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Oracle® Enterprise Managerライフサイクル管理ガイド
12cリリース5 (12.1.0.5)
B66837-13
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22 Middlewareプロビジョニングの概要

プロビジョニングでは、異なるプラットフォーム、環境および場所でのソフトウェア、アプリケーションまたはサーバーの、繰り返し可能で信頼性のある、無人の自動化されたスケジュール済一括デプロイメントを行います。

Middlewareプロビジョニングでは、自動デプロイメント・プロシージャを使用したOracleホームおよび構成ドメインのリモート・インストールを行います。デプロイメント・プロシージャは、Cloud Controlによって監視されている1つ以上のホストで一連の操作を実行することを目的とした、一連の事前定義された手順です。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

22.1 Middlewareプロビジョニングの概要

プロビジョニングは、WebLogicドメイン、Java EEアプリケーション、コヒーレンス・ノードおよびクラスタ、SOAアーティファクトおよびコンポジット、Oracle Service Busリソース、Oracle BPELプロセス、Oracle Application ServerおよびOracle WebCenterなどのミドルウェア・アーティファクトのプロビジョニングを可能にするライフサイクル管理の一部として提供される重要なソリューションです。

次の図に、Cloud Controlにより提供されるMiddlewareプロビジョニング・ソリューションを示します。

Middlewareプロビジョニング・ソリューション

Cloud Controlで効果的にこれらのデプロイメント・プロシージャおよびプロファイルを管理するため、プロファイルおよびデプロイメント・プロシージャの作成、表示およびプロビジョニングなどのMiddlewareプロビジョニングに関連するすべての機能を公開する集中型Middlewareプロビジョニング・ページがあります。このページにアクセスするには、「エンタープライズ」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「Middlewareプロビジョニング」をクリックします。

middleware_home_page.gifについては前後の文で説明しています。

ターゲット・ホームページからプロファイル・ページを起動できます。これには、「ターゲット」メニューから「ミドルウェア」を選択します。SOAドメインなどのドメイン・タイプのターゲットを選択します。「WebLogicドメイン」メニューから、「プロビジョニング」を選択します。このメニューのオプションを使用すると、WebLogicドメインまたはOracleホームに基づいてプロビジョニング・プロファイルを作成できます。

target_launch_prov.gifについては前後の文で説明しています。

「Middlewareプロビジョニング」ページは、次のセクションに分類されます。

プロファイル

プロファイル・セクションには、作成したすべてのプロビジョニング・プロファイルとアクセスが付与されているプロファイルがリストされます。次の操作を実行できます。

  • プロファイル詳細を表示するには、プロファイルをクリックします。

  • 「プロファイル」表に表示する内容に基づいてプロファイルをフィルタします。これを実行するには、「表示」メニューからプロファイルの表示を選択し、表示するオプションをクリックします。たとえば、「すべて」をクリックした場合、すべてのプロファイルが表示されます。

  • WebLogicドメインまたはOracleホームをクローニングするには、プロファイルを選択し、「プロビジョニング」をクリックします。

  • 新規プロファイルを作成するには、「作成」メニューからオプションを選択します。

  • 既存のプロファイルを削除するには、プロファイル名を選択して「削除」をクリックします。

デプロイメント・プロシージャ

デプロイメント・プロシージャ・セクションには、すべてのOracle提供のデプロイメント・プロシージャ、作成したカスタム・デプロイメント・プロシージャ(CDP)、(ログインした管理者に)アクセスが付与されているプロシージャがリストされます。リストからデプロイメント・プロシージャを選択し、デプロイメント・プロシージャに対して次のいずれかの操作を実行します。

  • デプロイメント・プロシージャを実行するには、プロシージャを選択し、「起動」をクリックします。

  • Oracle提供のデプロイメント・プロシージャのコピーを作成するには、「類似作成」をクリックします。

  • ユーザーが所有するデプロイメント・プロシージャを削除するには、プロシージャを選択して「削除」をクリックします。Oracle提供のプロシージャを削除できないことに注意してください。

  • デプロイメント・プロシージャを編集するには、プロシージャを選択して「編集」をクリックします。

    注意: Oracleが提供するプロシージャを編集することはできません。プロシージャを編集するには、最初に「類似作成」オプションを使用して、Oracleが提供するプロシージャをクローニングする必要があります。これで、所有する、新しくクローニングしたプロシージャを編集できます。これを実行するには、「編集」をクリックします。

  • 他の管理者に特定のデプロイメント・プロシージャのEM_PROVISIONING_OPERATORロールなどのアクセス権を付与するには、「権限の編集」をクリックします。

22.2 Oracle Fusion Middlewareプロビジョニングの用語

この項で一覧表示されている用語の定義は、この章で説明されているミドルウェアの概念の理解に役立ちます。

  • WebLogicドメイン: WebLogicドメインは、Javaコンポーネントの論理的関係があるグループです。ドメインには、管理サーバーと呼ばれる特別なWebLogic Serverインスタンスが含まれます。これは、ドメイン内のすべてのリソースを構成、管理する中心ポイントです。通常、ドメインは、管理対象サーバーという追加のWebLogic Serverインスタンスを含めるように構成します。Webアプリケーション、EJB、Webサービスやその他のリソースなどのJavaコンポーネントを管理対象サーバーにデプロイし、構成および管理の目的にのみ管理サーバーを使用します。

  • 管理サーバー: 管理サーバーは、ドメイン全体を構成するための集中管理エンティティとして動作します。ここにはドメインの構成ドキュメントが保持され、構成ドキュメントの変更がここから管理対象サーバーに配布されます。管理サーバーは、ドメイン内のすべてのリソースを監視できる中央の場所です。WebLogic Serverのドメインごとに、管理サーバーとして動作するサーバー・インスタンスが1つ必要です。

  • 管理対象サーバー: 管理対象サーバーでは、ビジネス・アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよびそれらに関係するリソースがホストされます。パフォーマンスを最適化するために、管理対象サーバーは、ドメインの構成およびセキュリティ・ドキュメントの読取り専用のコピーを維持します。管理対象サーバーが起動すると、ドメインの管理サーバーに接続して、その構成ドキュメントと管理サーバーに保持されているドキュメントが同期化されます。

  • ノード・マネージャ: ノード・マネージャは、Oracle WebLogic Serverと別個のプロセスとして実行されるJavaユーティリティです。これにより、管理サーバーとの位置関係にかかわらず、管理対象サーバーの一般的な操作を実行できます。ノード・マネージャの使用はオプションですが、Oracle WebLogic Server環境で高可用性が必要なアプリケーションをホストする場合、メリットがあります。

    管理対象サーバーをホストするコンピュータでノード・マネージャを実行する場合には、管理コンソール、Fusion Middleware Controlコンソールまたはコマンド行を使用して、管理対象サーバーをリモートで起動および停止できます。ノード・マネージャを使用して、予期しない障害が発生した後に、管理対象サーバーを自動的に再起動することもできます。

  • WebLogic Serverホーム: WebLogic Serverホームには、WebLogic Serverをホストするために必要な、インストール済のファイルが含まれています。WebLogic Serverホームのディレクトリは、Oracleホームのディレクトリのピアで、ミドルウェア・ホームのディレクトリ構造の内部にあります。

  • Middlewareホーム: Middlewareホームは、Oracle WebLogic Serverホーム、および必要に応じてOracle共通ホームと1つ以上のOracleホームのコンテナです。ミドルウェア・ホームは、ローカル・ファイル・システムに配置できますし、NFSを介してアクセス可能なリモート共有ディスクにも配置できます。

  • Oracleホーム: Oracleホームには、特定の製品をホストするために必要な、インストール済のファイルが含まれています。たとえば、SOA Oracleホームには、Oracle SOA Suiteのバイナリとライブラリ・ファイルを含むディレクトリが配置されます。Oracleホームは、ミドルウェア・ホームのディレクトリ構造の内部にあります。

  • クローニング: ドメイン内に存在するWebLogicドメイン・バイナリおよびOracleホーム・バイナリのコピーを作成するプロセスは、クローニングと呼ばれます。通常、クローニングはWebLogicドメインレベルで実行されます。Fusion Middlewareドメインのクローニングは、既存のターゲットから実行するか、プロビジョニング・プロファイルを使用して行います。

  • プロビジョニング・プロファイル: プロファイルは、ライブWebLogicドメインまたはOracleホームのスナップショットですが、単に製品スイートに関する一連のインストール・メディア・アーカイブを含むだけの場合もあります。プロファイルは、Cloud ControlからまたはEnterprise Managerコマンドライン・インタフェースまたはREST APIを使用して作成できます。

  • ゴールド・イメージ: ゴールド・イメージは、Oracleホームのバイナリおよびライブラリ・ファイルを含む単一のイメージです。

    Oracle Fusion Middleware 11g,の場合、Middlewareホームは複数の製品固有のOracleホームを含む最上位ディレクトリでした。次に例を示します。

    [user1@slc01avn middhome]$ ls
    Oracle_OSB1  Oracle_SOA1  coherence_3.7  domain-registry.xml  logs  modules  oracle_common  osb  patch_ocp371  patch_wls1036  registry.dat  registry.xml  utils  wlserver_10.3
    

    Oracle Fusion Middleware 12cの場合、Middlewareホームの概念がありません。OracleホームとしてのMiddlewareホーム自体の機能とSOA、OSB、WebCenterなどのミドルウェア製品が直接このフォルダ内にインストールされます。次に例を示します。

    [user1@slc01avn OH12JRF]$ ls
    OPatch  cfgtoollogs  crs  em   install    jdeveloper  ldap  mft      nls  oep  oraInst.loc    oracore  oui   plsql    rdbms    root.sh.old    root.sh.old.2  soa      srvm     wlserver
    bin     coherence    css  has  inventory  jlib        lib   network  odi  ohs  oracle_common  osb      perl  precomp  root.sh  root.sh.old.1  slax           sqlplus  webgate  xdk
    
  • スケール・アップ: ドメインまたはクラスタにすでに存在するホストに管理対象サーバーを追加またはクローニングする場合。

  • スケール・アウト: ドメインまたはクラスタに存在していないホストに管理対象サーバーを追加またはクローニングする場合。

22.3 Middlewareプロビジョニング・プロシージャのサポートされるユースケース

この項では、ミドルウェア領域でサポートされるすべてのユースケースおよびプロビジョニング対象の対応するターゲットをリストします。

この項の具体的な内容は次のとおりです。

22.3.1 ミドルウェア・ドメインおよびOracleホームのプロビジョニング

この表では、SOAドメイン、Oracle Service Bus (OSB)ドメイン、WebLogicドメイン、WebCenterドメインおよびOracleホームのデプロイに関するユースケースを示します。

表22-1 ミドルウェア・ドメインおよびOracleホームのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

Fusion Middlewareのプロビジョニング

  • WebLogic Serverインストール・メディアに基づくプロファイル

  • WebLogic Serverゴールド・イメージ・プロファイルに基づくプロファイル

  • WebLogicドメイン・プロファイル

  • 既存のWebLogic Serverミドルウェア・ホーム・プロファイル

WLS 12.1.x、10.3.x.

第23章


Fusion Middlewareのプロビジョニング

  • SOAインストール・メディアに基づくプロファイル

  • SOAゴールド・イメージに基づくプロファイル

  • SOAドメイン・プロファイル

  • 既存のSOAミドルウェア・ホーム

SOA Domain 11g, 12.1.3

第24章


Fusion Middlewareのプロビジョニング

  • OSBインストール・メディアに基づくプロファイル

  • OSBゴールド・イメージに基づくプロファイル

  • OSBドメイン・プロファイル

  • 既存のOSBミドルウェア・ホーム

OSB Domain 11g, 12.1.3

第25章


Fusion Middlewareのプロビジョニング

  • WebCenterインストール・メディアに基づくプロファイル

  • WebCenter Serverゴールド・イメージに基づくプロファイル

  • WebCenterドメイン・プロファイル

  • 既存のWebCenterホーム・プロファイル

Oracle WebCenter Portal - 11g

Oracle WebCenter Content - 11g

第26章



22.3.2 WebLogic Serverドメイン、SOAドメイン、Oracle Service BusドメインおよびWebCenterドメインのスケーリング

この表では、既存のSOAドメイン、Oracle Service Bus (OSB)ドメイン、WebLogicドメインのスケーリングに関連するユースケースを示します。

表22-2 SOAドメイン、OSBドメイン、WLSドメインおよびWebCenterドメインのスケーリング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

WLSドメインのスケーリング

WLS 12.1.x、10.3.x.

29.3項


ミドルウェアのスケール・アップまたはスケール・アウト

SOAドメインのスケーリング

SOA Domain 11g

29.3項



OSBドメインのスケーリング

OSB Domain 11g

29.3項



WebCenterドメインのスケーリング

Oracle WebCenter Portal - 11g

Oracle WebCenter Content - 11g

29.3項



22.3.3 Java EEアプリケーションのデプロイ/再デプロイ/アンデプロイ

この表では、Java EEアプリケーションのデプロイ、アンデプロイおよび再デプロイに関連するユースケースを示します。

表22-3 Java EEアプリケーションのデプロイ、アンデプロイまたは再デプロイ

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

Java EEアプリケーションのデプロイおよびアンデプロイ

Java EEアプリケーションのデプロイ

WebLogicバージョン10.3.1以上(12.1.1および12.1.2を含む)間でのJava EEアプリケーションのデプロイ。

30.6.1項



Java EEアプリケーションのアンデプロイ

WebLogicバージョン10.3.1以上(12.1.1および12.1.2を含む)間でのJava EEアプリケーションのアンデプロイ。

30.6.3項



Java EEアプリケーションの再デプロイ

WebLogicバージョン10.3.1以上(12.1.1および12.1.2を含む)間でのJava EEアプリケーションの再デプロイ。

30.6.2項



22.3.4 コヒーレンス・ノードおよびクラスタのプロビジョニング

この表では、コヒーレンス・ノードを正常にデプロイするユースケースを示します。

表22-4 コヒーレンス・ノードおよびクラスタのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

コヒーレンス・ノードのプロビジョニング

コヒーレンス・ノードおよびクラスタのデプロイ

Oracle Coherence 3.5、3.6および3.7。

Oracle Coherence 12.1.2スタンドアロン・バージョン。

31.3.3項



22.3.5 SOAアーティファクトのプロビジョニング

この表では、様々なSOAアーティファクトを正常にデプロイするユースケースを示します。

表22-5 SOAアーティファクトのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

SOAアーティファクトのプロビジョニング

参照インストールからのSOAアーティファクトのプロビジョニング

Oracle SOA Suite 11gR1 (11.1.1.2.0から11.1.1.7.0)。

  • SOAコンポジット

  • Oracle WebLogic Serverポリシー

  • アサーション・テンプレート

  • JPSポリシーおよび資格証明ストア

  • ヒューマン・ワークフロー

  • Oracle B2B

32.4.1項



ゴールド・イメージからのSOAアーティファクトのプロビジョニング

Oracle SOA Suite 11gR1 (11.1.1.2.0から11.1.1.7.0)。

  • SOAコンポジット

  • Oracle WebLogic Serverポリシー

  • アサーション・テンプレート

  • JPSポリシーおよび資格証明ストア

  • ヒューマン・ワークフロー

  • Oracle B2B

32.4.2項


SOAコンポジットのデプロイ

SOAコンポジットのプロビジョニング

Oracle SOA Suite 11gR1 (11.1.1.2.0から11.1.1.7.0)

SOAコンポジット

第32.5項



22.3.6 Oracle Service Busリソースのプロビジョニング

この表では、OSBリソースを正常にデプロイするユースケースを示します。

表22-6 Oracle Service Busリソースのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

Oracle Service Busリソース・プロビジョニング

OSBドメインからのOSBリソースのプロビジョニング

Oracle Service Bus 2.6.0 - 2.6.1, 3.0.0, 10.3.0.0 - 10.3.1.0, 11.1.1.3.0 - 11.1.1.7.0, 12.1.3.0.0

33.3項



ソフトウェア・ライブラリからのOSBリソースのプロビジョニング

Oracle Service Bus 2.6.0 - 2.6.1, 3.0.0, 10.3.0.0 - 10.3.1.0, 11.1.1.3.0 - 11.1.1.7.0, 12.1.3.0.0

33.5項



22.3.7 Oracle BPELプロセスのプロビジョニング

この表では、BPELリソースを正常にデプロイするユースケースを示します。

表22-7 Oracle BPELプロセスのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

BPELプロセスのプロビジョニング

BPELプロセスのプロビジョニング

Oracle BPEL Process Manager 10.1.3.1、10.1.3.3および10.1.3.4のBPELプロセス。

第34.3項



22.3.8 Oracle Application Serverのプロビジョニング

この表では、Oracle Application Serverを正常にデプロイするユースケースおよびプロビジョニングできる様々なターゲットを示します。

表22-8 Oracle Application Serverのプロビジョニング

デプロイメント・プロシージャ ユースケース プロビジョニングされるターゲット リンク

Application Server Deployment 10.1.3

Application Server 10.1.3.xのプロビジョニング

Oracle Application Server 10gリリース3 (10.1.3.4および10.1.3.5)

デプロイされるコア・コンポーネント。

  • アプリケーション層

  • Web層

35.3項


Application Server Deployment 10.1.3.xSOA3

Application Server 10.1.3.xとSOA Suite 10.1.3.xをともにプロビジョニング

Oracle SOA Suite 10g (10.1.3.x)は、Oracle Application Server 10gリリース3 (10.1.3.4および10.1.3.5)のアプリケーション層およびWeb層とともにデプロイされます。

35.4項