Oracle Project Managementユーザー・ガイド リリース12 E06006-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章には、Oracle Project Managementの簡単な概要が提供されています。
この章では、次のトピックについて説明します。
Oracle Project Managementは、プロジェクト・マネージャに、プロジェクトのすべての側面の管理および表示を保守するためのソリューションを提供します。
プロジェクト・マネージャは、単一のソース・ポイントでプロジェクト情報を表示できるため、作成および計画から完了に至るまでのプロジェクト・ライフサイクル全体を通してプロジェクトを追跡および管理できます。Oracle Project Managementを使用すると、次の操作を実行できます。
作業計画を作成、管理、バージョン作成および表示できます。
進捗を作業計画と照合して追跡できます。
Microsoft ProjectとOracle Projectsをリンクして、両アプリケーションを使用したプロジェクトの処理を可能にします。
予算と予測を作成して、プロジェクト・ライフサイクル全体でプロジェクトの財務実績を計画および管理できます。
プロジェクトの実績を追跡および監視し、財務情報および従事情報をタスク、資源および時間別に分析できます。
主要な財務および予定のメトリックに対する例外を表示し、主要なプロジェクト・ステークホルダに自動ステータス・レポート通知を送信できます。
すべての対象メンバーおよびプロジェクト・ステークホルダに対して、プロジェクト・ステータス情報の適時かつ一貫性のあるビューを提供できます。
プロジェクトおよびタスクに対する考慮事項、問題および未解決の質問などの懸案を管理できます。
プロジェクトおよびタスクの範囲、価値または期間に影響を与える処理または変更を管理できます。
プロジェクトおよびタスクに文書を添付し、管理できます。
プロジェクトの現在の財務ステータスを検索して検討し、プロジェクトおよびタスクに対する詳細な財務実績を検討できます。
作業計画には、プロジェクト内のタスクの階層編成が含まれています。各作業計画には、タスク数の制限はなく、必要な数のレベルを定義できます。プロジェクト体系は、作業分解構造(WBS)とも呼ばれます。
Oracle Projectsでは、作業計画体系と財務体系の2種類の体系を設定できます。作業計画管理は、プロジェクト・マネージャとチーム・メンバーがプロジェクトを期限までに達成するのに役立ち、財務体系は、プロジェクトおよび財務管理で、1つのプロジェクトまたは編成内のすべてのプロジェクトに対する財務情報を追跡するのに役立ちます。
各プロジェクトには一意の作業計画を定義できますが、これらの定義には単一の標準テンプレートを使用できます。タスクは、独自に作成するか、または時間を節約するために他のプロジェクトやテンプレートからコピーできます。作業計画内のタスクおよびタスク階層を管理でき、作業分解構造を展開または縮小して、プロジェクトおよびタスクの上位レベルのビューを参照できます。また、作業計画および進捗管理を利用すると、チーム・メンバーは自分のタスクを効果的に管理でき、プロジェクト・マネージャに進捗を通知できます。
最新の未公開作業計画の表示、タスクの作成と保守、および新規作業計画バージョンの公開が可能です。
プロジェクト・マネージャおよびチーム・メンバーは、進捗レポートを使用して作業計画を更新できます。チーム・メンバーは、自分に割り当てられている、進捗レポートが必要なすべてのタスクを個別に表示できます。プロジェクト・マネージャは、個々のタスクに対する進捗レポートを提供でき、プロジェクト全体の進捗を更新することもできます。
進捗を公開することによって、プロジェクト・チームに対して作業計画の変更を通知できます。また、進捗情報は、作業分解構造内の進捗情報を自動的に積み上げることで、管理の手間なしに通知できます。
チーム・メンバーによってプロジェクトの進捗が提供された場合は、重要な懸案または日付変更を警告する自動電子メール通知を受信して、進捗更新の履歴を保守します。また、残りの従事および完了率の回収を作業計画レベルでレポートするようにできます。
作業計画バージョニングを使用すると、複数の作業バージョンを作成し、予定変更を評価できます。以前に公開したすべての作業計画バージョンは追跡目的で格納され、履歴アーカイブに保存されます。
作業計画および進捗管理の詳細は、「作業計画の作成および更新」を参照してください。
プロジェクトの処理時にMicrosoft Projectを継続して使用でき、提供される機能の利点を利用できます。
プロジェクトの送受信、更新の送信、リアルタイム・プロジェクト情報の表示、およびタスク属性のリアルタイム値の受信が可能です。Microsoft Projectから次の情報を送信できます。
予定
予算
Microsoft Projectに次の情報を送信できます。
プロジェクト・テンプレート
既存プロジェクト
資産およびレート
進捗および実績従事
原価進捗
Microsoft Projectを使用すると、プロジェクト予定、進捗および予算情報を更新できます。すべてのプロジェクト詳細を入力した後は、プロジェクト計画を作業計画または財務体系に送信できます。バージョン詳細は、プロジェクト計画が作業計画体系にリンクされ、バージョニングが有効化されると表示されます。
Microsoft Projectとの統合の詳細は、「Microsoft Project Integrationの概要」を参照してください。
予算および予測を作成すると、プロジェクト・ライフサイクル全体でプロジェクトの財務実績を管理できます。また、プロジェクトに対して複数の予算と予測を作成でき、様々なシナリオを示すことができます。プロジェクト実績レポートおよびプロジェクト・ステータス照会機能を使用し、プロジェクトの予算金額や予測金額を実績と比較することによって、プロジェクトのステータスと実績を追跡できます。
予算編成および予測を使用すると、次の機能を実行できます。
予算および予測計画タイプの保守
計画バージョンの作成および金額の入力
スタッフ計画、作業計画および他の財務計画からの予算および予測の生成
Microsoft ExcelおよびHTMLを使用した計画金額の入力
複数通貨での計画金額の入力
計画バージョンの保守
変更文書の反映
計画金額の表示
予算編成および予測の詳細は、「予算編成および予測の使用」を参照してください。
内容、公開、頻度および書式を管理しているターゲットの対象者に対して、関連するプロジェクト・ステータス情報をレポートできます。たとえば、プロジェクト運営委員会に対しては月次の内部管理レポートを、プロジェクトに対しては週次のチーム・プロジェクト・ステータス・レポートを提供できます。
プロジェクト・マネージャは、未公開レポートへのアクセスを制御し、公開済レポートに対する更新および削除を防止し、レポートをオンラインで表示できるように公開し、システム・アクセス権のないユーザーに情報を電子メールで通信できます。電子メールおよびワークフロー通知は、ステータス・レポートのスナップショットを含めて送信され、このレポートは、次の段階で、承認または拒否されるか、別の承認者に転送されます。
ステータス・レポートはレポート・タイプに基づいて作成します。レポート・タイプによって、対象者、およびレポート・サイクル、催促ルール、レポート承認者オプションなどの詳細が決定されます。
レポート・タイプをプロジェクトに関連付ける場合は、レポート・サイクルを定義し、レポート承認者のオプションを設定し、レポートの催促ルールを選択します。レポート・サイクルによって、レポート期間の開始日と終了日が定義されます。
プロジェクト・ステータス・レポートの詳細は、「プロジェクト・ステータス・レポートの概要」を参照してください。
Oracle Projectsには、懸案および変更要求を管理するための集中管理システムが用意されています。この機能を使用すると、チーム・メンバーは協力して懸案を解決し、プロジェクトに対する変更を通信および実装できます。
懸案管理を使用すると、懸案と変更要求を作成から完了まで追跡でき、プロジェクトに関する考慮事項または未解決の質問を処理できます。次の操作を実行できます。
事前定義の懸案タイプに基づいて懸案を作成できます。
簡単にアクセスできるように文書を関連付けることができます。
懸案解決を担当する個人に活動を割り当てることができます。
チーム・メンバーによる懸案への注釈を可能にできます。
既存懸案をコピーして、新規懸案の作成時間を短縮できます。
分析のために懸案リストをMicrosoft Excelスプレッドシートにエクスポートできます。
Oracle Workflowを使用して懸案承認を自動的にルーティングできます。
変更管理を使用すると、プロジェクトまたはタスクの範囲、価値または期間に影響を与えるイベント、活動または条件を処理できます。
懸案管理の詳細は、「懸案管理の概要」を参照してください。
変更管理の詳細は、「変更管理の概要」を参照してください。
Oracle Projectsでは、自分がチーム・メンバーであるプロジェクトに関する文書を添付および保存できます。次のタイプの文書を添付できます。
ファイル
URL
プレーン・テキスト・ボックス
文書を添付するには、対応するプロジェクト、タスクまたは機能にアクセスする権限が必要です。プロジェクト、タスクまたは機能に対するアクセス権がある場合は、すべての添付文書に対するアクセス権も自動的に付与されます。
フォルダやバージョンを利用して文書の出入りをチェックし、すべての文書に対するセキュリティを確保できます。
プロジェクト、タスクまたは機能に添付可能な文書のタイプを定義するための添付カテゴリを指定できます。添付カテゴリは、文書の種類に固有で、検索結果を向上させ、一般的な特性に基づいて定義できます。
文書管理の詳細は、「文書管理の概要」を参照してください。
プロジェクトに賦課される支出項目の金額とタイプ、支出項目の発生日、および未収収益を表示できます。また、Oracle Payablesにドリルダウンして、「請求書概要」ウィンドウまたはT字型勘定を表示することもできます。
この機能を使用するには、Oracle Project Costingをインストールする必要があります。支出検討の詳細は、『Oracle Project Costing User Guide』の支出項目の表示に関する項を参照してください。
各請求書は、承認してリリースする前に、「請求書要約」ウィンドウまたは「請求書検討」レポートを使用して検討できます。
次の請求書情報を検討できます。
請求額
源泉徴収額
請求書明細
源泉徴収基準額
通貨属性
請求書項目を説明する支出項目
請求書顧客
請求書を検討すると、請求書情報の検討以外に、生成中に生成エラーや配分警告がなかったことを確認し、請求書のステータスを監視できます。
「請求書検討」レポートを使用すると、請求書の承認およびリリース前に、プロジェクトに関連付けられている請求書草案を検討および検証できます。請求書草案は、リリースされると、Oracle Receivablesにインタフェースされます。また、このレポートには、請求書で請求されている詳細項目も表示されます。
この機能を使用するには、Oracle Project Billingをインストールする必要があります。請求検討の詳細は、『Oracle Project Billing User Guide』の請求書検討に関する項を参照してください。
プロジェクト実績レポート機能を使用すると、実績と、プロジェクト予算および予測に定義されている計画実績を即座に比較できます。従事、原価、収益性、出来高、請求と回収、または資本原価の各分野で実績を表示できます。
プロジェクト実績レポートを使用すると、プロジェクト実績の全体像を図や表で把握でき、この情報に基づいて決定を下すことができます。プロジェクト実績情報は、期間別に、プロジェクト、タスクおよび資源の各レベルで表示できます。タスクおよび資源に関する主要な財務メトリックを表示した後は、ドリルダウンして、取引約定、費用およびイベントなどの詳細取引情報を表示できます。Oracle Applicationsのパーソナライズ機能を使用すると、メジャーやグラフに表示されるプロジェクト実績情報、およびプロジェクト実績のページのレイアウトを構成できます。
詳細は、「プロジェクト実績レポート」を参照してください。
実績例外レポート機能を使用すると、例外を示すビジュアル・ステータス・インディケータで、プロジェクトの例外および懸案の要約を表示できます。ステータス・インディケータを使用すると、プロジェクトにとって重要で、リスクがある追跡中の懸案を即時に理解できます。これらの機能を使用すると、プロジェクトが直面している重要な問題の解決に時間と労力を集中できます。
単一の例外の詳細にドリルダウンすると、訂正処理のための注釈および催促を入力または検討できます。Oracle Projectsは、最新の例外およびキー・パフォーマンス領域ステータス・インディケータが定期的に自動生成されるように設定できます。また、最新のキー・パフォーマンス領域のパフォーマンス・ステータスおよび例外が、主要なステークホルダに電子メールで自動的に通信されるように設定することもできます。
実績例外レポートの詳細は、「実績例外レポート」を参照してください。
プロジェクトの現行ステータスは即時に簡単に検討でき、次に、プロジェクトとそのタスクを詳細に検討するためにドリルダウンできます。この機能を使用すると、検索基準を使用してプロジェクトを検索できます。プロジェクト、タスク、資源の要約金額を検討でき、様々な資源リストを使用して実績金額や取引約定金額を検討できます。
Oracle Projectsでは、原価、取引約定、収益および予算金額に対する様々なレベルのプロジェクト要約金額が、プロジェクト、タスクおよび資源別に保守されます。現在および当初の予算金額を検討し、これらを実績金額や取引約定金額と比較するなど、プロジェクト要約金額を検討すると、プロジェクトの状態を迅速に判別できます。ドリルダウンすると、プロジェクトまたは選択したタスクの資源に対する要約金額を参照できます。実績および予算の表示に使用する資源リストを選択できます。また、分析のために、プロジェクト・ステータス照会データをExcelスプレッドシートにエクスポートできます。
プロジェクト・ステータス照会の詳細は、「プロジェクト・ステータス照会」を参照してください。