘定科目の予算金額を計算し配分するために使用するルールを選択します。
予算ルールで使用する金額を入力します。
「均等割」、「4/4/5」、「4/5/4」または「5/4/4」ルールを選択した場合は、「オプション」ボタンを選択して、端数処理オプションを設定します。
調整期間と通常期間に予算ルールを適用する場合は、「調整期間へのルールの適用」をチェックします。
金額を勘定科目の残高で乗算する予算ルールを選択した場合は、予算ルールの計算で使用する「勘定科目」を入力します。
注意: 現在のセッションで入力した予算金額を含む予算残高を参照する場合は、作業内容を保存します。「適用」または「OK」を選択して予算ルールを適用します。金額を転記する必要はありません。
金額を勘定科目の予算残高で乗算する予算ルールの場合は、予算を入力します。
予算組織勘定科目の範囲にある次の勘定科目に対して予算ルールを入力するには、「予算ルール」ウィンドウで下向き矢印を押します。直前の勘定科目に対してルールを入力するには、上向き矢印を押します。
次の予算ルールを使用できます。
均等割: 入力する金額はすべての会計期間に均等に配分されます。端数処理を設定すると、端数計算の結果発生する未配分金額を処理できます。
期間毎の繰返し: 各会計期間に入力する金額が繰り返されます。
前年度予算*: 入力する勘定科目の前年度予算残高で、入力する金額を乗算します。
当年度予算*: 入力する勘定科目の当年度予算残高で、入力する金額を乗算します。現在のセッションで入力した予算金額を含めるには、この予算ルールを選択する前に入力を保存します。入力を転記する必要はありません。
前年度予算 (統計)*: 入力する勘定科目の前年度予算統計残高で、入力する金額を乗算します。
当年度予算 (統計)*: 入力する勘定科目の当年度予算統計残高で、入力する金額を乗算します。現在のセッションで入力した予算金額を含めるには、この予算ルールを選択する前に入力を保存します。入力を転記する必要はありません。
前年度実績*: 入力する勘定科目の前年度実績残高で、入力する金額を乗算します。
当年度実績*: 入力する勘定科目の当年度実績残高で、入力する金額を乗算します。
前年度実績 (統計)*: 入力する勘定科目の前年度実績統計残高で、入力する金額を乗算します。
当年度実績 (統計)*: 入力する勘定科目の当年度実績統計残高で、入力する金額を乗算します。
次の予算ルールを使用できるのは、カレンダの年度内期間数が12または13の場合のみです。次のいずれかの方法を使用する場合は、端数処理を設定し、端数計算後に発生する未配分金額を処理できます。
4/4/5: 第1期間に金額の 4/52を、第2期間に4/52を、第3期間に 5/52を入力します。期間範囲全体において、この順序が繰り返されます。年間 13期間を使用している場合、第13期間には金額は入力されません。
4/5/4: 第1期間に金額の 4/52を、第2期間に5/52を、第3期間に 4/52を入力します。期間範囲全体において、この順序が繰り返されます。年間 13期間を使用している場合、第13期間には金額は入力されません。
5/4/4: 第1期間に金額の 5/52を、第2期間に4/52を、第3期間に 4/52を入力します。期間範囲全体において、この順序が繰り返されます。年間 13期間を使用している場合、第13期間には金額は入力されません。
関連項目
「均等割」、「4/4/5」、「4/5/4」、「5/4/4」のいずれかの予算ルールを選択すると、支払予定基準値が予算期間の間で分割され、配分金額は予算通貨の最小単位に四捨五入されます。端数計算によって、配分比率合計が支払予定基準値と一致しなくなることがあります。均等割できない金額による差額を処理するために、端数処理を設定します。端数処理エラーを無視するか、または差額を特定予算期間に転記するかのいずれかが選択できます。
端数処理による差額を配分するように選択すると、その差額が通貨の最小単位より大きい場合は、指定した期間に転記されます。端数の配分期間を指定した場合、それは端数処理を変更するか、支払予定基準値の配分開始期間を変更するまで有効です。
デフォルト端数処理では、端数処理エラーは無視されます。
「予算金額の入力」または「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算、予算組織、会計期間、通貨および予算入力モードを指定します。
予算を入力する勘定科目を問い合せます。
「予算ルール」を選択します。
「均等割」、「4/4/5」、「4/5/4」、「5/4/4」ルールのいずれかを選択します。
「オプション」ボタンを選択して、端数処理オプションを設定します。
「差異を配分」を選択します。
端数差額を転記する「期間」を入力します。
「OK」を選択して、「予算ルール」ウィンドウに戻ります。
「予算金額の入力」または「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算、予算組織、会計期間、通貨および予算入力モードを指定します。
予算を入力する勘定科目を問い合せます。
「予算ルール」を選択します。
「均等割」、「4/4/5」、「4/5/4」、「5/4/4」ルールのいずれかを選択します。
「オプション」ボタンを選択して、端数処理オプションを設定します。
「端数処理エラー無視」を選択します。
「OK」を選択して、「予算ルール」ウィンドウに戻ります。
前提条件
「STAT」通貨および「入力済」タイプの予算で、勘定科目を予算組織に割り当てます。
「予算金額の入力」ウィンドウをオープンします。
統計勘定科目に対する予算と予算組織、さらに、予算期間を選択します。
STATの「通貨」を入力します。
「単一行モード」を使用して、一度に1つの勘定科目を表示して予算金額を入力するか、「ワークシート・モード」で複数の勘定科目を表示しながら金額を入力するかを選択します。
統計予算金額を入力するか、予算ルールを使用して全期間に金額を配分します。
「転記」を選択して、統計予算残高を更新するコンカレント要求を発行します。
関連項目
Applications Desktop Integrator仕訳ウィザード(『Oracle Applications Desktop Integratorユーザーズ・ガイド』)
予算残高の監査証跡を保守するために、予算仕訳を入力します。予算ルールを使用すると、予算仕訳金額を自動的に計算できます。
注意: 予算仕訳を入力できるのは、データ・アクセス・セットで定義されている読取りアクセス権および書込みアクセス権がある元帳および貸借一致セグメント値または管理セグメント値に対してのみです。『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』のデータ・アクセス・セットに関する項を参照してください。
予算仕訳を転記する際は、仕訳金額により既存の予算残高が更新されます。予算仕訳は、転記する前に検討および変更できます。
重要: 仕訳モードで予算ルールを使用すると、勘定科目タイプについて入力した残高に達するために必要とされる適切な借方または貸方金額が、Oracle General Ledgerにより計算されます。
前提条件
予算を定義します。
予算に1つ以上の年度をオープンします。
予算組織を定義します。
予算仕訳を入力する勘定科目に「入力済」の予算入力タイプを割り当てます。
「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
更新する予算を入力します。確定している予算は使用できません。
予算を引き当てる勘定科目に「予算組織」を指定します。予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算仕訳を入力する前に、パスワードを入力してください。
注意: 定義アクセス・セットを使用して保護されている予算組織を予算入力で使用する場合は、その予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
予算を引き当てる「会計期間」の範囲を入力します。
入力する予算金額の「通貨」を入力します。この通貨の予算組織には、勘定科目が割り当てられている必要があります。
「仕訳モード」タブを選択し、予算金額を仕訳形式で入力します。
「単一行モード」または「ワークシート・モード」を使用して、予算仕訳金額を入力することもできます。ただし、「予算仕訳の入力」ウィンドウを使用する場合は、これらの入力モードからのみ予算仕訳を生成できます。
予算を引き当てる「勘定科目」を入力するか、問い合せます。 「ワークシート・モード」に切り替えて簡単に勘定科目を問合せ、次に、「仕訳モード」に戻って予算仕訳を入力することもできます。
各期間に「借方」または「貸方」金額を入力します。予算ルールを使用して予算金額を計算し配分する場合は、仕訳金額を入力しません。
「仕訳の作成」を選択して、予算仕訳バッチを作成します。予算管理を使用している場合は、バッチの作成時に予算引当を指定します。
関連項目
予算組織割当でSTAT通貨を設定した勘定科目には、統計予算仕訳を入力できます。統計数値のみの予算仕訳を入力するか、「仕訳: 統計と金額の混合」プロファイル・オプションに従って、金額と統計予算金額を予算仕訳内で組み合せることができます。元帳に対して予算管理が有効な場合、後者のオプションは使用できません。
前提条件
統計のみの予算仕訳には、STAT通貨を持つ予算組織に勘定科目を割り当てます。
金額と統計が組み合わされている仕訳には、「仕訳:統計と金額の混合」プロファイル・オプションを使用可能にします。
金額と統計が組み合わされている仕訳には、統計数値を入力する各勘定科目セグメント値に単位を与えます。
金額と統計が組み合わされている仕訳には、適切な通貨を使用して予算組織に勘定科目を割り当てます。
「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
統計勘定科目に対する予算と予算組織、さらに、予算期間を選択します。
STATの「通貨」を入力します。
勘定科目を問い合せます。
「仕訳モード」タブを選択します。
統計数値を「借方」または「貸方」として各期間に入力します。予算ルールを使用して予算金額を計算および配分する場合は、仕訳金額を入力しません。
「仕訳の作成」を選択して、予算仕訳バッチを作成します。予算管理を使用している場合は、バッチの作成時に予算引当を指定します。
「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
統計勘定科目に対する予算と予算組織、さらに、予算期間を選択します。
貨幣通貨を入力します。
勘定科目を問い合せます。
「仕訳モード」タブを選択します。
通貨額を「借方」または「貸方」として各期間に入力します。予算ルールを使用して予算金額を計算および配分する場合は、仕訳金額を入力しません。
通貨借方金額または貸方金額に関連した統計「数量」を各期間に入力します。
「仕訳の作成」を選択して、予算仕訳バッチを作成します。
関連項目
Oracle General Ledgerプロファイル・オプションの設定(『Oracle General Ledger Reference Guide』)
統計単位の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
予算仕訳を入力した後で、未転記の仕訳バッチを作成するためには、仕訳インポートを実行する必要があります。予算管理を使用している場合は、予算仕訳バッチの残余予算をチェックし、引き当てる必要があります。
「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算の借方金額と貸方金額も含めて、予算仕訳情報を入力します。
「仕訳の作成」を選択します。
一意の仕訳バッチ名を入力します。
予算仕訳バッチの「カテゴリ」を入力します。
「仕訳インポートの実行」を選択して、未転記の予算仕訳バッチを作成します。コンカレント要求が発行され、参照用に「仕訳インポート・グループ番号」が表示されます。
仕訳インポートを開始した後で、「完了」を選択します。
「予算仕訳の入力」ウィンドウにナビゲートします。
予算の借方金額と貸方金額も含めて、予算仕訳情報を入力します。
「仕訳の作成」を選択します。
一意の仕訳バッチ名を入力します。
予算仕訳バッチの「カテゴリ」を入力します。残余予算ステータスの「必須」が自動的に表示されます。
「残余予算のチェック」を選択して、予算仕訳バッチに対して使用できる残余予算を確認します。
「予算引当」を選択して、予算仕訳バッチに予算を引き当てます。「残余予算のチェック」または「予算引当」を選択すると、残余予算のステータスが「処理中」に変ります。残余予算のチェックまたは予算引当の処理が完了すると、残余予算のステータスは「通過」または「失敗」に変ります。
注意: 予算引当が一度通過すると、予算を引当から解除しない限り予算仕訳金額は変更できません。
「予算管理取引」ウィンドウをオープンし、「結果の表示」を選択して予算引当要求の結果を検討します。
「完了」を選択して、未転記予算仕訳バッチを作成するコンカレント処理を実行します。
関連項目
予算ウィザードを使用すると、既存の予算をOracle General LedgerからMicrosoft Excelにダウンロードし、Excelで変更してから、改訂予算金額をGeneral Ledgerに自動的にアップロードできます。また、実績残高と予算残高の両方をGeneral Ledgerからダウンロードすることで予算を分析してから、Excelを使用して実績値と予算値との比較を実行することもできます。
Excelを使用して予算ワークシートを作成すると、ワークシートをローカル・ハード・ディスクやフロッピィ・ディスクに簡単に保存して以降に編集可能にしたり、企業データベースに接続していない場合でも別のPC上で予算分析作業を実行可能にできます。
前提条件:
予算を定義します。
予算年度を1つ以上オープンします。
予算組織を定義してから、「入力」タイプの予算入力を、予算金額を入力する対象の勘定科目に割り当てます。
注意: 予算ウィザードを使用するには、「予算ウィザード: GL : デフォルト・デスクトップ・ビューワ」プロファイル・オプションを設定しておく必要があります。使用しているExcelのバージョンに従って値を設定してください。
予算ワークシートを作成する手順は、次のとおりです。
General Ledgerメニューから「予算ウィザードの起動」を選択します。
レイアウトを選択します。「デスクトップ統合」の職責から新規レイアウトを変更または作成できます。
選択基準パラメータを入力します。
「予算」: General Ledgerで定義した予算。
「組織」: General Ledgerで定義した予算組織。この予算組織によって、予算編成可能な勘定科目が決まります。
「勘定科目: 自」: 選択した予算組織に対する開始勘定科目範囲。
「勘定科目: 至」: 選択した予算組織に対する終了勘定科目範囲。
「通貨」: 選択した予算組織に対して定義されている通貨。
「期間: 自」: 選択した予算に対する開始期間。
「期間: 至」: 選択した予算に対する終了期間。
「実績を含む」: このオプションを選択すると、2つのExcelワークシートが作成されます。1つのシートには予算値、もう1つのシートには実績値が含まれます。予算残高は更新できますが、実績残高は表示専用です。
「文書の作成」を選択します。予算ウィザードによって予算ワークシートが作成され、General Ledgerから既存の予算残高がすべてダウンロードされます。
予算ワークシートをディスクに保存する手順は、次のとおりです。
Excelメニューから「ファイル」>「名前を付けて保存」を選択します。
名前を入力し、予算ワークシート・ファイルのパスを指定します。
「OK」を選択してファイルを保存するか、「キャンセル」を選択して操作を中止します。
保存済予算ワークシートをオープンする手順は、次のとおりです。
Excelメニューから「ファイル」>「開く」を選択します。
予算ワークシートがあるパスを選択します。Excelによって別個のリスト内にファイルの名前が表示されます。
値リストから予算ワークシート名を選択します。
「OK」を選択してファイルをオープンするか、「キャンセル」を選択して中止します。
予算ワークシートの値を既存のGeneral Ledger予算残高でリフレッシュするには、予算ワークシートを表示して、Oracleメニューから「ダウンロード」を選択します。
予算ウィザードにより、現行の編集済ワークシート・パラメータに基づいて、ワークシート予算値がGeneral Ledgerからの既存の予算残高で置換されます。前回General Ledgerに金額をアップロードした後で変更したワークシート予算値を置換する前に、システムによって確認のメッセージが表示されます。
注意: 予算組織がパスワードで保護されている場合は、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。パスワードを入力し、「OK」を選択してください。
予算ワークシートでの作業中は、ワークシートに表示される情報を変更できます。たとえば、通常は予算ワークシートの最上部に表示されるコンテキスト情報を非表示または表示するように選択できます。これにより、予算番号を操作する際により多くのスペースを利用できます。
予算ワークシートのコンテキスト情報を非表示または表示する手順は、次のとおりです。
Oracleメニューから「フィルタを表示」オプションを選択します。各列摘要の横にポップリストが表示されます。
列のポップリスト・ボタンを選択すると、その列の値をすべて含むリストが表示されます。このリストには、「全て」、「ブランク」、「非ブランク」、「上位10」、「カスタム」、「昇順ソート」」および「降順ソート」オプションも表示されます。
選択した列に対してフィルタ値を選択します。たとえば、前述の例で会社01に対して勘定科目4110のみを表示する場合は、「会社」フィルタ値には「01」、「勘定科目」フィルタ値には「4110」を選択します。予算ワークシートの表示がすぐに変更され、一致するフィルタ値を持つ行のみが表示されるようになります。
作業内容を保存します。
予算ワークシート・フィルタをオフにするには、Oracleメニューから「フィルタ」>「フィルタを非表示」オプションを選択します。
予算ワークシート・フィルタをすべてデフォルト値にリセットするには、「フィルタをリセット」オプションを選択します。
Excel機能(値のコピーおよびペーストや算式など)を使用して、予算ワークシート内の値を更新できます。新規の予算勘定科目を予算ワークシートに簡単に挿入できます。
予算ワークシート内の既存の値を手動で置換した場合、システムによって「アップロード」列にフラグ文字が配置されることで、変更済の行にフラグが設定されます。予算ワークシートをGeneral Ledgerにアップロードする際には、ワークシート内のすべての行をアップロードするか、またはフラグ文字でマークされた行のみをアップロードするかを選択できます。
予算残高を手動で更新する手順は、次のとおりです。
予算ワークシートの表示中は、新しい値の入力、他のセルからの値のコピーおよびペースト、またはExcel算式の入力を行うことで、予算残高を編集します。
他のセルから値をコピーおよびペーストする場合は、「アップロード」列にフラグ文字を手動で入力してください。
予算ワークシート内で金額および勘定科目にノートまたは注釈を追加できます。予算全体に対してノートを追加することもできます。ノートおよび注釈を使用して、予算金額に注釈を付けたり、金額の計算方法を説明したり、勘定科目の摘要を示します。
予算ノートでは、Microsoft Excelのセルのコメント機能を使用します。セルのコメントの詳細は、Excelのユーザー・ガイドまたはオンライン・ヘルプを参照してください。
予算ワークシートに予算ノートを追加する手順は、次のとおりです。
予算ワークシート内で、次の場所のいずれかにカーソルを置きます。
予算金額セル上: 予算ワークシート内の特定の金額に予算ノートを追加する場合。
勘定科目行内の任意のセル上: 予算ワークシート内の特定の勘定科目に対して予算ノートを追加する場合。
任意の場所: 予算ワークシート全体に対して予算ノートを追加する場合。
Oracleメニューから「予算ノート」を選択します。
「予算ノートの追加」ウィンドウから「予算」、「勘定科目」または「金額」を選択し、「OK」を選択します。Excelの「セル・ノート」ウィンドウが表示されます。
「テキスト・ノート」リージョンに予算ノートのテキストを入力します。
「OK」を選択してノートを添付するか、「クローズ」を選択して取り消します。「OK」を選択すると、予算ノートが添付されたセルの右上隅に小さな赤い正方形が表示されます。
予算ワークシート内でノート・インディケータを表示するには、Excelで「ノート・インディケータの表示」オプションを使用可能にする必要があります(「ツール」>「オプション」>「表示」)。
予算ノートを編集または削除する手順は、次のとおりです。
ノートが添付されているワークシート・セルを選択します。
Excelメニューから「挿入」>「ノート」を選択します。
ノートを編集するには、「テキスト・ノート」リージョンで変更を行ってから、「OK」を選択して変更を保存します。
ノートを削除するには、「セル・ノート」ウィンドウから選択し、「OK」を選択します。「OK」または「クローズ」を選択して予算ワークシートに戻ります。
予算残高は、面グラフ、棒グラフ、柱状グラフ、折れ線グラフまたは円グラフとして表示できます。General Ledgerから予算残高と実績残高の両方をダウンロードする場合は、両方の値をグラフにプロットできます。
予算値のグラフを作成および表示する手順は、次のとおりです。
グラフとして表示する対象として隣接したセルの範囲を選択します。予算値を含んでいるか、予算値を含む可能性のあるワークシート・セルのみを選択します。範囲を指定する際に列見出しと行ラベルは選択しないでください。予算ウィザードにより、予算ワークシートの列見出しと行ラベルは、グラフ内でラベルとして自動的に使用されます。
Oracleメニューから「グラフを作成」を選択します。
システムにより、Excelワークブックの新規ワークシート内にグラフが作成されます。グラフの外観は、予算ワークシートのパラメータ、およびグラフに対して定義したデフォルト値によって異なります。
グラフには、予算ワークシートに相対的な名前が付けられます。たとえば、ワークシートの名前が「予算1」である場合、そのグラフの名前は「グラフ1A」になります。同じ予算ワークシートに対する2番目のグラフの名前は「グラフ1B」となり、以降も同様に名前が付けられます。1つの予算ワークシートに作成可能なグラフは26個までに制限されています。
注意: レイアウトを変更して「線グラフ・データのインクルード」オプションを使用可能にすることで、ワークシートの作成時にグラフが自動的に作成および表示されるようにできます。
グラフの外観を変更するには、グラフのデフォルト設定を変更してからグラフを再度作成します。または、Excelでのグラフの書式設定機能について、Excelのユーザー・ガイドおよびオンライン・ヘルプを参照してください。
グラフを削除する手順は、次のとおりです。
グラフが画面上に表示されている状態で、Excelメニューから「編集」>「シートの削除」を選択します。
「OK」を選択してグラフを削除するか、または「キャンセル」を選択してグラフを保持します。
ワークシート内で予算残高を入力または変更した後、転記のためにGeneral Ledgerに金額をアップロードする必要があります。General Ledgerの既存の予算残高を置換または増分するように選択できます。予算のアップロードは2段階のプロセスで行います。まず、ワークシート予算残高をインタフェース表にアップロードします。次に、インタフェース表からGeneral Ledgerに予算をインポートします。次に、このプロセスについて説明します。
注意: ユーザー定義情報(予算、予算組織など)の名前にアポストロフィが含まれている場合は、予算変更をGeneral Ledgerにアップロードできません。正常にアップロードするには、General Ledgerのユーザー定義情報の名前を、アポストロフィが含まれないように変更してください。
予算ワークシートからインタフェース表に予算残高をアップロードする手順は、次のとおりです。
変更済の予算ワークシートの表示中に、Oracleメニューから「アップロード」を選択します。
予算アップロード・オプションを入力します。予算のアップロードおよびインポートを管理するために、次の4つのオプションが選択可能です。
アップロードする行: 予算ワークシート内でどの行をアップロードするかを管理します。「フラグ付きの行」を選択すると、ワークシートの「アップロード」列がフラグ文字でマークされている行のみがアップロードされます。「すべての行」を選択すると、変更されているかどうかにかかわらず、ワークシート内の値がすべてアップロードされます。
アップロードする前の検証: General Ledgerへのアップロード前に、予算データを事前検証できます。事前検証を行うと、検証エラーが原因でGeneral Ledger予算インポート・プロセスが失敗する可能性を最小限にできます。予算インポート・プロセスにかなりの時間がかかると予想される場合や、ユーザーの介入なしで実行する予定の場合(夜間など)、事前検証が便利です。
予算データを事前検証するように選択するかどうかにかかわらず、General Ledger予算インポート・プロセスでは通常の検証アクティビティが実行されます。
General Ledgerの「GLDI: 全検証の強制」プロファイル・オプションが「Yes」に設定されている場合、予算ウィザードによって予算データの完全検証が実行されます。このオプションを「アップロード」ウィンドウから変更することはできません。
GL予算インタフェース表の行内に重複値が検出された場合のシステムによる処理を決定します。
「行をアップロードしない」を選択すると、重複行が検出された場合には、いずれの行もアップロードされません。
「インタフェース表内にある既存重複行を文書からの行と置換」を選択すると、文書内のすべての行がアップロードされ、既存の重複行は新規行で置換されます。
「重複行をアップロードしない」を選択すると、重複行を除くすべての行がアップロードされます。
インポートの自動発行: このチェックボックスを選択すると、予算金額のアップロード後、予算インポート・コンカレント要求が自動的に開始します。このチェックボックスを選択しない場合、または予算アップロードでエラーが発生した場合、予算インポート・プロセスは開始しません。
予算アップロードが完了すると、次の情報があるウィンドウが表示されます。
正常にアップロードされた行数。
GL予算インタフェース表へのアップロードにおけるエラー数。
予算インポート要求ID(アップロードにエラーがない場合)。
予算転記要求IDに対して監視要求が発行されていることを示すメッセージ(アップロードにエラーがない場合)。
予算アップロードにエラーがない場合は、システムによって次の処理が行われます。
予算インポート・コンカレント要求が発行されます。
コンカレント要求を監視するための監視要求が発行されます。
予算更新モード: General Ledgerの値を予算ワークシートの値で置換するか増加するかを決定します。General Ledgerの金額を置換するには「置換」を、増加するには「増分」を選択します。
注意: セグメント・セキュリティ・ルールを定義している場合のみ、セグメント・セキュリティ・チェックが実行されます。
「アップロード」を選択してアップロード・プロセスを開始するか、「クローズ」を選択して中断します。
プロセスが完了すると、システムによって完了ステータスが通知されます。正常にアップロードされない予算明細については、予算ワークシートの「メッセージ」セクションに説明が表示されます。「一般オプション」ウィンドウからアップロード成功インディケータの表示を選択した場合も、各予算明細の「メッセージ」セクションにステータス・インディケータが表示されます。
予算金額は、予算内の1つの勘定科目から別の勘定科目に振替できます。予算金額は同じまたは異なった予算組織に属することができます。固定金額または勘定科目の予算残高の一定の割合を振り替えできます。
未転記予算仕訳バッチを作成する「予算移動」フォームを閉じると、Oracle General Ledgerにより自動的に仕訳インポートが実行されます。予算仕訳バッチを転記して、予算残高を更新します。
定義アクセス・セット
定義アクセス・セットを使用して、予算組織を使用、表示および変更できるユーザーを保護するには、振替元と振替先の予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
データ・アクセス・セット
予算金額を正常に振り替えるには、振替元と振替先の勘定科目に指定されている元帳や貸借一致セグメント値、または管理セグメント値への読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。
前提条件
予算金額または予算仕訳を入力します。
「予算移動」ウィンドウにナビゲートします。
振り替える金額の「予算」を入力します。オープン予算または現行予算を選択する必要があります。
オプションの「バッチ名」を入力して、結果の予算移動仕訳を識別します。
振り替える金額の「通貨」を入力します。統計数値を振り替えるには、STATと入力します。
金額の振替元の「予算組織」を入力します。予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算金額を振り替える前に、パスワードを入力してください。
注意: 定義アクセス・セットを使用して予算組織を保護するには、振替元の予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
金額の振替元の「勘定科目」を入力します。この勘定科目は、この通貨の予算組織に割り当てる必要があります。このためには、データ・アクセス・セットで指定されている勘定科目への読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。
金額の振替先の「予算組織」を入力します。この組織は、振替元の予算組織と同じ組織または異なる組織でもかまいません。予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算金額を振り替える前に、パスワードを入力してください。
注意: 定義アクセス・セットを使用して予算組織を保護するには、振替先の予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
金額の振替先の「勘定科目」を入力します。選択できるのは、指定の通貨建で、指定の予算組織に割り当てられている勘定科目のみです。この選択には、データ・アクセス・セットで指定されている、勘定科目への読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。
「金額移動」を選択して、振り替える固定金額または勘定科目残高のパーセントを指定します。
作業内容を保存します。
このウィンドウを閉じます。仕訳インポートが自動的に実行され、未転記の予算仕訳バッチが作成されます。
予算移動バッチを転記します。
関連項目
「予算移動」ウィンドウにナビゲートします。
振り替える金額の「予算」を入力します。オープン予算または現行予算を選択する必要があります。
「バッチ名」を入力して、結果の予算移動仕訳を識別します。
振り替える金額の「通貨」を入力します。統計数値を振り替えるには、STATと入力します。
金額の振替元の「予算組織」を入力します。予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算金額を振り替える前に、パスワードを入力してください。
金額の振替元の勘定科目を入力します。選択できるのは、指定の通貨で表示され、指定の予算組織に割り当てられている勘定科目のみです。
金額の振替先の「予算組織」を入力します。この組織は、振替元の予算組織と同じ組織または異なる組織でもかまいません。予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算金額を振り替える前に、パスワードを入力してください。
金額の振替先の勘定科目を入力します。選択できるのは、指定の通貨で表示されている勘定科目のみです。
「金額移動」を選択して、振り替える固定金額または勘定科目残高のパーセントを指定します。
「残余予算のチェック」ボタンを選択して、予算仕訳バッチの残余予算を確認します。
「予算引当」ボタンを選択して、予算仕訳バッチに予算を引き当てます。
バッチの「残余予算ステータス」を検討します。
必須: 元帳に対して予算管理が有効です。バッチに予算を引き当てる必要があります。
処理中: 確認中か、バッチに予算を引き当てています。
通過: バッチが予算引当を正常に通過しました。バッチに予算が引き当てられました。このフォームで、予算引当を通過したバッチの変更はできません。
失敗: バッチへの予算引当に失敗しました。バッチに予算を引き当てることはできませんでした。
「結果の表示」を選択して、ユーザーの予算引当要求から発生した予算管理取引を検討します。
このウィンドウを閉じます。予算引当に成功すると、「仕訳の作成」プログラムが自動的に実行され、承認済予算仕訳が作成されます。
予算移動バッチを転記します。
関連項目
各会計期間に固定金額または勘定科目残高のパーセントを振替できます。
「予算移動」ウィンドウにナビゲートします。
予算移動に必要な「予算」、「通貨」、「バッチ名」、「予算組織」および「勘定科目」を入力します。
「金額移動」を選択します。
予算金額を振り替える「期間」を入力します。選択した期間はオープンな予算年度である必要があります。金額の振替元勘定科目および振替先勘定科目の「旧残高」が自動的に表示されます。この残高は、指定した予算、勘定科目および期間の年度累計予算残高です。
注意: 予算管理を使用している場合は、転記済残高と引当済予算の合計が表示されます。
年度累計残高のかわりに、期間累計予算残高を表示する場合は、「期間累計残高の表示」を選択します。各レコードの残高は、個別に計算されることに注意してください。
勘定科目間の振替では、「パーセント」または固定の「金額」を入力します。 振替元勘定科目と振替先勘定科目の「新残高」が自動的に計算され表示されます。
別の振替明細を入力して、金額またはパーセントを振り替えます。
作業内容を保存します。
「予算移動」ウィンドウにナビゲートします。
予算移動に必要な「予算」、「通貨」、「予算組織」および「勘定科目」を入力します。
「金額移動」を選択します。
「期間範囲による移動」を選択します。
予算金額を振り替える期間範囲を入力します。
期間範囲に「移動: 率」または固定の「金額移動」を入力します。
「適用」を選択して金額を振り替えます。他の期間範囲に金額を振り替える場合は、ウィンドウを開いたままにします。
「OK」を選択して金額を振り替え、「金額移動」ウィンドウに戻ります。
作業内容を保存します。
「予算のアップロード」により、パーソナル・コンピュータのスプレッドシートなど、Oracle General Ledger以外のものを使用して予算の準備および分析を行い、その後予算の情報をOracle General Ledgerに移動できます。これにより、選択した作業環境で予算処理を実行する一方で、データベースの整合性を保つことができます。
関連項目
予算データを外部の元システムからOracle General Ledgerアプリケーションに転送する最初のステップは、データをOracle General Ledgerアプリケーションの予算インタフェース表にロードすることです。予算情報を予算インタフェース表にロードし終わったら、予算アップロードを実行して、予算データをOracle General Ledgerアプリケーションに転記できます。
予算アップロードでは、予算インタフェース表GL_BUDGET_ INTERFACEを使用して、予算情報がアップロードされます。予算インタフェース表は列単位で編成されており、Oracle General Ledgerアプリケーションによって特定の予算情報が分類され、各列に格納されます。たとえば、予算名はBudget_Nameという列に格納されます。予算アップロードを正常に完了するには、この表内の各必須列で有効な値を指定する必要があります。この表内のオプション列の値も指定できます。これらの値は、Oracle General Ledgerアプリケーションで予算残高が更新される前に検証されます。予算インタフェース表には、次の表に示される列が含まれます。
列名 | NULL/NOT NULL | タイプ |
---|---|---|
BUDGET_NAME | NOT NULL | VARCHAR2 (15) |
BUDGET_ENTITY_NAME | NOT NULL | VARCHAR2 (25) |
CURRENCY_CODE | NOT NULL | VARCHAR2 (15) |
FISCAL_YEAR | NOT NULL | NUMBER (15) |
UPDATE_LOGIC_TYPE | NOT NULL | VARCHAR2 (1) |
BUDGET_ENTITY_ID | NUMBER (15) | |
CODE_COMBINATION_ID | NUMBER (15) | |
BUDGET_VERSION_ID | NUMBER (15) | |
PERIOD_TYPE | VARCHAR2 (15) | |
DR_FLAG | VARCHAR2 (1) | |
STATUS | VARCHAR2 (1) | |
ACCOUNT_TYPE | VARCHAR2 (1) | |
LAST_UPDATE_DATE | DATE | |
LAST_UPDATED_BY | NUMBER (15) | |
REQUEST_ID | NUMBER (15) | |
PERIOD1_AMOUNTからPERIOD60_AMOUNT | NUMBER | |
SEGMENT1からSEGMENT30 | VARCHAR2 (25) | |
LEDGER_ID | NUMBER (15) |
関連項目
スプレッドシートからの予算情報のインポートを予定している場合は、予算組織ごとに別々のスプレッドシートを使用する必要があります。予算スプレッドシートには、会社や機関に必要なすべての予算情報を含める必要があります。ただし、スプレッドシートから予算をアップロードする前に、予算インタフェース表の構造に従って予算情報を編成しなければなりません。したがって、スプレッドシートの各列は、予算インタフェース表の各列と1対1で対応させる必要があります。
たとえば、次の図のように、スプレッドシートには、同じ名称の予算インタフェース表の列に対応したBudget_Nameという列が必要です。
また、作業中の項内で予算情報を思い通りに編成し、その情報を予算インタフェース表に対応するインタフェース項に自動的にコピーすることもできます。
ヒント: 組織で最も柔軟に管理が行え、データをASCIIフォーマットで保存できるスプレッドシートを選択してください。
予算インタフェース表で必要な列に対応する列を定義します。次のリストは、必須列と入力すべき値を示しています。
Currency_Code: 勘定科目の通貨を入力します。
Budget_Name: 金額の繰越先となる予算の名称を入力します。現行またはオープンな予算のみがアップロードできます。
Budget_Entity_ Name: 金額の繰越先となる予算組織の名称を入力します。
Fiscal_Year: 金額の繰越先となる会計年度を入力します。予算内のオープン予算会計年度の金額のみがアップロードできます。新しい予算会計年度は「予算の定義」ウィンドウでオープンできます。
Update_Logic_ Type: 値AまたはRを入力します。既存の金額を入力した金額で代替する場合には、値Rを入力します。値Aを入力すると、入力した金額が既存の金額に加算されます。
Period1_AmountからPeriod60_ Amount: オープン会計年度の各期間に金額を入力します。オープン会計年度ごとに最高60の期間の金額を入力できます。
Segment1からSegment30: Oracle General Ledgerアプリケーションで有効化した各勘定科目セグメント用のスプレッドシートに、既存または新規の有効な勘定科目セグメント値を入力します。
スプレッドシートの列を、Oracle General Ledgerアプリケーションの予算期間ごとに割り当てます。各会計年度ごとに最高60の期間の金額を入力できます。予算のアップロード処理では、各勘定科目の期間金額は、その会計年度の期間の順に入力されると見なされます。たとえば、会計年度が1月から12月までで、4月、5月、6月の予算金額をアップ ロードする場合は、Period4_AmountからPeriod6_Amountまでの各列に金額を入力する必要があります。
ある勘定科目の期間金額を入力すると、「予算のアップロード」により指定した更新ロジックに従って勘定残高が更新されます。R(置換)を入力すると、既存の勘定残高が指定した期間金額で置換されます。A(追加)を入力すると、期間金額が既存の勘定残高に加算されます。Oracle General Ledgerでは、勘定科目の期間金額を入力しないと、どちらの更新ロジックを指定した場合も勘定残高は更新されません。
勘定科目セグメント値をスプレッドシートと予算インタフェース表のセグメント列に入力するには、その前に、「キー・フレックスフィールド・セグメント」ウィンドウを使用して、各勘定科目を割り当てた列を確認します。
「予算のアップロード」では、Oracle General Ledgerでの格納と同じ順序で、科目セグメントの値がスプレッドシートに入力されると見なされます。Oracle General Ledgerアプリケーションで科目セグメントが格納される順序を判別するには、GL_CODE_COMBINATIONS表を参照する必要があります。
セグメント値を正確に指定していることを確認してください。たとえば、値「01」は値「1」とは異なります。表示サイズは予算アップロードで予測される各セグメント値の幅を示しています。たとえば、表示サイズが3の場合、セグメント値は「100」となりますが、表示サイズが4の場合、セグメント値は「0100」となります。「値セット」ウィンドウを使用すると、勘定科目の各セグメントに対して、正確な表示サイズと属性(アルファベット、数字、右づめ0うめなど)を定義できます。
予算情報をスプレッドシートからアップロードする先の勘定科目を入力します。予算金額をアップロードできる先は、予算組織に割り当てられている勘定科目範囲内にある既存の勘定科目の予算組織です。予算組織に割り当てられている勘定科目範囲にある新しい勘定科目にアップロードすることもできます。
複数の元帳に対する予算は、各元帳の勘定体系構造が異なる場合でも同時にアップロードできます。予算金額に関連付けられている元帳は、予算インタフェース表のLEDGER_ID列にその元帳の識別番号を入力して示します。元帳の識別番号を判断するには、GL_LEDGERS表を参照する必要があります。
コード組合せ表には、各元帳とそれに関係した勘定科目体系ごとに、使用するすべての勘定科目が格納されています。コード組合せ表では、表内のSegment1からSegment30までの各列にセグメント値情報を格納することで、これらの勘定科目を保持しています。たとえば、2組の元帳があり、一方では6セグメントの勘定科目体系が使用され、他方では5セグメントの勘定科目体系が使用されている場合、最初の構造の勘定科目情報はコード組合せ表の6つのセグメント列を使用して保持され、第2の構造の勘定科目情報は5つのセグメント列を使用して保持されます。
関連項目
キー・フレックスフィールドの定義(『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』)
値セットの定義(『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』)
勘定科目の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
予算アップロードを実行する前に、まずスプレッドシートをサーバーに転送する必要があります。その場合の手順は、使用しているソフトウェアに応じて異なります。
オプションとして、スプレッドシート・アプリケーションを使用して予算を作成できます。その際にはOracle GlueまたはDynamic Data Exchange(DDE)を使用してGL_BUDGET_INTERFACEに移入します。
予算スプレッドシートをASCII形式で保存します。
たとえばMicrosoft Excel(バージョン5.0)を使用している場合、スプレッドシートを基にしてASCIIファイル(フォーマット済テキスト、スペース区切り)を作成するには、メイン・メニューから「ファイル」>「名前を付けて保存」を選択します。作成されたファイルには、.PRNの拡張子が付きます。
ファイル転送プログラムを使用して、ファイルをPCからサーバー(Oracleはインストール済)に移動します。
SQL*Loaderを使用して情報をファイルから予算インタフェース表(GL_BUDGET_INTERFACE)に移動します。SQL*Loaderは、Oracle RDBMSの一部として提供されます。管理ファイル(budget.ctlなど)を作成し、SQL*Loaderとともに使用して、データを.PRNファイルから予算インタフェース表にロードする必要があります。SQL*Loaderを実行するには、次のコマンドを使用します。
sqlload <username/password> <control_file>.ctl <log_file>.log
<username/password>はデータをロードするデータベースのユーザー名およびパスワードで、<control_file>.ctlはユーザーが作成した管理ファイル(つまりbudget.ctl)です。<log_file>.ctlはログ・ファイルで、SQL*Loader処理のメッセージがすべて含まれています。
予算インタフェース表のロードが正常に終了した後は、予算アップロードを使用して予算残高を更新します。
関連項目
予算アップロード処理では、すべての予算情報にOracle General Ledgerとの互換性があるかどうかが検証されます。データは、予算インタフェース表の列がスプレッドシート内の適切な値と列を参照するかどうかを確認することによって検証されます。また、次の条件を満たしているかどうかもチェックされます。
勘定科目が予算組織に割り当てられていること。
勘定科目の予算入力タイプが「入力済」であること。
予算が「確定」でないこと。
予算組織が「確定」でないこと。
予算会計年度がオープンされていること。
データ・アクセス・セットによって、元帳の貸借一致セグメント値および管理セグメント値への読取りアクセス権および書込みアクセス権が提供されていること。
貸借一致セグメント値が元帳に対して有効であること。貸借一致セグメント値が、会計設定マネージャの法的エンティティまたは元帳(あるいはその両方)に割り当てられていること。
関連項目 会計設定マネージャを使用したOracle Financialsの実装
Oracle General Ledgerでは、正常に更新できたすべての勘定科目の予算レコードが、予算インタフェース表から自動的に削除されます。エラーを含む勘定科目の場合、その予算レコードは予算インタフェース表から削除されず、予算残高は更新されません。アップロード処理中に無効なデータなどの問題が検出されると、関係した予算と予算組織、およびエラーを含む勘定科目が、「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」にリストされます。
関連項目
「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」にリストされたエラー・コードに基づいて、エラーを訂正します。Oracle General Ledgerまたはスプレッドシートで変更する必要がある場合があります。たとえば、この勘定科目の予算が「確定」ステータスになっているために、勘定科目が未転記になっていることを示すエラー・コードを受け取った場合は、その予算のステータスをOracle General Ledgerアプリケーション内で変更できます。不正な更新ロジック・タイプを指定したために勘定科目が未転記になっていることを示すエラー・コードを受け取った場合は、スプレッドシートのUpdate_Logic_Type列に正しい更新ロジック・タイプを入力できます。
予算アップロード検証ルールに違反すると、次のエラーが発生することがあります。
この勘定科目はどの予算組織にも割り当てられていません。
当予算は確定されています。
この予算についての予算組織は確定済みです。
予算組織の有効日は無効です。
勘定科目は所定の予算組織に割り当てられていません。
勘定科目は所定の予算組織に「入力済」として割り当てられていません。
勘定科目の通貨コードが無効です。
勘定科目の更新ロジックが加算('A')または置換('R')で指定されていません。
勘定科目が指定した予算と組織で2度以上使用されています。
指定した組織は存在しません。
予算で指定した会計年度はオープンされていないか存在しません。
元帳と貸借一致セグメント値の組合せが無効です。
関連項目
外部ソースで開発した予算の金額をアップロードして、GL_BUDGET_INTERFACE表に転送できます。
予算金額は、予算組織に割り当てられている勘定科目範囲内にある既存の勘定科目の予算組織にアップロードできます。動的挿入を許可している場合は、以前は未定義であった勘定科目の予算組織にも予算金額をアップロードできます。
Oracle General Ledgerでは、ユーザーの要求に応じて予算インタフェース・データがアップロードされ、この予算情報を取り入れるために財務レコードが自動的に更新されます。予算データを一度アップロードすると、アップロードした予算情報のステータスの「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」を検討できるようになります。
定義アクセス・セット
定義アクセス・セットを使用して、予算組織を使用、表示および変更できるユーザーを保護する場合、予算金額のアップロードには、その予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
データ・アクセス・セット
予算金額をアップロードするには、予算に割り当てられている元帳の少なくとも1つの貸借一致セグメント値または管理セグメント値への読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。
予算インタフェースに存在する勘定科目の場合、アップロードできるのは、読取りアクセス権および書込みアクセス権がある勘定科目の予算金額のみです。たとえば、予算インタフェース表には貸借一致セグメント値01、02および03の予算データが含まれているが、データ・アクセス・セットでは、貸借一致セグメント値01に対する読取りアクセス権および書込みアクセス権のみが許可されている場合、予算アップロードでアップロードされるのは、貸借一致セグメント値01の予算金額のみです。貸借一致セグメント値02および03に関連付けられている予算データは、アップロードされずGL_BUDGET_INTERFACE表に残ります。
前提条件
予算を定義します。
予算年度を1つ以上オープンします。
予算組織を定義します。
スプレッドシート・ソフトウェアを使用して予算情報を作成します。
予算情報をGeneral LedgerのGL_BUDGET_INTERFACE表へ転送します。
「予算のアップロード」ウィンドウにナビゲートします。
予算を入力します。
注意: データ・アクセス・セットによって、この予算に割り当てられている元帳の一部への読取りアクセス権および書込みアクセス権が提供されている必要があります。たとえば、貸借一致セグメント値または管理セグメント値の少なくとも1つへの読取りアクセス権および書込みアクセス権が必要です。
アップロードした予算金額を受け取る「予算組織」を入力します。全般的、かつ包括的な予算組織の名称の「全て」を入力することで、すべての予算組織に対する予算をアップロードできます。
注意: 定義アクセス・セットを使用して、予算組織への使用、表示および変更アクセスを保護する場合は、予算金額のアップロードで予算組織を使用するために、その予算組織に対する使用アクセス権が必要です。
指定の予算組織がパスワードで保護されている場合は、予算金額をアップロードする前に、パスワードを入力してください。
「アップロード」を選択します。コンカレント処理が発行され、GL_BUDGET_INTERFACE表から予算情報がアップロードされます。
アップロードした予算情報のステータスについて、「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」を検討します。
注意: 「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」では、データ・アクセス・セットのセキュリティ問題が原因でアップロードされなかった勘定科目はレポートされません。たとえば、インタフェース表内のすべてのデータへの読取りアクセス権および書込みアクセス権がなかった場合、データはインタフェース表に残り、「予算スプレッドシート・アップロード実行レポート」にレポートされません。残りのデータは、適切なアクセス権のある別のユーザーがアップロードする必要があります。
関連項目
予算アップロードを使用したOracle General Ledgerの統合
元帳に割り当てられた勘定体系に対して動的挿入が有効な場合は、以前は未定義であった勘定科目に予算金額をアップロードできます。
予算組織に割り当てられている範囲内の新規勘定科目に金額をアップロードすると、新規勘定科目が動的に作成されます。ただし、予算作成が各セグメント値に許可されており、予算組織に勘定科目が割り当てられている必要があります。これによって、予算データがアップロードされ予算勘定科目残高が更新されます。
予算組織に割り当てられている範囲に新規勘定科目がない場合は、予算作成が各セグメント値に許可されていれば、新規勘定科目が動的に作成されます。ただし、予算組織への勘定科目の割当ては行われません。
偶発的または許可のない変更を防ぐために、予算、予算組織、予算算式バッチ、予算勘定範囲を確定します。現在確定されている予算、予算組織、予算算式バッチ、予算勘定範囲の確定を解除することもできます。
予算全体を確定または確定解除するには、「予算の定義」ウィンドウで予算ステータスを変更します。
前提条件
予算を定義します。
予算算式を定義します。
予算組織を定義します。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定する「元帳」と「予算」を問い合せます。
予算の「ステータス」を「確定」に変更します。
作業内容を保存します。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定済の「予算」を問い合せます。
予算の「ステータス」を「オープン」または「現行」に変更します。予算のステータスを「現行」に変更できるのは、元帳内に、ステータスが「現行」の予算が他にない場合のみです。
作業内容を保存します。
関連項目
予算算式バッチを確定または確定解除できます。確定した算式は、指定の予算の予算金額を計算する際に使用できなくなります。ただし、算式バッチ確定の対象でない予算に対しては、その算式を使用できます。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定する予算算式の元帳と予算を問い合せます。算式バッチを確定する場合は、ここで指定した予算に対してのみ算式バッチを確定します。
「バッチ」タブを選択します。
確定する各算式バッチの横にある「確定」チェックボックスを選択します。
作業内容を保存します。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定解除する予算算式の「元帳」および「予算」を問合せます。
「バッチ」タブを選択します。
確定解除する各算式バッチの横にある「確定」チェックボックスを選択し、マークを外します。
作業内容を保存します。
関連項目
予算組織を確定または確定解除できます。予算組織を確定すると、指定した予算の予算組織に属する勘定科目では、予算を編成できなくなります。ただし、確定されていない予算組織の予算に対しては、予算金額を入力できます。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定する予算組織の「元帳」と「予算」を問い合せます。
「組織」タブを選択します。
確定する各予算組織の横にある「確定」チェックボックスを選択します。
選択した予算組織内で特定の勘定科目範囲のみを確定するには、「勘定科目範囲」を選択します。
作業内容を保存します。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定解除する予算組織の「元帳」と「予算」を問い合せます。
「組織」タブを選択します。
確定解除する各予算組織の横にある「確定」チェックボックスを選択し、マークを外します。
作業内容を保存します。
関連項目
予算勘定科目範囲を確定または確定解除できます。予算勘定科目範囲を確定すると、指定した予算の勘定科目では、予算を編成できなくなります。ただし、確定されていない勘定科目範囲の予算に対しては、予算金額を入力できます。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定する勘定科目の「元帳」と「予算」を問い合せます。
「組織」を選択します。
確定する勘定科目範囲の「予算組織」を選択します。
「勘定科目範囲」を選択します。
範囲の「下位」および「上位」勘定科目を入力します。指定の予算組織内の範囲であれば、重複しない限り、必要な数の範囲を入力できます。
作業内容を保存します。
「予算確定」ウィンドウにナビゲートします。
確定解除する勘定科目の「元帳」と「予算」を問い合せます。
「組織」を選択します。
確定解除する勘定科目範囲の「予算組織」を選択します。
「勘定科目範囲」を選択します。
確定解除する勘定科目範囲を選択します。
レコードを削除します。
作業内容を保存します。
関連項目
予算管理とは、予算データの記録する処理、および予算引当額と実績データとの両者を予算額に照らして追跡する処理を指します。予算や予算引当のデータを追跡するのに、予算引当経理または予算勘定科目方式のうちどれかを適用できます。
残余予算チェックとは、取引を処理する前に、あらかじめオンラインで残余予算を検証することで、予算を超過した出費を阻止しようとする予算管理関数です。残余予算チェックでは、取引を引当可能残高に照らして検証ができ、引当可能残高をただちに承認済の取引で更新し、さらに出費を、詳細または要約レベルで管理できます。
残余予算チェックを使用する場合は、予算引当会計処理または予算勘定科目方式のどれかを使用して、予算データを追跡する必要があります。
前提条件
予算管理、予算引当会計、予算勘定科目および残余予算チェックを使用するには、Oracle General Ledgerをインストールする必要があります。これらの機能を最大限に利用するには、Oracle PurchasingおよびOracle Payablesもインストールする必要があります。また、Oracle PurchasingおよびOracle Inventoryの社内購買依頼機能を使用する場合も、Oracle General Ledgerをインストールする必要があります。
予算引当会計で残余予算チェックを実行するように選択できます。個々の明細品目勘定および要約勘定に予算引当を転記できます。ただし、予算引当会計を単独で使用する場合、該当する勘定科目に十分な資金があることの検証は自動的には行われません。
予算引当会計で残余予算チェックを使用すると、勘定科目が即座に更新され、資金が使用可能であることが検証されます。
ヒント: 残余予算チェックを使用するには、元帳の作成時に予算管理を使用可能にします。予算管理を後で使用可能にすると、予算管理フラグを使用可能にする前に承認された取引については予算引当が遡及的に作成されないため、予算を使用しすぎる可能性があります。
残余予算チェックを使用する必要がある公共部門のエンティティは、予算を「資金」として指定し、予算仕訳を使用して予算データを入力する必要があります。システムによって予算金額から予算引当が減算されて、使用可能な資金が決定されます。購買依頼および発注に対して様々な予算引当タイプを定義して、調達プロセスの様々なフェーズを表せます。ほとんどの組織では対象予算、予算引当会計および残余予算チェックの組合せを使用して、日常処理を管理します。
公共部門のエンティティは、予算引当会計ではなく予算勘定科目で残余予算チェックを使用するように選択できます。予算会計を使用する機関では、充当および予算引当を、予算入力ではなく実績入力として記録します。予算勘定科目で残余予算チェックを実行すると、システムによって次の2つの方法のいずれかで使用可能な資金が計算されます。
予算借方勘定科目のDR-CR。予算借方勘定科目では、通常の残高は借方です。
予算貸方勘定科目のCR-DR。予算貸方勘定科目では、通常の残高は貸方です。
予算勘定科目を使用する場合、ほとんどのユーザーは予算引当を作成しません。これは、予算勘定科目自体によって、支出可能な予算勘定科目から、予定支出勘定、清算済予算勘定への資金の移動が記録されるためです。「OGF予算勘定科目用予算引当入力の作成」プロファイル・オプションを「No」に設定することで、予算引当をオフにすることをお薦めします。
勘定科目を定義するときに、セグメントの1つを貸借一致セグメントにする必要があります。貸借一致セグメントの値ごとに、仕訳の貸借、つまり借方と貸方が保証されます。仕訳の貸借が常に会社別に一致するように、会社セグメントを貸借一致セグメントにする必要があります。
勘定科目を定義するときにセグメントの有効な組合せを個々に列挙するか、ユーザーが取引を入力するときに有効な勘定科目を作成することができます。
勘定科目に詳細予算管理を使用する場合は、詳細レベルで費用の管理をすると考えられるので、予算管理を実行するすべての詳細勘定科目までも予算が組まれるでしょう。予算のない新しい勘定科目を作成すると、その勘定科目の予算は残余予算のチェック時に0(ゼロ)として処理されます。「勧告」予算管理を使用しているか、許容限度に余裕があれば、取引は残余予算チェックを通過します。
要約予算管理を使用して、動的に新規勘定科目を作成する場合は、システムで新規勘定科目が自動的に要約勘定に含まれます。通常、要約済の予算が使用可能であれば、新しい勘定科目に予算を入力する必要はありません。
ヒント: 取引を入力する際に勘定科目を作成するには動的挿入を使用可能にします。動的挿入を使用すると、予算管理の関連が自動的に保守されます。
重要: 動的挿入を使用して、新規勘定科目を作成する際には要約関連を含む予算管理関連がシステムによって保守されます。したがって、動的挿入をオンにすると、新しい勘定科目の組合せを作成する取引の処理時間が長くなることがあります。
関連項目
会計フレックスフィールドの設計(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
動的挿入(『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』)
勘定科目別に、または予算組織の勘定科目範囲に対して、「残余予算チェック・レベル」オプションなどの予算管理オプションを定義できます。仕訳ソースおよびカテゴリの「残余予算チェック・レベル」、「許容範囲額」および「上書金額」のような予算管理オプションも定義できます。要約予算管理を使用する場合は、要約テンプレートに対する予算管理オプションを定義します。
関連項目
要約勘定予算管理オプションの設定(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
予算管理のチェック・レベルを制御する残余予算チェック・レベルを入力します。残余予算チェック・レベルは、予算管理グループ内のソースとカテゴリの組合せ、および予算組織の要約勘定テンプレートについて、勘定科目範囲の予算管理オプションを設定するときに使用します。
次を選択します。
なし: 残余予算チェックまたは予算引当なしの場合。
勧告: 取引が残余予算チェックに失敗の場合はオンライン通知。引当可能な残余予算がなくても、取引には予算が引き当てられます。
絶対: 残余予算が使用可能でない場合に取引に残余予算を引当てることを防止するために使用します。
重要: 勧告予算管理によって、金額に制限なく予算を過剰支出することが容易になります。選択した残余予算のない取引を承認するために、許容範囲または上書きがある絶対予算管理を使用することもできます。
特定の許容範囲内で予算超過する取引を許可するために、「許容範囲%」と「許容範囲額」を入力できます。取引の配分ごとに、許容範囲額と許容範囲率のうち、どちらか小さい方の値だけ予算を超過できます。
「許容範囲%」と「許容範囲額」の両方に0(ゼロ)を入力すると、予算を超過する取引は行えません。
許容限度は、個々の配賦額に取引別に適用されます。許容限度の設定は慎重に行います。許容限度の関係で残余予算額がマイナスになると、その計算には許容範囲額のみが使用されます。
注意: 公共部門サイトの場合、許容限度は、予算引当会計環境でのみ機能するように設計されており、予算会計環境では機能しません。したがって、予算勘定科目に許容限度を適用することはできません。
ヒント: 許容範囲は、残余予算チェックではなく、予算引当の各取引についての配分ごとに基づいて適用されます。したがって、低めの許容限度を入力し、実際に予算を超過したときにOracle Alertを使用して警告させることができます。これにより、許容限度を変更するか予算移動を実行して、不足額を埋めることができます。
絶対予算管理を通過しない予算管理取引は、上書きすることができます。残余予算を上書きできる各勘定科目ごとに、上書き金額を入力します。この金額は取引ごとの最高金額です。上書きできるのは予算引当のみで、残余予算チェックは上書きできません。
予算管理を通過しない個々の配賦を上書きできなければ、絶対予算管理を通過しない取引は上書きできません。
例
発注を入力し、それを3つのプログラムに割り当てます。そのうち、2つのプログラムでは決済資金不足です。プログラムを1つしか上書きできないように予算管理オプションを設定しました。したがって、この発注書は承認できません。
ヒント: 自由に上書きを許可する予算管理オプションを1組および制限付上書きまたは上書きなしを許可するもう1組のオプションを設定します。1組目の予算管理オプションは、上書きを決定する最上位の権限を持ったユーザーまたは職責に割り当てます。2組目は他のすべての職責やユーザーに割り当てます。
残余予算をチェックするには、チェック間隔を定義する必要があります。残余予算チェック間隔に使用する累積残高を決定する「金額タイプ」を入力します。間隔の終了ポイントを定義する「期間指定」を入力します。
次の表に、金額タイプに使用できる値を示します。
金額タイプ | 残余予算チェックのタイプ |
---|---|
PTD | 期間累計 |
QTD | 四半期累計 |
YTD | 年度累計 |
PJTD | プロジェクト累計 |
下の図はシステムによってサポートされる「金額タイプ」と「期間指定」の組合せを示しています。
この図のテキスト版は、『Oracle General Ledger Reference Guide』の期間指定および金額タイプに関する項を参照してください。
次の例は、「金額タイプ」と「期間指定」の関連を示しています。
例1
月次期間を使用して年次カレンダ(1-12月)で営業します。四半期の予算合計は超過しないようにしますが、四半期中の各月の予算は超過してもかまいません。予算管理オプションの「QTD」(金額タイプ)と「四半期」(期間指定)を選択します。1993年5月の第2四半期取引を入力します。この取引は、1993年6月現在、つまり第2四半期終了時の引当後残余予算額と照合してチェックされます。
注意: この例では、この年の第1四半期で使用できる残余予算は、第2四半期では使用できません(1993年4月-1993年5月-1993年6月)。予算金額を第2四半期に移動する予算仕訳を作成して、引当可能な予算を移動できます。
例2
月次期間を使用して年次カレンダ(1-12月)で営業します。予算管理オプションの「YTD」(金額タイプ)と「期間」(期間指定)を選択します。1993年5月の取引を入力します。この取引は、1993年5月現在の引当後残余予算額と照合してチェックされます。この例では、1993年1月から1993年4月までの期間が予算以下、つまり、1993年4月末に引当後残余予算額がある場合のみ、1993年5月の予算を超過できます。年度累計金額タイプを選択したため、前期間からの引当後残余予算額にアクセスできます。ただし、期間指定があるため、1993年5月以後の期間、つまり1993年6月、7月、8月およびその後の残高にはアクセスできません。
Oracle General Ledgerでは、オープン期間、先日付入力期間、または未オープン期間中に予算引当を入力して転記できます。したがって、元帳に「直近の予算引当年度」を入力して、予算管理用にどのくらい先まで予算引当を入力できるかを指定します。
プロジェクトの期間指定を使用すると、システムでは直近の予算引当年度が使用されます。プロジェクトの期間指定を使用して引当可能な予算を選択すると、システムでは現在のプロジェクト終了時の残高金額が選択されます。予算の場合、これは直近のオープン予算年度の最終期間末日の予算です。実績の場合、システムでは最終オープン期間末日の残高金額が使用されます。予算引当の場合、直近の予算引当年度の末日は製品期間の末日と見なされるため、直近の予算引当年度末日現在の予算引当が使用されます。
重要: 予算引当会計を使用してOracle General Ledgerに取引を入力する場合、GL記帳日を直近予算引当年度の末日に先立つ期間に入力する必要があります。直近のオープン予算引当年度より後の期間中のGL記帳日は入力できません。
例
次の図では、予算がオープン状態で、1993年6月から1994年5月にわたっていると仮定しています。会計年度は1993年1月から1993年12月までです。「直近の予算引当年度」として1994年を指定します。この年度には1994年1月から1994年12月までが含まれます。残余予算をプロジェクト予算と照合してプロジェクト累計ベースでチェックするときは、予算年度末(1994年5月31日)現在の予算金額、会計年度末(1993年12月31日)現在の実績残高、および直近の予算引当年度末(1994年12月31日)現在の予算引当が使用されます。
Oracle General Ledgerで予算処理を行う前に、勘定科目を予算組織に割り当てる必要があります。予算管理を使用している場合、「予算組織の定義」ウィンドウを使用して、予算管理オプションも勘定科目範囲に割り当てることができます。「残余予算チェック・レベル」、「金額タイプ」、「期間指定」、「対象予算」および「自動予算引当」フラグも設定する必要があります。
勘定科目の予算管理オプションによって、残余予算チェックの詳細レベルが決まります。たとえば、見越勘定、留保利益や残余予算の残高、買掛/未払金、売掛/未収金などに関係した取引については、残余予算をチェックせず、予算引当を作成する必要がない場合があります。また、長期債務グループに転記する取引は、残余予算がチェックされないように選択できます。どちらの場合も、これらの制限の実現形態として特定のセグメント値または科目範囲を指定できます。
仕訳をインポートすると、各勘定科目が含まれる科目範囲に予算管理オプションが自動的に割り当てられます。勘定科目が予算組織内にない場合、Oracle General Ledgerでは、勘定科目で予算管理オプションは「なし」と仮定されます。
「勧告」または「絶対」の残余予算チェック・レベルを持つ勘定科目範囲割当にある新規勘定科目を作成すると、Oracle General Ledgerにより自動的に予算組織が保守されます。したがって、予算管理が使用不可になっているときのように「予算組織の保守」プログラムを実行することなく、新規勘定科目を予算組織に追加できます。
ヒント: 予算管理を使用可能にして勘定科目範囲を「勧告」または「絶対」の残余予算チェック・レベルに指定する場合でも、予算組織範囲に勘定科目を追加および削除するために、「予算組織の保守」プログラムを定期的に実行してください。「なし」の残余予算チェック・レベルで、勘定科目を勘定科目範囲に追加するときは、このプログラムも実行する必要があります。
予算管理オプションは、勘定科目別に設定する以外に、取引タイプ別にも設定できます。仕訳ソースとカテゴリに関する予算管理オプションは、予算引当結果を編成する方法として設定できます。たとえば、仕訳インポートを介して給与計算取引をインポートし、これらの取引に対して、常に勧告予算管理を実行できます。また、「月末調整」という仕訳バッチに対する残余予算チェックも避けることができます。
予算管理オプションを取引タイプ別に設定するには、予算管理グループを定義して、ソースとカテゴリの組合せにオプションを割り当てる必要があります。関連項目: 予算管理グループの作成
予算管理オプションの定義方法によっては矛盾が生じ、残余予算チェックの担当者が解決しなければならないことがあります。たとえば、会社01に影響するすべての取引に絶対予算管理を入力し、「製品管理」の仕訳ソースと「業務発注」のカテゴリを持つ仕訳には勧告予算管理を入力します。仕訳インポートを使用して、会社01に配賦された「製品管理業務発注」をインポートすると、残余予算チェック担当者は予算管理オプション相互の矛盾を解決する必要があります。
次の表は、仕訳ソース、カテゴリおよびユーザーを使用して定義した、予算管理オプションが特定の勘定科目の予算管理オプションと矛盾する場合に、システムによって実行される残余予算チェックのタイプを示しています。
「JEソース」、「カテゴリ」または「ユーザー」残余予算チェック・オプション | 「なし」に設定された「要約」または「詳細勘定」残余予算チェック・オプション | 「勧告」に設定された「要約」または「詳細勘定」残余予算チェック・オプション | 「絶対」に設定された「要約」または「詳細勘定」残余予算チェック・オプション |
---|---|---|---|
なし | なし | なし | 絶対 |
勧告 | なし | 勧告 | 絶対 |
絶対 | なし | 絶対 | 絶対 |
たとえば、会社01に影響するすべての取引に絶対予算管理を使用し、「製品管理」」の仕訳ソースと「業務発注」のカテゴリを持つ仕訳に勧告予算管理を使用すると、会社01の取引の残余予算は絶対予算管理を使用してチェックされます。
ヒント: 個別の勘定科目または勘定科目範囲に対する勧告予算管理、仕訳ソースおよびカテゴリ・レベルでの勧告予算管理、また最上位レベルの要約を作成する要約テンプレート以外のすべての要約テンプレートによる勧告予算管理の実行も考慮してください。絶対予算管理は、上位レベルの要約を作成する要約方式にのみ使用します。
関連項目
特定勘定科目の予算金額と照合して支出を管理するには、詳細予算管理を使用します。個別予算管理を使用する際は、予算管理を有効にしている勘定科目ごとに予算を入力する必要があります。勘定科目を動的に作成する場合は(動的挿入)、勘定科目を使用して取引の残余予算をチェックしたり引き当てたりする前に、新しい勘定科目に予算を設定することをお薦めします。設定しない場合、残余予算チェックの担当者は予算がない場合に金額0(または、元帳通貨金額0)とみなします。勘定科目に絶対予算管理を使用すると、取引には予算を引当てできません。
例
新規製品、「X製品」の資金を受け取ります。そして「会社1-費用-X製品」に配賦する発注を入力します。勘定科目「会社1-費用-X製品」は、この勘定科目が属する予算組織の予算管理を受け継ぎます。「会社1-費用-X製品」を含む勘定科目範囲の詳細予算管理を使用可能にする場合は、「会社1-費用-X製品」の予算を作成する必要があります。そうしないと、残余予算チェッカで予算がゼロと仮定されます。
絶対予算管理または勧告予算管理は、個々の勘定科目レベルで定義できます。ただし、予算管理オプションが入力タイプ別やカテゴリ別のような別のレベルで定義されている場合や、詳細勘定を含む要約勘定方式に対して定義されている場合は、勘定科目の予算管理オプションによって他のオプションが上書きされます。
ヒント: 特定の勘定科目に対して支出管理するのでない場合は、個々の勘定科目または勘定科目範囲の勧告予算管理を使用します。
支出管理を詳細まで行わない場合には要約予算管理を使用します。たとえば、部門レベルまたはコスト・センター・レベルで管理したり、個々の経費項目ごとにではなく経費カテゴリ別に経費支出を管理したりできます。また、コスト・センター内の様々なレベルで残余予算をチェックし、コスト・センターの予算に引当可能残高が残っていない場合にのみ、取引を禁止することもできます。
要約予算管理の主な利点は、予算管理に使用する詳細勘定ごとに予算を入力する必要がないことです。たとえば、部門内のすべてのタイプの経費支出の残余予算をチェックして経費支出を管理できます。部門レベルの予算に要約される勘定科目のうち、少なくとも1つに引当可能な予算金額があれば、残余予算をチェックして引き当てることができます。
もう1つの利点は、要約関係が正しく定義されていれば、詳細勘定に予算を入力せずに、勘定科目を作成するときに残余予算をチェックして引当てできることです。
要約レベルの予算管理を実行するには、集計単位をセグメント値に割り当てる前に、それを定義する必要があります。たとえば、ある部門(施設)に3つの部門(購買、企画および管理)があり、部門レベルで予算管理を実行する場合は、集計単位を定義します。この集計単位を使用して、各部門の予算金額、実績金額および予算引当金額が要約され、これらの金額が集計されて部門の金額が求められます。
集計単位を定義し終えたら、要約勘定を設定し、要約勘定方式ごとに予算管理オプションを割り当てる必要があります。要約勘定を設定し、要約レベルまたは要約レベルと詳細レベルの両方で残余予算チェックを実行する必要があります。
例
「会社01-全設備-部門01」を精算するため、その部門のすべての設備費用として$10,000を予算化します。そして、その他の設備費用および「全設備」勘定科目セグメント値を含む積上グループを定義し、部門別設備費用を要約する要約テンプレートを作成します。これで、「会社01-その他の設備-部門01」に配賦する発注を入力すると、「会社01-全設備-部門01」に入力した予算金額、および要約レベルの部門予算に属する他の勘定科目と比較して、残余予算が自動的にチェックされます。
要約勘定方式と詳細勘定の予算管理オプションを入力できるので、これらのオプションは慎重に定義します。オーバーラップする詳細勘定範囲のオプションは定義できませんが、意図したより下位のレベルで予算管理が実現されるようなオプションを定義する可能性があります。たとえば、部門レベルで絶対予算管理を定義し、会社に対して勧告予算管理を定義すると、会社には取引に引当可能な残余予算があっても、部門に残余予算が足りない取引は残余予算チェックを通過せず、予算は引き当てられません。
ヒント: 最上位レベルの集計を含む単一または複数の要約テンプレートの絶対予算管理を指定します。勘定科目を含む複数の要約テンプレートを定義する場合、勘定科目を使用する取引は、すべてのレベルで予算管理チェックを通過する必要があります。通常は、最上位の要約処理レベルを通過しない取引のみが許可されません。
関連項目
要約勘定の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
要約勘定テンプレートの入力(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
要約勘定予算管理オプションの設定(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
取引の入力後に元帳の予算管理を有効にすると、一部の予算をすでに消費しすぎていることがあります。承認済の取引に予算を引き当てることはできないため、引当後残余予算額が実際よりも多く表示されます。正確な引当後残余予算額が得られるように、承認済取引の手動予算引当を作成することをお薦めします。
注意: 元帳の予算管理を無効にすると、フィーダ・システムから既存の予算引当が消去されません。したがって、一度有効にした予算管理や予算引当会計はオフにしないでください。
重要: 既存の元帳の予算管理オプションを変更する場合は、その変更内容を反映するために次の2つの操作を実行する必要があります。
期間対応保守コンカレント要求を実行します。この要求は正常に実行される必要があります。
Oracle Applicationsを終了して、再起動します。アプリケーションは完全に終了する必要があります。Oracle Applicationsの「スペシャル」メニューで「再サインオン」を選択しても完全な終了とはなりません。
予算管理に使用する予算を変更できます。たとえば、組織が予算配賦を受け取るまでは、FY93-TEMPという一時予算に基づいて操業します。次に、FY93-OPERATINGという予算に基づいて操業したいと考えています。しかし、すでに予算引当を作成済か、または、対象予算に対する実際の費用が新しい予算に配賦される金額を超えている可能性があります。新しい予算に十分な残余予算がなければ、新しい取引は入力できません。
別の予算を使用するよりも、現在使用している予算に残余予算を追加して予算管理を実行する方が簡単です。
新しい予算を選択する前に、対象予算の「引当残高分析レポート」レポートを実行します。新しい予算に、既存の経費支出と予算引当をカバーするだけの残余予算があるかどうかを検証します。財務諸表生成プログラムでレポートを定義して、2つの予算の金額を比較できます。
残余予算の追加または振替を行って予算金額を変更できます。たとえば、残余予算チェックを通過しない勘定科目を使用する取引があるときは、引当後残余予算額がある勘定科目から残余予算が足りない勘定科目に、予算を振り替えられます。
予算移動と予算仕訳の残余予算チェックが実行され、すでに消費済か消費するよう決定した予算の振替は禁止されます。
要約テンプレートに関連する予算管理オプションは変更できません。
ただし、要約テンプレートを削除し、新しいオプションを指定して新規に作成することはできます。
予算組織に関連した予算管理オプションは変更できません。
ただし、予算組織内の勘定科目範囲を削除してから、変更可能な予算管理オプションがある勘定科目の新しい範囲を追加することはできます。
残余予算チェック・レベルは、「絶対」から「勧告」に、「勧告」から「絶対」に変更できます。
「絶対」から「勧告」に変更すると、引当後残余予算額を超える取引を完了できます。
勧告予算管理から絶対予算管理に変更すると、引当後残余予算額を超える取引は禁止されます。
重要: 残余予算チェック・レベルを勧告から絶対に変更した場合、すでに予算を過剰支出してしまっている可能性があります。
チェックが可能な残余予算の「金額タイプ」を「PTD」から「QTD」、「QTD」から「YTD」などに変更できますが、より長期な「金額タイプ」から短期の「金額タイプ」(たとえば「YTD」から「PTD」)に変更する場合は、取引が保証できるのに対して、使用できる残余予算のプールが小さくなる場合があります。残余予算不足を避けるために、予算管理の「金額タイプ」と「期間指定」は変更しないでください。
「金額タイプ」を短期間から長期間(たとえば「PTD」から「QTD」)に変更する場合は、残余予算をチェックすると、一般的により大きな使用可能残余予算のプールがあります。
関連項目
要約勘定予算管理オプションの設定(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
要約勘定の定義(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
元帳内で予算管理を有効にすると、Oracleのフィーダ・システム(Oracle PayablesとOracle Purchasing)では残余予算をチェックして取引に引き当てることができます。Oracle General Ledgerでは、手動仕訳入力バッチの残余予算をチェックすることもできます。
購入依頼を入力して配賦項目の残余予算をチェックする場合を考えます。取引の残余予算がチェックされ、その項目のステータスは「残余予算チェック通過」または「残余予算チェック不通過」に更新され、結果が即座に表示されます。
購買依頼が残余予算チェックを通過してから、予算を引当します。残余予算を引き当てる前には、購買依頼の配賦項目に「保留」のステータスが付きます。残余予算引当の明細を発行してから、ステータスは「検収」または「拒否」に変更されます。
Oracle PayablesやOracle Purchasingからの取引の場合は、予算の一部が引き当てられることがあります。たとえば、購買依頼に3つの配分明細があり、2つのみに十分な残余予算がある場合は、システムで2つの配分明細の残余予算が引き当てられ、「検収」のマークが付けられます。3つ目の配分明細では残余予算を使用できないので、システムによって「拒否」のマークが付けられます。
Oracle General Ledgerでは、バッチ内のすべての明細を承認できる場合にのみ、仕訳バッチが承認されます。たとえば、それぞれに4明細ずつ含まれた3つの仕訳を持つ仕訳バッチを入力します。仕訳のすべての明細を承認できなければ、バッチ内のどの明細も承認されません。
請求書、発注書、購入依頼または他のどの文書に予算を引き当てるかに関係なく、予算を引き当てると引当後残余予算額は即座に更新されます。したがって、引当後残余予算額の計算には、いつ転記するかに関係なく常に最新の情報が必要です。
例
年度末が近づき、残余予算の有効性消滅の前に残余予算額を消費しようとしています。引当後残余予算額をオンライン照会したところ、「会社01-製造費」に$6,000の予算が残っていることがわかりました。「会社01-製造費」に配賦する$5,000の発注書を入力します。この発注書をオンラインで承認します。Purchasingから、発注書が承認されたことが通知されます。その後、別の購買担当者が「会社01-製造費」に$2,000の発注書を入力し、それを承認しようとします。引当後残余予算額が足りないので、この承認処理は失敗します。
予算引当バッチを即座に転記しなくても、承認済の取引が引当後残余予算額に与える影響はチェックできます。ただし、レポートと試算表に引当後残余予算額を正確に反映させるには、Oracle General Ledgerで予算引当バッチを転記する必要があります。「引当後残余予算額分析レポート」と「引当後残余予算額の表示」ウィンドウは、引当後残余予算額を計算する取引の承認で反映されますが、未転記では反映されません。
ヒント: 予算引当入力を自動的に転記するために「自動転記」を実行することを薦めします。
予算管理を使用する前に、すべての設定ステップを完了しておく必要があります。ほとんどのステップは、Oracle General Ledger内で実行します。
勘定科目体系を定義します。
積上グループを定義して、セグメント値に割り当てます。
関連項目: 積上グループ・ウィンドウ(『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』)
元帳の予算管理を有効にします。
ヒント: 元帳の予算管理を有効にする前に元帳を定義してください。予算管理の設定ステップをすべて完了する準備が整うまでは、元帳の「予算管理使用可」オプションを「No」に設定しておいてください。
予算引当勘定を定義します。関連項目: 会計設定マネージャ前提条件チェックリスト
予算管理で使用する対象予算を作成します。関連項目: 予算の定義
直近オープン予算引当年度を定義します。(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
要約勘定を定義します。(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
各要約テンプレートに対する予算管理オプションを設定します。(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
仕訳ソースを定義します。(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
仕訳カテゴリを定義します。(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
システム・レベルの予算管理グループを定義します。関連項目: 予算管理グループの作成
システム・レベルの予算管理オプションをプロファイル・レベルに割り当てます。関連項目: General Ledgerプロファイル・オプションの設定(『Oracle General Ledger Reference Guide』)
Oracle Purchasingで次のステップを実行します。
関連項目
次の標準予算管理レポートと標準予算引当会計レポートを要求できます。
関連項目
財務諸表生成プログラムを使用して、予算引当と引当後残余予算額に関する独自のレポートを作成できます。
たとえば、引当後残余予算額レポートを作成し、予算を費用および予算引当と比較して、将来費用に引当可能な予算額を割り出せます。予算引当レポートを定義するには、最初に各レポート構成として行セット、列セット、オプションで内容セットを定義します。列セットの定義時には、予算、予算引当、費用および引当後残余予算額と引当可能な予算割合を含む「引当後残余予算額」列セットを使用できます。
財務諸表生成プログラムで定義する予算引当レポートを要求するには、他のレポートと同じ手順で操作します。行セット、列セットおよびオプションの内容セットを指定して、実行するレポートを指定するか、アド・ホック・レポートを要求します。レポートに使用する予算のバージョンと予算引当タイプを指定します。
関連項目
Oracle General Ledgerの標準レポートとリスト
予算引当残高、使用可能な残余予算および予算管理取引を検討できます。次の各項を参照してください。
この項では、Oracle PurchasingおよびOracle Payablesでの予算管理の設定方法について説明します。
Oracle Purchasingで文書を承認する前に、Oracle Purchasingで文書承認階層を設定する必要があります。文書承認階層は、予算管理では特に必要ありませんが、承認階層タイプがないと文書を承認できません。取引に予算を引当てできるかどうかには、承認基準と文書(購買入依頼書)管理が影響することがあります。たとえば、購買依頼の予算管理を使用していると、購買依頼が完全に承認され(金額に対して十分な権限を持つ担当者によって承認され)、その予算を全額引き当てるまでは、購買依頼を使用して発注書を作成できません。
在庫から製品を購買依頼するには、Oracle PurchasingおよびOracle Inventoryで、社内購買依頼を実行する必要があります。
「会計オプションの定義」ウィンドウを使用して、Oracle PayablesまたはOracle Purchasingで、次の予算引当オプションを定義する必要があります。
変数 | 説明 |
---|---|
購買請求時予算引当 | Oracle Purchasingで購買依頼の予算引当を自動的に作成するには、「Yes」を入力します。Oracle Purchasingで購買依頼の予算引当を自動的に作成しない場合は、「No」 を入力します。購買依頼を予算引当する場合は、発注も予算引当する必要があります。 |
購買請求時予算引当タイプ | 購買依頼に対応付ける引当タイプを入力します。一般的な購買依頼予算引当タイプには、「取引約定」、「事前取引約定」または「事前予算引当」があります。ここで入力した予算引当タイプは、購買依頼予算引当の「使用可能な残余予算の表示」ウィンドウで、動的フィールドのプロンプトになります |
購買依頼完了時の引当 | 依頼元が、発行または承認を得る前に購買依頼の予算を引き当てできるようにするには、「Yes」を入力します。また、承認できないかぎり、依頼元が、購買依頼の予算を引き当てできないようにするには、「No」を入力します。 |
発注引当の使用 | Oracle Purchasingで発注の予算引当を自動的に作成するには「Yes」を入力します。Oracle Purchasingで発注の予算引当を作成しない場合は、「No」を入力します。購買依頼を予算引当する場合は、発注も予算引当する必要があります。発注を予算引当する場合は、自動的に直接請求書を予算引当し、請求書と照合済発注の差異を予算引当します。 |
発注引当タイプ | 発注に対応付ける予算引当タイプ名を入力します。一般的な発注予算引当タイプには、「債務負担」、「取引約定」または「予算引当」です。入力した予算引当タイプは、発注予算引当の「使用可能な残余予算の表示」ウィンドウで、動的フィールドのプロンプトになります。 |
送り状入手時予算引当 | 直接請求書と、請求書およびそれと照合済の発注との差異に対応付ける予算引当タイプ名を入力します。発注の予算引当を、直接請求書および差異の予算引当と別にしておくには、ここに別の予算引当タイプを入力します。それ以外の場合は、発注の予算引当タイプ名を入力します。 |
重要: Oracle Purchasing またはOracle Payablesに勘定科目の予算引当を作成するには、Oracle General Ledgerの「予算組織の定義」ウィンドウで勘定科目の予算引当会計を使用可能にします。
関連項目
次のタイプの購買文書の残余予算をチェックできます。
「購買依頼の簡易入力」または「購買依頼の入力」で作成した購買依頼。
社内購買依頼
「購買依頼インポート」でインポートした購買依頼または社内購買依頼。
自動作成の発注。
標準発注。
包括購買契約のリリース。
計画発注
購買文書の残余予算を任意のレベルでチェックできます。たとえば、発注全体、発注明細、発注納入または発注配分の残余予算をチェックできます。Oracle Purchasingでは、購買文書または残余予算をチェックする購買文書の一部に引当可能な予算があるかどうかが通知されます。ただし、Oracle Purchasingでは、予算引当を含む処理を実行するまで、購買文書または購買文書の一部に予算は引き当てられません。
文書(購買依頼書)が残余予算チェックに失敗しても、それを承認したり、別の承認者に転送、またはその文書に通常実行するその他の処理を実行できます。
ただし、残余予算チェックを通過するように文書を変更するには、通過しなかった勘定科目ごとに次のオプションを設定する必要があります。
勘定科目の配賦を十分な残余予算がある勘定科目に変更します。
勘定科目が含まれる明細を取り消します。
配賦を含む明細の品目の数量を変更します。
発注書明細の品目の価格を変更します。
予算を移動します(勘定科目の予算金額を増加します)。
注意: 予算引当した発注の変更には制限があります。
Oracle Purchasingには、購買文書に関して柔軟な承認階層が用意されています。承認処理は予算管理や予算引当会計には直接結びつきませんが、文書に関して実行する処理は予算管理や予算引当会計に影響することがあります。たとえば、発注の承認および予算引当を行う(文書の承認および予算引当を発行する)処理を実行できます。
注意: 購買依頼および発注の残余予算のみが引当できます。
次の表では、購買文書に対して実行できる処理、およびその処理によって起きる可能性のある予算管理と予算引当への影響を説明します。
処理 | 予算管理への影響 |
---|---|
承認 | なし。 |
受入れ | なし。 |
取消 | 取消の発行。取消により、予算引当の逆仕訳ではなく、マイナスの借方入力が作成されます。 |
インポート | なし。 |
転送 | なし。 |
拒否 | 文書の配分のどれかに予算引当済残余予算がある場合、または引き当てられている場合には、予算引当の逆仕訳(貸方入力)が作成されます。 |
差戻し | 文書に関連するすべての予算引当に対して逆仕訳(貸方入力)が作成されます。 |
予算引当 | 文書に対し残余予算の引当を試みます。 |
発行 | なし。 |
残余予算のチェック | 文書の残余予算をチェックするのみで、その残余予算を引き当てません。 |
承認および予算引当 | 承認のための発行に加えて、予算の引き当てを試行します。 |
注意: 購買文書で実行できる処理は、文書タイプと現在の文書ステータスによって異なります。
Oracle Purchasingでは、承認サイクルのどの時点でも文書に予算を引き当てることができます。
購買依頼
購買オプションとして「購買依頼完了時の引当」を指定した場合は、作成者として購買依頼に予算を引き当てることができます。それ以外の場合は、承認者でなければ購買依頼に予算を引き当てることはできません。購買依頼を変更する場合は、その購買依頼にあらためて予算を引き当てることもできます。たとえば、購買依頼に予算を引き当てて、承認を得るために転送できます。承認者は、購買依頼を変更し、あらためて予算を引き当てることができます。Oracle Purchasingでは、変更された配賦に関係する予算引当が逆仕訳され、変更後の購買依頼に対する新しい予算引当が作成されることで、引当後残余予算額が即座に更新されて変更後の購買依頼が反映されます。
発注
承認者または購買担当者はだれでも処理を実行できます。それには発注への予算引当処理も含まれます。ただし、発注の予算を引き当てると、その発注は変更できなくなります。発注(標準発注、計画発注または包括購買契約に対してリリース)に予算を引き当てる処理を実行すると、Oracle Purchasingでは、可能な配賦すべてに予算が引き当てられ、引当後残余予算額が即座に更新されます。
Oracle Purchasingでは、文書(発注または購買依頼)の「ステータス」フィールドと文書の各明細に、購買文書のステータスが表示されます。次の表に示すように、文書のステータスには予算引当ステータスが包含されています。
文書または 文書明細ステータス | 予算引当の内容 |
---|---|
未完了 | 残余予算の引当なし。 |
処理中 | 残余予算の引当なし。 |
承認済 | 文書全体に対し予算を引当済で、文書の承認サイクルは完了している。 |
事前承認済 | 文書全体に対して予算を引当済。 |
差戻 | 文書に関連するすべての予算引当が逆試訳されている。残余予算の引当なし。 |
拒否 | 文書に対する残余予算の引当なし。 |
予算管理を使用すると、Oracle Purchasingでは各納入(発注のみ)ごと、および配分ごとに個別の「予算引当済」ステータスも表示されます。予算引当会計処理のみを使用する場合は、Oracle Purchasingでは、「予算引当済」フィールドに値は表示されません。
「ReqExpress」または「購買依頼の入力」ウィンドウを使用し、1つ以上の購買依頼明細および基本的な会計情報を入力して、簡単に購買依頼を作成できます。Oracle Purchasingの設定方法によっては、購買依頼を承認して予算を引き当てることができます。
購買依頼の配分を作成するときには、次の勘定科目を入力する必要があります。
変数 | 説明 |
---|---|
借方科目 | 発注が会計に与える影響を記録する勘定科目。通常、借方科目は在庫または費用です。 |
予算勘定 | 予算管理を実行する勘定科目。予算勘定はOracle Purchasingが予算引当入力の作成に使用する勘定科目でもあります。 |
経過勘定 | 見越を記録する勘定科目。 |
差異勘定 | 発注と請求書の差異(請求価格差異)を記録する勘定科目です。 |
フレックスビルダを使用すると、これらの勘定科目を自動的に作成できます。
Oracle Purchasingでは、次の場合に、購入依頼を使用して発注を作成できます。
十分な財政上の権限を持つ作成者または承認者が、購買依頼を承認し、他の個人には転送しない。さらに、
準備者か承認者によって、購買依頼全体の残余予算を引当て済。
他のOracleシステムとOracle以外のシステムから、未承認、承認済、または事前に承認済の購買依頼をインポートできます。「標準レポート発行」ウィンドウで「購買依頼インポート」処理を使用して、購買依頼をインポートします。予算管理または予算引当会計処理が使用可能になっていると、「承認」としてインポートする購買依頼は、実際は「事前承認済」のステータスでロードされます。つまり、承認者からは購買依頼の承認を受けていますが、それに予算を引き当てる処理を実行する必要があります。インポート済購買依頼の予算を引き当する「文書の承認」ウィンドウを使用します。
「未承認」ステータスの購買依頼をロードしたら、これらの購買依頼に対して完全な承認および予算引当サイクルを実行する必要があります。
重要: Oracle以外のシステムに購買依頼の予算引当を作成していてOracle Purchasingに購買依頼をインポートする場合で、購買依頼予算引当または購買依頼予算管理を使用している場合は、その購買依頼に対して第2の予算引当を作成します。予算を引き当てない勘定科目を使用して購買依頼をインポートするか、購買依頼予算引当または購買依頼の予算管理を使用しないか、または外部システム内で予算引当を作成しないようにする必要があります。「レポートの実行」ウィンドウで「購買依頼インポート」を発行します。
購買依頼の任意の項目または購買依頼全体が、まだ発注に含まれていなければ、それを取り消すことができます。Oracle Purchasingでは、取り消した購買依頼に関して負の借方予算引当入力が作成されます。購買依頼またはその一部を取り消すと、引当後残余予算額がOracle Purchasingによって即座に更新されます。
関連項目
社内購買依頼(『Oracle Purchasingリファレンス・マニュアル』)
Oracle Purchasing、Oracle InventoryおよびOracle Order Entryをインストールする場合は、在庫または外部仕入先を購買依頼を調達できます。購買依頼を入力するときに、調達元として「購買」または「社内」と入力できます。
購買依頼とは、発注を通じて外部の仕入先により入力されるものです。たとえば、パーソナル・コンピュータのソフトウェア・パッケージを発注します。購買担当者は、購買依頼から発注を作成します。次に、多数の購買依頼明細をグループ化してソフトウェア・パッケージの大口発注を作成します。
社内購買依頼とは、在庫から調達される購買依頼です。たとえば、社員が手持の標準品目を調達できる集中供給域を設けることができます。また、各種のサテライト供給域を持つ大規模な中央倉庫を設けることもできます。最寄りの供給域には中央倉庫から補充します。
在庫から購買依頼品を調達する場合は、その購買依頼を仕入先から調達する購買依頼と同じ承認および予算引当サイクルに送る必要があります。購買依頼が在庫からの調達に使用できるようになるのは、それが完全に承認され、Oracle Purchasingにより予算が引き当てられた後です。
Oracle Purchasingで「社内受注の作成」処理を実行すると、Oracle Order Entryの受注インポート処理により、在庫が調達元となる購買依頼明細から社内受注が処理されます。受注インポートにより、社内受注が処理され、Oracle Order Entryにインポートされます。社内受注はピック・リリース処理に送られ、ピッキング文書が作成されます。次に、出荷が確認され、梱包文書が作成されます。
社内受注を取り消した後には、関連する購買依頼をOracle Purchasing内で手動で取り消す必要があります。社内受注を取り消すと、購買依頼の予算引当を再作成できなくなります。購買依頼または購買依頼明細を取り消すと、購買依頼の予算引当を消し込む負の貸方入力が自動的に作成されます。その後で、新しい購買依頼明細を作成して予算を引当てできます。
社内購買依頼に予算を引き当てるときに、Oracle Purchasingで購買依頼への引当に使用される原価は、購買依頼の入力時に使用される品目マスターの予算配賦されていない原価です。購買依頼が処理され実際の経費支出を記録する際にOracle Purchasingで予算引当に使用される原価は、品目のOracle Inventory出庫時の原価です。この原価は、当初の購買依頼に予算を引き当てるために使用した原価とは異なる場合があります。Oracle Purchasingでは、実際原価に関係なくオリジナル購買依頼の予算金額が逆仕訳されます。
Oracle Inventoryから物品を出庫して搬送すると、Oracle Purchasingでは社内購買依頼の予算引当が消し込まれます。Oracle Inventoryから物品を出庫すると、その物品はOracle Purchasingによって即座に受け入れられます。
購買依頼は、文書処理を一時的に保留するためにクローズできます。クローズした購買依頼は、いつでも再オープンして処理を進めることができます。
追加処理がない場合、購買依頼は最終的にクローズできます。最終的にクローズした購入依頼は、再オープンして処理を進めることはできません。購買依頼を最終的にクローズすると、発注に記載されていない購買依頼明細に対する余分な予算引当は、Oracle Purchasingによって自動的に精算されます。Oracle Purchasingでは、予算引当を逆仕訳する貸方入力が作成されます。購買依頼明細または購買依頼全体をクローズ、または最終的にクローズできます。
自動作成を使用して、オンライン購買依頼から発注を手早く作成できます。使用可能な購買依頼明細の任意の組合せに基づいて、発注を作成できます。
また、仕入先名、仕入先事業所、請求先、納入先、依頼元、品目、単位、数量、価格および会計情報を入力して、発注をオンラインで作成できます。
発注の配分を作成するときには、次の勘定科目を入力する必要があります。
変数 | 説明 |
---|---|
借方科目 | 発注が会計に与える影響を記録する勘定科目。通常、借方科目は在庫または費用です。 |
予算勘定 | 予算管理を実行する勘定科目。予算勘定は、Oracle Purchasingが予算引当入力の作成に使用する勘定科目でもあります。 |
経過勘定 | 見越を記録する勘定科目。 |
差異勘定 | 発注と請求書の差異(請求価格差異)を記録する勘定科目です。 |
フレックスビルダを使用すると、これらの勘定科目を自動的に作成できます。
購買依頼予算引当または購買依頼予算管理を使用している場合、購買依頼明細は展開できません。
購買依頼予算引当または購買依頼予算管理を使用している場合、複数の元取引にあわせて明細を分割することはできません。
計画発注を使用して、物品やサービスの特定の納入を定義します。計画発注を承認して予算を引き当てる操作は、他の発注とまったく同じです。計画発注に対して納入をリリースできます。
計画発注納入をリリースするとき、搬送先タイプが「費用」の場合は、「リリースの入力」ウィンドウで納入の配送を変更できます。搬送先タイプが「在庫管理」または「製造現場」の場合は、配送を修正できません。保留解除のために予算を引き当てると、Oracle Purchasingによって計画発注に関係した予算引当が自動的に逆仕訳され、リリースしようとする納入の予算引当が作成されます。計画発注のリリースを承認して予算を引き当てる操作は、包括購買計画をリリースする場合とまったく同じです。
品目が必要になる以前に、計画発注を使用して納入用の予算引当を作成できます。また、納入経費を賦課したい特定のコスト・センター、プロジェクト、予算、または他の勘定科目セグメント値がわかるまでは、計画発注を一般科目に引き当てることもできます。
包括購買契約を使用すると、その発効日から失効日までの期間中に特定の品目を購入できます。包括購買契約への予算引当は作成できません。ただし、包括購買契約に対する発注への予算引当は作成できます。
包括購買契約への発注に予算を引き当てるには、次の操作を行う必要があります。
リリースの作成
リリースの予算引当
包括購買契約への発注を作成し終わったら、他の発注を承認するのと同じように承認する必要があります。
予算引当または承認と予算引当などの処理を実行すると、Oracle Purchasingでは発注に予算の引当が試みられます。1つまたは複数の購買依頼から発注を作成し、その発注に予算を引き当てると、選択した購買依頼明細に関係した予算引当の逆仕訳が作成されます。
発注配分の予算引当に失敗した場合は、発注の作成方法に応じて別の処理を実行できます。
発注が、購買依頼から「発注の自動作成」ウィンドウを使用して作成されている場合は、次の1つ以上を実行できます。
勘定科目のある発注明細の品目の数量を変更します。
同じ予算組織の他の勘定科目から残余予算を移転します(勘定科目の予算金額が増加)。
発注配分における勘定科目の予算金額を増加します。
すべての配分が予算引当できない明細と一致している場合は、発注の単価を変更します。
発注が、紙面による購買依頼から「発注の入力」ウィンドウを使用して作成されている場合、または包括購買契約または計画発注の1リリースの場合は、上述のオプションに加えて、次の内オプションを実行できます。
予算引当できない配分は削除します。
予算引当できない配分の勘定科目を十分な残余予算のある勘定科目に変更します。
Oracle Purchasingでは、予算の全額を引き当てて完全に承認するまで、発注は承認されません。また、発注を作成した購買担当には、予算不足のため承認されなかったことが通知されます。
予算管理を使用していると、購買依頼から作成された発注の勘定科目は変更できません。ただし、明細の単価、GL記帳日、数量および金額は変更できます。また、配分を発注に追加することもできます。
すでに発注の承認を試みていると、予算が引き当てられている配分は修正できません。たとえば、いずれかの配分がすでに予算を引当済の明細に関係している場合、発注上のその明細の単価は修正できません。
発注が承認済であれば、制限付きで修正できます。
ヒント: 予算を引き当てた後で予算引当発注の修正はできないので、すべての変更を終了した後にのみ発注に対する予算を引き当てます。発注またはその一部を修正するには、納入データ情報、明細または発注全体を取り消してから、修正後の情報を使用して納入データ情報、明細または発注を作成し直し、承認サイクルを通じて発行し直す必要があります。納入が1件で、1明細の発注であれば、発注全体を取り消さなくても納入のみを取り消すことができます。
予算管理を使用していると、Oracle Purchasingで発注が承認され、予算が引き当てられた後は、その単価、納入配分、納入数量、勘定科目や通貨は変更できなくなります。発注を取り消して同様の発注を発行し直すことはできます。その場合は、Oracle Purchasingで引当後残余予算額が更新され、取消の全額が反映されます。
承認済の発注を取り消すと、その発注に関係した予算引当に関する負の借方入力がOracle Purchasingによって自動的に作成されます。発注に使用した購買依頼明細は、購買依頼プールに戻されます。また、発注の作成に使用した購買依頼明細の購買依頼予算引当が再作成されます。取り消した発注からの配分を使用して、購買依頼の予算引当が再作成されます。
受入時または受入の経過勘定処理中に会計仕訳を記録すると、受入経過勘定を記録するときに、発注に関係する予算引当がOracle Purchasingによって逆仕訳されます。
物品の過大受入を容認していれば、余分に受け入れた物品に関係する予算引当ではなく、当初発注に関係する予算引当のみが逆仕訳されます。
例
単価$4.00で5品目をオーダーします。Oracle Purchasingによって$20.00の予算引当が作成されます。品目を1つ余分に受け入れます。受入時には実際の費用である$24.00を記録しますが、オリジナルのオーダーに関連付けられた予算引当金額は$20.00だったので、Oracle Purchasingでは$20.00分の予算引当の逆仕訳が作成されます。
発注は、文書の活動を一時的に保留するためにクローズできます。これには、今後の活動でその発注を再度オープンするオプションが伴います。追加活動がない場合は、最終的に発注をクローズできます。最終的にクローズした発注は、今後の活動で再度オープンすることはできません。発注、発注明細または発注納入を最終的にクローズすると、Oracle Purchasingでは、それぞれに対する余分な予算引当が自動的に精算され、これらの予算引当を逆仕訳する貸方入力が作成されます。
Oracle Payablesでは、発注納入は特定の条件下で最終的にクローズされます。請求書を入力し、1つ以上の発注納入と照合するときは、その照合が最終照合であることを示すことができます。最終照合する発注納入には、クローズ済のマークが自動的に設定されます。自動承認を使用して請求書を承認するときは、Oracle Purchasing内で最終クローズ処理がコールされます。発注のクローズ処理によって、発注納入上の発注配分に関連したすべての未処理予算引当に対して逆仕訳(貸方入力)が作成されます。また、発注のクローズ処理状況も更新されます。
例
2回の納入がある発注を入力します。最初の納入分は品目A、単価$100、数量5個に関するものです。第2の納入分は品目A、単価$100、数量3個に関するものです。最初の納入分をすべて受け入れて仕入先に支払います。第2回の納入で品目を1個受け入れると同時に、その品目が製造中止となったため残りの品目は納入しないことを示す通知を仕入先から受け取ります。仕入先から受け取った$100分の請求書を第2の発注納入と照合し、それが最終照合であることを示します。請求書を承認すると、$200の逆仕訳予算引当(貸方入力)がシステムにより作成されます。その請求書を転記すると、Oracle Payablesによって$100の予算引当の逆仕訳、および$100の実際費用を記録したもう1つの仕訳が作成されます。
購買依頼配分詳細情報レポート」を要求し、購買依頼配分に関する詳細情報を調べることができます。「残余予算チェック失敗」オプションに「YES」と入力すると、残余予算チェックを通過していない購買依頼を検証できます。そこでレポートは、残余予算チェックに失敗した発注配分のみをリストアップします。
発注配分詳細情報レポートを要求し、発注に関する詳細情報を調べることができます。「残余予算チェック失敗」オプションに「YES」と入力すると、残余予算チェックを通過していない発注配分を検証できます。そこでレポートでは、残余予算チェックに失敗した発注配分のみがリストアップされます。
「購買依頼配分の表示」ウィンドウを使用して、勘定科目に続いて購買依頼予算引当を検討できます。発注に続いて予算引当を表示する「発注配分の表示」ウィンドウも使用できます。
処理履歴の表示」ウィンドウで、購買依頼または発注に関連する問題を検討できます。
請求書の入力時に、残余予算をオンラインでチェックできます。また、残余予算を請求書レベルでチェックしたり、請求書の費用配分明細ごとにチェックできます。請求書や請求書配分の残余予算をチェックしても、Oracle Payablesでその請求書に予算が引き当てられることはありません。
請求書を発注と照合するか、「配分セット」を使用するか、または請求書の配分明細を手動入力して、配分明細を作成できます。複数の配分明細を作成するときには、まず請求書全体の残余予算をチェックできます。
請求書の残余予算のチェック時には、Oracle Payablesで、勘定科目による請求書配分金額が合計され、これらの金額が使用可能な残余予算を超過していないかチェックされます。勘定科目が残余予算チェックを通過しなければ、請求書全体がそのチェックを通過しないことになります。
請求書配分の残余予算のチェック時には、Oracle Payablesにより、配分金額が使用可能な残余予算を超過していないかチェックされます。残余予算チェックを通過しない勘定科目ごとに、次の操作を実行できます。
配分の勘定科目を十分な残余予算のある勘定科目に変更します(これは請求書が発注と一致しないときにのみ実行できます)。
予算を移動します(勘定科目の予算金額を増加します)。
その後で「承認」で請求書を承認できます。オンラインの承認と同じ方法で、「承認」で請求書の残余予算をチェックできます。
請求書を取り消すと、Oracle Payablesにより、その請求書に関連する予算引当を逆仕訳する負の借方入力が作成されます。
請求書を入力して発注と照合するときに、それが最終照合であることを示すことができます。最終照合は、特定の発注納入に対して、今後、供給業者から請求書が送付される見込みがないときに行われます。場合によって、供給業者が最終の請求書であることを示したり、ユーザーが最終の請求書であることを決定します。
最終照合を使用すると、余分な予算引当を自動的に精算できるため、引当可能な残余予算が増加するという利点があります。特に、実際の費用が発注金額より少ないサービス契約の場合は、発注を簡単にクローズできるようになります。
請求書を納入データ情報と照合するときに、それが最終照合であることを示すことができます。Oracle Payablesでは、最終照合配分が、Oracle Payablesで照合から作成される請求書配分のデフォルトになります。最終照合の指定は、配分レベルで上書きできます。納入が最終分であることを示すと、Oracle Purchasingでクローズできるように、Oracle Payablesによって納入データ情報にマークが設定されます。「承認」を使って請求書を承認するまでは、最終照合配分を変更できます。
照合情報、通貨情報、その他のタスクの検証に加えて最終照合を含む請求書を承認するとき、「承認」により最終照合で以前マークを付けた発注を自動的にクローズする処理が呼び出されます。このクローズ処理では、最終照合済の配分を含むすべての納入データ情報がクローズされ、その納入に関係した予算引当が精算され、納入のクローズ処理状況が更新されます。
例
見積もりの印刷量に基づいて$15,000の文書発行サービスの発注を発行します。実際にサービスが行われ、仕入先から$11,000の請求書を受け取ります。$11,000分の請求書を入力し、発注と照合し、これが最終照合であることを指定します。この請求書を承認すると、Oracle Payablesによって発注が自動的にクローズされ(この場合、納入は1回のみ)、$4,000分の逆仕訳予算引当入力が作成されます。請求書を転記すると、Oracle Payablesにより、$11,000分の逆仕訳予算引当入力と$11,000分の実際仕訳が作成されます。
関連項目
発注書の最終照合(『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』)
前払は、その入力時に発注に関連付けることができます。発注に前払の関連付けがあると、発注に適合する請求書への前払のみを適用できます。このような前払の場合、すでに発注に予算を引き当てているので、通常は前払に引き当てる必要はありません。ただし、Oracle Payablesでは、発注のみでなく前払にも予算を引き当てることができます。
ヒント: 前払金とその発注の両方に予算を引き当てるのを避けるため、発注に関連した前払金のみに使用する別個の前払勘定科目を定義します。予算組織の予算管理オプションを定義するときに、この前払勘定科目を使用するすべての勘定科目の「自動予算引当」オプションに「なし」を指定します。
第2の前払勘定科目や仮払勘定科目を設定して、Oracle Payablesに直接入力できます。
請求書を入力した後は、支払や転記を行う前に、その内容を検証する必要があります。請求書はオンラインで検証するか、Oracle Payables検証を発行して検証できます。これら2つの方法方法では、請求書と発注の2ウェイ、3ウェイまたは4ウェイの照合が実行されます。検証によって、税金情報(該当する場合)、外貨情報(該当する場合)および請求書の適切な配分が検証されます。
これら2つの方法では、照合が許容範囲で通過しない請求書については照合を保留にします。また、税金、通貨および配分チェックを通過しない請求書については、他のタイプの保留も適用されます。保留のタイプによっては、請求書を転記できなくなります。請求書に転記を禁止する保留が適用されると、Oracle Payablesでは、その請求書の残余予算はチェックされず、予算は引き当てられません。決済資金不足が原因で予算引当に失敗した請求書に対する保留は、手動で解除できます。ただし、システムによる残余予算チェックが実行不能であったために予算引当に失敗した請求書に対する保留は、手動で解除できません。
関連項目: 承認(『Oracle Payablesユーザーズ・ガイド』)
予算管理を使用している場合、「検証」では、照合済請求書および未照合請求書が次のように処理されます。
照合済請求書
請求書が照合条件をパスし、その転記を妨げるその他の保留がなければ、Oracle Payablesにより自動的に残余予算がチェックされます。請求書に発注との数量差異または価格差異があると、差異に見合った予算があるかどうかが自動的にチェックされます。絶対予算管理を使用する場合は、Oracle Payablesによって、残余予算チェックを通過していない配分がある請求書に対して残余予算が保留されます。勧告予算管理を使用している場合は、数量差異か価格差異かに関係なく、請求書差異に予算が引き当てられます。絶対または勧告予算管理のどちらかに、Oracle Payablesで、負の差異のために負の予算引当仕訳が作成されます。その他の予算引当は、請求時引当タイプを使用して作成されます。
未照合請求書
請求書が税金、通貨および配分チェックをパスし、その転記を妨げるその他の保留がなければ、Oracle Payablesにより自動的に承認過程中に残余予算チェックが実行されます。勧告予算管理を使用している場合は、請求書の各配分に引当可能な予算があるかどうかに関係なく、請求書に予算が引き当てられます。絶対予算管理を使用している場合は、Oracle Payablesによって、残余予算チェックを通過していない配分がある請求書に対して残余予算が保留されます。また、引当可能な予算がないため、請求書には予算が引き当てられません。予算引当は、請求時引当タイプを使用して作成されます。
Oracle Payablesによって請求書に予算保留が適用されると、その保留は手動では解除できません。次の操作を実行できます。
分配の勘定科目を十分な残余予算のある勘定科目に変更します(請求書が発注と適合しないときのみ実行)。
勘定科目が含まれる明細を取り消します。
予算を移動します(勘定科目の予算金額を増加します)。
要約レベル残余予算チェックを使用している場合は、十分な残余予算がある要約勘定に勘定科目を積み上げます。
予算管理を使用すると、発注と照合済の請求書の費用配分は変更できません。ただし、次の操作を実行できます。
数量差異の修正のため請求書に配分を追加します。発注と照合される請求書の配分の数量は変更できません。
実際の費用を修正する仕訳手動入力をOracle General Ledgerで作成し、予算引当を修正する予算引当仕訳手動入力を作成します。
Oracle Purchasingで、会計情報を変更します。
Oracle Payablesで照合を逆仕訳します。
Oracle Purchasingで、(承認が必要な場合に)物品を拒否するか、受領済数量をゼロに修正します。
請求書と照合した発注納入を取り消します。
正確な勘定科目で納入を再度作成します。
発注を再度承認します。
物品の受領と承認を記録します。
新しい納入と請求書を照合します。
「PayablesのGL転送」プログラムを発行し、「仕訳インポート」プログラムの発行を自動的に選択するときは、Oracle Payablesにより、総勘定元帳に記帳するために、請求書活動の詳細な仕訳が作成されます。また、発注の予算引当を消し込む仕訳も作成されます。
照合済請求書では、Oracle Payablesにより、当初発注時予算引当の金額で、予算引当の逆仕訳が作成されます。これらの逆仕訳は、発注時引当タイプを使用して作成されます。予算引当の逆仕訳は、請求書差異の金額の範囲内で、請求書順引当タイプを使用して作成されます。
直接請求書では、Oracle Payablesにより、送り状入手時予算引当を使用した請求書の金額で、予算引当の逆仕訳が作成されます。
例
発注引当タイプを「取引約定」と呼び、請求時引当タイプを「取引約定後」と呼びます。単価が$10の品目5個分の発注を入力します。これらの品目の請求書を受け取ったとき、価格はそれぞれ$10.50でした。照合許容限度内の差異は許容できます。承認時に、Oracle Payablesで$2.50の予算引当仕訳が作成され、「取引約定後」の予算引当タイプに割り当てられます。請求書を転記すると、Oracle Payablesでは、$50の逆仕訳予算引当入力(予算引当タイプ「取引約定」)と$2.50の逆仕訳予算引当入力(予算引当タイプ「取引約定後」)が作成されます。
発生主義会計
買掛/未払金オプションとして発生主義会計を使用している場合は、請求書の転記を開始すると、Oracle Payablesにより予算引当が消し込まれます。Oracle Payablesでは、請求書の金額に基づいて予算引当の逆仕訳が按分されます。
例
Oracle Payablesで発生主義会計を使用しています。1品目$500の発注を作成します。発注を1089-6100-1000-350-2120に貸方記入します。その発注を承認すると、Oracle Purchasingにより$500の発注引当が作成されます。$510の品目の請求書を受け取ります。承認すると、1089-6100-1000-350-2120に貸方記入される$10の追加予算引当が作成されます。その請求を転記すると、Oracle Payablesによって、1089ー6100ー1000ー350ー2120に対する$510の逆仕訳予算引当入力、および勘定科目1089ー6100ー1000ー350ー2120に対する$510の請求書費用の仕訳が作成されます。
現金主義会計
買掛/未払金オプションとして現金主義会計を使用している場合は、請求書支払の転記を開始すると、Oracle Payablesにより予算引当が消し込まれます。Oracle Payablesでは、請求書支払の金額に基づいて予算引当の逆仕訳が按分されます。
重要: 現金主義会計を使用している場合、通常は「受入経過勘定-期末」処理を実行しません。「購買オプションの定義」ウィンドウを使用し、「費用項目の計上」フィールドを「期間:至」に設定する必要があります。
例
Oracle Payablesで現金主義会計を使用している場合に、$450の未照合請求書を入力し、1089-6100-2000-100-2120に貸方記入をしました。その請求書を承認すると、Oracle Payablesにより1089-6100-2000-100-2120に対して$450の金額の予算引当仕訳が作成されます。手動チェックをして請求書のうち$200を支払います。この請求書支払を転記すると、Oracle Payablesにより、勘定科目1089-6100-2000-100-2120に対する$200分の予算引当逆仕訳、1089-6100-200-100-7120に経費を記録する入力、および現金に対する同額の入力が作成されます。
組合せ基準会計
組合せ基準会計を使用する場合、予算引当入力は、Oracle Payablesにより主会計帳簿にのみ転記されます。
転記する前に、Oracle General Ledger内で、これらの仕訳と実際の費用の仕訳を検証する必要があります。
費用は通貨に関係なく管理できます。発注と請求書を外貨で入力してその残余予算をチェックできます。ただし、換算レートを入力して、外貨建金額を元帳通貨建に換算する必要があります。
外貨建の取引を入力する前に、Oracle General Ledgerで通貨と換算レートを定義する必要があります。
Oracle General Ledgerで定義する換算レートは、外貨建の金額を求めるために元帳通貨に乗算するレートです。たとえば、元帳通貨がUSD(アメリカ・ドル)で、選択した外貨がFFR(フランス・フラン)のときに、対ドルの換算レートが 5フランであれば、5と入力します。
注意: Oracle PurchasingとOracle Payablesの換算レートは、Oracle General Ledgerで定義された換算レートと相互関連します。
「発注の入力」ウィンドウを使用して外貨発注を作成するとき、発注価格情報を入力する前に、換算レートを入力する必要があります。「発注の入力」ウィンドウの「外貨情報」リージョンに、為替レート情報を入力します。このリージョンには、「発注ヘッダー」リージョンの「追加発注ヘッダー情報」フィールドからナビゲートできます。
購買依頼を作成するときは、明細価格を元帳通貨で入力します。購買依頼を外貨建発注と照合するには、「発注の自動作成」ウィンドウを使用して、発注の明細価格を元帳通貨から外貨に変更する必要があります。また、発注を承認する前に、「発注配分」ゾーンに換算レート情報を入力する必要があります。換算レートを入力しない場合、外貨建発注は承認できません。
Oracle Purchasingでは、残余予算をチェックして引き当てる前に、すべての外貨金額が元帳通貨の金額に換算されます。予算引当仕訳は、元帳通貨で作成されます。
これらの仕訳を転記すると、Oracle General Ledgerでは、残高が元帳通貨と外貨の両方で保守されます。
外貨請求書を入力する前に、「多通貨使用」買掛/未払金オプションを使用可能にする必要があります。外貨建請求書を入力するときには、換算レート情報を入力する必要があります。「請求書要約」または「詳細」ウィンドウに、換算レート情報を入力します。
請求書は、すべての請求書情報を外貨で入力した後で承認します。請求書を承認するか、その残余予算をチェックすると、Oracle Payablesでは、すべての外貨金額を元帳通貨の金額の換算した後で、残余予算がチェックされて引き当てられます。
請求書を発注と照合する場合は、発注と同じ通貨を使用しなければ請求書を入力できません。
外貨建の請求書は、その請求書の入力時と同じ通貨で支払われる必要があります。「支払要約」または「詳細」ウィンドウの「レート・タイプ」フィールドで、レート・タイプを選択します。
また、外貨建請求書の支払には、請求書通貨用に定義した銀行口座を使用する必要があります。
Oracle Payablesでは、取引の為替差損益が自動的に計算され、「為替差益」勘定または「為替差損」勘定に転記されます。
Oracle Payablesでは、仕訳が外貨で作成されます。これらの仕訳を転記すると、Oracle General Ledgerでは、残高が元帳通貨と外貨の両方で保守されます。
予算引当は、元帳通貨でなければ入力できません。
外貨仕訳レポートは、他の仕訳レポートと同じように実行できます。このレポートを要求するときは、元帳通貨以外の通貨を入力します。
外貨で入力された勘定科目金額の残高試算表を検討できます。
引当後残余予算額は、元帳通貨でなければ表示できません。
関連項目
Oracle General Ledgerの標準レポートとリスト
任意の数の予算管理グループを定義して、サイトまたはユーザーに割り当てることができます。予算管理グループは、仕訳ソースおよびカテゴリごとに、残余予算チェック・レベル(絶対、勧告、指定なしなど)を指定し、また許容誤差パーセントと許容誤差額と、残余予算不足時の許容額とをともに指定することで設定できます。プロファイル・オプションを通してサイトに割り当てるには、予算管理グループを少なくとも1つ定義する必要があります。予算管理グループをさらに追加作成して、異なる予算管理許容範囲と残余予算不足時の取引を社員が上書きできるように設定できます。
例
会社で、保安システムを開発するために多額の製造予算を管理している場合を想定します。Oracle Payablesで入力した予算管理対象取引が絶対予算管理チェックで拒否された場合に、製品マネージャには上書きを許可しますが、Oracle Payablesを使用して請求書を入力する担当者には上書きを許可しません。予算管理グループを1つ定義して、仕訳ソース「Payables」およびカテゴリ「仕入請求書」に対する上書きを許可します。上書きを許可しない別の予算管理グループも定義します。システム管理者は、最初の予算管理グループを製品マネージャに割り当て、2番目の予算管理グループを請求書入力担当者に割り当てます。
前提条件
元帳の予算管理を有効にします。
仕訳ソースを定義します。
仕訳カテゴリを定義します。
「予算管理グループの定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算管理グループの名称を入力します。
作業内容を保存します。
「プロファイル値」ウィンドウで、「システム管理者」の職責を使用して、予算管理グループ名をプロファイル・レベルに割り当てます。予算管理グループは、サイト、アプリケーション、職責またはユーザー・レベルに対して割り当てることができます。
関連項目
特定の予算管理グループに取引ソースとカテゴリ組合せを定義する必要があります。取引ソースとカテゴリ組合せごとに、残余予算チェック用のオプションを割り当てる必要があります。
購買依頼書や発注書など異なる文書タイプごとに、ソースおよびカテゴリに基づいて、別種の予算管理オプションを割り当てられます。たとえば、購買依頼書に残余予算チェック・レベル「勧告」を割り当て、発注書には残余予算チェック・レベル「絶対」を割り当てられます。
「予算管理グループの定義」ウィンドウにナビゲートします。
予算管理グループを入力するか、問い合せます。
ソースとカテゴリの組合せを入力します。ソースでは仕訳取引の派生元(Oracle PurchasingやOracle Payablesなど)が識別されます。カテゴリでは、仕訳の目的(購買依頼書や発注書など)が表示されます。
「Other」と入力して、明確に定義されていないソースまたはカテゴリを指示できます。
Oracle General Ledgerでは、特定のソースとカテゴリ組合せについて、予算管理ルールが検索できない場合は、デフォルトの予算管理ルールが適用されます。
「残余予算チェック・レベル」を選択します。
重要: 予算管理を実施する詳細および要約勘定科目にも「残余予算チェック・レベル」を定義できます。要約勘定科目の「残余予算チェック・レベル」が、その勘定科目用の仕訳ソースおよびカテゴリの「残余予算チェック・レベル」と矛盾する場合、Oracle General Ledgerでは一定のルールに従って解決されます。関連項目: 仕訳ソースとカテゴリの予算管理オプション
許容範囲率を入力します。
許容範囲額を入力します。
絶対予算管理を使用している場合は、「上書き金額」を入力します。
注意: 要約または詳細の会計フレックスフィールド予算は、残余予算は不足しているが、額が上書き金額を下回る取引を入力することで超過できます。ソースとカテゴリの組合せに対する予算超過を防ぐには、このフィールドを空白のままにしておきます。
予算管理グループに定義する予算管理ルールの数には制限はありません。
作業内容を保存します。
関連項目
仕訳ソース(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
仕訳カテゴリ(『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』)
Oracle PurchasingとOracle Payablesで予算引当をした取引から仕訳バッチを作成するため、仕訳の作成プログラムを実行します。どれくらいの頻度でこのプログラムを実行するかを設定します。仕訳の作成プログラムは、定期的な間隔で実行することをお薦めします。
プログラムが正常に完了すると、Oracle General Ledgerでは自動的に「仕訳作成実行レポート」が印刷されます。
前提条件
Oracle PurchasingとOracle Payablesで取引を承認します。
「要求の実行」ウィンドウにナビゲートします。
「プログラム - 仕訳作成」を選択します。
「最小保存時間」を入力します。これは、残余予算チェックの詳細が消去されるまでOracle General Ledgerが待機する最小の時間です。消去された詳細は、オンラインまたはレポートで表示できません。
「要約仕訳の作成」フィールドで「Yes」を入力し、バッチの各仕訳内にある同じ会計フレックスフィールドに対するすべての活動を、1つの借方および1つの貸方仕訳明細に要約します。
「実行オプション」を入力します。仕訳作成プログラムは、1度のみ実行するか、定期的に実行するかを設定できます。
要求を発行します。
関連項目
レポートとプログラムの実行(『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』)
一括残余予算チェック/予算引当プログラムを実行して、未転記の仕訳バッチのための予算をチェックして引き当てます。Oracle General Ledgerにより未転記仕訳バッチが承認されるために検索される頻度を設定できます。Oracle General Ledgerでは、残余予算チェックおよび未承認仕訳バッチの予算引当を優先的に行うために、「自動転記」オプションが使用されます。
Oracle General Ledgerでは、プログラムが完全に実行された後で、自動的に「一括残余予算チェック/予算引当仕訳の実行」レポートが印刷されます。このレポートを使用して、残余予算チェックまたは予算引当の結果を検討します。
前提条件
仕訳バッチを定義します。
「要求の実行」ウィンドウにナビゲートします。
「一括残余予算チェック/予算引当プログラム」を選択します。
「予算引当」の値を選択します。
「残余予算のチェック」を入力して、未承認仕訳バッチの残余予算を検証します。「予算引当」を入力して、未承認仕訳バッチの予算を引当てます。
「実行オプション」を入力します。「一括残余予算チェック/予算引当プログラム」は、1度のみ実行するように設定することも、定期的に実行するように設定することもできます。
要求を発行します。
関連項目
レポートとプログラムの実行(『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』)