プロファイルをアクティブまたは非アクティブにする

ユーザー定義の NCP、場所プロファイル、および ENM にはすべて、activation-mode プロパティーが存在します。各プロファイルで許容される値は、プロファイルのタイプで決まります。

プロファイルや構成オブジェクトを手動で有効または無効 (アクティブまたは非アクティブ) にするには、netadm enable コマンドまたは netadm disable コマンドを使用します。指定されたプロファイルの activation-mode プロパティーが manual に設定されている場合は、システム定義とユーザー定義の両方のプロファイルを有効および無効にすることができます。netcfg コマンドを使用してプロファイルを作成または変更すると、activation-mode プロファイルが設定されます。詳細は、「NWAM プロファイルをアクティブにする方法」を参照してください。

システムには常に、1 つのアクティブな NCP と 1 つのアクティブな場所プロファイルが必要です。activation-mode を manual にして別の NCP または場所を有効にすると、現在アクティブな NCP または場所プロファイルが暗黙的に非アクティブになります。activation-mode プロパティーが manual に設定されている場合は、現在の場所も非アクティブにすることができます。その他の場所が使用できない場合、NWAM はシステム定義の場所 (場所「Automatic」、または IP の構成に成功した場合は場所「NoNet」) のいずれかに戻ります。条件付きおよびシステムの場所は、手動でアクティブにすることができます。つまり、明示的に無効にするまで、場所はアクティブのままです。この動作によって、条件付きの場所プロファイルを「常にオン」の状態に簡単に切り替えることができます。条件付きの場所を無効にすると、システムは通常の条件付き動作に戻ります。場所を手動で有効にした場合は、条件付きで有効化された場所の条件を満たしていても、場所は変更されません。

個々の NCU を手動で有効または無効にすることもできます。指定された NCU は現在アクティブな NCP の一部にする必要があり、activation-mode プロパティーを manual にする必要があることに注意してください。NCU クラスが指定されていない場合は、すべての NCU (その名前の 1 つのリンク NCU と 1 つのインタフェース NCU) がアクティブまたは非アクティブになります。

オブジェクトのアクティブ化と非アクティブ化は非同期的に実行されます。したがって、有効または無効にする要求に成功しても、操作 (アクティブ化または非アクティブ化) には失敗する場合もあります。この種類の失敗はプロファイルの状態に反映され、プロファイルで最後に行われた操作に失敗したことを示す maintenance 状態に変わります。プロファイルの状態の表示については、「プロファイルの状態に関する情報を取得する」を参照してください。

例 5-2 プロファイルを有効にする

プロファイルを手動で有効にするための構文は、次のとおりです。

netadm enable [ -p profile-type ][ -c ncu-class ] profile-name

プロファイル名が一意でない場合 (たとえば、システム上に同じ名前のプロファイルが複数存在するが、タイプは異なる場合)、プロファイルタイプも指定する必要があります。

-p オプションを使用すると、次のプロファイルタイプのいずれかを指定できます。

• ncp

• ncu

• loc

• enm

構成オブジェクトのタイプが ncu の場合は、-c オプションを使用すると、NCU クラスを区別できます。-c オプションは、システム上に同じ名前の NCU が 2 つ存在するときに役立ちます。

-c オプションを使用する場合は、phys または ip のどちらかのクラスタイプを指定する必要があります。

次の例では、office という場所が有効になっています。

$ netadm enable -p loc office

ここで、profile-type は loc、profile-name は office です。この例では、プロファイルタイプは場所であり、NCP ではないため、-c ncu-class オプションが使用されていないことに注意してください。

$ netadm enable -p ncp user
Enabling ncp 'User'
.
.
.

プロファイル名を指定する際に、netadm コマンドでは大文字と小文字が区別されないことに注意してください。

例 5-3 プロファイルを無効にする

プロファイルを手動で無効にするための構文は、次のとおりです。

netadm disable [ -p profile-type ][ -c ncu-class ] profile-name

プロファイル名が一意でない場合は、プロファイルタイプも入力する必要があります。

-p オプションを使用すると、次のプロファイルまたはオブジェクト型のいずれかを指定できます。

• ncp

• ncu

• loc

• enm

構成オブジェクトのタイプが ncu の場合は、-c オプションを使用して、NCU クラスを区別する必要もあります。

NCU クラスには、phys と ip のいずれかを指定する必要があります。

たとえば、net1 という名前のリンク NCU を手動で無効にするには、次のコマンドを入力します。

$ netadm disable -p ncu -c phys net1

ここで、profile-type は ncu、ncu-class は phys、profile-name は net1 です。この例では、構成オブジェクトが NCU であるため、-c ncu-class オプションが使用されていることに注意してください。

例 5-4 プロファイルの切り替え

アクティブな NCP を変更して、手動構成を有効にするには、次のコマンドを入力します。

$ netadm enable -p ncp DefaultFixed

同様に、Automatic NCP で 自動 (NWAM) 構成を有効にするには、次のコマンドを入力します。

$ netadm enable -p ncp Automatic

netadm の詳細は、netadm(1M) のマニュアルページを参照してください。